ヒルヤスミ

央共学園初等部/廊下

この初等部に給食はない。持参した弁当を食べるか、購買で買うかのどちらかになる。

僕は後者だ……いや、正確には、源さんが弁当を作ってくれるんだけど、肉ばかりだから受け取る前に登校するよう心掛けている。

かと言って僕がいくら『肉は食べれない』って言っても、『好き嫌いは良くない』と言って聞いてくれない。

そんな訳で、今日も弁当を受け取らず購買に向かう。

肉が苦手なのも悪い事ばかりではなく利点もある、生徒間の争奪戦に入らなくていい事だ。

ここの生徒の多くは肉好きだ、それ故に肉系統の商品ばかり売り切れが早い。

逆に雑穀類やその他の野菜などの植物系はというと、それなりに余ったりする事が多い。

だからある意味、この学校で良かったと思っている。

もし僕が肉好きだったら……

「僕のプランクトンパン返してよぉ！」

「うっせーな、ノーマルの魚介系だから良いだろ？俺ぁクジラ系統だからたんねーんだっての」

「てめぇ俺の肉喰ったろ！」

「俺が買って来た奴なんだから俺の勝手だ！」

「魚ぁぁぁぁぁぁ！」

「君は虫が主食だろ！？種族的に考えて！！」

……とまぁあんな感じの奪い合いの中にいたのかもしれない

モンスターによっても種族柄の主食や好物があるようで、例えば源さん竜人は龍系統で、肉好きと言う感じだ。

あの争いをみていると、雑食で良かったと割と本気で思う事がある

央共学園初等部/屋上

晴れた日に昼ご飯を買ったら、一人でゆっくりとご飯を食べる為に屋上に行っている。

青空を眺めながらご飯を食べると何だか落ち着く……

出勤中、人ごみにいると息がつまると言う会社員が食べる昼食もこんな感じだろうか……

食べ終わった後、次の授業まで日向ぼっこして寝ている、これがかなり気持ちいい……

寝そべると屋上の汚れが付くとか言われるが、この心地よさを知ってしまえば些細な事だ。

残りの授業が終わったら、ホームルーム、そして下校だ。この日はハイマ……姉さんに呼ばれてるんだっけ、帰るのも先になりそうだ。

そう言えば、『姐さんのとこに行く前に俺んとこに来い』ってガンゾーに言われたっけ、一体何の用なんだろ……

キーンコーンカーンコーン……

あ、予鈴が鳴った、そろそろ次の授業に行かないと……