Run! Run! Run! ボカロット猛レース! 第1話 開幕! |
それは今からずっと先の未来、日本に沢山のロボットレース場が出来て、そこで行われるロボットレース『ボカロットレース』に、国民は熱狂してました。
ボカロットというロボットが、駆け足やホバリング走行で、コースを競争して順位によりポイントを稼ぎ、1年を通して行われるレースのトータル順位を競うレースです。
古来のF1とは違い、ロボットなので、武器による妨害や破壊行為がある、スリルを楽しめるレース。
レース出場は、各企業。そこからマシン、パイロット、メカニックなどを出場させ、各県に設置された専用コースで競います。
今年初参加の北海道の財閥、“ナガネギーコーポレーション”、ここからも、一人のパイロットが出場する事になりました。
(ナガネギーコーポレーション 社長室)
トントン
社長の初音三久(以下、三久):入りたまえ
専務のミクオ(以下、ミクオ):ねーちゃん、入ってよ
ガチャ
パイロットの初音ミク(以下、ミク):失礼します
三久:娘よ、今年もボカロットレースの開幕戦が開催されることになったわけだ。我が社は初参加組。しかし開幕戦の開催場所は、ここ、北海道にある、『ネオ札幌クリプトンシティレース場』、我が社の地元だ。初参加を称えるような、素晴らしく、そして大変嬉しいことだ
ミク:はい
三久:準備はしていたとしても、今年から何もかもがスタートするわけだ。規定通り、メカニックのミクオと一緒に、優勝目指して頑張って欲しい。いいね?
ミク:はい。了解してます
ミクオ:オレっちのボカロット、『ネギロイド01(ゼロワン)』は無敵だぜ! 安心安心!
ミク:…最終調整は出来てる?
ミクオ:え? えっと、出来てるよ
ミク:じゃあ、すぐにレース場に向かいましょう。機体の調子も見たいし…
ミクオ:わ、わかった
ミク:それでは準備がありますので、これで
ガチャ
三久:…おかしいな? ミクらしくないな
ミクオ:普段、あんなに明るいねーちゃんだったのに、今年はどうしたのかな? やっぱり初参加のプレッシャーなのかな?
三久:ミクオ、パイロットの調子も調整の1つとして、重々気を付けていてくれ
ミクオ:わかった。オレっちもすぐにいくよ
三久:頼む
こうして、ゼッケンナンバー01、『ナガネギーコーポレーション』チームのパイロットである“初音ミク”と、その機体、“ネギロイド01”、そしてクルー達は、トレーラーでレース場まで向かったのでした。
そして、同じ北海道に、有力候補とも言える企業『メイコ酒蔵株式会社』という企業があり、同じように社長を交えたミーティングが行われていました。
(メイコ酒蔵株式会社 社長室)
パイロットの咲音ちゃん(以下、咲音ちゃん):しゃっちょー、大丈夫っすよ! 今年も優勝、頂きますよ!
社長のメイコ(以下、メイコ):咲音ちゃん? 年間通してのレースっていうのは、そんな甘い物じゃないのよ? 確かに昨年は優勝したけど、年度始めは、ちゃんと気を引き締めないと…
専務のカイト(以下、カイト):そうですぞ、何事も初めが肝j
メイコ&咲音ちゃん:あんたは黙ってて
カイト:はひ…
咲音ちゃん:とにかく! 今年も勝つ気まんまんなのよ! で、今年の機体“は”何?
メイコ:今年は我が社の開発部の粋を集めた傑作、“アルコールエンジン試験ボカロット”の『へべれけ00(ダブルゼロ)』“よ!
咲音ちゃん:な、なんか脱力するような名前だけど、大丈夫なの?
メイコ:大丈夫! 今年のはエコも馬力も考えた傑作! 現地で確認してね
咲音ちゃん:わかった! じゃあ、クルーを集めて、出発するよ!
メイコ:頼むわね
カイト:頑張ってね
咲音ちゃん:はい!
こうして、ゼッケンナンバー00のチームの本拠地である、北海道の某所にある社屋から、1台の大型トレーラーが、レース場を目指して出発したのでした。
そんな事が北海道で行われている3日前、北海道以外の各地で、他のチームも準備を始めていたのでした。毎回高順位に食い込む成績を叩き出している、ネオ愛媛代表の土建企業、『ジナラシ組』。ここでもミーティングが行われていたのでした。
(ジナラシ組 組長室)
パイロットの鏡音リン(以下、リン):親方、準備、整いました!
