真・恋姫無双 雌雄の御遣い 第三十一話 |
〜鞘華視点〜
朝 目が覚めて、直ぐに目に入って来たのは一君、いえ一刀の寝顔だった
「夢じゃなかったんだよね
私、とうとう・・・」
独り言を呟いて顔が熱くなる
でも、嬉しい気分だ
私は起き上がり、一刀に口付けをする
自然に熱がこもり、舌を絡ませてゆく
不意に両肩を掴まれた
顔を離すと
「おはよう、鞘華」
一刀も目を覚ました と云うよりあれで目を覚まさない方が不思議だよね
「一刀、今日 皆にこの事を話すわよ」
私の言葉に
「いや、皆を集めて俺から話すよ」
「嬉しいけどそれだと片手落ちだよ
だから二人で話そう」
私はそう言って一刀にもたれかかる
一刀も抱き留めてくれる
傍から見るとバカップルと言われかねないけど別に言われても構わない
今私は幸せな時間を過ごしているんだから
皆が集まり朝議を始める
朝議が一通り終わり、一刀が話を切り出す
「皆、聞いて欲しい事がある
俺と鞘華は祝言を挙げる事にする」
「「「なんですって〜〜〜!!!」」」
全員が声を上げた
いや、灯里だけはニヤニヤしてる 人を焚き付けておいたから予測してたんでしょうね
そして、その後灯里からの情報も説明された
「その事もあったから、今の時期にした
誤解の無いように言うが予定を早めた様なものだ」
一刀の最後の言葉は嬉しい物だった
”仕方なく”では無い ”その気はあった”と言ってくれたような言葉だったから
嬉しさに浸っている場合じゃない
「それで、私からも言っておくわ
先ず、益州州牧は正式に一刀にします
これで、分裂を図るような企みは完全に潰える筈
劉協陛下、よろしいですね?」
陛下は少し呆けていたが気を取り直して
「構いません むしろ今まで正式に宣言していなかったのが不自然だったのですから」
これで、益州州牧は正式に一刀になった
「それと、私は一刀の正妻、第一夫人、呼び方は兎も角、になったけど一刀を独占する気は無いわ」
「「「えっ?」」」
「鞘華?」
一刀も含めて全員が怪訝な顔をする
「私が独占しようにも、一刀を思ってる女性は多いからね
その全員の恨みを買うなんて、身が保たないわ
だから、双方の合意があれば私は文句は言わない
でも、一刀の一番の愛を受ける女性の座は譲る気は無いわよ」
私が敢えて、茶化した言い方をすると皆の顔にも笑顔が戻った
〜一刀視点〜
俺達の宣言から十日後、正式な婚儀の式典が開かれた
葵曰く
「早いに越したことは有りません
準備期間が短いというなら急げば良いだけです」
それで間に合わせるんだから、改めて葵ってすごいな
「一刀様も鞘華様もお幸せそうで
でも、次は私が一刀様と・・・」
「静里、次は私が一刀と結ばれます
これは、簡単には譲れません」
「私は・・うう〜〜」
「やれやれ、愛紗はいつになったら素直になれるのやら
しかし、私も正式に一刀様争奪戦に参加するかな 葵はどうする?」
「私は一刀様の側妾になる気は無い などと言った覚えはないぞ
ただ、始めは鞘華様がよかろうと思い遠慮していただけだ
だが、これで遠慮はいらぬな」
「そうね、私も遠慮しないでいつ夜討ち朝駆けをしようかしら」
「私は最初から順番はどうでもいいんですけどね
まだまだ若い・・・いえ何でもありません」
「ふっふっふ、面白いのう 儂も参加しようかのう
焔耶、お主はどうする?」
「だれが御館なんかと
武は認めましたがそれだけです」
皆からいろんな声が聞こえるな 一部物騒な会話も聞こえるけど
ついでに灯里 何をそんな怯えたような表情をしているんだ?
式典から10日経った頃、孫呉から使者がやって来た
「お久しぶりです 北郷殿
今回は姉 孫策の名代として御二人に祝辞を述べに参りました
御成婚 おめでとうございます
それと、不幸な行き違いから洛陽にて敵味方となりましたが許されるなら今後は友誼を結びたい
との姉からの言伝を持って参りました」
蓮華は相変わらず固いな 苦笑いをしながら
「あの時点での君たちの立場は理解している
友誼を結びたいというのは此方としてもありがたい話だ
そう孫策殿に伝えてくれ」
「必ず伝えます」
蓮華の言葉を聞いて
「さて、形式上の挨拶はこれで終わり
ここからは知己として話そう
久しぶり、蓮華
雪蓮も元気・・だろうね 雪蓮が元気じゃないなんて想像つかない」
「ふふ、私も、当然姉様も元気よ
今回も最後まで此処に自分が行くって言い張ってたんだから」
お互いに知己として話をしていると更に西涼からの使者がやって来た
「一刀お兄様〜、鞘華お姉様〜
お久しぶり〜 あと結婚おめでとう〜」
元気な声で入って来たのは蒲公英だった
「蒲公英、いくらなんでも失礼ですよ」
蒲公英の後ろからショートカットの女性がやって来た
背は蒲公英と翠の中間位か
「お初に御目にかかります
我が名は馬休 姉 馬超が母 馬騰の代理で多忙な為 馬岱と共に祝辞を持って参りました」
「固いな〜 あ それと翠姉様が洛陽での事は済まなかったって言ってたよ」
蒲公英の口調は使者の物では無いけどこちらも話しやすい
「蓮華も蒲公英も馬休さんも疲れてるだろうから誰か部屋に案内して
それと今夜は旧知の人も来たから宴会をやるぞ
だから仕事は早く終わらせるように」
俺の言葉で解散となった
〜華琳視点〜
「北郷達が結婚か
風、貴方の策は失敗に終わったわね」
「そうですね〜 この方法を取られるとお手上げですね〜
華琳様お気に入りの北郷鞘華を手に入れるのが難しくなりました〜
残念ですね〜」
風の言葉に間違いが一つある
「風、手に入れられなくて残念だけどそれは鞘華じゃなくて一刀の方よ」
「な、な、何をおしゃっているのですか 華琳様!」
桂花が慌ててる その様子も可愛いわね
「私の知る限りあの北郷一刀以上の男はいないわ
一騎駆けで見せた武、天の知識、『天の御遣い』の風評 これらを総合すれば当然の評価でしょ
そしてその男を私に屈服させた上で私の伴侶にするつもりだったの
私の覇道が完了して、国を統一したら後継ぎが必要になるわ
私の相手としての役目を北郷一刀に と考えてもおかしくないでしょ」
桂花は納得しきれないのか頭を抱えている
「取り敢えず、それは置いておきましょう
徐州を制圧した春蘭達が戻り次第次の仕事が始まるわよ
麗羽が勢力を伸ばし始めた以上、いずれこの地にも攻めて来るわ
時を無駄に出来ないわよ」
「御意!」
〜あとがき〜
鞘華の言でその他の娘の一刀争奪戦が始まりました
でも、其方よりも先に戦が起きるでしょう
争奪戦は戦の後に となるでしょう
孫呉と西涼と和解しました
一刀達も外に味方がいないと苦しいですから連合の事は水に流しました
華琳の狙いが一刀が本命になりました
理由は書いた通りです 人材コレクターの華琳ですから実力を示せば不思議は有りません
まあ、鞘華達を手に入れる事も諦めていないでしょうが
更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです
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