英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜
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〜カレイジャス・ブリーフィングルーム〜

 

「さてと。色々と話が逸れちゃったけど……―――オリヴァルト皇子並びにアルフィン皇女。この”戦争回避条約”を呑むのかしら?それとも最後の一兵まで殺されてでも一矢は報いる覚悟で、全力で”無駄な抵抗”をするつもりなのかしら?」

「そ、それは…………」

「……本来なら皇帝である父上が判断すべき事だが、そんな”言い訳”は聞くつもりはないのだろう?」

不敵な笑みを浮かべたレンに問いかけられたアルフィン皇女は表情を青褪めさせ、オリヴァルト皇子は真剣な表情で尋ねた。

 

「当たり前よ。皇帝の返事を待つと言う事は内戦が終結するまで待つ必要があるって事じゃない。メンフィル帝国がエレボニア帝国との開戦を決定するまでに、エリスお姉さんの返還を含めた様々なメンフィルの”当然の要求”に応える為に約2週間も猶予を与えた上要求を呑まなかった場合戦争を仕掛ける事を3回も警告したのに、”今更”そんなに待てる訳がないでしょう?」

「お言葉ですが皇帝の返事を貰いたいのなら、どうしてエリス君を救出するついでに陛下達も救出してくれなかったのですか!?」

レンの問いかけを聞いたマキアスは厳しい表情で尋ねたが

「え?逆に聞くけど貴族派と革新派を纏めきれなかった優柔不断な皇に国の”衰退”か”滅亡”を今すぐ選べって迫って、選べると思っているのかしら?レンの予想では色々と”無駄な言い訳”をして、この条約の内容をもう少し緩和して欲しいとか言うだけで、”時間の無駄”になるだけだと思うけど。」

「なっ!?」

不思議そうな表情をしているレンのユーゲント三世に対する最大の侮辱と言ってもおかしくない指摘に信じられない表情で声を上げ

「っ……!」

「うわっ、そこでボク達のせいにするんだ。」

クレア大尉は辛そうな表情で唇を噛みしめ、ミリアムは目を丸くして驚いた。

 

「レン姫!恐れながらさすがにお言葉が過ぎます!」

「ひ、酷すぎるよ……!」

「陛下達も被害者なのですよ!?」

リィンは厳しい表情で声を上げ、エリオットは不安そうな表情をし、ラウラは怒りの表情で指摘したが

「みんな、貴族連合によって幽閉の身になったユーゲント三世を含めたエレボニア皇族達も”被害者”だって言って同情しているみたいだけど、皇帝を含めた皇族は民達を纏める”義務”があるわ。―――皇帝や皇族の威光を使ってでも貴族派と革新派を無理矢理黙らせて纏めなかったユーゲント三世を含めたエレボニア皇家であるアルノール家も内戦を引き起こした”元凶”の一部の人達だと思うのだけど?」

「それは……っ!」

「……逆に尋ねさせて頂きますが、もしメンフィルは同じ状況だとすればどうなさると言うのですか?」

レンの正論に唇を噛みしめて反論できず、アルゼイド子爵は厳しい表情で尋ねた。

 

「それは勿論”力”で黙らせるに決まっているじゃない♪メンフィルは今まで説得が不可能と判断した相手にはそうしてきたし、これからもそれだけは変わらないと思うわ♪」

「―――我ら親衛隊は誇りある皇族の守護者。皇族の方達が命令をするのならば、躊躇いなくかつての仲間達と剣を交える覚悟もありますわ。」

「チッ、圧倒的な”力”で解決して来た”ゼムリア大陸真の覇者”と恐れられている大国らしい考えだな。」

「そしてメンフィルが今”力”で黙らせる相手はエレボニア帝国と言う訳ね…………」

笑顔で答えたレンと真剣な表情で答えたシグルーンの答えを聞いたトヴァルは舌打ちをした後メンフィルに対する皮肉な言葉を口にし、サラ教官は厳しい表情をした。

 

「…………………………――――わかった。メンフィル帝国が提案した”戦争回避条約”をエレボニア帝国は全て呑む事を私――――オリヴァルト・ライゼ・アルノールが現皇帝ユーゲント・ライゼ・アルノールの代わりに確約する事を宣言する。必要なら今この場でサインもする。アルフィンもいいね?」

「…………はい。元よりメンフィルとの外交問題はわたくしがユミルに滞在した事で起こった事なのですから、わたくしも異存はありません。――――現エレボニア皇帝ユーゲント・ライゼ・アルノールと皇妃プリシラ・ライゼ・アルノールの娘たるアルフィン・ライゼ・アルノールもメンフィル帝国が提案した”戦争回避条約”を現皇帝ユーゲント・ライゼ・アルノールの代わりに確約する事を宣言致しますし、サインもします。」