パイロットの鏡音レン(以下、レン):いつでも出られます!
親方の鏡音以(カガミネ・ユキ)(以下、以):まぁ、なんだ、そう、気張るなや
専務の鏡音州(カガミネ・シュウ)(以下、州):そうですぞ、レースではいつも通り、リラックスするのが一番!
以:クルーの若い衆に、冷凍ミカンと冷凍バナナを持たせてある。道中、食べていくがいい
リン:ごっつぁんです!
レン:で、今年のマシンの調子はどうなんです?
州:それは私から簡単に。昨年のマシンをチューンナップさせておいた。ボカロット名も同じく『ロドローラ02(ツイン)』だ。今年も同じく、メインパイロットがリンで、武装などの担当をレンがやってくれたまえ
リン&レン:はい!
以:では、出発してくれ
こうして、ゼッケンナンバー02の『ジナラシ組』のチームは、ネオ愛媛の社屋ガレージから、トレーラーを出発させたのでした。
同じく、ネオ千葉の漁港近くに社屋を置く大手組合、『タコルカー鮮魚組合』も、出発前のミーティングをしていました。
(タコルカー鮮魚組合 組合長室)
組合長の巡音JIM(以下、JIM):Are you ready?
パイロットの巡音ルカ(以下、ルカ):Yes!(以降、日本語で書きます)
JIM:今年はなんか、北海道から新参者が出場するらしいな
ルカ:はい、ナガネギーコーポレーション、らしいです
JIM:“ナガネギー”か…。うちは漁業で、あっちは農産物。関わりがないわけではないが、なかなかの大手企業。十分気を付けてくれ
ルカ:承知してます。で、今年のボカロットは?
JIM:うむ。昨年は出力不足で成績が低迷したからな。今年は出力を総計で8倍にしておいた
ルカ:8倍? 確かレギュレーションがあるはずじゃぁ…
JIM:大丈夫だ。規約違反にはなってない。安心してくれ
ルカ:はぁ。では、出発します
JIM:頑張ってくれ!
こうして、ゼッケンナンバー03の『タコルカー鮮魚組合』のチームは、数台のトレーラーを引き連れて、北海道を目指したのでした。
ここはネオ静岡のとある駅の近くに社屋を置く、『レーシングチーム・VY(ヴィーワイ)』も、クルーを集めて、社長の出発前の挨拶をしていたのでした。
社長の山刃さん(以下、サンジンさん):皆、これからまた1年、頑張って貰うわけだが、知っての通り、今年はツインパイロットで行くことにした。それが、このアリヤ君だ
パイロットのアリヤ(以下、アリヤ):皆さん、パイロットのアリヤです。宜しく!
サンジン:ミズキ君、今年は彼と共に戦うわけだ。宜しく頼む
パイロットのミズキ(以下、ミズキ):…よろしく…
アリヤ:…
サンジン:こら! 今から歩調が合わなくてどうする! しっかりしてくれ!
ミズキ:…すみません…
アリヤ:…
サンジン:うむ…、まぁ、仕方ないか。でも、本番ではプロ意識は持ってくれよ。昨年、我がチームは少々低迷してしまった。挽回するには、今年が肝心! とにかく頑張ってくれたまえ! では、出発!
クルー全員:はい!
こうして、ゼッケンナンバー04の『レーシングチーム・VY』も、数台のトレーラーと共に、開催地を目指したのでした。
所変わって、ここ、ネオ大阪に営業所を置く不動産グループ、『印種(インタネ)不動産』のチームも、侍好きの社長を中心に出陣式を行っていました。
社長の学歩(以下、学歩):皆の物! これより1年、再び合戦に赴くことになる!
秘書のリリィ(以下、リリィ):いや、その、社長、合戦じゃなくて、レースです
学歩:我はここを離れる事が出来ない故、合戦の“くるぅ”達よ! 是非とも自らを鼓舞し、勝利の雄叫びをあげて欲しい!
リリィ:あちゃー、また社長の暴走が始まったわ…
学歩:では、これからは皆の物で打ち合わせをしてもらいたい。以上!
パイロットのリュウト君(以下、リュウト):ねぇねぇ、めぐみおねーさん
メカニックのめぐみ(以下、めぐみ):なに?
リュウト:今年度のボカロットって、どんなの?
めぐみ:あ、そっか。まだそっちにデータが行ってなかったっけ。これよ
めぐみはメカニック達が使っているタブレットPCに、今回リュウトが乗るボカロットの映像を映しだした。
リュウト:へぇ〜、緑の恐竜型なんだ〜。火も吹くし、なんか強そうだね
めぐみ:マシンは最高の出来よ。私も専属で一緒に行くから、最終調整はあっちでしようね
リュウト:うん!
