真・恋姫無双 雌雄の御遣い 第三十話 |
〜華琳視点〜
「風、益州の方はどうなってるの?」
「そうですね〜 少しずつ進んでいますね
直ぐに効果が出るものでもないですから」
まあ、この策はうまくいけば儲け物 位に考えていた方が良いのかもね
「確かにそうね
一刀派と鞘華派 二人の頂点の泣き所 二つの派閥を造る
それによって益州を実質的に二つに割ってしまえば戦力は半減
しかも、此方は情報操作のような事だけで済むから損害は無いに等しい
うまくいけば良し、失敗しても諦めが着く 良い策ね
確実性が高ければ言う事なし なんだけどね」
私がちょっとした皮肉を込めて言うと
「華琳様は欲張りですね〜
まあ、そんな策はそうそう出るものではありませんよ〜
それよりも今は優先する事があるのではありませんか〜」
皮肉で返してくるとは流石ね
「忘れてはいないわ
桂花、徐州制圧の準備は整っているわね」
「はい、華琳様の命で春蘭、秋蘭の部隊の出撃準備は整っています」
私は今回は出撃しないがあの二人なら徐州を落とせるでしょう
「春蘭、秋蘭、出撃しなさい 稟も軍師として同行しなさい
陶謙如きに苦戦は許さないわ
徐州を制圧してきなさい!」
「「「御意!」」」
春蘭達が出撃し、これからの事を考える
「麗羽が大人しくしている筈が無いし、孫策も動きそう
益州は此方の策がどうなるかで変わる
荊州も祭夫人達が動く可能性が有る
本格的に乱世が来たわね」
私は声を出さずに笑う
面白くなってきたわ
〜鞘華視点〜
私が悩んでいるうちに諸侯に動きがあった
雪蓮が袁術の元から独立したのだ
その際に袁術と張勲の首を取らずに追放にしたらしい
雪蓮の事だから気まぐれで逃がしたのかもね
そして今回の問題だが灯里は私には報告したが一君には報告していないらしい
私は夜、部屋で悩んでいた
「『公』としてはどうすればいいのか分かっている
でも『私』としてはそんな理由で一君と結ばれるなんて抵抗があるのよ
どうすれば・・・」
あれ?私 今、変な事言った
「『私』としてはそんな理由で一君と結ばれるなんて抵抗があるのよ」
ここがおかしい
私個人は一君と結ばれる事を望んでいないのか?
答えは否 間違いなく望んでいる
それなら『そんな理由』はどうで良い
だって私の望みと”結果的”に同じ事なんだから
ならば悩んでるのは馬鹿馬鹿しい
私は立ち上がり一君の部屋に向かう
今までに一度も無い程、胸の鼓動が速くなる
それ程の事なのよ
もし、受け入れられなかったら と云う恐怖感は有る
そうなったら思い切り泣けばいい そんな偽りの強がりを考えて
コン、コン
一君の部屋の扉をノックする
「どうぞ」
一君の声を聞いて部屋に入る
〜一刀視点〜
部屋に入って来たのは鞘姉だった
「こんな夜更けにどうしたの?」
俺が訪ねると
「灯里からの報告でどうも何者かが益州を二つに割る為に暗躍しているらしいわ
一君と私の派閥を造って現実的に益州を二つに割る それが狙いらしいわ」
以前、星に指摘されたことが現実になったか さて、どうするか
俺が考えていると
「一君、私の話を聞いて
私達が結ばれれば今回の懸念は無くなる
そして私はそれを望んでいる
でも、それは「こんな状況だから仕方なく」じゃ無いわ
私が本心で”一刀” 貴方と結ばれたいと思っている」
俺が呆然としていると鞘姉は更に言葉を紡いでくる
「灯里の報告の話をしたのは『公』の私のけじめ
言わないのは『公』を無視してることになるもの
でも、言うのは卑怯よね 貴方の答えを縛ろうとしている
だから、もし私と結ばれると言うなら今私を抱いて
形式でなく私と本心で結ばれる その証をください」
以前、雪蓮にも話したが、俺は誰かを抱くならその人に俺を心から気に入って貰いたい
そして、俺はその人の全てを受け入れたい
雪蓮と風呂に入った時、鞘姉に詰問されてこの話をした
鞘姉は俺の答えを縛るのではなく俺が鞘姉を受け入れるのかを訊いている
「”一刀” 貴方の答えを聞かせて」
俺は”鞘華”を抱きしめた
「愛してるよ”鞘華”
俺と一生を共にして欲しい」
俺は鞘華に口付けして寝台に二人で倒れ込む
〜鞘華視点〜
「愛してるよ”鞘華”
俺と一生を共にして欲しい」
一刀は私が一番欲しかった言葉を言ってくれた
口付けして寝台に倒れ込む
唇を合わせていただけの口付けが変わっていく
お互いの舌を絡め合いながら唾液を交換する
物理的には分からないが甘く感じる
口付けを離すと唾液の糸が引いた
そして一刀は私の服を一枚づつ脱がせていく
為すがままの私は恥ずかしくて一刀から目をそらした
下着姿にされると
「鞘華、良い?」
「そんな事、確認要らないわ
貴男に全てを捧げると決意してきたんだから」
私が答えると下着も脱がされ私は一糸纏わぬ姿を月明かりの中、一刀に晒した
「綺麗だよ、鞘華」
〜一刀視点〜
「綺麗だよ、鞘華」
俺は心からそう思った
鞘華嬉しそうな、そして恥ずかしそうな表情をしている
俺達はお互いを求め合い、声を上げ、そして一つになった
〜あとがき〜
とうとう一刀と鞘華が結ばれました
二人が結ばれるシーンは「舞い降りし剣姫」のエピローグの様にしたらあっさりしすぎていて
鞘華と一刀の心境がまるで書けなかったので濃密になりました
もっと濃密にしたかったのですが、そうすると削除命令が来そうですから抑えました
これでギリギリセーフでしょう と個人的には思っています
結ばれた後の事は次回で
更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです
説明 | ||
華琳の策略を防ぐ為に | ||
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コメント | ||
こりゃあ・・・・・荒れるな(色んな意味で)(劉邦柾棟) | ||
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真・恋姫無双 北郷一刀 華琳 | ||
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