「殿下………………」

「姫様………………」

「………ッ………!」

「……………………」

「そ、そんな……これしかメンフィル帝国との戦争を避ける方法はないの……?」

「お嬢様…………」

オリヴァルト皇子とアルフィン皇女の宣言を聞いたリィンとエリスは辛そうな表情をし、ユーシスは唇を噛みしめて身体を震わせ、アルゼイド子爵は重々しい様子を纏って黙り込み、不安そうな表情をしているアリサをシャロンは心配そうな表情で見つめた。

 

「―――で、皇族達が”戦争回避条約”を呑む事を約束するから、戦争は止めてくれって言いたいんでしょう?言っておくけど、それは無理な相談よ。」

「そ、そんな……!何故ですか!?」

「……皇族の方達が約束をしたのに、何故戦争を止めないのですか?」

レンの言葉を聞いたセレーネは悲痛そうな表情をし、ガイウスは真剣な表情で尋ねた。

 

「―――”戦争回避条約”の最後の一文を読んでください。」

「”最後の一文”……?」

エリゼの指摘を聞いたジョルジュは不思議そうな表情をして仲間達と共に書類を読み直した。

「えっと……『以上の内最低二つを即実行後、メンフィル帝国が定めた期間以内に内戦を終結させて残りの全てを実行するのならば、メンフィル帝国はエレボニア帝国に対する侵略行為を中止し、和解にも応じる』…………あ。も、もしかして……!」

「今この場でこの条約の中から最低二つを実行しなければならないのですか!?」

文章を読み直してある事に気付いたトワは表情を青褪めさせ、クレア大尉は厳しい表情で尋ねた。

 

「そ、そんな………どれも無理だよ………」

そして表情を青褪めさせて書類を読んでいるエリオットが呟いたその時

「―――いや、少なくても”一つ”は確実に実行できる。」

ユーシスが静かな表情で申し出た。

 

「ユーシス!?お前、まさか……!」

「ユーシス様自身を指名した”第6項”を実行するおつもりですか……」

ユーシスの申し出を聞いてすぐに察したリィンは血相を変え、シャロンは複雑そうな表情をし

「でしたらわたくしも今すぐわたくし自身を指し示した”第7項”を実行致します!それなら、二つを実行した事になりますわよね!?」

「姫様…………」

「二人とも待ってくれ。その前にレン姫に一つ聞きたい事がある。」

アルフィン皇女の申し出を聞いたエリスは心配そうな表情でアルフィン皇女を見つめ、オリヴァルト皇子は二人を制した後レンを見つめた。

 

「何かしら?」

「仮に今すぐこの場で二つを実行したとしても、この『メンフィル帝国が定めた期間以内に内戦を終結させて』とあるが、この”期間”はどのくらいになるんだい?」

「あ…………」

「確かにタイムリミットも設定されてあるね。タイムリミットはいつ?」

オリヴァルト皇子の質問を聞いたエリスは呆け、フィーは真剣な表情で尋ねた。

 

「うふふ、やっと”その話”にも移れるわね。――――待たせたわね。3人共、出番よ。入ってきて。」

「―――失礼します。」

そして小悪魔な笑みを浮かべたレンが出入り口に視線を向けるとルイーネ、マルギレッタ、リ・アネスが部屋に入って来た!

 

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今更ですが閃キャラ達を攻めまくっているレンちゃんが閃キャラが好きな人達に嫌われないかビクビクしています(汗)まあ、言いたい事はハッキリ言うレンちゃんだから仕方ないですよねwwそしてここにきてついに魔導功殻陣営登場ですww救済措置の話は最後に出しますのでご安心ください。……まあ、その話を最後にだすのも小悪魔な性格をしているレンちゃんらしいといえばらしいですがww

説明
第417話
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コメント
本郷 刃様 つまり生温い考えをしているゼムリアが勝てる訳がないという事ですね K'様 レンが見ている皇の背中が全員偉大すぎますからねぇ……ちなみにクローディアやアリシア女王もレンにとっては皇として尊敬できる部分があるから合格レベルかとww(sorano)
レンちゃんにとって皇族ってのはリウイであり、リフィアであり、シルヴァンといった「強い王」ですからね。それじゃあ「弱い王」であるユーゲントの評価が辛くもなりますよ。後ここのレンちゃんって冗談抜きで器用万能ですからむしろ小悪魔な性格じゃなきゃ凄い嫌みなキャラに見えちゃったと思います(汗)(K')
メンフィルの明確な歴史を知らないメンバーは確かに力でねじ伏せているようにしかみえないでしょうが実際には宣戦布告も行われた正式な戦争の中でのことなので相手国も隷属や従属は承知の上ですからね、ディル=リフィーナは弱肉強食を体現したような世界ですしそういう覚悟が無いと生きていけない(本郷 刃)
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