真・恋姫無双 雌雄の御遣い 第三十二話 |
〜一刀視点〜
「一刀さん、劉表が死亡しました
そして、襄陽の劉綜を後継ぎにしたい祭帽達と江夏の劉埼との間で内紛が起きているようです」
灯里からの情報を聞くと俺は直ぐに全武将、軍師を集める
そして、灯里からの情報を説明した後で
「荊州を攻略する!」
と宣言した
静里と葵には既にこの事態に備えて戦略を考えさせていた
劉表が存命の内はまだしも、死亡したならばこうなる事は予測できた
静里達の考えた戦略を聞く
「まず、我が軍の戦力は総数で7万 愛紗さんや星さん達のおかげで練度も充分です
今回の出陣で連れていける兵は5万
戦略としてはまず武陵、零陵、桂陽、臨賀、長沙と云った荊州の南部を切り取ります」
此処で反論が出る
「まて、そこにある全ての城を攻めるとなったらどれだけの労力が必要か・・・」
愛紗の反論を遮るように葵が説明を受け継ぐ
「心配ない ほとんどの城は戦わずに降伏する
既に調略で此方に着くことを確約している城もある
そうでない城もバラバラの荊州の状態で戦う事を選択することは愚策
そうなれば選択肢は降伏しかない」
葵の説明に愛紗は黙り込む
調略を快く思っていないのかもしれないが仕方が無い
「荊州南部を切り取った後、襄陽を攻略します
そうすれば劉埼も我々に帰順するでしょう
はっきり言って、劉埼の後見人である劉備
その劉備の家臣である諸葛亮と鳳統 この二人の知略は相手にしないに限ります」
静里は諸葛亮と鳳統の二人とは同門なので二人の実力を熟知している
その上での判断だ
「出撃する将はまず俺、愛紗、星、紫苑、桔梗、軍師として静里 以上だ」
この俺の発表に焔耶が文句を言って来たが、桔梗に怒鳴られ収まった
「5日後に出陣する 各自準備に掛かれ!」
「御意!」
〜鞘華視点〜
「一刀、無事に帰って来てね」
出陣していく一刀達を見送る
「それにしても鞘華様、何故鞘華様は一緒に行くと反論しなかったのですか?」
焔耶の問いに
「私が益州に残って睨みを効かせないといけないからよ
一刀と私が揃って益州を離れるのはもっと大戦になった時だけになるわ」
〜一刀視点〜
出陣した俺達の作戦は順調に進んでいた
殆どの城は、戦わずして開城
戦いを挑んで来た城も直ぐに落城した
そして江陵を落とし、此処で2日休みその後襄陽に向けて出発する事にした
その夜、寝室に入り寝台に入ると何か温かな、そして柔らかな、更に悩ましげな匂いの物があった
月明かりの中、その寝台に合った物が見えて来る
それは全裸の紫苑だった
「一刀様、行軍で女性を抱いていませんから欲求不満も募っているでしょう
ですから今夜は私がお相手します
存分に私を堪能して下さい 私も一刀様を堪能させて頂きます」
この言葉が終わらないうちに紫苑は俺を押し倒して来た
男として抗しがたい魅力を持った紫苑に迫られ俺は抵抗を諦めた
「うふふ、では一刀様、参りますよ」
そして紫苑に求められるまま応えた
翌朝、俺は起き上がれなかった
「また、いつでもお呼びください
お待ちしてます」
そう言って紫苑は出て行った
昨夜、俺が呼んだんでは無く、紫苑が忍び込んで来たのに俺が呼んだみたいに言うなよ
進軍を再開して襄陽が見えて来た
「襄陽の外で祭帽が布陣して待ち構えています その数凡そ5万」
斥候の報告で俺達も陣形を整える
そして進軍して戦いが始まる
数は互角だが練度と率いる将の質が違う
紫苑、桔梗が遠距離攻撃で敵の混乱を誘い、そこへ愛紗、星が突っ込む
敵はどんどん討ち取られていく
そして、俺も敵を倒し祭帽に迫る
「祭帽、その首貰うぞ!」
「ほざけ、若造が!」
祭帽が斬りかかって来るがはっきり言って遅い
俺は斬撃を躱して、横薙ぎを繰り出す
それは防がれたがそこへ下段蹴り(ローキック)を喰らわす
意表を突いた攻撃に祭帽の態勢が崩れた所に蜻蛉の構えに似た構えからの威力重視の斬撃
祭帽を討ち取った
「将軍がやられた、城に逃げるんだ〜」
祭帽軍は城に退却を始める
「桔梗!」
「承知しております!」
桔梗はそう言って豪天砲を構える
狙いは門の所にある橋を開閉させる為の鎖だ
その鎖を斬れば門の前の橋は上げられなくなる
ドンッ
「もう一つ」
ドンッ
二発の豪天砲で左右の鎖が斬られる
これで橋は上げられない
勝負は決した そう思った時伝令が急な報せを持って来た
「東より3万ほどの軍が向ってきます
旗は劉 江夏の劉備軍です!」
「愛紗さん、劉備軍を受け止めに行ってください
その間に襄陽を落とします」
静里が指示を出し、愛紗の部隊が劉備軍に向かう
「うにゃにゃにゃにゃ〜、鈴々の前に立つなら命の保証はしないのだ〜」
張飛に愛紗は真っ直ぐに向かう
「大言壮語だな 張飛よ
この関羽が相手をしてやる」
愛紗と張飛の一騎討ちが始まる
俺の部隊は襄陽に向かい、門を突破して城へ向かう
城に着くと流石に兵はいたが此方も部隊で来ているので難なく制圧
劉綜と祭夫人を捕えた
そして襄陽に俺達の軍の旗を掲げると劉備軍は撤退して行った
〜桃香視点〜
「朱里ちゃん、間に合わなかったね」
「はい、北郷軍が襄陽攻めに苦戦している時に奇襲を掛け荊州から撤退させる
そして北郷軍に消耗させられた襄陽を落とす これが目論見だったのですが・・・」
朱里ちゃんは悔しそうだ
「祭帽軍が予想以上に早くやられてしましました
だから急ぎ向かったのですが間に合いませんでした
桃香様、取り敢えずは江夏に戻りましょう」
私達は江夏に帰還した
私のもう一つの目的 北郷一刀さんに会う事も出来なかった
〜あとがき〜
荊州攻略編です
紫苑の夜這いはいつかやらねばならないイベントなので此処でやりました
襄陽攻略中に劉備が参戦してきましたが成果なしで帰還
劉備と一刀達の関係は悪化しました
劉備達は荊州分裂を防げなかったので起死回生の策を取ったのでしょうけどね
更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです
説明 | ||
一刀達が動き出す | ||
総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
3913 | 3353 | 16 |
コメント | ||
ふむ。益州に加え荊州の大部分を手に入れ……守備が大変になる。そしてそこを他軍の軍師に突かれると。桃香との関係が悪化、でも謝りたいと思ってる内は最悪の事態と言える完全敵対は避けられそう。政もしっかりやってるし、それを近くで見れる桃香はもう彼らを非道だとは非難しないでしょうし。そもそも自分も非道だと気付いたでしょうし。(Jack Tlam) | ||
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