真・恋姫†無双 〜私とあの人の愛した世界〜 序章
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前略、お母様へ

 

私はもう駄目かもしれません。

 

この身に命を授かって幾星霜・・・

 

これが私の最後かと思うと、涙が溢れて止まりません。

 

兄さんは既に旅立ち、今頃綺麗なお花畑で今は亡きお婆様に会っている頃でしょう。

 

娘の先立つ不幸をお許しください・・・。

 

そして、一葉叔母様にはこう伝えてください。

 

『兄さんは立派だった』と・・・。

 

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(・・・謝罪終わり・・・っと)

 

私はそこまで考えた後、改めて今の状況を把握する。

 

 

・・・まず、臭いが酷い・・・。

 

物凄く刺激のある臭いが、鼻を刺激する・・・。

 

生まれて初めて嗅いだ臭いだ・・・。

 

あまりに強烈な臭いなので、先ほどから目が痛くて開く事が出来ない。

 

何をどうすれば、このような臭いが出来上がるのか・・・。

 

肉が腐っても、このような腐臭はしないだろう。

 

きっと蠅も寄って来ない。

 

 

??「・・から、わら・・・・・・・に・・・・いる・・・!」

??「・・や、・・・・ほう・決ま・て・・と・・・・・・・・!」

 

 

・・・逃げ道は無し・・・。

 

背中に当たる壁の感触・・・。

 

目の前には『彼女達』がいる。

 

前に逃げるのは論外だし、左右のどちらに逃げたとしてもすぐに捕まってしまう・・・。

 

 

??「話・解らな・ヤツ・ゃ!」

??「それ・貴様・・う!」

 

 

・・・誰かの助けは入らない・・・。

 

誰かが助けてくれるのなら、すでに助けてもらっている。

 

そもそも、このような事態に陥った瞬間から、周りにいた人間全員が私たちから離れていった・・・。

 

『四面楚歌』の意味を理解してしまった瞬間だった。

 

声を出そうにも、喉がやられて使い物にならない。

 

遠くから楽しそうな騒ぎ声が聞こえるが、今ではそこまでが地球と冥王星よりも遠く感じる。

 

最後の望みとしては、『彼女達の後ろで倒れているであろう(視界を失う前まではそうだった)兄が起き上がって助けてくれる』という展開だが・・・。

 

(口から泡吹いて倒れているのでは、期待は出来ないわね。)

 

そこまで考え、私は状況確認をやめた。

 

(・・・何を無駄な事をしてるんだろ。)

 

この状況を打開する一手が無い事など、すでに解りきっていた。

 

状況確認は、目と鼻の先にある危機から考えを逸らせるだけの・・・逃避だった。

 

運命は変えられず、現実とは非常なり。

 

(・・・なるようにしかならないか・・・。)

 

私は覚悟を決めて、痛む目をゆっくり開けた。

 

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目の前で二人の美女が言い争っている。

 

一人の女性は、艶やかな長い黒髪が眼を惹く。

 

もう一人の女性は、左目の眼帯が特徴だ。

 

二人に共通して言える事は、顔が真っ赤で目は虚ろ、先ほどから口論をしているが呂律は回っていない。

 

・・・要するに二人は『酔っぱらっていた』。酒臭い。

 

二人は手にそれぞれの作った『料理』が乗った皿を持っていた。

 

その『料理』は時折蠢いたり、「シャギャァァァ!」と甲高い雄たけびを上げている。

 

自分の周りの床や壁が溶けているが、それは『料理』が吐いた溶解液による被害だ。

 

ふと、彼女たちより向こうで倒れている、我が敬愛する兄(と言っても従兄だが)へと眼を向ける。

 

・・・兄(従兄)は先程と同じように、白目を剥き、口から泡を吐いて倒れている。

 

変わった所があるとすれば、私が目を閉じる前は多少体が痙攣していたのだが、今はピクリとも動いていない。

 

今頃兄(くどい様だが、従兄)の魂は、雲の上の花畑にいるだろう。願わくば、川は渡らないでいてほしい。

 

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その時、

 

??「こうなったら、一夜もたべるのりゃ!」

 

??「ろうらな!」

 

二人はそう言ってこちらを向いた。

 

終焉の鐘が鳴り、終末の時が迫ってきた。

 

そろそろ、この二人の女性の正体を話しておこう。

 

長い髪の女性の名を『関羽』、眼帯をした女性の名を『夏侯惇』という。

(ちなみに親しい人間にしか呼ばせない『真名』と言うものがあり、関羽は『愛紗』、夏侯惇は『春蘭』と言うらしい)

 

正真正銘バリバリの『三国志』の猛将である。私の知っている『三国志』とは違い、二人とも女性だが。

 

愛紗「さあ!ろちらの料理が旨いか!」

 

春蘭「食べ比べるのりゃ!」

 

二人は呂律の回らないが外れた声で少し、また少しとにじり寄ってくる。

 

私は観念して、

 

「わかりました!食べます!食べますから!」

 

と言うしか道は無かった。

 

 

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二人の酔っぱらいが作った『料理』を目の前にして、

 

 

 

 

(ゴメンね、兄さん。私も今からそっちに行くよ。)

 

 

 

 

 

 

私は倒れている兄(何度も言うが従兄)『北郷 一刀』へ心でそう謝罪し、

 

 

 

 

 

 

私こと『北郷 一夜(ほんごう かずよ)』は人生最後にして最大の試練に立ち向かっていった。

 

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あとがき

 

 

はじめまして、セインと申すものです。

 

この度は私の初投稿作品をお読みくださって、ありがとうございます。

(・・・というか、初投稿どころか初執筆作品です。小説家レベル1です。)

 

 

この話は「魏アフターだけじゃ何番煎じか分からないから、オリジナルの主人公も付けてしまえ!」という考えで作り上げたものです。

 

 

今回はまだ序章で、まだまだ続きがあります。

組みあがっている構成では、シリアスバトルではなくギャグコメディを目指しています。

 

・・・書いてみて思いましたが、この表現力の無さ・・・。

早くも挫折してしまいそうです。

 

 

しかし、このシリーズを終わらせるまではガンバって書いてみたいと思っています。

 

 

社会人の為、不定期更新になると思いますが、応援ヨロシクお願いします。

説明
初投稿ものです。

魏ルートアフター+オリ主物です。

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コメント
・・・初っ端から三途リバーって(苦笑)(BX2)
普段でも強烈なのにさらに酔っ払っているだと!逝けるゾ。(乱)
・・・・いままでに無い北郷に妹?!あぁ・・・あの二人の料理食べたのか・・・・。しばらくは現実世界か、本当の三途の川でしょうな・・・。(りばーす)
ふぅ・・・・続きを楽しみにw(toto)
なんておもしろそうなんだ・・・一話で早くも生命の危機とはwwwがんばっていい作品書いてくださいね。(ブックマン)
なんだこれ・・・・・・ギャグは最高な上に・・・・・・オリキャラが好みすぎる件wwwwww さぁ、愉しい物語の幕開けだ! なので、頑張って下さいw(Poussiere)
ギャグコメディ?大歓迎ですwww 私を笑い死にさせて下さいwwwwww(フィル)
華琳の事は、「姉さん」?それとも「お姉さま」?続きが楽しみです。(覇炎)
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真・恋姫†無双 恋姫†無双 魏アフター 

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