Otherside 超次元の外れ者 |
『Strength』
負けた……私は負けた。完膚なきまで、言い訳も出来ない程に、あんな男に靡いた奴らの……ほんの一握りに。
笑える……強くなろうと足掻いても、グループのトップに祭り上げられても……それでも私は弱いままだ
((人間|エサ))として生きたくないのに((吸血種|ナカマ))として生きられないぐらいなら、いっそ((半端者|ワタシ))なんて……
そう思って目を覚ますと、私は真っ先に自分の首に手刀を突き刺し――――
ガッ
人狼A
「やめときな嬢ちゃん、自殺なんざ狂信者ので十分だぜ」
止められた……また、((人狼|コイツ))は私を阻んで来た。これ以上、私を辱めるというのか。
人狼A
「嬢ちゃんらは勘違いしてっけどさ……真っ当なモンスターなら誇りなんざ持たんよ。ただ好きなように喰い、好きなように生きる」
ハイマ
「何を……」
人狼A
「元々俺達は((異常|レイガイ))なんだよ、理性を持って、社会性を持って、何か考えてて、得だの損だの情だの欲だの……俺達はな、とっくに人間らと大差ねーのさ」
ハイマ
「人間と一緒に「じゃあどんな所が違うんだい?」……っ」
言い返そうとしたが、人狼の問いかけに黙ってしまった。
人間と私達の違い……いくらでも答えられると思っていたが、いざ問われてみると浮かばなかった。
人狼A
「……そういうこった、違いはいくらでもあると思っても、実際問われてみるとそんな違わないのさ、だから……」
――「もう強がるな、そんな必要、とっくになかったんだから」と、人狼は言った。
……その一言で、今まで私に抑えられてたものが一気に弾けた。
ハイマ
「……めだよ」
人狼A
「…………?」
ハイマ
「駄目だよ……私……強くなるって……強くなるって……」
これまで私は、強くなろうと必死だった。
純血の吸血種に、自分を認めてもらおうと必死だった。
その為にレディースツッパリマニュアル読んで、武術の鍛錬して、敵対勢力と戦ってきたのに……
ハイマ
「そんな事言われたら……私……私……何の為に……」
涙があふれていたけど、泣くわけにはいかないと思った。
泣いてしまったら、これまでの全てが崩れてしまいそうで……
だから、今泣くわけにはいかないんだ、もうこれ以上失いたくなんて……
スッ……
そんな時、私は人狼に抱きしめられた。
強くて優しくて、獣臭くてもふもふで、そして……
ハイマ
「ふぇっ……え……えぇぇえぇぇぇぇぇぇぇ……」
――暖かかった
家に帰った私は、こっぴどく母に怒られた。
そしてそんな母にぺこぺこと頭を下げる人狼という意外な所を見てちょっとニヤリとしてゲンコツをもらった……すっごく痛かった
翌日、レッドチェッカーズを一から建て直した。
何とかなったとはいえ、内乱とかクーデターとか下剋上とか起きて大変だった……(まぁ自分が撒いた種だから仕方が無い所もあるかな)
そんなこんなで月日は経ったある日……ワーカーの養子が央共学園に入学するという噂を耳にした。
名前は確か……【((担徒|ニナイト)) ((有座|ユウザ))】……だったかな。
旧グループの残党狩りもそろそろ終えるし、時間に余裕が出来たら一目見てみようかな
Otherside【吸血貴族の半人前編】…fin
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