英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜 |
〜カレル離宮・式典の間〜
「え…………」
「貴女達は……!」
リフィア達が式典の間に入るとエリスは呆けた表情で、レーグニッツ知事は驚きの表情でリフィア達を見つめていた。
「あ……」
「うむ、無事で何よりじゃ!」
エリスの姿を見たエリゼは呆け、リフィアは口元に笑みを浮かべて頷いた。
「ね、姉様…………本当に姉様なのですか……?」
「ええ……!良かった、無事で……!」
信じられない表情で自分を見つめるエリスにエリゼは微笑みながら近づき、エリスを抱きしめた。
「リ、リフィア皇女殿下!?それにメンフィル兵達まで……!」
「ま、まさかこの騒ぎはリフィア殿下達が……?」
「どうしてメンフィルの方々がこちらに……?」
「……………………もしやエリス嬢の救出に参ったのか?」
エリゼと共に近づいてきたリフィアの姿を見たレーグニッツ知事は驚き、セドリック皇子は信じられない表情をし、プリシラ皇妃は戸惑い、エレボニア皇帝―――ユーゲント三世は真剣な表情でリフィア達を見つめて尋ねた。
「え………………」
ユーゲント三世の言葉を聞いたエリスは呆け
「―――その通りだ。エリスは余が信頼する家臣エリゼ・シュバルツァーの妹にしてメンフィルの民。エリスは返してもらうぞ、ユーゲント三世!」
リフィアは怒りの表情でユーゲント三世を睨みつけた。
「リ、リフィア殿下?何故、そんなに怒っているんですか……?」
「殿下!無理を承知でお願いします!せめて陛下達だけでもメンフィルで保護してください!」
リフィアの様子にセドリック皇子は戸惑い、レーグニッツ知事は真剣な表情で声を上げてリフィアを見つめ
「構わん、レーグニッツ。……リフィア皇女。今まで貴国の民であり、貴女が懇意にしている家臣の家族であるエリス嬢に不自由をかけてしまい、申し訳なかった。今この場でエリス嬢を貴国にお返しする。―――エリス嬢、私達の不徳で他国の民であるお主やテオ達に迷惑をかけた上、テオ達の娘であるお主にまで不自由をかけてしまって申し訳なかった。私達の事は気にせず、お主はテオ達―――家族の許に戻り、内戦が終結するまではユミルにて平穏な生活を送るといい。」
「へ、陛下……?陛下達は私と共に脱出しないのですか……?」
レーグニッツ知事を制したユーゲント三世に謝罪されたエリスは戸惑いの表情で尋ねたが
「―――それは無理よ、エリス。メンフィル帝国は”自国と敵対する国の皇族や民を助ける義理はない”もの。」
「え…………」
エリゼの答えを聞いて呆けた。
「メ、メンフィル帝国と敵対する国の皇族って…………」
「なっ!?ま、まさか……!」
「もしや貴族連合がメンフィル帝国に対して何らかの敵対行動を取ってしまった為、メンフィル帝国とエレボニア帝国は戦争状態にまで陥ってしまったのですか……?」
「…………………」
一方セドリック皇子は信じられない表情をし、レーグニッツ知事は血相を変え、プリシラ皇妃は表情を青褪めさせ、ユーゲント三世は重々しい様子を纏って黙り込んでいた。
「…………――――エリゼ。お主は”帰還の耳飾り”で先にエリスと共に艦内に戻れ。余はユーゲント三世に伝えるべき事がある。リーシャもご苦労だったな。お主も作戦前に渡しておいた”帰還の耳飾り”で艦内に戻ってベルガード門に送るまで身体を休めてくれ。」
リフィアは厳しい表情でユーゲント三世達を見回した後エリゼとリーシャに指示をし
「わかったわ。」
「―――わかりました。お言葉に甘えて、お先に失礼します。」
「ね、姉様!一体どういう事なのか説明―――」
リフィアに指示されたエリゼは”帰還の耳飾り”を使ってエリスと共に離宮の郊外に停泊している戦艦へと転移し、リーシャも続くように”帰還の耳飾り”を使って転移してその場から消えた。
〜同時刻・バルフレイム宮〜
「クッ…………この私がここまで追い詰められるなんて……!」
一方その頃プリネ達との戦闘によってクロチルダは満身創痍の状態で地面に膝をつき、巨大な魔獣へと変化していたグリアノスは力を使い果たしたのか、元の小鳥に戻って疲弊した様子でクロチルダの肩に止まり、またクロチルダの周囲にはメンフィル兵達によって討ち取られた近衛兵達の死体が倒れていた!
