英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜
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突入班のメンバーであるリィン、アリサ、エリス、ゲルド、エリオット、ガイウス、サラ教官が中央区画に入ると、陽動班である残りのメンバーがリィン達の背後を護るかのように、迎撃の構えをしていた。

 

〜双龍橋・中央区画〜

 

「よし……潜入成功だ!」

「後はエリオットさんのお姉様を見つけるだけですね……!」

リィンの言葉に続くようにエリスは呟き

「うん、姉さんはこの砦のどこかにいるはず……!」

エリオットは力強く頷いた。

「手薄とは言え、ここからが本番よ!迅速に、確実に行くわよ!」

「ええ、了解です!」

「風と女神の導きを……!」

「―――行きましょう。」

サラ教官の号令にアリサとガイウスは頷き、ゲルドは静かな表情で呟き、リィン達と共に司令官室に向かい始めた。リィン達が砦内を進んでいる中、陽動班は援軍である領邦軍の兵士達や軍用魔獣、人形兵器の混合部隊に激戦を繰り広げていた。

 

「石化弾、発射!―――そこだっ!!」

「グアッ!?」

「か、身体が……!?」

マキアスのクラフト―――ソリッドカートを受けた事により、身体が石化したかのように動かなくなった兵士達は怯み

「斬ッ!!」

「グアッ!?」

「ユ、ユーシス様……何故、我らを……」

その隙を逃さないユーシスはクラフト―――ルーンブレイドを叩きこんで兵士達を気絶させた。

 

「愚か者どもが……!」

気絶した兵達をユーシスが睨んだその時

「ブレイクショット!!」

「ギャンッ!?」

ユーシスに襲い掛かった軍用魔獣にマキアスがショットガンによるチャージショットを放って怯ませ

「ハァァァァァ……セイヤッ!!」

「ガッ!?」

ユーシスがクラフト――クイックスラストを叩き込み、魔獣を絶命させた!

 

「気持ちはわかるが余所見をするな!」

「フン、余計な真似を。お前こそ、余所見をして俺の足手纏いになるなよ。」

「こ、この男は……!せっかく心配してやっているというのに……!」

ユーシスの言葉にマキアスは顔に青筋を立てていたが、それでもユーシスと共に絶妙なコンビネーションで戦い続けた。

 

「やれやれ。あの二人は相変わらずだ……ねっ!!」

二人の様子を見たフィーは呆れた表情をしながら人形兵器達にクラフト―――クリアランスを放って怯ませ

「フフ、こんな状況でも変わらずにいるのはある意味尊敬に値するがな。―――烈震天衝!!」

フィーの言葉に苦笑しながらラウラは怯んだ人形兵器達に止めを刺した。するとその時軍用魔獣が数体ラウラに向かってきたが

「獅吼―――滅龍閃!!」

「ギャンッ!?」

「ガッ!?」

ラウラは魔剣で周囲を薙ぎ払うと共に蒼き獅子の闘気を飛ばして吹き飛ばし

「――――止め。」

吹き飛ばされた魔獣達にフィーはクラフト―――スカッドリッパーで急所を貫いて止めを刺した。

 

「遅いわよ!」

「グッ!?」

「ガッ!?ク、クソッ!?一体どこに―――」

一瞬で詰め寄って来たヴァレフォルによる一撃離脱の攻撃を受けた兵達は攻撃した相手であるヴァレフォルがいない事に混乱し

「吹っ飛べ〜!」

「――――――」

「グアッ!?」

「ガハッ!?」

その隙を狙ったミリアムの指示によって振るったアガートラムの一撃をまともに受けた兵達は気絶した。

 

「―――雷雲より来たれ、裁きの剣!サンダーブレード!!」

「雷光よ、我が手に宿れ!サンダーストライク!!」

「――――!?」

エマの特殊魔法(クラフト)によって発生した雷の剣とセレーネが片手から放った雷光をまともに受けた人形兵器達はショートして動きが鈍くなり

「聖なる光よ!―――煌めけ!昇閃!!」

その隙を狙ったシグルーンが光の魔力を纏った細剣を振るって人形兵器達に止めを刺した!

 

「右翼、前に出過ぎています!次の応援が来るまでにすぐに所定位置に戻りなさい!」

「す、すみません……!」

「フン……!」

人形兵器達を片付けたシグルーンはマキアスとユーシスに指示をし

「左翼は逆に下がりすぎです!もう少し前に出なさい!」

「承知。」

「了解(ヤー)。」

続けてラウラとフィーにも指示をした。

 

「さすが親衛隊の副長をやっているだけあって、戦場での指示が的確だよね〜。」

「ええ………加えて私達のフォローも完璧ですから、本当に心強い方ですね。」

「レン姫の仰った通り、確かにわたくし達にとっては強力な戦力になっていますわね。」

「ん〜……ワタシが知っているレウィニアの女騎士団長と良い勝負をしているかもしれないワね。」

次々と指示を出すシグルーンの様子を見ているミリアムの言葉にエマとセレーネは頷き、ヴァレフォルはシグルーンを見つめてある人物を思い出していた。

 

