真・恋姫無双 雌雄の御遣い 第十四話 |
〜一刀視点〜
俺達が河内の相になって半年、河内は商業を中心に発展してきた
志願者のみの徴兵により兵力も倍増し、調練は愛紗と星の力で順調に進んでいる
治安もどんどん良くなり、それによって商人達も増えると言う好循環を生んでいた
その好景気によって増えた税収で治水、開墾と言った事業も拡大する
全てが順調に進んでいた
そんなある日、凶報が届く
『劉宏陛下死去』
「我々は後ろ盾を失ったようなものですな」
葵が悔しげに言う
確かに俺達は劉宏陛下直々に河内の相に任命された
その陛下が死去されたのは葵の言う通りの事でもある
「と言っても直ぐにどうこうという事は無いでしょう
今は中央の様子を伺うしかありません」
静里が平然と言う
「まあそうだな(ね)」
俺と鞘姉の言葉で締めくくられ、皆仕事に戻る
洛陽では次女の劉協陛下が帝位に就き、一方で十常侍と何進の対立が激化しているらしい
関わらないつもりでいたが俺達に密使が送られて来た
差出人は何と劉協陛下だった
その密使から渡された密書を読むと俺は皆を大至急集める
そして、密書について皆に説明をする
「皆、これから話すことは絶対に他言無用だ
つい先ほど劉協陛下から密書が届けられた
内容は十常侍と何進大将軍の対立が激化して洛陽はかなり荒んだ状態らしい
陛下はその状況を打開する為に、俺達に協力を要請してきた
まあ、協力要請と言っても勅命だから命令なんだけどね
拒否権が無いのは辛いけど、十常侍達と何進大将軍を一掃する
その策を考えたい」
俺の言葉に
「その密書は本当に陛下からなのですか?」
星の疑問に
「ああ、玉璽の印も押してある
偽物の可能性は低い
そんな事をまだ弱小勢力の俺達にする利点も無いしね」
俺の答えに納得する
「では、私の考えた策を申し上げます」
葵が策を説明する
「力技だが有効かもしれんな」
「確かに強引ですが有効な策でしょう」
「しかし、まるで強盗だな」
「むしろ、テロリストね」
皆から意見が出る
最後の鞘姉の台詞の後、皆に説明が必要だったのは言わずもがな
「葵の策を採用しよう
此処に居る全員で行く 出発は明朝
以上、解散」
俺達は明日の準備に入る
〜鞘華視点〜
私達は六人とわずかな供回りで河内を出発した
目的地は洛陽
河内を出発してから2日で洛陽に到着した
洛陽は確かに酷い有様だった
だが、今は何も出来ない
私達は宮中に向かう
「たかが相の分際で陛下に謁見を願い出るとは不遜だと思わんのか?」
私達は皇帝陛下に謁見を申し出た
すると十常侍の張譲に文句を言われた
「それは、承知しております
しかし、これを放置すれば漢王朝の存亡にかかわる事なのです」
私の言葉に張譲の顔色が変わる
「それは、なんじゃ 申してみよ」
「それを皇帝陛下に直接お伝えしに参ったのです」
私の答えに張譲は苛立ちを隠さず
「我を誰だと思っておる
この十常侍の張譲に言えぬと申すか」
私に怒鳴り散らすが
「張譲様は勘違いされておいでです
私は皇帝陛下にお伝えする際に十常侍の全ての方々にも列席していただきたいのです
そして、何進大将軍にも
なにしろ、何進大将軍に大いにかかわる事なのですから」
私のこの言葉で張譲は落ち着きを取り戻し
「分かった、すぐに取り計らおう」
少々、待たされると陛下の前へ通される
〜一刀視点〜
皇帝陛下の前で膝をつき頭を下げながら周りを確認する
俺達の片側に何進 その反対側に十常侍
陛下が声をかけようとした瞬間
「皆、行くぞ!」
俺の一言で動き出す
俺は何進に向かって行き、武器は無いが体術の背負い投げで何進を投げ飛ばす
更に倒れた何進の鳩尾に正拳突きを叩き込み失神させる
鞘姉と愛紗、星は十常侍達を当身で失神させていく
全てを倒すと呆然としていた衛兵たちが
「謀反だ〜!」
と叫びながら向って来たその時
「鎮まれ!」
劉協陛下の声が謁見の間に響き渡った
その声は威厳に満ちていて、衛兵達の動きを一瞬で止めた
葵の策は皇帝陛下に謁見を願い出てその場に十常侍と何進にも列席してもらう
そして、俺達で何進と十常侍を倒して漢王朝への罪人として皇帝陛下に引き渡す
一網打尽にしなければ私兵を使って抵抗して来るのが予測される為、強引な手段が必要だった
その策は成功した
「陛下、十常侍と何進をお引渡しいたします
これにて勅命を果たしました」
陛下に跪いて言上する
「北郷、ご苦労様です」
〜鞘華視点〜
皇帝陛下の命で十常侍と何進は引っ立てられて行った
「皆の者、顔を上げなさい
そのままでは話も出来ませんよ」
皇帝陛下に言われて、私達は顔を上げる
一瞬声を失った
整った顔立ちに、強い意志と慈愛を含んだ眼差し
可愛いと言うよりも綺麗、それも絶世の美女との言葉が似合う
年齢は私達と同じか、2〜3位上かな
体型は豪華な衣装を着ているにもかかわらず細身ながらも大きな胸が一目瞭然
女として嫉妬しそうだ
隣を見ると一君も同じ意見なのか見とれている
なによ!