「ば、馬鹿な……精強なラマール領邦軍の中でも選りすぐりの精鋭達が…………メンフィル兵の一人も討ち取れずに敗れた…………だと…………!?」
カイエン公爵は全滅した近衛兵達に対し、一人たりとも討ち取られていないメンフィル兵達を見回して信じられない表情をし
「我ら親衛隊を舐めるな!我らは精強なメンフィル軍の中でも皇族の守護という誇りある大任を任された者!そのような雑魚共と我らを一緒にするな!」
「グググググ……ッ!」
メンフィル兵の一人が言った言葉を聞き、悔しそうな表情で唇を噛みしめた。するとその時通信の音が鳴り、音に気付いたツーヤはクロチルダを警戒しながら古代遺物(アーティファクト)を許に創られた通信機で通信を開始した。
「?……はい、こちらルクセンベール。エリゼさんですか。…………そうですか……!――――マスター、エリスさんの救出は完了したとの事です。」
「何だとっ!?」
「っ!!」
通信を終えた後プリネに言ったツーヤの言葉を聞いたカイエン公爵は信じられない表情で声を上げ、クロチルダは唇を噛みしめた。
「わかったわ。なら、もうここに用はないわね。――――総員、撤収!作戦は成功です!」
「御意!」
プリネの指示によってメンフィル兵達は次々と飛行艇の中に戻り
「―――”聖魔皇女”達の動きの速さに感謝しておくのだな、”蒼の深淵”。」
「命拾いしたね、キャハッ♪」
「―――もし次に戦う時があれば、”本気”でお相手しましょう。」
レーヴェは静かな表情でクロチルダを見つめ、エヴリーヌは口元に笑みを浮かべ、ペテレーネは真剣な表情でクロチルダを見つめた後転移魔法を発動し、プリネ達は転移魔法によってその場から消えようとした。
「待て!ルーファス君はどうした!?彼に手を出していないだろうな!?」
プリネ達が消えようとしたその時カイエン公爵はプリネ達を睨んで怒鳴った。
「…………帝都ミルスにて公開処刑された後保存されてある彼の遺体はエレボニア帝国とメンフィル帝国との外交問題や内戦が終結した後、ユーシスさんに渡す手筈になっています。―――それが答えです。」
「何だとっ!?」
「今回の件でメンフィルの怒りもしばらくは収まるだろう。これに懲りたらこれ以上メンフィルの逆鱗に触れるような事は止めておくのだな、”蒼の深淵”。」
「レオン……」
プリネとレーヴェがカイエン公爵やクロチルダに対して静かな表情で答えるとプリネ達は転移魔法の光に包まれてその場から消えた!
「―――総員、撤収!ここでの役割は果たした!各自”帰還の耳飾り”による撤退を開始しろ!!」
「ハッ!」
一方その頃バルヘイム宮のホールで戦闘を繰り広げていたルース率いるメンフィル兵達も”帰還の耳飾り”でその場から転移して次々と撤退し、バルヘイム宮から去って行った。
「な、何だ……?」
「撤退だと……?」
その様子を生き残った近衛兵達は呆然とした様子で見つめていた。
と言う訳でついにエリス救出です!!原作よりも明らかに早く救出されたエリス(エリゼ)は今後出番がZ組並みにあるのでご安心下さいww
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外伝〜エリス・シュバルツァー救出作戦〜後篇 | ||
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コメント | ||
本郷 刃様 もはや見せ場は第2部くらいしかないのではww ジン様 ええ、チートっぷりがもうすぐみれますww K'様 ええ、もうすぐパーティーインですww(sorano) エリスまさかのパーティーイン?今後パーティーを分割して行動する展開もあるということですか?(K') 次回はリィンのチートっぷりが読めるんですね。わかります。(ジン) Z組の活躍は今後に期待ww(本郷 刃) |
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