英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜 |
〜ザクセン鉄鉱山〜
「……ようやく着いたな。」
「ここは……アリサを見た時に見えた”鉱山”よ。」
「そう…………ザクセン鉄鉱山……前回の実習ぶりね。どうやら鉱山自体は普通に操業しているみたいですね?」
ゲルドの言葉に頷いた後鉱山の様子を見たアリサはアンゼリカに尋ねた。
「ああ、鉱員のみんなも普段通りに働いているよ。伝えた通り、父の雇った猟兵が警備をしているようだが。」
「猟兵ですか……」
「しかし、外はあまり警戒していないようですわね。」
アンゼリカの話を聞いたセレーネは不安そうな表情をし、シグルーンは猟兵達が鉱山の外には見当たらない事に不思議そうな表情をした。
「アイゼングラーフ号の方に警備が割かれているのかもしれません。」
「おそらくそうだろう……入って左手の貨物ホーム………そこにイリーナさんを軟禁している列車があるはずだ。ここは正々堂々と、正面突破と行こうじゃないか。」
「フフ、そうですね。」
「隠れる場所も無さそうだ……強引だけどやるしかない。」
「――――行きましょう。」
アンゼリカの言葉にラウラとリィンはそれぞれ答え、ゲルドは静かな表情で促した。その後リィン達が鉱山内に入るとそこには見張りの猟兵がいた。
「なんだ、貴様たちは?」
「教会のシスター……?ここはログナー家の領地だ。とっとと立ち去るがいい。」
シスター服を身に纏うアンゼリカを不思議そうな表情をして見た猟兵はアンゼリカに忠告した。
「――――鉄鉱山の現在の所有者はあくまで皇族・アルノール家。我が物顔で占拠するなど恐れ多いにもほどがあるでしょう。ふふ、叔父上も少々気が大きくなりすぎていますわね。」
「な、なにぃ?」
「まて、貴様らの顔は確か手配書にあった――――」
猟兵達がリィン達を怪しみ始めたその時リィン達は武器を構えた。
「なっ……!?」
「遅い―――!」
「ここは通してもらうわ!!」
そして驚いている猟兵達の隙を逃さなかったリィン達は先制攻撃で次々と攻撃して一気に片をつけた。
「ぐふっ……」
「お、おのれ……!」
リィン達との戦闘によって戦闘不能になった猟兵達は悔しそうな表情で気絶した。
「この猟兵の装備……見覚えがあるな。」
「ええ、確かノルドで遭遇した”ニーズヘッグ”でしたわよね?」
「あの時はラマール領邦軍と手を組んでリザイラ達に殲滅されたけど……」
「どうやらノルド方面に行っていない連中がうちの実家とも契約を結んでいたようだね。とにかくここは制圧完了だ。貨物駅まで一気に行くとしよう。」
リィン達が貨物駅に行こうとしたその時、騒ぎに気付いた鉱員達がかけつけてきた。
「な、なんだなんだ!?」
「この騒ぎは一体……!?」
「鉱山長!他の鉱員の皆さんも………!」
鉱員達を見たアリサは明るい表情で声を上げた。
「おお、アリサ嬢ちゃんに例の士官学院の………!?」
「ひ、姫さんまでいるじゃねえか!?」
「どうして猟兵が倒れて……まさかあなた方が!?」
「フフ、悪いが今は詳しく説明している暇がなくてね。こちらにアイゼングラーフ号が泊まっているのは間違いないかな?」
驚いている様子の鉱員達に苦笑しながら答えたアンゼリカは真剣な表情で尋ねた。
「ああ、なにやら貨物ホームで厳重に守られているようだが……まさか、お前さん達!?」
「ええ――――囚われている母様を必ず救い出してみせます!貨物ホームへは左手の扉から降りられるわ。さっそく向かいましょう。」
「了解だ―――急ごう!」
そしてリィン達が貨物ホームの近くまで駆け付けるとアイゼングラーフ号が停車していた。
「……帝国政府専用列車、”鉄の伯爵(アイゼングラーフ)”号……!」
「なるほど……あの列車が話に聞いていたエレボニアの……」
「以前、ガレリア要塞へ行く前に通過するのを見かけて以来か。」
「この列車のどこかに母様が……」
「!異界の業火よ、我に応え、魔を滅ぼす力となれ――――」
「ゲルドさん?一体何を……?」
リィン達がアイゼングラーフ号に注意を取られている間に何かに気付いて詠唱を開始したゲルドの様子を見たセレーネは不思議そうな表情をした。
「ああ、間違いないはずだ。さっそく潜入して――――」
そしてアンゼリカがリィン達を促したその時
「貴様ら……!?どこから入り込んだ!?」
猟兵達が駆け付け、リィン達の道を阻むように対峙した。
「チッ、気付かれたみたいね。」
「フッ、我が道を阻むなら遠慮なく叩きのめすまでさ!頼むよ、みんな!」
「ええ、アンゼリカさん!」
「餓鬼どもが……!」
「我らニーズヘッグを嘗めるな!」
そしてリィン達が猟兵達との戦闘を開始しようとしたその時
「フレアゴースト!!」
「な――――ギャアアアアアアッ!?」
「グアアアアアアッ!?」
「熱い熱い――――ッ!?」
「な、何なんだこの炎は……!?」
”予知能力”によって猟兵達が駆け付けてくることがわかっていた為その時に備えて既に魔法の詠唱を終えていたゲルドが蒼き炎を解き放って猟兵達を怯ませた。
「ナイスよ、ゲルド!――――切り裂け!!