こうして、ゼッケンナンバー05の『印種不動産』も、クルー達とマシンを搭載し、開催地を目指したのでした。
次に、ネオ東京に本社を置く金融会社、『AHSホールディングス』のチームも、何故か就任している“子供社長”をトップとして、今回の出発式を執り行っていました。
社長のユキ(以下、ユキ):皆さん! 今年もレース開幕がやってきました! 昨年はいまいちの成績でしたので、今年は心機一転で、頑張りましょう!
クルー:はい!
専務のテル(以下、テル):社長、そろそろ次のご予定が…
ユキ:はい。では、ここネオ東京であなた達の活躍を見守っています! 頑張って!
メカニックのいろはさん(以下、いろは):ミキさん!、ミキさん!
パイロットのミキ:? 何?
いろは:今年度のマシンですが、またまた色々カスタムチューンしておきました!
そう言うと、いろはさんはノートPCを広げて、ミキにチームのボカロットの映像を見せた。
ミキ:なるほどー、私の衣装に合わせたのね、って、この☆マークは?
いろは:それは本戦でのお楽しみです♪
こうして、ゼッケンナンバー06の『AHSホールディングス』も、スタッフ全員を乗せて、開催地に向かいました。
次は、ネオ新潟に米倉を持つ多角的企業、『アシュグループ』も、人員不足から社長自らもパイロットとなり戦う、たった3人のチームで、出陣式を行っていました。
社長兼パイロットのハク(以下、ハク):さて、皆さん、今年も来ましたよ、レースの開催日が!
パイロット兼メカニックのネル(以下、ネル):どうでもいいけどさ…
ハク:何?
ネル:この人員不足、なんとかならなかったの?、うち、そんな弱小企業じゃないんだよ?
パイロット兼他全部役のテト(以下、テト):ヽ(`Д´)ノ
ハク:いや、あの、でもね、うち、あなた達を除く社員全員が、こういう事に理解が無くて…
ネル:社長権限で、無理にやらせりゃいいのに…
ハク:でも! そーゆー、無理強いでは、絶対レースに勝てないと思うのです! 去年だって、結構いい成績残したじゃないですか!
ネル:社長と僕とテトの3人だけで頑張ったし、僕の偉大なるマシン、『三神合体ボカロット・トリオー』のおかげだと思うけどね。あ、あと、テトの仕事も
テト:(о´∀`о)ノ
ハク:私は?
ネル:社長は…あ! パイロットとしては一級だよね。うん。社長凄い!
ハク:ごめんね…気を使わせて
ネル:まぁまぁ。じゃあ、そろそろ行こうか!
ハク:…そだね。行こうか
テト:(`・ω・´)ノ
こうして、ゼッケンナンバー07の『アシュグループ』も、デコボコトリオの3人とマシンと整備用具とハクのお酒を乗せて、開催地に向かいました。
ここはネオ神奈川のヨコハマ地区。ここの倉庫を含め、手広くやっている、大手海外用品卸商の『フォーリナー』のチームも、出発式を行ってました。
ボスのアン(以下、アン):ミナサーン! コトシモ ヤッテマイリマシタワ! ガンバリマショウ!
右腕のアル(以下、アル):シャチョウ Simpleスギマスヨ
アン:コーユーノハ Simpleガ イチバンデース! ヂャア サッソク ジュンビ シテネ!
ガレージで、パイロットのプリマが、メカニックチーフのトニオにボカロットの事を尋ねていた。
パイロットのプリマ(以下、プリマ):ねぇ、ねぇ、トニオ〜
トニオ:? 何?
プリマ:この馬鹿でかい“アメ車”、本当に私のボカロットなの?
トニオ:そだよ。車輪で走らずに“ホバー走行”するから、レギュレーションにも引っかからないしね
プリマ:でもさ…、その武装だと思う、このハンバーガーミサイルとか、チェーンソーブレードとか、ちょっと…
トニオ:あ、今年からの新武器ね。見た目に反して、なかなかのものだよ?
プリマ:…、ま、いいや、強けりゃ…
トニオ:元気に行こうぜ!
