英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜
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〜カレイジャス・ブリーフィングルーム〜

 

「ええっ!?お、女の子!?」

「見た目はオレ達と同年代に見えるが……」

「何なの、その娘〜!?」

倒れている娘を見たエリオットは驚き、ガイウスは戸惑い、ミリアムは混乱し

「これは……ARCUSか。クオーツどころかマスタークオーツすらもはめ込まれていないようだけど……」

「ど、どうしてその娘がARCUSを持っているんだろう……?」

傍に落ちている戦術オーブメント―――ARCUSを調べたジョルジュの説明を聞いたトワは戸惑いの表情で娘を見つめた。

「………まさかとは思うけど、結社の”執行者”とかじゃないでしょうね?」

「いえ、少なくとも私が知る限りは”執行者”の中に目の前の方はいませんわ。」

サラ教官に視線を向けられたシャロンは静かな表情で答えた。

 

「おい、あの娘の傍に落ちている武器は……!」

「”杖”!?まさか……!」

「”魔女”か……」

杖に気付いたトヴァルとセリーヌは血相を変え、ユーシスは真剣な表情で推測した。

 

「エマの知り合い?」

「い、いえ。少なくとも私や姉さんと同じ”魔女”ではありません。私達の隠れ里にも目の前の方はいませんし……」

アリサに尋ねられたエマは戸惑いの表情で答え

「一体何者なのでしょう?恐らく先程の閃光と共に現れたのでしょうが……」

「現れた方法はレン姫達のように恐らく転移魔法の類だと思うのですが……」

「私達の”敵”ではありませんよね……?」

「ああ……少なくとも貴族連合の協力者ではないと思うんだけど……」

シグルーンとクレア大尉は真剣な表情で娘を見つめ、エリスの言葉にリィンは考え込む動作で答えた。

 

「ねえ。前にも似たような事がなかったっけ?」

「い、言われてみれば僕も覚えがあるぞ……あれは確か……」

「―――帝都の公園でセレーネが現れた時だな。」

「あっ!マーテル公園にセレーネが現れた時も似たような状況だったよね!?」

「ええっ!?わ、わたくし、先程のような現れ方をしたのですか!?」

フィーの問いかけを聞いたマキアスは考え込み、ラウラの答えを聞いたエリオットは目を丸くして声を上げ、自分が現れた状況を聞いたセレーネは驚き

「フム……”影の国”に取りこまれた”封印石”の中に入っていた仲間達を解放した時の現象と若干似ているようだったが……」

「一体どこのどなたなのでしょう……?」

オリヴァルト皇子は考え込み、アルフィン皇女は戸惑いの表情で娘を見つめた。

 

「……ん……」

「あ……」

「――――どうやら目覚めるようだな。」

娘が目を覚ます様子を見たリィンは呆け、アルゼイド子爵は真剣な表情で呟いた。

 

「…………?貴方達は…………?ここは一体………?」

「―――ここは巡洋艦”カレイジャス”の会議室だ。そして私はエレボニア帝国皇子、オリヴァルト・ライゼ・アルノール。」

不思議そうな表情で自分達を見つめる娘の言葉を聞いたオリヴァルト皇子は自己紹介をした。

「”カレイジャス”……?”エレボニア帝国”……??」

「えっと……貴女の名前は何と言う名なのでしょう?」

不思議そうな表情で首を傾げ続けている娘にアルフィン皇女は戸惑いの表情で尋ねた。

 

