恋姫外史終章・いつまでも一刀第39話 |
競技場の一室で貂蝉は涙していた。
そこには一刀と卑弥呼の姿もある。
「グスン・・・どうしてアタシは駄目だったの?」
「一言で言えば、魅せ方が悪い」
ド直球で言う一刀。
「ううう・・・・・・」
更に泣きそうになる貂蝉。
「いい大人が泣くでないわ!」
「・・・・・・ふう」
ため息をつく一刀。
「仕方無い、少し予定を変更するか」
「予定?」
「二人とも、ちょいと耳かせ。あいつらにも言っとかないとな」
そうぼやく一刀に、卑弥呼と涙を拭う貂蝉は耳を近づけるのであった・・・・・・
「さあ!この争奪戦もいよいよ最終戦!果たして王の座を獲得するのは劉備か!はたまた曹操なのでしょうか?・・・・・・ところで先程から解説の二人がどこかへ行ってしまっているのですが、時間も押し迫っているので始めてしまいましょう!最終戦を決めてくれるのは・・・・・・」
地和の言葉を切るように、軽快な音楽が聞こえてきた。
そして不可思議な歌と共に、ワッショイワッショイと、大勢の男達の声が聞こえてくる。
あれも〜これも〜みんな〜欲しくなるの♪
恋も夢も望むものは叶えたくなるの〜〜〜
歌に乗って競技場に入ってきたのは白の褌一丁で神輿を担ぐムキムキの漢たち、そしてその神輿に仁王立ちで乗っている同じく白い褌一丁の一刀であった。
「な・・・・・・」
地和は思わず絶句した。
地和だけではない、会場の九割がたが同じように絶句していた。
後の一割は、
「わあ・・・・・・」
思わずかぶりつきで見ている桃香のような者、または一部の女子と特殊な男たちである。
鏡〜越しに〜ポーズ〜キメてみたり♪
覗く縛る騒ぐ日々のスケジュールがいっぱい〜♪
次に神輿に乗って現れたのは、同じく白い褌姿の左慈と干吉だった。
「「「「「「キャーーーーーーーーーー!!」」」」」」
左慈の肩に手を回し、密着している干吉の姿に女性たちの黄色い悲鳴が巻き起こる。
「はわわ・・・・・・」
「あわわ・・・・・・」
熱い視線で見つめる女性たちの中には当然某軍師たちも混じっていた。
料理は板前してたし♪掃除もメイドに負けない♪肌もこんがりサロン焼け♪なのにモテない〜の〜〜?
次の神輿にはそれぞれ貂蝉、卑弥呼が乗っていた。
貂蝉は紐パンではなく白い褌姿、卑弥呼と共にセクシーポーズではなくボディビルに出るようなマッチョポーズを取っていた。
一度目に登場してきた時と違い、貂蝉を見て吐く人はいなかった。
「ヒューッ!見ろよ奴らの筋肉を・・・まるでハガネみてえだ!!」
むしろ、一部の方々が歓声をあげている。
ようするに、イメージの問題と言うことだ。
違和感が仕事をしないその姿にあった衣服、行動をしていれば嫌悪感などは少ないということだろう。
大変!大変!大変と〜放送禁止で走れば〜♪
止まらなくなって楽しんじゃってる男前よ♪
最後に神輿に乗って登場してきたのは何と華陀だった。
褌姿だが、彼だけ何故か赤い色の褌だった。
他の面々はともかく彼が参加した理由については、
「病魔も逃げ出す医者の健康体を会場の人々に見せてやってくれ」
と言う一刀の言葉に乗せられたからである。
大変!大変!大変とみんなで酒盛りしてると♪
悲しいことも忘れちゃうくらい〜暴れちゃうんです〜〜
「どりゃりゃりゃりゃ!」
「せりゃせりゃせりゃ!」
「どっせい!」
「ぬふーーーん!!」
神輿の上から跳躍する一刀、左慈、貂蝉、卑弥呼
一刀は左慈と乱打戦、貂蝉は卑弥呼と蹴りを放ち交差した。
オーレオーレファイトだ!ココロはみんなでひとつ!強く結ばれた絆友情!!
