リリカルなのは〜翡翠の戦士と夢のたまご〜第1話:新たな舞台、新たな出会い |
「・・・・・・たまご、ねぇ」
年が明け、海鳴市の隣の市街地をのんびりと歩きながら、剣也は隣に居る花と依頼についての話をしていた
依頼の内容はこの近くに住んで居る聖王教会の協力者から来た妙な情報……黒いたまごが空を飛んで、暴れている光景が度々この都市で見かけられているというものである
今のところ人的被害なんかも無いし、魔法絡みな感じもないが万が一に備えて一応の調査が必要と言う事で、管理局からの勧誘……もとい脅迫から逃がすために特騎士隊の隊長である剣也の父が剣也に直々に出したのである
因みに花もいる理由は聖兄弟が最近セクハラ紛いの行動をしてくるため精神的にきつくなってきたので剣也と行動する事になったのである
「なんだか可愛いですね、たまごが何か色々トラブル起こす……って」
「可愛いだけならまだ良いのでは?」
「てか今ひとつ不明瞭だぞ? たまごってなんだよ、たまごって。もう少しセンスに気を使えって」
「仙鉄、結構厳しいね……」
「いや……たまごにセンス求めるのおかしいから」
そんな話をしながら周囲を見渡して調査をする剣也と花
ついでに時間は夕方だったりする
「あ、剣也様。あのチェックの制服可愛いと思いません?」
「ん? あぁ、俺らがこれから通う学校の制服だな、確かに可愛いけど前の学校の方が俺の好みだな」
「? ロード、なのは様方が着ていたような制服が好みなんですか?」
「てかワンピースみたいな服が好きなだけ《前世の女性の服装がワンピース型が多いから見慣れてるんだ》」
「成る程」
念話で言いながら答える剣也に納得するウィル
「(剣也様はワンピースが好きですか……なのは様方がいない内に少しでも剣也様との距離を……/////)」
其をちゃっかり聴いた花はそう決意したりする……
「あ、そう言えば」
話しかけてきたのは、仙鉄
「微弱だが妙な反応、探知したぞ、たった今」
『妙な反応?』
「もっと言うと、爆発音というか炸裂音というかそういうのだな」
「……引き当てたかも知れませんね?」
ウィルのその言葉に剣也は花と顔を見合わせて・・・一気に駆け出した
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
数分後、ウィルと仙鉄の誘導で二人が到着したのは近くの遊歩道
夕暮れ時だからか、陽が差し掛かってとても綺麗である
そしてそこには、一人の倒れている女の子
それと、その傍らに赤いバツマークを貼り付けた黒い性格の悪そうな顔したのが一匹
そして、その一匹の前には、一人の女の子
剣也達が先程見かけた制服を着ており、桃色のきちんとセットされた髪に意志の強そうな瞳……そして
「・・・・・・剣也様、なんか・・・・・・あの女の子の周りに小さい子が居ませんか? こう、ユニゾンデバイスより小さくて、赤と青と緑の子が……」
「奇遇ですね、花様、私も見えます」
「ウィル、お前もか? 俺もだ」
「……そっか、アレ幻覚じゃないんだな。皆見えてるなら俺の頭がおかしくなったんじゃないのか……なにあれっ!?」