こうして、ゼッケンナンバー08の『フォーリナー』も、かなりの大人数のスタッフを大型コンボイトレーラーに乗せて、開催地に向かいました。
そして、初参加のチームで、今年度の参加チームの残り1つ、所在地不明の場所に本社を置く、秘密企業『サクーシャカンパニー』も、参加の準備をしていました。
ただここはちょっと他とは違う感じの企業で…、何故かお偉いさんが、猫だったりします。
会長のクーロ=チャン(以下、クーロ):(`・ω・´) ニャフ!
全部一人でやる、サクーシャ=チャン(以下、サクーシャ):は、はい! ボカロットの準備、整っております!
社長のベイビー=チャン(以下、ベイビー):ヾ(*`Д´*)ノ ニャフフ!
サクーシャ:は、は、はい! 輸送ヘリの準備、整っております!
クーロ:ψ(*`ー´)ψ ニャフーン!
サクーシャ:は! これから出発致します!
こうして、最後のゼッケンナンバー09の『サクーシャカンパニー』も、たった一人で全部やる、唯一のスタッフ“サクーシャ”と、ここのボカロット『マネキネーコ』をヘリに積んで、所在不明の場所から、輸送ヘリにて、開催地に向かったのでした。
こうして、各チームが、『ネオ札幌クリプトンシティレース場』で行われる『開幕戦 クリプトンシティGP』に集まり、ピットでの調整を行った後、全スタッフを表彰台のサークルまで集め、開会式を行うことになりました。
<開会式>
主催者代表のカト=チャン:それでは、皆さん、事故の無いよう、十分気を付けて…へ…へ…へっくし!
コケーーーー
ソコにいた、ミク以外の全員が、古代のギャグをかました代表のくしゃみで、こけてしまったのでした。
今年のレース、大丈夫かなぁ…
(続く)
CAST
ゼッケン0)メイコ酒蔵株式会社
社長のメイコ:MEIKO
専務のカイト:KAITO
パイロットの咲音ちゃん(18歳):咲音メイコ(メイコとは同名だが別人)
ゼッケン1)ナガネギーコーポレーション
社長の初音三久:初音三久
専務のミクオ:ミクオ
パイロットの初音ミク:初音ミク
ゼッケン2)ジナラシ組
親方の鏡音以(カガミネ・ユキ):鏡音以
専務の鏡音州(カガミネ・シュウ):鏡音州
パイロットの鏡音リン:鏡音リン
パイロットの鏡音レン:鏡音レン
ゼッケン3)タコルカー鮮魚組合
組合長の巡音JIM:巡音JIM
パイロットの巡音ルカ:巡音ルカ
ゼッケン4)レーシングチーム・VY(ヴィーワイ)
社長の山刃(サンジン)さん=エキストラ
パイロットのミズキ:VY1
パイロットのアリヤ:VY2
ゼッケン5)印種(インタネ)不動産
社長の神威学歩:神威がくぽ
秘書のリリィ:Lily
メカニックの勇気めぐみ:GUMI
パイロットのリュウト:リュウト(ガチャッポイド)
ゼッケン6)AHSホールディングス
社長のユキ:歌愛ユキ
専務のテル:氷山キヨテル
専属メカニックのいろはさん:猫村いろは
パイロットのミキ:miki
ゼッケン7)アシュグループ
社長の弱音ハク:弱音ハク
他スタッフのネル:亞北ネル
他スタッフのテト:重音テト
ゼッケン8)海外用品卸商・フォーリナー
ボスのアン:Sweet・Ann
右腕のアル:Big-AL
メカニックのトニオ:Tonio
パイロットのプリマ:Prima
他の開発チーム:海外ボカロ
ゼッケン9)サクーシャカンパニー
会長のクーロ=チャン:クロ(オス猫)
社長のベイビー=チャン:ベイビー(メス猫)
パイロットのサクーシャ=チャン:???
その他:エキストラの皆さん
説明 | ||
☆今回より、新シリーズの“Run! Run! Run! ボカロット猛レース!”です。キャラも多めで、一応ロボレース&探偵物ですが、相変わらず色々なテーマを詰め込んでます。娯楽物とお考え頂いて、お楽しみ頂ければ幸いです。 ☆皆さん、毎日寒いですね。風邪などひかないように、ご自愛くださいませ ☆まぁ、これからは暖房をつけて、部屋におられる機会も多くなりますので、ボカロ小説でも、どうですか? ○ボーカロイド小説シリーズ第14作目の” Run! Run! Run! ボカロット猛レース!“シリーズの第1話です。 ☆今回はやったことがなかった“レース”物です。 ☆主人公はミクさんに思えますが、さてはて??? ☆今回も宜しくお願いいたします。 |
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