「…………ゲルド。ゲルド・フレデリック・リヒター。……え……ど、どうなっているの……!?どうして名前しかわからないの……!?」

娘―――ゲルドは名乗った後混乱し始め

「え、えっと……?」

ゲルドの様子を見たエリオットは戸惑いの表情をした。

「……気を失う前に何か衝撃的な事があって記憶に混乱が生じているのではないですか?」

「もしかしたらそうかもしれないわね。―――殿下。彼女への事情聴衆はあたし達に任せて、殿下達はそれまで艦内で身体を休めて下さい。」

「―――わかった。よろしく頼むよ。」

クレア大尉の言葉に頷いたサラ教官の言葉を聞いたオリヴァルト皇子は頷き

「あ、私も事情聴衆に立ち会わせて下さい。もしかしたら”魔女”の秘術でお役に立てるかもしれませんし。」

「―――わかったわ。」

エマの申し出にサラ教官は頷いた。その後会議室を出たリィン達はサラ教官達の事情聴衆が終わるのをブリッジで待っていた。

 

〜ブリッジ〜

 

「参ったわね………」

リィン達がブリッジで待っていると疲れた表情をしたサラ教官がエマとセリーヌと共にブリッジに戻ってきた。

「サラ教官。それで彼女―――ゲルドさんは何者なんですか?」

「それが……ゲルドさんはどうやら”記憶喪失”のようなんです。」

リィンの質問にエマは心配そうな表情で答えた。

 

「ええっ!?」

「き、記憶喪失ですか!?」

「ええ……覚えていたのは自分の名前と年齢だけで、出身や今までどこで何をしていたのか、何故ARCUSを持っているのかも全て覚えていないのよ。……というか戦術オーブメントどころか、”導力技術”自体を知らなかったわ。」

驚いているエリオットとマキアスにサラ教官は説明し

「せ、戦術オーブメントどころか、導力技術すらも知らないって……」

「おいおい……幾ら何でもそれはありえなくないか?辺境の子供でも導力技術くらいは知っているぞ?」

「それじゃあ何故彼女はARCUSを持っているんだ……?」

説明を聞いたトワは信じられない表情をし、トヴァルは戸惑い、ジョルジュは考え込んでいた。

 

「―――ただあのゲルドって娘、エマの暗示も効かないくらい術に対する耐性が高い上、あの娘自身に霊力(マナ)が相当秘められてあるわ。あの娘の所持品である杖やローブ、装飾品も古代遺物(アーティファクト)クラスと言ってもおかしくない膨大な霊力が秘められてあるから恐らく”魔女”としての潜在能力も含めると彼女が”本気”を出せば最低でもヴィータ……いえ、下手したらそれ以上のクラスの”魔女”かもしれないわ。」

「嘘っ!?」

「結社の最高幹部をも超えるだと!?」

「装備も古代遺物(アーティファクト)クラスって、ホントに何者なんだろね〜?」

「暗示というと……バリアハートの時に使っていた”術”か。」

セリーヌの説明を聞いたアリサとユーシスは驚き、ミリアムは目を丸くし、ガイウスは考え込んだ。

 

「更にゲルドさんは私達も知らない”魔法”を扱えるんです。」

「ええっ!?」

「……と言う事は彼女は異世界――――ディル・リフィーナの出身かな?」

エマの説明を聞いたアルフィン皇女は驚き、オリヴァルト皇子は尋ねた。

「いえ、アンタ達やプリネ達が扱う異世界の魔術とは全く異なる魔術だったわ。本人はその術の正体が”白魔法”や”黒魔法”という呼び名である事を思い出したみたいだけど。」

「”白魔法”に”黒魔法”……委員長達も知らないんだよな、その魔法の事は。」

セリーヌの説明を聞いて考え込んでいたリィンはエマ達に尋ねた。

 

「はい。私達も初めて聞く”魔法”です。」

「……それで彼女は?」

「今はクレアが事情聴衆を続けている所です……って、あら?エリスとあたし達の”監視役”がいないみたいだけど……」

アルゼイド子爵の質問に答えてある事に気付いたサラ教官はリィン達に尋ねた。

 

