真・恋姫無双 雌雄の御遣い 第二十七話 |
〜一刀視点〜
厳顔の居城で成都攻略の為の軍議を開いている
「成都の戦力は総勢7万 此方は5万
おまけに此方は攻城戦をしなければならない
正面から馬鹿正直にぶつかるのは下策ですな」
葵が端的に述べる
「内応してくれそうな人に心当たりは有りませんか?」
静里が紫苑、桔梗達に訊くと
「そうですね、今成都に居る人で言うと・・・あ、法正さんがいますね」
「ああ、あ奴なら乗ってくれるやもしれん」
紫苑と桔梗の言葉に
「え、灯里(あかり)が成都に居るんですか?」
と静里が言う
「おお、真名まで知っておるのか
あ奴は元は儂の元で仕官したのだが優秀な軍師なので成都で働くようになったのじゃ
儂の推薦でな」
桔梗とも面識があるなら希望がありそうだ
「灯里とは水鏡女学院からの友人です
彼女がいるなら何とかなるかもしれません」
「でも、その娘が此方についてくれても軍を全て率いる訳でもないだろうからどうするの?」
鞘姉が訊いてくると静里は
「大丈夫です
先ず、私ともう一人で成都に行き、彼女を説得します
そして彼女に私達との戦の時にはなるべく全兵力に近い状態で挑むよう劉璋に進言してもらいます
そして、戦いが始まったら中に居る私達の陣営の人を城に引き入れてもらい劉璋を捕獲します
そうして敵を降伏させます」
静里が策を説明し終えると
「うまくいけば、兵の損失も少なくて済むから問題は無いな
だが、だれが説得に行くのだ
成都も此方の動きは少しなりとも掴んでいよう
そうなると顔を知られている紫苑、桔梗、焔耶は除外される
法正が見ず知らずの者と会う訳が無いから静里は確定
あと、一人は誰にする?」
愛紗の質問に静里が
「一刀様、お願いします
成都に入る際に女二人連れより、夫婦と思われる男女二人の方が怪しまれないでしょうから」
一理あるので誰も反対しないが鞘姉、愛紗、雅様から黒い気が立ち上っているのは気のせいではないよね
敵を欺くための方便とは言え夫婦を演じるのだから
そうして俺と静里は早速成都に向けて出立する
準備が整い次第、軍勢も出立する手筈だ
成都へ向かう途中、静里に法正さんについてどんな人か訊く
どうやら、静里と同様、しっかりした志を持った人物らしい
夜、野宿をしている俺と静里は並んで焚火の傍にいる
出立してから気になっていたのだが静里は少し浮かれているようにも見える
「静里、少し浮かれているみたいだけど法正さんに会うのがそんなに楽しみなのか?」
と俺が訊くと
「浮かれていましたか?
自覚は無かったのですがそうだとしたら一刀様と二人っきりで
しかも、方便とは言え夫婦を演じるのだから嬉しくて それが原因です」
頬を赤く染めてそう言う静里はすごく可愛かった
静里が俺の胸にもたれかかってくると俺はそれを受け止めた
そして静里を見ると俺を見上げて暫く見つめ合っていたら静里は目を閉じた
俺と静里は口付けをしてその夜は更けて行った
2日後、俺達は成都に到着した
成都には一応、門番もいたが簡単に中に入れた
「ここまで、危機感が無いとはな」
俺達は呆れながらも法正さんの家を探す
「あれ、もしかして静里?」
後ろからの声に振り向くと静里と同年代と思われる女性がいた
髪は黒髪で腰に届くほど長い
静里は可愛さが勝っているが、この女性は凛々しさが勝っている
背や胸は静里と同じ位かな
と、あまり胸を見るのは失礼だ
「灯里、久しぶり」
静里が答える どうやらこの女性が法正さんらしい
「どうしたの 急に来るなんて
と、其方の方は静里の御連れさん?」
「そうよ」
「ふ〜ん、成る程 取り敢えずこんな所じゃなんだから私の家に二人とも来て」
法正さんの家に案内されるが、一瞬彼女の眼が鋭くならなかったか?
「さて、静里と多分北郷一刀さん で当ってるわよね?」
家に着き、俺達と向かい合って座った法正さんは名乗っていない俺の名を当てた
「何で、一刀様の事を?」
静里が訊くが、俺も同じ想いだ
「そりゃ解るわよ 成都は洛陽から離れてるけど私は独自の情報網を持ってるからね
静里が司徒に任じられたことも、諸侯の嫉妬で組まれた連合軍の所為で洛陽から脱出した事も知ってるわ
その静里と一緒にいるただ者じゃない雰囲気の男性 それなら大体察しがつくわよ」
確かに理屈はそうだが法正さんはあの短時間でここまで考えたのか?
「あの頃と同様、察しの良さには恐れ入ったわ
それなら私達が来た理由も察しがつくんじゃないの」
静里の言葉に法正さんは
「まあね 確かに貴方の陣営に着くのも悪くないわ
洛陽の復興をしてたのが真実だったのは知ってるから
少なくとも劉璋より良い政をしてくれそうだからね
で、私に何をさせたいの?」
静里が法正さんに策を説明する
「成る程、流石 静里ね
私には考え付かなかったわ」
法正さんは納得してくれたようだ
「じゃ、静里は明日朝一番でこの事を陣営に知らせに行って
一刀さんはこの家に滞在して
外には出ないように
顔を知ってる人がいないとも限らないからね」
俺と静里は黙って頷いた
翌朝、静里は戻って行った
その際
「灯里、抜け駆けは無しよ!」
と言って出て行ったがどういう事だ?
「解らないならそれでいいんですよ
静里に釘を刺されたから戦いが終わるまでは大人しくしてますから」
と法正さんに言われた
〜あとがき〜
策はその時まで伏せる書き方をしてきましたが今回は最初からさらしました
静里との進展が野宿の時 これは鞘華の時と同じですがやはり二人きりになる時には進展があるかと
オリキャラの灯里ですが今後、一刀争奪戦に絡んでくるかは未定です
なにしろ数が多くなってきたので伏線は張りましたが回収できるかは分かりません
すいません、無責任ですね
更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです
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