花、ウィル、仙鉄、剣也の順に言う
その子がそいつを正面に捉えたまま両腕を動かして、手を胸元に持っていく
「あたしの心、アンロック!!」
瞬間、その子の胸元にかけていたやけにかわいらしいデザインの南京錠が輝き、光に包まれた
赤い子がかわいいデザインのたまごに包まれて、女の子の胸元に吸い込まれる
そうして服が脱げて・・・ハートが刻まれたリボンみたいなのに身体が包まれて
「剣也様、見ちゃダメです!!!」
「うおっ!?」
瞬間、花が剣也の目を塞いだ
それで赤とピンクを基調としたサンバイザーを頭に装着し、髪型がサイドポニーに変わり、両手にピンク色のポンポンを持ったチアガールルックの女の子になった
【「キャラなりっ! アミュレットハートッ!!」】
ご丁寧に名乗ってくれた上に、決めポーズまで取った
『……なんか変身したっ!?』
其を見て驚く剣也達
「なにあれっ!? え、なんなのあれっ! もう一回言うけどなんなのあれっ!!」
驚くあまり混乱している剣也
「け、剣也様落ち着いてくださいっ! 冷静に……冷静にです!!」
「花だってガタガタ震えてるじゃねぇか! 」
「てか全員落ち着いて!?」
花、仙鉄、ウィルの順に宥める
なんて騒いでると、女の子がこっちに気づき、向いてきて・・・・・・剣也と目があった
「え、えっと……」
「ど、どうも」
「あ、どうも」
すごく驚いた顔をしている。同時に、近くをふわふわ浮かんでいる青い子と緑の子もそんな 顔をして剣也達を見ている
なにか言いたいようだけど、自分でもそれがなにかよく分かってないらしい。なので花は、ちょこっと気遣ってあげる事にした
「大丈夫ですよ、ちゃんとそれっぽい補正がかかっていて、全部は見えていませんし、この方の目も塞いでいたので見られてませんよ?」
「そ、そっか。それならいいや」
『(良いんだ!?)』
女の子の言葉に心の中で突っ込む剣也達
僕の言葉に安心した表情を浮かべて、女の子が黒いチビに向き直り……再び振り向いた
「だ、大丈夫じゃないしっ! え、もしかし て見られたっ!?」
「大丈夫ですよ、この方の目を塞いでいたので見られては……」
「そっちは見たんでしょ!? 変身してるところ!!」
女の子の言葉に頷く花
「いやーーー!!? 今見た事は忘れてっ!? 今すぐ忘れろー!!」
『いや無理だろ(ですよ)』
剣也達がそう即答すると、何故か女の子がずっこけた
「はぁっ!? なんでよっ!!」
『いや、あんなインパクトのあるもの見てすぐ忘れるわけないよ』
「もっともらしい事言って誤魔化すなぁぁぁぁぁぁぁっ!マジでムカつくっ!あんたらなんなのっ!?」
【あむちゃんっ! そんな事言ってる場合じゃないよっ!! ほらっ!!】
黒チビが、剣也達に向かって黒い弾丸を放つ
……が、一度言おう
剣也達に撃つのはミスである
「(エネルギー弾? 魔力や天力は感じない……念で良いな)」
剣也はそう思いながらオーラを右手に纏わせて……
「ほっ」ぱしっ!!
『はっ?』
受け止めた剣也に唖然とする女の子と小さいの
一方で花は「剣也様だから何しても驚かない」と呟いていた
「ほれ、返すよ」しゅっ!!