「エリスは今、下の階層の訓練に使える広い空き室でシグルーン中将閣下に鍛錬をしてもらっている最中です。」

「へえ?早速鍛錬なんて感心ね。ひょっとしたらエリゼ同様エリスにまで追い抜かれるかもしれないわね♪」

リィンの答えを聞いたサラ教官は口元に笑みを浮かべてリィンをからかい

「た、確かにエリゼ君と言う例があるからな……」

「エリゼは”剣聖”だから、”中伝”のリィンはとっくにぬかれているしね。」

「まあな。実際エリゼ嬢ちゃんの実力を見たが、ありゃ完全にリィンを追い抜いているぜ。」

「しかも武術を教えている方がカシウス様達同様相当の使い手であるシグルーン様……ひょっとしたらありえるかもしれませんわね♪」

マキアスは冷や汗をかき、フィーは静かに呟き、トヴァルは口元に笑みを浮かべ、シャロンはからかいの表情でリィンを見つめ

「う”っ……」

リィンは冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。

 

「―――お待たせしました。」

するとその時クレア大尉とゲルドがブリッジに現れた。

 

「事情聴衆をしてわかりましたが、少なくてもゲルドさんが私達の”敵”でない事は確実に言えます。」

「フム……そうなると問題は彼女をどうするかだが……」

クレア大尉の話を聞いたオリヴァルト皇子は考え込み

「さすがにわたし達でゲルドさんを保護するのは無理があるよね……?」

「ああ……この艦だっていつ貴族連合に狙われるかわからないからね。」

トワの意見を聞いたジョルジュは重々しい様子を纏って頷いた。

 

「あの……でしたらメンフィル帝国に事情を説明して、保護してもらったらどうでしょうか?」

「そうですわね……少なくても今のエレボニア帝国領に安全な場所はないと言っても過言ではありませんから、それが最善だと思われますわ。」

「メンフィル帝国領だったらプリネ達がケルディックにいるから、プリネ達に事情を話せばきっと保護してくれるんじゃないかな?」

「ならばまずはケルディックか―――」

アルフィン皇女の提案を聞いたシャロンは頷き、エリオットが提案し、アルゼイド子爵が操縦士達に指示を出そうとしたその時

「―――待って。私も貴方達についていく。」

ゲルドが静かな表情で制止して予想外の言葉を口にした。

 

 

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と言う訳で新クロスオーバーキャラは予告していた通り英雄伝説”ガガープトリロジーシリーズ”のキャラであるゲルドです!原作での台詞はゲルドが最初に出てくる”白き魔女”はなく、幼い頃のゲルドが出てくる”海の檻歌”でもほとんど台詞がない微妙なキャラの為、性格はオリジナルにしてあります。ゲルドのファミリーネームは原作ではなかったですが、海の檻歌をプレイしている人達なら何故このファミリーネームを名乗っているかはわかると思いますww……まあ、問題はこの小説を読んでいる方でガガープトリロジーシリーズをプレイした人達がどれだけいるかですが(汗)ガガープトリロジーシリーズをプレイして彼女の最後を知る人達にとってはゲルドの復活&参戦は嬉しいかなと思います。今考えるとゲルド、英雄伝説シリーズの中で一番救われて幸せになるべき人物の気がします……

説明
外伝〜白き魔女との邂逅〜前篇
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コメント
ジン様 さて、どうなることやら……(遠い目) K'様 いやいや特に何の関係もないですよ 本郷 刃様 それは今後の展開を楽しみにしてとしか言いようがないですね kanetosi様 修羅場自体は後少しですww(sorano)
修羅場マダー?w(多くの女性を虜にしているリィンには一秒でも爆発して欲しい)(kanetosi)
ガガープから彼女の参戦ですが、まさかの記憶喪失・・・どうなるんでしょう?(本郷 刃)
記憶喪失ですか・・・記憶復活時にはさぞかし大暴れしてくれるのでしょうねえ。それにしても海の檻歌とはエリオットとも何らかの関りが出てくるのかな?(K')
やっぱり前に話してたリィンの嫁さんだったんですね。(ジン)
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