するとその時サラ教官がクラフト―――紫電一閃で猟兵達にダメージを与えると共に一か所に纏め
「二の型・改―――紅蓮剣!!」
「ハァァァァァ……ソニックシュート!!」
「落ちよ、聖なる雷!ライトニングプラズマ!!」
「逃がさない――――メルトレイン!!」
「ゆくぞ――――熾洸剣!!」
「隙は見逃しませんわ――――旋月槍!!」
そこにリィン達が次々と攻撃を連携して叩きつけ、シグルーンの槍による薙ぎ払い攻撃によって猟兵達は吹き飛ばされて地面に叩きつけられた!
「があっ……」
「ま、まさかお前達、イリーナ・ラインフォルトを奪いに来たのか……!?」
自分の仲間がそれぞれ気絶している中まだ意識が残っている猟兵はリィン達を睨んだ。
「フッ、そのまさかさ。」
「そこを退いてもらうぞ!」
「さ、させるか……!」
アンゼリカとリィンの言葉を聞いた猟兵は懐から通信機を取りだした。
「―――緊急事態は――――」
「セイッ!!」
「なっ!?」
通信機に伝えようとした猟兵だったがシグルーンが放った槍の一撃によって手に持つ通信機は弾き飛ばされ
「大人しく眠っておきなさい!!」
「ぐはっ!?…………」
シグルーンに続くように一気に詰め寄って来たサラ教官の強化ブレードによる強烈な一撃によって吹っ飛ばされてそのまま気絶した。するとその時アイゼングラーフ号が発車した!
「ああっ……!アイゼングラーフが!?」
「―――みんな、飛び乗るぞ!」
「了解……!」
「行きましょう!」
そしてリィン達はアイゼングラーフ号に飛び乗り、天井の蓋をあけてアイゼングラーフ号に侵入した。
〜アイゼングラーフ号〜
「か、間一髪だったけど無事に侵入できたみたいね……この列車内のどこかに母様がいるはず……!」
「とにかく一車両ずつ洗っていくしかないな。」
「………奥から気配を感じます。注意して進んでいきましょう!
その後リィン達は迎撃態勢を取っている猟兵達を制圧しながら奥へと進んだ。
説明 | ||
第454話 | ||
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コメント | ||
本郷 刃様 ずうずうしいにも程がありますね マジロン様&K’様 そうですね。K’様の仰る通りリィンが中途半端になったのはZ組と親しくなりすぎてエレボニアと関わった事が一番の原因ですね(sorano) ↓同じ立場のエリゼはきっちりメンフィル貴族としての意識を鮮明にしているので、リィンがブレブレなのは本人に主体性が欠ける事とZ組としてエレボニアと中途半端に関っちゃった事が負の相乗効果になったのが原因だと思います。実際碧編ではここまでブレブレじゃないですし(K') リィンの軸がはっきりしないのってやっぱり立ち位置が複雑すぎるからですかね?エレボニア出身のメンフィル所属貴族。深い友人はエレボニアだと難しいでしょうね(マジロン) 皇族の所有権だというのに自分の物とは、ログナーの叔父殿は随分と見栄っ張りのようで・・・越権行為でしょうに(本郷 刃) |
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