おもいきり、一君の腿を抓りあげる
「ぎ・・・」
一君が無理やり叫び声を堪えていた
少しは反省しなさい!
「十常侍と何進は此方で処断します
貴方達は河内の相の任を解きます
この洛陽にてあ奴等の圧政で荒廃した洛陽の復興をお願いします」
「御意」
翌日、何進と十常侍達の処断が下された
全員、家財没収の上処刑
即日実行された
〜一刀視点〜
十常侍と何進の処罰が行われた日、俺達に恩賞として官位が授けられた
それは驚くべき物だった
北郷鞘華・・・・相国
北郷一刀・・・・大将軍
関羽雲長・・・・車騎将軍
趙雲子龍・・・・衛将軍
徐庶元直・・・・司徒
司馬懿仲達・・・司空
俺達はこの恩賞に驚きつつも受け取った
そして、十常侍と何進の息のかかった役人たちを家財没収の上追放
代わりに党錮の禁で追放されていた清流派の人達を復職させた
没収財産を財源に洛陽の復興に取り掛かる
治安維持、税制の適正化、街の区画整備、各産業の援助
全てを改革する
そして、洛陽は復興し始めた
だが俺も鞘姉も重要な事を失念していた
劉協陛下が皇帝の時、誰が相国だったのか
その事によって何が起きたのか
それを失念したまま時は進んで行った
〜あとがき〜
「舞い降りし剣姫」で出していたオリキャラ劉協を再び出しました
性格が若干変更になっています
前作よりも多く出すつもりです
一刀達の官位、すごすぎだろ と言われそうですが大鉈を劉協が振るったという事で
官位は一応調べたのですが、おかしな所があるかもしれません
その辺はご容赦ください
更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです
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河内の一刀達の元に届く報 | ||
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コメント | ||
わーお順調にフラグを消化中……でも原作での月と同じで外交が……一刀達を知っている人間は比較的多いな。だが華琳も孫呉も一刀達を手に入れるために反北郷連合軍側につきそうだ。西涼組はわからないけど……月がどうするか見もの。詠がしゃしゃりでてくるとアレだが。劉備軍は間違いなく参加だろうな……朱里と雛里は桃香を止められるのか?(Jack Tlam) 少々細かい事なのですが、大将軍>驃騎将軍>車騎将軍>衛将軍の席次になっている上、驃騎将軍、車騎将軍、衛将軍の役目は反乱の征伐と完全に一致するので驃騎将軍一つで十分ですし、洛陽の再興を行うのなら、衛将軍でなく宮殿警備担当の衛尉か、治安維持担当の執金吾に誰かを据えないと少々不味いのでは?(h995) 月陣営はどうなるんでしょ?(M.N.F.) はじめまして・・・かな?、反北郷連合ですかね?、今回の劉さんはまともだけど、どっちにつくの?もし連合側ならだれが参加を進めるの?、もし北郷側についたら、袁家コンビ以外の第3の悪者はだれに?・・・・(ぎてぃー) 反北郷連合?ねぇ・・・・・・。マジ?これは、連合が負けるな・・・・・。その時になってから、後悔すればいいのさ。と思う。(Kyogo2012) |
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