【ムリ!?】
そして投げ返す(キャッチ&リリースVer 念)、其に驚く黒いの、ギリギリで避けたが顔は驚きに染まっていた
「俺に喧嘩売るとはいい度胸だな」
そう言いながら黒いのに近づく剣也
「え、ちょ、ちょっと待って!?」
女の子は慌てて剣也に近付き、そのまま左手を取って剣也を止める
「アレ、マジで危ないんだよっ!? 今のも見たよねっ!?」
「いや、あれ程度なら今見たみたく大丈夫だぞ? 其にアレより危ないもんはやんなる位に知ってる。あの程度、危ないに入らない」
「はぁっ!?」
「つーわけで、ウィル」
剣也は胸元からウィルを取りだし、それを眼前に持っていく
「《……良いのですか? 手札を晒して》」
「《確かにね、でも関係無いと思う? あの子、赤いたまごとユニゾンみたいに一つになったらしいし、何よりあの黒いの、あの子の周りにいるのに似てるし》」
ここは手札を晒してでも、情報やあの子との繋がりが欲しいところ……
そう剣也は考えているのだ
「まぁ、そういう話なら仕方有りませんね。病み上がりですし、リンカーコアの罅はまだ治っていないんですから無茶は禁物ですよ?」
「解ってるよ」
「・・・・・・え、今誰がしゃべったの?」
【あむちゃん、多分だけど……あの子が持ってる宝石】
「えぇっ!?」
剣也は左手を振り払い、そのまま数歩前に出る
目の前には黒いの
「あぁ、そうそう。俺が何者かって聞いたな、教えてやるよ」
右手で持ったウィルを自分の目の前に持っていく。深緑の宝玉が、夕日の光を受けて煌めく
「翡翠の戦士……其れだけだ」
【「・・・なにそれっ!?」】
「セットアップ!!」
「スタンバイレディ、セットアップ」
翡翠色の光に包まれながら剣也の服装が変わる
太股までの長さで肘までの袖が付いたペルー色の上着
スチールブルー色のTシャツ
桔梗色の長ズボン
そして両手には花色の手袋が嵌められ、
両足には膝が隠れる脚甲が付けられた
そして、目の前には中心に深緑色の宝玉…ウィルが付けられた銀朱色の棍が浮いていた
剣也はそれを手に取ると巧みに操りポーズを決めた
「え、嘘。姿・・・・・・変わっちゃった」
【あむちゃん、もしかしてこの子……キャラ持ち? あ、でもちょっと違うかも。……え、これなんだろ】
「さぁ……味わえよ」
弾丸をいくつも放ちながら、黒いのが迫ってくる。しかし剣也はそれに微動だとしない
当たらないから
「最高にハイって奴をな!!」
【「な・・・・・・なにそれっ!?」】
「花、結界掛けて!!」
「はい!!」
花が御札を投げる。途端、結界が発動して光の円が剣也と黒いのを囲う
「柊流陰陽結界法"闘浄円"……此で周りに被害は起きません」
自信気に言う花だが……
「《花……お前今度結界魔法学べ、魔法は苦手なのは解るが練習位はしておけ》」
「……」ツイ……
剣也の念話に目をそらすのだった
「行ってくる」
そう言いながらウィルを手に、前に飛び出す
襲い来る黒い弾丸の雨を避けながら、ひたすらに
近付きながらウィルに魔力を込める
今から繰り出すのは剣也がもっとも得意とする前世から使い続けている技……
剣也の接近を止められない事に気づいて、黒いのは後ろを振り向いて逃げようとするが花の結界で逃げることは出来ない
そのまま剣也はゼロ距離まで踏み込み左手で端を掴み、右手で真ん中辺りを掴み右から力強く振る
「払打(かくだ)!!」
武天流の基本技……其をうけた黒いのは吹き飛びながら
【ム、ムリイイイイイイ!!!!!!】
叫びながら消えていき、表面に赤いバツが付けられた黒いたまごが生まれた
「やっぱり関わりがあったか」
「みたいですね」
「とにかく、これは回収しますね」
花が右手を伸ばして、たま ごを持つ。途端、そのたまごの色が変わった
羽の装飾が殻に描かれた、綺麗な白色のたまごに
「これ、なんですか?」
「花、俺に質問しないでくれない?」
近付きながら聞いてくる花に言う剣也
白のたまごが、なんかもぞもぞしてるが、花は普通にしっかりと握って逃がさないようにする
「えっと、何かが原因でこれが黒いたまごになってた……とか?」
「まぁ、そう考えるのが妥当でだな。そうなると」