歌が終わる瞬間、六人と神輿を担いでいた男達は集合し、決めポーズを取った。
「「「「「「わああああああああああ!!」」」」」」
会場は熱気に包まれ、いままでとは別の意味で大いに盛り上がったのであった・・・・・・
別の形とはいえ会場を沸かせた貂蝉は実に満足そうだった。
「さて、そんじゃ札取りは干吉にお願いしようかね?」
「心得ました」
一刀に頷くと、干吉は箱の中に手を入れ、札を取り出す。
「料理・・・ですね」
「あ〜〜・・・それ俺だ。一般から審査員募ってやってみたかったんだわ」
「それで?何を作ればいいのかしら?」
「ああ、一応それを決めるクジも作ってあるんだが・・・・・・」
華琳の問いに答えると共に、一刀は係員にクジの入った箱を持ってくるように言った。
数分後、クジの入った箱を持って係員が戻ってくる。
「んじゃ、このクジは左慈に任すわ」
「・・・・・・ふん」
不機嫌そうに鼻を鳴らすと、左慈は乱暴にクジ箱の中に手を突っ込み、サッと一枚取り出した。
そこに書いてあったのは・・・・・・メンマ。
「はーっはっはっは!お喜びください桃香様!天は我等に王の座を与えたもうたようですぞ!」
メンマと聞くやいなや高笑いを浮かべる星。
「じゃ、じゃあ今回の勝負は星ちゃんで」
「お任せください!」
「・・・随分な自信ね?」
「当然だ!メンマに関しては私を超えるものなどおらぬ!!」
華琳に対して自信満々に言い放つ星。
「皆に究極のメンマ料理を見せて差し上げよう!」
「・・・・・・なら、私は至高のメンマ料理を見せてあげましょう」
火花を散らす両者。
果たして勝者は・・・・・・
最終戦 メンマ料理対決
参加者 星、華琳
審査員 一般人から十名選出
星の料理 極上メンマチャーハン
「こ、これは・・・・・・」
「イケますな!」
「美味くメンマの味付けを炒飯に合わせてある!」
「驚きです・・・・・・」
意外な高評価だった。
「ふふふ・・・・・・」
思わず笑みを浮かべる星。
華琳の料理 メンマの特上中華サラダ
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
審査員は、みんな無言だった。
「これは・・・決まりですな」
一人の審査員の言葉に他の9人も首を縦に振った。
「それでは結果発表です!審査員の方は美味いと思った方のボードを上げてください!」
地和の声が競技場に響く。
星は勝利を確信しているのか、終始笑みを絶やさなかった。
華琳は無言で腕組みをしている。
審査員がボードを上げた。
結果は・・・・・・
「全員一致!勝者は曹操孟徳!よってこの国の王の座を勝ち取ったのは曹操孟徳です!!」
「「「「「「おおおおおおおお!!」」」」」」
新たな王の誕生に、会場は大いに沸いた。
そんな中、
「・・・・・・ど、どうして」
星は膝をつき、愕然としていた。
「教えてあげましょう」
そんな星に答えたのは華琳だった。
「正直、あれだけメンマ炒飯と言う料理を美味しく作ったのは驚いたわ。でも、貴方は決定的なミスを犯していたのよ。メンマ炒飯はあくまでメンマを使った炒飯であり、メンマが主菜ではない。そしてメンマと炒飯を合うように互いに味を変えた結果、メンマ本来の旨みを大きく損なっていたのよ。私はメンマの味を最大限引き出すよう細心の調理をした。それが私と貴方の差よ」
「・・・・・・」
無言の星を残し、華琳は春蘭たちの方へ歩いていった。
「おめでとうございます華琳様!」
「華琳様なら当然よ!」
「ふふ、ありがとう」
歓喜する春蘭と桂花、そして満面の笑みを浮かべる華琳。
「せ、星ちゃん・・・・・・」
「あわわ・・・・・・」
「・・・・・・」
星を何とか励まそうとしている桃香、オロオロしている雛里、目の焦点があっていない星。
勝者と敗者の見事なコントラストが描かれる中
「これより閉会式を行います!参加者のみなさんは競技場中央に集合してください!」
閉会式は滞りなく進み
様々な波乱を含んだ王位争奪戦は終了したのであった・・・・・・
どうも、アキナスです。
ついに終わりました、王位争奪戦。
しかし・・・どうして私は漢達をこうも出してしまうのでしょうか?
まあうすうす分かってるんですけどね。
私はこう思ってるんでしょう。
恋姫の男達はもっと活躍の場を与えられて良かったんじゃないか?
左慈と干吉は真以降も出しても良かっただろう!
何故アニメには・・・・・・
結局、終章がこうなってしまったのは漢たちの扱いへの不満が噴出した結果だったんだと思います。
・・・・・・まあ、面白ければいいか。
さて、華琳はこれからこの国をどうするのでしょうか?
そして、一刀はこの結果に対してどう動くつもりなのでしょう?
様々な疑問を抱きつつ次回に・・・・・・
「必殺!変態秘奥義地獄のジェット・トレイン!!」
説明 | ||
王の座を得たのは・・・・・・ | ||
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コメント | ||
本郷 刃さん:アイデンティティーを失った星はどうなるのでしょうか?(アキナス) 雛衣 観珪さん:そのようで(アキナス) noelさん:手遅れ・・・・・・(アキナス) ミヅキさん:あのEDは貂蝉と卑弥呼が混ざっても違和感ないでしょうね・・・・・・(アキナス) D8さん:さてさて(アキナス) 星は着眼点を間違えましたか、料理という面でもやはり華琳の方が上でしたねww(本郷 刃) この大陸、腐ってる女ばっかりかww(神余 雛) 星ざまぁwww\(^o^)/ 左慈と于吉も出て来たか、でも左慈の嫌がってる描写が無いということは、、、(noel) いぬかみの伝説のEDを見るとは予想だにもしてなかった(ミヅキ) なんかどんでん返しがありそうな予感・・・・・(D8) |
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