英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜
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〜カレイジャス・ブリーフィングルーム〜

 

「うふふ、感動の再会も終わった事だし、そろそろ”本題”に入ってもいいかしら、オリビエお兄さ―――いえ、オリヴァルト・ライゼ・アルノール皇子?」

アルフィン皇女が落ち着いた後席に戻るとレンは意味ありげな表情でオリヴァルト皇子を見つめ

「……ああ。その前に……――――此の度は誠に申し訳なかった。私達エレボニア帝国の内戦に、エレボニア帝国とは無関係である貴女達メンフィル帝国を巻き込んでしまった。謝って済む問題でない事は重々承知しているが、この場にはいない父上に代わり、謝罪させて頂きたい。勿論メンフィルが求める賠償や要求も全て呑む所存だ。」

「申し訳ございませんでした……!わたくしがユミルに滞在しなければ、あのような出来事は起こらなかったというのに……!」

「……殿下達の責任ではございません。全ては父―――いえ、”アルバレア公爵家”の責任です!”アルバレア公爵家”はどうなっても構いません!その代わりせめてエレボニア帝国や皇族の方達には寛大な処分をお願いします……!」

オリヴァルト皇子とアルフィン皇女はレンを見つめた後頭を深く下げ、二人に続くようにユーシスも頭を深く下げた。

 

「殿下…………」

「姫様…………」

「ユーシス…………」

その様子を見ていたアルゼイド子爵は複雑そうな表情をし、エリスとリィンは辛そうな表情をした。

 

「今更謝った所で正直”意味がない”から、別にレンに謝らなくてもいいわよ。」

「い、”意味がない”って……!」

「殿下達の思いを無下にするのは幾ら何でも殿下達に失礼ではないでしょうか……!?」

呆れた表情をしたレンの非情とも思える指摘を聞いたマキアスとラウラは厳しい表情でレンを睨んだ。

 

「うふふ、”これ”を見てもまだそんな事が言えるのかしら?エリゼお姉さん、昨日のリフィアお姉様の演説の様子を録ったデータを見せてあげて。」

「―――かしこまりました。」

「私も手伝うわ、エリゼ。」

そして異空間から映像を見せる導力機等を取りだしたレンの指示によってエリゼとシグルーンはそれぞれ用意をした後、帝都ミルスで民達を前に演説をするリフィアの映像をリィン達に見せた。

 

「こ、これは……!」

「み、みんな、滅茶苦茶怒っているよ……」

「――――もはや民達もエレボニア帝国を滅ぼすべき”敵”と見てますわね……」

「はい………まさかこれ程だったとは……………」

「そ、そんな……」

「これがメンフィルの”怒り”か…………」

「話には聞いていたが、ここまで悪化していたのかよ!?」

「恐らく先日の襲撃でついに怒りが爆発したのでしょうね……」

映像を見ていたジョルジュは目を見開き、エリオットは不安そうな表情をし、シャロンの言葉にクレア大尉は表情を青褪めさせた状態で頷き、トワは辛そうな表情をし、ガイウスは重々しい様子を纏い、トヴァルとサラ教官は厳しい表情で映像を見つめていた。

 

「自分達に危害を加えられたわけでもないのに、ここまで怒るなんて……民達の仲間意識が強い証拠ですわね。」

「……そしてそれがエレボニアにとって仇になったみたいだね。」

辛そうな表情をしているセレーネの言葉に続くようにフィーは真剣な表情で映像を見つめ

「「「…………………………」」」

アルフィン皇女は辛そうな表情で身体を震わせ、オリヴァルト皇子とアルゼイド子爵は重々しい様子を纏って映像に集中していた。すると処刑台にいるゼルギウスの前にルーファスが連れてこられる映像になった。

 

「う、嘘……!?あの人って……!」

「ルーファスさんにゼルギウス将軍閣下!?」

「ま、まさか……!」

「―――”公開処刑”か!?」

映像に映る人物達を見たアリサは目を見開き、リィンは驚き、ある事に察したマキアスは表情を青褪めさせ、ラウラが真剣な表情で声を上げたその時、ゼルギウスは大剣を振り上げた。

「兄上――――――ッ!!」

その瞬間ユーシスが声を上げたその時、ゼルギウスが大剣をルーファスの首目掛けて振り下ろす所でレンが映像を消した。

 

