真・恋姫無双 雌雄の御遣い 第二十八話 |
〜鞘華視点〜
私達は進軍の準備が整い、成都へ向けて出発した
成都までまと3日で到着と云うあたりで戻って来た静里と合流した
「法正の説得は成功しました
一刀様は彼方に残って、作戦通りに動く予定です」
これで後は作戦を成功させるだけね
此方は一君が動けるように釣り出された兵をいなし続けるだけなんだけどね
進軍中、静里の様子がおかしい
やけにそわそわしたり、ぶつぶつと何か言ってる
「灯里、少なくとも私達が着くまでは一刀様を誘惑しないでよ」
よく聞こえないが、何を言ってるんだろう
「静里、様子が変だけど何かあったの?」
見かねた私が訊く
「いえ、その・・・」
言いにくそうだ
陛下や愛紗達も気になってたようで集まって来る
「静里、気になる事があるなら言ってくれ
些細な事でも作戦に支障が出ないとも限らん」
星が訊くと静里も観念したらしく
「作戦に支障が出る事は有りません
私が懸念している事は鞘華様、陛下、愛紗さんには悪い知らせです
作戦を了承してくれた法正とその夜、二人で話したのですが
彼女が一刀様に興味を持ったらしく・・・
それも、当然異性としてで・・・」
「「「ええ〜〜〜」」」
一君、貴男 何人女性を引っかければ気が済むの!?
星は笑って、愛紗は苦虫を噛み潰したような表情をしている
陛下と葵は無表情だ
〜一刀視点〜
「北郷さん、今 貴方達の軍が向っている情報が劉璋にも入りましたよ
で、手筈通りほぼ全軍で迎え撃つように進言して受け入れてもらえました
でも、城に約千人の兵は確実に残ります
それは私が牽制しますけど、玉座に居る親衛隊10人 これだけはどうにもなりません」
法正さんが報告してくれる
「分かった、その親衛隊は俺が倒す」
怪我は完治していないが、7割がた回復している
武将は戦に出なければならないので親衛隊と言えども10人なら倒せない相手では無い
「へえ、自信満々ですね
私の眼に狂いは無かったかな
ああ、私の事は灯里でいいですよ」
「俺には真名が無いから一刀でいいよ」
「分かりました、一刀さん」
そして、俺達の軍がが来るまでの間 おとなしくしていたのだから平穏かと云うとそうでは無かった
いや、精神面で平穏でなかったと云う話だ
「一刀さん、静里といつ祝言挙げるんですか?」
夕食の最中、灯里が突然訊いてきた
「な、まだそんな・・・」
俺が言い淀んでいると
「え〜、静里は私の友人なんですよ〜
その娘の体をを弄んで飽きたらポイですか〜?」
「そんな事、する訳無いだろ」
俺が反論すると
「でも、全く手を出していない訳じゃないんですよね?」
「・・・」
口付けした事を思い出して押し黙ってしまう
ニヤニヤしながら俺を見ている灯里を見て、確信した
星と同じで、(色恋沙汰を中心に)人をからかって楽しむ人物なんだ、と
俺達の軍が到着して成都の軍が出撃する
「行きますよ、一刀さん!」
「おう!」
俺達は走って城へ向かう
城の門番は灯里の姿を見ると姿勢を正して通してくれた
俺は灯里の従者とでも思われたかな
城の中を駆けていくとき、何人かの兵が止めようとしたが
「劉璋様に急ぎ進言することがある
通せ!」
と言う灯里の言葉に逆らわなかった
そして玉座に到着した
俺は玉座に入り、直ぐに親衛隊を認識すると止まらずに向かって行く
朱雀で斬り、向かって来るものは蹴り、肘、投げで仕留めていく
全ての親衛隊を倒し劉璋に
「降伏すれば命は助ける
抵抗すればこの場で斬り捨てる」
刀を突きつけ冷酷に告げる
「完全に悪役の台詞ですね」
灯里がからかうが、俺が一番それを自覚しているよ
そして劉璋は降伏し捕縛した
この事を城内、そして外で戦っている敵味方の将兵に伝える
戦闘が収まりかけた所に捕縛した劉璋を連れて俺達が現れると成都の軍は降伏した
この結果、俺達は成都を制圧した
そしてそれは益州全土を制圧した事にもなる
他の城は全て俺達に恭順を示していたのだから
「一君」「一刀様」「一刀」
鞘姉達が駆け寄って来て最初に言った言葉は
「法正(灯里)に手を出していないでしょうね!?」
泣きたくなった
〜鞘華視点〜
一君への詰問が終わった後、私達は城に入る
城の兵達も抵抗せずにいたので問題なく済んだ
入城して法正と会い、真名も預けられた
そして皆も真名を交換し合う
そして、私達の詰問の後いじけていた一君も含めてこれからの事を話し合う
「取り敢えず内政は河内や洛陽でやった楽市楽座、治安維持、治水や開墾を中心に進めましょう
最優先に税制改革をしますのでそれと並行して進めるべきかと」
静里が進言してそのまま採用する
「軍は私達が連れて来た兵を中核として成都の兵は一時全て兵役を解きましょう
税制改革でどれだけの国力になるか分かってから兵力の増強を計るべきです」
葵の言を採用する
「財源は陛下の洛陽から持って来た財物を換金して使おう
それと、灯里 君の情報網を強化して国中の情報を得られるようにしてくれ
先ず費用に関しての見積もりを申請してくれ」
一君が言うと灯里が
「明日には提出しますよ」
そして、各々に役目を割り振って益州統治に取り掛かる
洛陽を追われた私達は一月半でやっと確固たる地盤を手に入れた
束の間の平穏と共に
〜あとがき〜
益州攻略完了です
親衛隊が10人とは少なすぎると思われるかもしれませんが戦場に出る訳では無いのでこれくらいかと
戦闘中なのに玉座に控えてる訳ですから
次回からは他の諸侯の動きや出来たら拠点的な話も考えています
予定は未定ですが
更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです
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成都攻略作戦が始まる | ||
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