真・恋姫無双 雌雄の御遣い 第九話 |
〜鞘華視点〜
「なんだ、別に一刀を私達だけの者にしようって訳じゃない
もう3人も娶っているなら、雪蓮と蓮華も加えてくれって言ってるだけだぞ」
「「「まだ、誰も娶って貰っていません!」」」
3人が炎蓮の言葉に反論する
「そうなのか
一刀〜、据え膳食わぬは男の恥って言葉は天には無いのか?」
有るけど、そういう事を言わないでよ
一君も炎蓮の要請をはっきり断りなさいよ
なんで、私達だけこんな恥ずかしい思いをしなくちゃならないの!
「一君、さっさと行きましょう!」
私が一君の手を掴み外に向かおうとすると
「おい、おい 私の要請が気に入らないからって日も暮れてから出て行くことも無いだろう
一晩くらい、泊まっていきな」
言われて気付いたが外はもう暗かった
でも、泊まって行ったら今晩・・・
「そんなに心配なら4人共、同じ部屋で寝ると良い」
炎蓮は私の考えを読んだかのような発言をする
でも、そんな事出来る訳ないでしょ!
「部屋は別々でお願い
一君!信じてるからね!!」
「信じてるって感じの言い方には聞こえないわよ〜」
雪蓮が茶々を入れてくる
うるさい、あんたが一番心配なのよ
結局、一晩泊まることになった
〜一刀視点〜
一晩泊まる事になり寝る前に風呂を勧められた
鞘姉たちはそれまでの不満顔はどこへやら
喜々として風呂に入った
俺は鞘姉たちが出た後、一人で入っていた
しばらくすると突然、風呂の扉が開いて雪蓮が入って来た
大きなタオルで体を隠しているが、雪蓮程の若く、美人で、体型の良い人が入ってきたのでうろたえる
「そんなに、慌てなくてもいいんじゃない
別に、誘惑しに来たわけじゃなくて、二人で話したかったのよ」
雪蓮はそう言って湯船に入り、俺の隣に座った
「ねえ、なんで母様の要請を断ったの
私も蓮華もそんなに魅力ないかな?」
「そんな訳無いだろ
二人共、すごく魅力的だよ」
雪蓮が残念そうに言うので、真顔で反論した
「じゃ、何で?
まさか、あの娘達が怖いからなんて言わないわよね」
「これは、俺の考え方なんだけど誰かを抱くなら相手に本当に俺を気に入って欲しい
そして、俺はその人の一生を受け入れたい
子供をつくるってそういう事だと思うから」
雪蓮に答える
「ふ〜ん、私達を抱いて此処に居てくれるって選択肢は無いの?」
「まだこの国の有力者を見て回りたいからね」
俺が答えると雪蓮は
「分かったわ、今回は諦める
でも、次はそうは行かないわよ」
そう言って風呂から出て行った
余談ながら雪蓮が風呂から出た時、鞘姉に見つかったらしく俺は3人に目が笑っていない笑顔で尋問された
〜鞘華視点〜
一君を3人で尋問したがどうやら何もなかったらしい
翌朝、私達は出立する時に炎蓮が
「気をつけてな 最近黄色い布を身に着けた大掛かりな暴徒が各地で起きている」
黄巾党の事ね
「それと、これは助けてくれた礼だ」
と言って馬を一頭くれた
炎蓮、それは礼になってない
「まあ、今は兎も角 いつまでもこのままと言う訳にもいかんだろ」
私の考えを読んだのか、一般論を言っただけなのか
「じゃあ、次は逃がさないからね〜」
絶対、渡さないからね
炎蓮達と別れた私達は北へ向かった
ぜひ会ってみたい曹操の領地へと
3日後、進行中の軍と遭遇した
旗印は『曹』
目的の人物なので面会を求める事にした
その際、静里から
「一刀様、鞘華様、曹操と会えたなら今回は鞘華様が話した方が良いでしょう
曹操は女好きで有名なので一刀様だと侮ってくる可能性があります」
曹操は女性じゃないの?
「女性ですよ 女性なのに女好きなんです」
静里の言葉に頭を抱えた
私は男性よりも同性に人気があった 特に年下に
此方の世界でも同じことで悩む事になりたくないんだけどな〜
曹操に面会を求めると意外にも簡単に会えた
「貴方達が『天の御遣い』の北郷とその一行ね」
面会を求めた時に名乗ったが改めて全員自己紹介する
「桂花、どう思う?」
「そうですね、女北郷と関羽、徐庶は配下に加える価値はあると思います
でも、その男は今すぐ追い出すべきです!
その男はどうせ能無しのくせに三人にくっついて美味しい思いをしようとしているだけです
そんな奴を配下に加えたら華琳様の名が落ちます」
酷い言い様ね 私が反論しようとしたら
「むしろ貴女の方が能無しでしょう」
静里が言い放った
「何ですって!?」
桂花と呼ばれた娘が激昂するが静里は動じず
「そうでしょう 個人の能力を性別が男と言うだけで見下す
そんな人間に軍師が務まるのですか?
軍師なら人の能力は性別などでは無く客観的事実を以て判断するべきです
それが解らない貴女は軍師失格です」
静里が正論で論破する
相手は悔しそうだが何も言えなくなっている
「確かに貴女の言う通りね
で、貴方達は私に何故、会いたかったの?」
曹操が話を振り出しに戻す
「単に貴方を見極めたかったの
直ぐには判断しかねるけどね」
「そう、ならば今回の討伐に同行しなさい
黄巾の息の根を今回で止めるわ
それまでに私を見極めなさい」
私達は曹操の申し出を受ける事にした
〜あとがき〜
静里は「舞い降りし」でも君主を莫迦にする人には正論で論破しました
今回の相手は桂花でした
更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです
説明 | ||
一刀達の旅は続く | ||
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コメント | ||
もし華琳が無印の魔王なら、桂花に賛同して一刀を排除するでしょうね。何せ、「天下の女の子を独り占めにする」のが天下統一の本当の目的ですから。その辺り、真においては実力重視の覇王へと変わった華琳と魔王の王佐のままである桂花とは認識のずれがあるようです。(h995) 一刀もただの節操無しってわけじゃないしな。線引きはするだろ。馬は江東のあたりでは貴重品だから礼としてはそれなりだと思うけど……まあ困窮してるしな。それを解決するために一刀を取り込もうとしたんだろうが、アテが外れた形に。さて、桂花はいつもの桂花。だが華琳は一刀をどう評価するだろう。鞘華ばかりに目が行きそうだけどね。(Jack Tlam) |
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