「ええっ!?女性でありながら騎士団長を務めているのですか!?」

「”レウィニア”?そんな国の名前、聞いた事ないよ??もしかして異世界の国?」

「”レウィニア”……確か特別実習で異世界に行った時――――」

ヴァレフォルの言葉を聞いたエマは驚き、ミリアムは首を傾げ、セレーネは考え込んだが

「そこ!私語は慎みなさい!まだ戦闘は終わっていないのですよ!?」

「はーい!」

「「す、すみません!!」」

(ああいう所に関してはレヴィアと似ているワね……)

シグルーンに注意されて考え込むのを止めてミリアムやエマと共に返事をし、ヴァレフォルは苦笑しながらシグルーンを見つめていた。一方時折立ち塞がる領邦軍を蹴散らしながら進んでいたリィン達はようやく司令官室に到着した。

 

〜司令官室〜

 

「エリオット……!?」

司令官室に突入すると聞き覚えのある女性の声が聞こえて来た。

「あ……!」

「姉さん―――!!」

声が聞こえた方向に視線を向けるとそこには領邦軍の司令官と共に両手を拘束されたフィオナがいた。

 

「エリオット……!Z組のみんなやサラさんまで!」

「フィオナさん!お久しぶりです……!」

「ふふっ、助けにきたわよ!」

「ありがとう……!何てお礼を言ったら……エリオットも……しばらく見ないうちに立派になったみたいで……ううっ、お姉ちゃん嬉しいわ……」

「姉さん……」

「ええい、黙れ小娘!状況がわかっておるのか!?」

リィン達と再会を喜んでいるフィオナの様子を見た司令官は怒鳴った後鞘からサーベルを抜いてフィオナの首筋に突きつけた。

 

「貴様らも……これ以上、近づかぬことだ!この娘の命が惜しくばな!」

「ね、姉さん!」

(……理解できません。彼女に危害を加えた後の自分の身がどうなるかも予想できないのでしょうか?)

「……言っておくが状況がわかっていないのはあんたの方だ。その女性を傷つけたが最後、無事で済むと思うなよ……?」

司令官の行動を見たエリオットは声を上げ、アルティナは呆れた表情で呟き、リィンは司令官を睨んで警告した。

 

「どうやら猟兵団も他の拠点にいるみたいだし、完全に詰んだみたいね。加えて撤退するにしてもバリアハート方面、トリスタ方面共にメンフィル領のケルディックを通過しなければならないから、国境で待ち構えているメンフィル軍によって問答無用で殲滅させられると思いますよ?メンフィル軍は貴族連合に対しては容赦はしないでしょうからとっとと降伏した方が身のためだと思いますけど?」

「ぐ、ぐぐぐ……どいつもこいつも愚弄しおって……!!この”双龍橋”にノコノコとやってきたことを後悔させてくれる!!」

サラ教官の忠告に唇を噛みしめた司令官が片手を挙げて何かのスイッチを押すと突如壁が地面まで下がり、装甲を身に纏った巨大な軍用魔獣が2体リィン達の前に現れた!

 

「え、えええええっ!?」

「な、なんて大きさ……!」

「この魔獣は……!?」

「領邦軍はこんな魔獣まで手懐けているのですか……!?」

軍用魔獣達の登場にエリオット達が驚いている中、エリスは信じられない表情をした。

 

「バリアハートの地下水道で戦った軍用魔獣か!?」

「―――気を付けて。二体による集中攻撃をされる所が”見えた”わ。」

見覚えのある魔獣にリィンは厳しい表情をし、ゲルドは仲間達に忠告した。

 

「エリオット、みんな!!」

「ははは、そこらの軍用魔獣と一緒にせぬことだ!ゆけ、ガイザードーベンども!その雄々しき顎をもって侵入者を噛み千切るがいい!」

「アンタたち、行くわよ!―――アンタも手伝いなさい、バルディエル!!」

「了解です!力を貸してくれ―――アルティナ!!」

バルディエルを召喚したサラ教官の号令に頷いたリィンは続くようにアルティナを召喚した。

「姉さん……!すぐに助けてあげるから!」

そしてリィン達は戦闘を開始した!

 

 

説明
第434話
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コメント
本郷 刃様 逆に見捨てたら主人公達のやる事じゃないですねww K’様 一体どんなゲームなのか気になりますね!!(sorano)
ケルディックをメンフィルに取られたことは戦略にまで影響を与えてますね。そしてファルコム新作東京ザナドゥ・・・だと・・・?(K')
あらゆる事件、犯罪、戦争において人質を取ることは愚策中の愚策・・・対外的に悪印象を与えるだけでなく、人質が手違いなどで死ねば自身を守る壁は即座に無くなり、同時に人質の価値が低ければ人質諸共というのもあり得ること、よって愚策にしかならない・・・ま、リィン達が人質を見捨てるはずはないですがw(本郷 刃)
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