真・恋姫無双 雌雄の御遣い 第十九話
[全4ページ]
-1ページ-

〜一刀視点〜

俺達が虎牢関に撤退すると洛陽で準備をしていた静里から連絡が来た

静里が洛陽でしていた準備とは洛陽からの撤退 及び益州への脱出

但し直接洛陽から益州に行くのではなく西に向かい、南下してから益州へ入る

正確には益州へ攻め入る

そしてこの行動には劉協陛下も同行する

 

俺達が洛陽から撤退してするのは10倍の戦力差では耐えきれないだろうとの判断から

脱出先が長安では連合軍は洛陽を制圧した後、長安に攻め入ってくるのは必定

結局は最後の戦場が洛陽から長安に変るだけで意味が無い

一旦南下してから益州へ向かうのは連合軍を振り切る為

連合軍が追撃してきても南下する俺達を追撃するのは水関と虎牢関で時間を稼げば無理になる

益州まで追うのは兵糧などの面からも苦しい

劉表の治める荊州からの調達は劉表がそこまでの負担を了承する訳がない

だから一旦南下してから益州へ向かう

益州へ向かうのは益州では内乱が続いている為、民が疲弊している

だからこの機に攻め入って益州を平定する 言葉を飾らなければぶんどってしまおうと言う訳だ

劉協陛下が同行するのは

「私が洛陽に残っても連合軍に北郷達の追撃を辞めさせる事は出来ないでしょう

 それ程、漢王朝の威光は落ちてしまったのです

 その後私はどこかの諸侯の傀儡としての一生を送る事になります

 ならば、私は北郷達と共に歩んで行きたいのです」

こうまで言われては反対出来なかった

益州に攻め入る大義を掲げやすくなると言う打算も働いて陛下も同行することになった

 

静里からの報せは悪い物だった

準備が整い既に洛陽を出立している これは問題ない

しかし洛陽の民の半数が私達への追従を望んだ為、進行がとても遅くなっている

その上、その民の兵糧も確保しなければならない

その為虎牢関に今ある兵糧(3日分)以上の兵糧を送る事が出来ない との内容だった

-2ページ-

〜鞘華視点〜

静里からの報せを受けて虎牢関で2日だけ持ち堪えて撤退する事にした

兵糧が無いのではどうしようもないしね

撤退して洛陽を脱出した静里達と合流後は予定通りの進行をする

連合軍は虎牢関を抜けた後、洛陽へ向かうはずだから少しは時間が稼げるがどうなるか

 

そうこうしているうちに連合軍がやって来た

先鋒は両袁家

水関を落とした功績は雪蓮達の物になったようなので見栄を張って出ざるを得なくなったのだろう

大量の攻城兵器が向かって来る

しかし、その攻城兵器は城壁近くに来る前に動けなくなる

私達は虎牢関の前に広がる平野部にいくつもの溝を掘っておいた

それを落とし穴の要領で隠した

その溝に車輪が嵌り、攻城兵器が動かなくなった訳だ

攻城兵器がいきなり動かなくなり、両袁家の兵が動揺する

そこに私達は突撃を仕掛けた

 

数こそ多いが統率が取れていない上に練度も低い両袁家の兵

此方が圧倒的に優勢だ

敵を倒しながら進んで行くと豪華な衣装を来た少女が見えた

旗があるところを見るとどうやらあの子が袁術らしい

これで袁術を討ち取れればと思い進んで行くとその眼前に一人の女性が立ち塞がった

それは孫呉の巨乳五つ星の一人雪蓮だった

「久しぶりね鞘華、借りを返していないのに邪魔させてもらうわ

 まだ袁術ちゃんを殺させる訳にはいかないからね」

「でも私としては袁術を討ち取って置きたいのよね」

雪蓮との一騎討ちになった

-3ページ-

雪蓮は一君から聞いていたが連撃が速い

そして此方の攻撃を勘で察知して防ぐ

厄介極まりない相手ね

数合討ち合いながら突破口を開けない

ならば とばかりに此方も連撃の速度を上げて仕掛ける

雪蓮も防戦するが互角の状態になった

そして私は勝負をかけた

雪蓮に抜刀術を仕掛けるが雪蓮はそれを勘の良さで防ごうとする

しかし抜刀術は虚 実は手を離していた為、私が手を振っただけだ

その振った手を雪蓮の防御の逆側からの突きに変える

雪蓮は何とか躱すがそこへ左手の逆手で持った『玄武』の一撃を放つ

その攻撃は雪蓮を捕える筈だったが私めがけて矢が飛んできた

『玄武』でそれを防ぐが当然雪蓮への攻撃は出来ずに不発

「祭さん、一騎打ちの邪魔は無粋だよ〜」

矢を射て来た祭さんに軽口のような言葉を掛ける

「これが大将同士ならともかく、どちらも一将としての一騎討ちじゃろう?

 ならば合戦じゃ 固い事を申すな」

屁理屈に近いよね それ

 

虎牢関から銅鑼の音が聞こえる

どうやら撤退の潮時ね

「雪蓮、討ち取れなかったけど一騎打ちなら私の勝ちだよね〜」

私はそう叫びながら撤退して行く

以前、からかわれた仕返しが出来てすっきりした

-4ページ-

〜あとがき〜

 

一刀達の作戦は「撤退」でした

拍子抜けしたかもしれませんが常識的な策です

その後の説明から今後の展開をある程度予測できる方もいるでしょう

 

今回「舞い降りし剣姫」の時に使った「後方からの騎馬隊の突撃」

「逆落とし」などを使わないのは霞の指揮する騎馬隊がいないからです

 

更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです

 

 

 

 

 

 

 

説明
虎牢関の戦い
総閲覧数 閲覧ユーザー 支援
3702 3227 16
コメント
最初は「一刀って三国志のこと知らないんだな。長安まで撤退すれば寄せ集め連合なんて分裂するのに」と思ったけど、よく考えなくとも歴史書や物語のとおり「長安の前で連合の士気が急降下する」保証なんてドコにもないんですよね。もう予想外の展開に目が離せなくなりました。(ナック)
タグ
真・恋姫無双 北郷一刀 雪蓮 

ZSANさんの作品一覧

PC版
MY メニュー
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。

<<戻る
携帯アクセス解析
(c)2018 - tinamini.com