「あの・・・・・・君っ!!」
花の言葉に仙鉄が補足している時に後ろから声がかかった。振り向くと先程の女の子がいた
「なに?」
「それ、返して? そのたまご、あの子のなの」
そう言って、女の子は倒れている女の子を指す
「凄く大切なものなの、だから……」
其を聞いて剣也と花はお互いの顔を見て、頷く
花はそのまま女の子に背を向けて、歩き出した
「え・・・・・・ちょっとっ!?」
「返して来ますね」
「え?」
花は首だけ振り返り、呆けたような顔の女の子を見て微笑む
「だって、あの子の大事なものなんだろ? 可愛い女の子に嫌われるのも嫌だし、返してく る。……あ、でもどうやって返せばいいか分かんないな。よく分からないが、割れたりしたらダメなんだよな?」
剣也が聞く
「だめっ! それだけは絶対だめっ!!」
「だったら、悪いけど教えてくれるかな。このたまごの事、俺たちよりは詳しいんだろ?」
「あ……うん、分かった。てゆうか、 手……離せばいいから。そうすれば自分で戻ってく」
「……花」
「はい」
言われた通りに、花はその白いたまごから手を離す。たまごは手から浮き上がって、そのまま女の子の方へ飛んで行った
「これでいいのか?」
「うん。てゆうか、あの……ありがと」
「いいさ、別に(あくまで調査であって回収はあわよくば……だしね)」
そう言いながら剣也はバリアジャケットを解いて何時もの服装に戻す
女の子も同じようにさっきまでの制服姿に戻った
「……話、終わりましたか?」
「あぁ、終わった」
そう言って、空気を読んで花が歩いてきた
「ね、君……あとその子も、一体何者?なんか棒持ったり姿変わったりしたしさ。 ×(ばつ)キャラ……あ、あの黒いのなんだけど、それ見てもあんま驚いてないし」
「×キャラって言うのか……」
「まさか×のたまごは×たまとか言うんじゃ……」
「・・・・・・正解」
花の言葉に肯定する女の子
「またそのままなネーミングですね」
「そのまま過ぎて怖いくらいだな」
呆れるウィルと仙鉄
「あー、それと」
「なに?」
剣也、女の子の順に言う
「何者かって言われてもさ、名乗っただろ。翡翠の戦士だってさ」
「それじゃあ分かんないってばっ! 君、名前とか無いのっ!?」
「ある」
剣也は女の子の顔を見る。夕日に照らされてるせいか、頬が赤く染まっているあの子を、真っ直ぐに
「・・・・・剣也、柊剣也、其が俺の名前だ、謎の美少女」
「謎の美少女言うなー!! 美少女は嬉しいけど言うなー!!」
「・・・・・・あむちゃん、呼ばれたくなかったらちゃんと名前教えた方がいいよ」
「ボクもそう思う」
「ですですぅ」
「その子達の言う通りですよ。呼んで欲しくないならまずは名前を教えて下さい。全部そこからですよ」
「・・・・・・え?」
花の言葉に驚く女の子達
「・・・・・・なんでそんな不思議そうな顔するんですか?」
「あの、君・・・・・・もしかしてボク達の事、 見えてるのっ!?」
「はい、もうバッチリ」
「俺も見えるぞ?」
「こちらもです」
「俺もだ」
花の言葉に肯定する剣也達
「「「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?」」」」
其に驚く女の子達、剣也達は其を見て頭に?を浮かべる
なお、この後でこの子達がなんでこんなに驚いたのかを、剣也達は知る事になる……
説明 | ||
ある魔人との戦いで死んでしまい、リリカルなのはの世界に転生することになった主人公"柊剣也"。ある日、なのはの天撃使いとしての資質を開花させた為に管理局からの勧誘、もとい脅迫から逃がすために剣也の父がある町に任務へ送った、そこで出会うのは"なりたい自分のたまご"とそれを救う子供達……剣也は彼等とどうゆう物語を紡ぐのか? *新年明けましておめでとうございます!! この作品は"リリカルなのは〜翡翠の戦士と七つの才牙"の続編……というより空白期を利用したクロスオーバーです、ご理解の程よろしくお願いします作品説明を入力してください |
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