「さすがにここまで見れば、ルーファス・アルバレアが”どうなった”かはわかるでしょう?」

「そ、それは…………」

「公開処刑をするなんて、異世界ではこんな過去の歴史でやっていたような古臭い事をまだやっているのね…………」

レンの問いかけにエマは辛そうな表情をし、セリーヌは重々しい様子を纏って呟き

「そ、そんな……ルーファスさんが…………」

「惜しい者を亡くしてしまったな…………」

「……女神(エイドス)よ、どうか彼に安らかな眠りを…………」

アルフィン皇女は表情を青褪めさせ、オリヴァルト皇子は重々しい様子を纏い、アルゼイド子爵はその場で祈りを捧げた。

 

「………………」

エリスは悲しそうな表情で黙り込み

「兄………上…………う…………く……っ…………」

「ユーシス…………ッ!―――レン姫!どうしてルーファスさんを処刑したんですか!?」

身体を震わせながら涙を流して声を押し殺しているユーシスを見て辛そうな表情をしたリィンはレンを睨んだ。

 

「どうしても何もルーファス・アルバレアの処刑はアルバレア公爵達に対する”処分”同様”始めから決まっていた事”よ?”戦争回避条約”の中にもアルバレア公爵夫妻、カイエン公爵夫妻並びにそれぞれの家の長男、そして先日リフィアお姉様が処刑したアルティナ・オライオンと”蒼の深淵”ヴィータ・クロチルダをメンフィルに引き渡す事があるし。」

「何だとっ!?」

「え…………ね、姉さんまで!?ま、まさかエリスさんの誘拐の件ですか………!?」

「…………ヴィータもメンフィルのターゲットに入っているのね……」

レンの答えを聞いたトヴァルは厳しい表情で声を上げ、エマは表情を青褪めさせ、セリーヌは複雑そうな表情で呟いた。

「”蒼の深淵”ヴィータ・クロチルダに関しましてはレオンハルト少佐の時同様メンフィルに忠誠を誓うのならば命は助けて、ある程度の自由は許す所存ですよ?彼女に関しましては魔術師としての腕前はそれなりにある上、歌姫でもあったのですから、色々な方法でメンフィルの”利”を生み出す事もできるでしょうし。」

「……………それは…………」

「あのヴィータが負けた相手に忠誠を誓うなんて、どう考えてもありえないわね。」

シグルーンの説明を聞いたエマは複雑そうな表情をし、セリーヌは呆れた表情で呟いた。

 

「そうそう、”白兎(ホワイトラビット)”の貴女と”氷の乙女(アイスメイデン)”のお姉さんもルーファス・アルバレアの死を悲しんだ方がいいと思うわよ?」

「え…………それは一体どういう意味ですか!?」

「!まさか……ルーファスお兄さんも”そう”だったの?」

レンの指摘が一瞬わからなかったクレア大尉は呆けた後血相を変え、ある事に気付いたミリアムは真剣な表情で尋ねた。

 

「ちょ、ちょっと待ってください!?ま、まさかとは思いますがルーファスさんは……!」

「”鉄血の子供達(アイアンブリード)”の一人だって言うの!?」

ある事を察したマキアスとサラ教官は信じられない表情で声を上げ

「大正解♪――――”鉄血宰相”から与えられた二つ名は”翡翠の城将(ルーク・オブ・ジェイド)”。”紫電(エクレール)”のお姉さんの推測通り”鉄血の子供達(アイアンブリード)”の一人……――それも”筆頭”だったのよ♪」

レンは笑顔で驚愕の事実を答えた!

 

 

 

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今更ですけどオリビエたちはユミル襲撃を知って真っ先にメンフィルに謝りに行くべきだったと思いますね。カレイジャスがあるんだし可能なはずです。そしたら結果は違ったでしょうに。そしてここからはレンによるネタバレ満載の話になりますww

 

説明
第411話
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コメント
本郷 刃様 まあ、確かに。 K'様 さすがに外国にまで目を向けている暇はなかったんじゃないですか。どちらにせよ時間は戻りませんから後の祭りですね。ミントという反則技がありますが、ミントもその要求には応えないでしょうし(sorano)
作者コメの通り考えてみれば実にもっともな選択肢を何故オリビエたちが取らなかったのかが気になります。何か彼等なりに合理的な理由があったのですか?(K')
むしろオリビエ達は内戦が始まった段階でメンフィルに協力要請を仰げば、少なくともエレボニア帝国が敵だと認識されることは可能性として低かったでしょうね(本郷 刃)
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