真・恋姫無双 雌雄の御遣い 第二十六話 |
〜一刀視点〜
翌日、俺達は厳顔の居城へ向かう
その道すがら魏延が
「一騎打ちの前の約束通りお前の事は少しだけ認めてやる
だが私は桔きょ・・厳顔様の配下だ
厳顔様が認めなければお前達には降らん
ただ厳顔様に会えるように取り計らってやる
それで貸し借り無しだ いいな!」
意地っ張りな事だ
別に魏延に頼まなくても紫苑がいるから会うだけは出来ると思うんだけど
まあ、貸しにする気は無いし、問題事を起こす必要も無いから黙ってるけど
「ところで厳顔ってどんな人?」
俺が訊くと紫苑は
「武人としては優れた人物です
将としても配下の信頼も厚い得難い人物です
ただ自らを生粋の喧嘩師と公言しているので、力を示さねば配下にはならん と言うかもしれません」
魏延は
「厳顔様は厳しくも器の大きい尊敬できる御方だ
自らは一将でしかないとおっしゃっているが、益州を治めても文句のない人物だ」
二人の話を総合すると武人として、人ととして高い能力を持っているようだ
そして誇り高いので口先だけでは説得できない そう言っているように感じた
「一君、今のうちに言っておくけど厳顔と仕合う事になったら私が出るからね
一君の役目は説得する事だけ
異論は認めない これが決定事項 反論も無し
以上!」
鞘姉は一方的に言って話を打ち切った
魏延との仕合で相当心配をかけてしまったな
鞘姉にそこまで心配かけた事は反省しよう
〜鞘華視点〜
その夜、私達は野宿して焚火の前にいる
以前と同じように私は一君と並んで座っている
それは良い でも紫苑も反対側に一君と並んで座っている
昨日、言った事は冗談じゃなかったの?
しかも、一君の腕を自らの巨乳に挟み込むようにして腕を絡めている
胸の大きさでは負けていても私も決して小さくないから!
一君の腕を抱き付くように取る
一君を譲る気は無いからね!
〜一刀視点〜
左右の腕を鞘姉と紫苑に取られる
紫苑の柔らかい感触と鞘姉の弾力のある感触が押し付けられる
男としては嬉しい事だが今現在は感触だけではないから困る
紫苑は俺に押し付ける事も、鞘姉の対抗心も楽しんでいるようだが鞘姉は違う
黒い気配を全開で出している
正直逃げ出したい程怖い
しかし、両腕を取られていては逃げ出す事も出来ずに夜を過ごす事になる
〜紫苑視点〜
ふふっ、一刀様も初心ですね
鞘華様も嫉妬全開で微笑ましいですわ
私は独占するつもりは無いのですが鞘華様は気が気でないのでしょう
それを言ってもいいのですがこの状態を楽しむのも悪くありませんわ
一刀様に”身”命を捧げるのは本心ですのでいつ求められても構わないのですけどね
取り敢えず、今は此処までという事で我慢しましょう
〜一刀視点〜
俺達は厳顔の居城に着くと直ぐに面会を求めた
紫苑と魏延がいたおかげもあって直ぐに面会できた
「久しぶりじゃな、紫苑
で、御二人が北郷じゃな
面倒くさい口上は要らん 本題を言ってくれ」
乱暴な言葉遣いだが逆に話しやすい
「単刀直入に言います
俺達に降って欲しい
それが益州の民、ひいてはこの国の為です」
紫苑の時より直接的、且つ端的に話す
「ふ、いい度胸をしておる
だが儂も名の知られた喧嘩師
実力の分からぬ者に、はいそうですか と降る気は無い」
厳顔の言葉に鞘姉が動こうとしたが
「桔梗、この一刀様は手傷を負っているにも係わらず、焔耶ちゃんに一騎討ちで勝利したわ
それで充分強さの証明になるでしょう?」
紫苑の言葉に厳顔の表情が変わる
「ふむ、負傷しているから負けた は言い訳にもならんが
逆に負傷している者に負けたは充分恥になる
焔耶、お主は後で儂が直々に鍛えなおしてやるわ!」
話が脱線しそうなので此処で俺が話しかける
「厳顔さん、話を戻して下さい
貴女は自らを喧嘩師 と言いましたが俺達と共に来れば大きな喧嘩つまりは戦に加わりますよ
その手始めが益州州都の成都の攻略です
その後も大小さまざまな戦が有るでしょう
この国を統一するのが目的なんですから」
俺の言葉に
「その言葉に偽りはないな」
俺は黙って頷く
〜厳顔視点〜
綺麗事を並べるだけでなく、こんな事を言う者は始めてじゃ
この小僧は喧嘩がしたかったら自分に降れと言ってる訳では無い
只の喧嘩には無い大義のある戦いに儂の力を貸せと言っておる
この者に賭けてみるのも面白いかもな
紫苑の方を見ると
「これが一刀様よ」
まるで長年連れ添った妻の様な事を言う
お主も2,3日前に知り合ったばかりじゃろうに
「分かり申した
この厳顔、真名 桔梗を御館様に預け忠誠を誓いましょう」
〜一刀視点〜
桔梗が俺に降ってくれたおかげで焔耶も俺に真名を預けてくれた
だが成都を早く攻略する為には迅速な行動をしなければならない
直ぐに早馬を飛ばして静里、愛紗、星、葵、そして雅様を呼び寄せる
それと並行して紫苑と桔梗が俺達に降ったと言う事を益州全土に喧伝する
二人の人望は厚かったらしくほとんどの城が俺達に恭順の意を示して来た
紫苑の居城の兵1万5千、桔梗の居城の兵2万 恭順を示して来た城からの兵1万
俺達の居城の兵も加えて総勢5万
この戦力で益州州都の成都に戦いを仕掛ける
〜あとがき〜
鞘華対桔梗を期待されたかもしれませんが武器の関係からして盛り上がりに欠けそうなのでこうなりました
成都攻略戦ですが少し計略を駆使してから行う予定です
私が忘れなければですが
更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです
説明 | ||
一刀達は厳顔の居城へ向かう | ||
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コメント | ||
いっそアニメ版の設定を生かして、桔梗に鈍砕骨を持たせても良かったのかもしれませんね。師から弟子への武具継承の話も一本作れたと思いますし。(h995) 桔梗とのバトルは無しか、まぁ大抵は弾斬られて桔梗がびっくりしてその隙に...とかばっかりだけど(スネーク) |
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真・恋姫無双 北郷一刀 紫苑 桔梗 焔耶 | ||
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