英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜 |
食堂の前に到着したリィン達は中にいると思われる人物にドア越しに声をかけて返事が返ってくると中に入った。
〜ルーレ市・ドヴァンス食堂〜
「ユーナ、ドヴァンスさん!」
「おう、よく来たなあ。同じクラスの友達も一緒か。」
「アリサ、無事でいてくれてよかった……!また会えて嬉しいわ。」
馴染みがある友人とその父親の無事な姿を見たアリサは安堵の表情をした。
「ふふっ、私もよ。急ぎの用みたいだけど、大事な話ってなんなの?」
「ええ、それは……」
「ここからはわたくしが説明させて頂きます。」
アリサが自分達を呼んだ用件を尋ねたその時リィン達が大聖堂で出会ったシスターが店の奥から姿を現した。
「お待ちしておりましたわ、士官学院Z組の皆様並びにシグルーン中将閣下とゲルド様。」
「教会のシスター……?さっき大聖堂ですれ違った。どうしてこんなところに?」
「それにどうして私を知っているの?」
リィンとゲルドはシスターに質問し
「?貴女、まさかとは思いますが……」
ある事に気付いたシグルーンは目を丸くしてシスターを見つめた。
「ま、待って……この声。も、もしかしてあなたは……!」
そして血相を変えたアリサがシスターを見つめたその時
「――――フフ、御明察だ。」
シスターは頭に被っていたヴェールを脱いだ。するとヴェールが無くなった事により髪や顔が顕わになり、シスターの正体はアンゼリカだった。
「ア……アンゼリカさんっ!」
「やあ、アリサ君。それにリィン君達とシグルーン中将閣下も。まさかこんなところまで来てくれるとはね。」
アンゼリカがウインクをするとリィン達は冷や汗をかいた。
「やれやれ、もしかしてとは思ったけど。」
「まさか、シスターに扮しているとは……普段のイメージと正反対でまったく気付きませんでしたよ。」
「フッ、我ながら完璧な変装だったみたいだね。実家で学んだ淑やかな振る舞いも少しは役に立ったと言う事かな。」
「ふう、どう考えても使い所を間違っていそうですが。」
「ア、アハハ……変装の為に淑女の振る舞いを使う方なんてアンゼリカさんくらいでしょうね……」
笑顔で言ったアンゼリカの言葉を聞いたラウラは呆れ、セレーネは苦笑した。
「で、でも………どうしてアンゼリカさんがそんな格好を?」
「ああ、それも含めて説明させてもらうよ。マスター、彼女達になにか温かい飲み物を。」
「ガッハッハッ、わかった!ちょっと待ってろい!」
「さてと席に着く前に…………」
食堂のマスターに注文したアンゼリカはゲルドに近づいて突如ゲルドを抱きしめた。
「ん〜、やっぱり新しい女の子はいいねぇ♪クンクン……ん……この香水は確かエマ君がつけていたやつだったかな……?」
「えっと……?どうして私を抱きしめているの?」
アンゼリカに抱きしめられたゲルドは戸惑いの表情をし
「フフッ、これが私なりの愛情表現なのさ♪」
アンゼリカは心の底から嬉しいかのような表情を見せて答えた。
「ハハ……」
「そう言う所も相変わらずのご様子である意味安心しましたね……」
その様子を仲間達と共に冷や汗をかいて見ていたリィンとセレーネは苦笑した。その後席についたリィン達はアンゼリカにルーレに来た事情を説明した。
「そうか………それでわざわざここまで来てくれたのか。フフ、やれやれ。『こちらは気にするな』というのは逆効果だったかな?」
「ええ、当然でしょう。」
「でも……街の状況はやはりよくないみたいですね。RF社もハイデル取締役に完全に牛耳られたみたいですし。」
「ああ、市内の工場も半数近くが操業停止している。稼働している工場も貴族連合の軍需物資のために操業させられているようだ。それと機甲兵の生産も行われているみたいだね。」
「………………」
(アリサ……大丈夫〜?)
アンゼリカの話を聞いて暗い表情をしたアリサを見たミルモは心配そうな表情でアリサに念話を伝えた。
「市民の間でも貴族への不満が高まっているみたいですし……」
「それを何とかする為にレン姫の許を離れたというわけですか。」
「ま、概ねそんなところさ。この地を治めるログナー家の一人娘としてできることはないかと思ってね。今はルーレ市や領邦軍の中で協力者を集めているというわけさ。」
「なるほど……ユーナやドヴァンスさんもその中の一人と言う訳ですね。」
「ふむ、領邦軍にも支持者がいるというのは幸いですね。」
「ええ、さすがはアンゼリカ先輩ですわ。」
アンゼリカの話を聞いたアリサは納得し、ラウラとセレーネは口元に笑みを浮かべた。
「もしかして、街に入る時に取りなしてくれた見張りの兵士も?」
「ああ、私の知り合いと気付いてとりなしてくれたんだろう。まあ、それでも当然、大多数は父の味方だがね。……今回の帝都の占領とメンフィル帝国領であるユミルに2度襲撃した件とメンフィル帝国の貴族の子女であるエリス君を誘拐した件―――言語道断だが、父もどこか後ろめたく思っているようでね。」
「ログナー侯爵が………?」
「それは……意外ですね。四大名門の一人だから、貴族連合の中核のはずですが。」
アンゼリカの話を聞いたアリサとリィンは目を丸くした。
「革新派はともかく、皇帝陛下に対する忠誠心は決して低くはなかったからね。それに父もさすがに宣戦布告もせずに他国の領を猟兵達に襲撃させて領主夫妻に危害を加えさせた挙句領主の子女を誘拐するなどの卑劣な行為は帝国貴族として許せなかったのだろう。…………最もメンフィル帝国軍による帝都襲撃並びにバルヘイム宮爆撃、後はカレル離宮で近衛兵達を虐殺した事による貴族連合―――いや、エレボニア帝国に対する”報復”についてはどう思っているか知らないが。」
「あ…………」
アンゼリカの説明を聞いたリィンは辛そうな表情をし
「……君達に聞きたい。エレボニア帝国とメンフィル帝国の外交関係は今どうなっているんだい?それに何故リフィア皇女殿下の親衛隊の副長を務めているシグルーン中将閣下が君達と共に行動しているんだい?」
アンゼリカは真剣な表情でリィン達を見回して尋ね、リィン達は様々な事情を説明した。
説明 | ||
第450話 | ||
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コメント | ||
K'様&本郷 刃様&ふかやん様 ログナー侯爵については近い内どうなるか予想できます 八神 はやて様 どうなっても良いって事は例えばカイエン公の娘とかを出して凌辱されてもいいと?(オイッ!)(sorano) 作者さん…本当にお願いします!!カイエンやアルバレアの屑はどんなふうに殺してくれても構いやしません!!ですが…ですが!!クロウやログナー侯らの命だけは、如何か・・・!!(ふかやん) ここは是非生き残って欲しいですね・・・ログナー侯は貴族連合の中ではまだ良識(カイエンやアルバレアに比べれば天と地程の差があると思うし・・・・)だし話せばわかるような人だと思う。それ以外は・・・・どうなっても良いです(笑)(八神 はやて) ログナー侯爵がどうなるのか気になりますね・・・叔父の方はどうでもいいですが(本郷 刃) 碧編では一山いくらと言った感じで殺されたログナー公爵。果たして閃2編では生き残れるのか(K') |
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