真・恋姫無双 雌雄の御遣い 第三十六話 |
〜一刀視点〜
俺が建業を出立してから3日後、襄陽へ到着した
襄陽の城に着くと門番の兵が
「北郷様、ご無事で何よりです!」
と喜んでくれ、2人の内一人が中へ報告の為向かおうとしたが
「いいよ、このまま皆の所に行くから」
と制して中に向かった
この時間なら朝議の最中かな
そう考えながら会議をしている部屋に向かう
扉を開け、中に入ると
「何事で・・一刀様!」
紫苑、星、愛紗が駆け寄って来る
「一刀様、ご無事で何よりです」
「復讐戦と無理やり出撃しそうになりましたわ
静里ちゃんに止められましたけど」
「家臣に心配を掛けすぎですぞ
もうちょっとご自愛くだされ」
三人が様々な事を言ってくる中、静里はゆっくりと歩み寄って来た
「一刀様、ご無事で何よりです
一刀様が出立されてからの報告です
城の修復は完了しております
兵は制圧した城から移動させた分と、希望者のみの徴兵で現在の総数は5万
調練は星さんと愛紗さんによって進めています
財物は豊富にあるので現在の所、問題ありません
詳細は竹簡に纏めてあります
報告は以上です」
事務的な口調で淡々と報告する
「分かった 後で目を通しておくよ」
その後明日俺は成都に向けて出立すると告げて、通常の朝議となった
その夜、俺が部屋にいると
「一刀様、静里です
入ってもよろしいでしょうか?」
「静里?いいよ、入って来て」
静里が部屋に入って来た
「何かあった?」
俺が訊くと
「一刀様、朝議では皆が居るので言いませんでしたが、もっと御身を大切にしてください!
私は一刀様の家臣です 主君が傷つけば心配します
そして以前、一刀様に申し上げたように女としても一刀様に御仕えしたいのです
そのお方が傷つけば平静でいられる訳がありません
家臣として、一刀様を慕う女としてお願いします
御身の安全を第一に考えて下さい」
静里が涙を流しながら訴えて来る
こんなに心配させた事を反省した
その一方でここまで心配してくれた静里に愛おしさが増した
俺は寝台に座ったまま静里の手を取り、引き寄せ、抱きしめた
「分かったよ、そして心配してくれてありがとう」
そう言って抱きしめる力を緩めて静里に口付けする
以前のような唇を重ね合うだけでなく、お互いの舌が絡み合い、唾液を交換する
唇を離し、静里の目を見つめる
「静里、君を抱きたい」
「一刀様に求められれば私は拒みません
私の女として最高の幸せなんですから」
静里を寝台に押し倒した
そして静里の服を脱がしてゆく
静里は寝台の上で、一糸纏わぬ姿を俺に晒した
「そんなに見ないでください」
「静里が綺麗過ぎて目が離せないんだよ」
「そんな言い方、ずるいです
嬉しすぎて反論できません」
俺は静里を求め、静里は応えて、俺達は一つになった
翌朝、成都に向けて出立する際、静里に
「もし昨夜の行為でできたなら、名前を付けてあげて下さいね」
と耳打ちされ真っ赤になってしまった
襄陽を出立してから5日後、成都に到着した
皆に会うなり、鞘華が飛びついて来た
「一刀、無事でよかった!」
嬉しいが皆の前で抱き付かれると照れくさい
だが鞘華は抱き付く力を緩めようとしなかったので
「鞘華、此処は皆の前だから
この続きは、夜、二人っきりで」
と囁いた
鞘華が離れると皆は
「正妻の鞘華様の前で抱き付いたりはしません」
とからかわれてしまった
「曹操が洛陽と長安を制圧しました」
通常の朝議に戻って、灯里の報告を聞いた
「ちょっと待て
孫呉に攻め入って撤退してから10日余りしか経っていないんだぞ
いくらなんでも早すぎる」
俺が反論すると
「孫呉に攻め入った時、別働隊を洛陽に進軍させていたんです
別働隊なので孫呉に攻め入った本隊より数は少ないんですが洛陽はまともな軍が有りませんから
禁軍は指揮官が居ないので、まともな軍として機能していません
殆ど無血開城の状態だったようです
長安も同様で、孫呉から撤退した本隊が既に長安に入ったようです
つまり曹操は孫呉を後回しにして、先に董卓、涼州を責めるつもりです」
灯里の報告を聞いて、董卓は兎も角、涼州が攻められれば援軍を要請される可能性があると考え
「いつでも出陣できるように準備してくれ」
そう指示を出した
余談ながら、その夜、今回の遠征中に誰を抱いた?と鞘華に詰問された
〜天水にて〜
一刀が成都に帰還してから10日後、曹操は天水に攻め入った
董卓軍5万、曹操軍10万
董卓軍軍師賈?は籠城戦を選択 そして機を見て呂布と張遼で曹操の本隊を痛撃する
これを基本戦術とした
だが、賈?も呂布の武力に目を眩ませていたのかもしれない
曹操が呂布の対策を考えている可能性を失念していた
「今よ、霞、恋、曹操の本隊を攻撃して!」
張遼と呂布の部隊が出撃する
張遼隊は程なく夏候惇隊とぶつかる
夏候惇と張遼が一騎討ちとなりその間に張遼隊を包囲
部隊を人質にして隊ごと張遼を投降させる
呂布隊はその頃、曹操軍本隊に向かっていた
その方向に敵はいない 倒したのではなくいない
呂布が接近すると曹操軍の兵士は道を開ける
ならば曹操軍本隊に直ぐに辿り着けるかというとそうではない
周囲から矢を射掛けられ、行き足を止められてしまう
通常なら呂布が戦う相手が居る為、同士討ちを恐れて矢を射掛けられない
呂布は敵を倒すのに手間取らないので、敵が立ち塞がろうと問題なく進んで行く
今回は矢で行き足を鈍らされ、敵は倒されない為数が減らずこの状態が延々と続く
更に今回、曹操軍本隊は少数精鋭で本隊にも拘わらずに常に移動する
例えるなら曹操軍本隊と呂布隊が追いかけっこをしているような物である
呂布隊は矢で行く足を鈍らされている為、曹操軍本隊に接近が出来ない状態が続いた
そして、その間に天水が落城した
曹操は呂布に投降を勧めようとしたが呂布隊は一点突破を計り、南へ逃走した
その報告を聞いた曹操は
「呂布を取り逃がしたか
だが張遼と賈?を投降させられたのだからそれで満足するしかないわね」
〜あとがき〜
一刀と静里が結ばれました
静里は本来2番目の立場なのですが紫苑に先を越されました
一刀と次誰が結ばれるかは考えていません
もしかするとこれが最後かも・・
でも一刀だしなあ
曹操軍対董卓軍
これについては何も言いません
更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです
説明 | ||
一刀の帰還 | ||
総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
3470 | 3001 | 12 |
コメント | ||
腕を切り裂かれたんだから、片腕しかないと言うことですよね?(獅子神様) 病み上がりなのにさすが種馬wそして董卓軍がやられましたか〜曹操軍はより強くなってまいますな^^;(nao) まぁ恋については馬鹿正直に相手する必要はないですからね。要はトップさえ押さえてしまえば勝ちですから。果たして、南に逃げた恋は何処に向かうのか。伝を頼るなら孫呉、安息を望むなら南蛮といったところですが……(h995) |
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