英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜
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〜ドヴァンス食堂〜

 

「トワ会長。それにアンゼリカ先輩。」

「あ、リィン君。」

「やあ、お疲れだったね。」

「お二人ともお疲れ様でした。二人でお茶しているんですか?」

「フフ、ようやく愛しのトワとゆっくりする時間ができたからね。ジョルジュも工科大学へ出かけたし、このまま二人でめくるめく世界へと旅立とうというところさ♪」

いつもの調子で答えたアンゼリカの話を聞いたリィンは冷や汗をかいた。

 

「た、旅立たないってば。もう、アンちゃんってばほんと相変わらずなんだから。えへへ……でもよかった。無事にまた会えて。……あとは……」

「……フッ、そうだね。あのお調子者(クロウ)のこともなんとかしなくてはな。」

「(せっかくだし、俺も二人とご一緒させてもらおうか……?)その、よかったら俺もここで休憩していっていいですか?」

「うん、もちろんだよ。」

「フフ、ここは先輩としてオゴってあげるのがスジかな。」

その後リィンは二人と共に休憩を始めた。

 

「ふう……落ち着きますね。」

「ふふ、大衆居酒屋にしてはなかなかいいお茶を出すだろう?以前からのお気に入りの店でね。よく屋敷を抜け出しては飲みに―――もとい、くつろぎにきたものさ。」

「もう、アンちゃんってば……お酒はダメなんだからね?」

アンゼリカの話を聞いたリィンが冷や汗をかいている中、トワは呆れた表情で指摘した。

 

「ふふ、わかっているとも。いやしかし、こんなやり取りも本当に久しぶりだな。父との決着―――乗り越えた甲斐があったようだ。」

「……ええ、そうですね。」

「リィン君、アンちゃん……」

「おや、トワ。よく見るとなんだか髪が乱れていないか?」

「え、そうかなぁ?艦長帽を被るようになったから確かに手入れは適当にしちゃってるけど。」

アンゼリカに突如髪の事を指摘されたトワは戸惑いの表情で答えた。

 

「せっかく長くてフワフワな髪なんだ。もっと大事にしたまえ。そうだな、学院にいた頃のように私が梳いてあげるとしようか。」

「え、いいの?じゃあよろしくお願いするね!」

(はは……先輩たちって本当に仲がいいよな。)

仲がいい二人の様子を見守っているとアンゼリカはトワの髪を梳き始めた。

 

「ん、こんなところかな。」

「こ、これは……その、いつも髪をしばっていますからなんだか新鮮ですね。」

しばっている髪を梳いたトワを見たリィンは驚き

(まあ……フフッ、髪を梳いたトワさんの方が素敵な気がしてきました。)

(髪形だけで別人になるという話を聞いた事はありますが……どうやらそれは本当だったようですね。)

(ええ……今の彼女はとても大人びているわ。私達も髪形を変えたらリィンは驚くかしら?)

(うふふ、髪は”女の命”とも言われているしね♪)

(………………私も髪を梳けば、マスターに驚かれるのでしょうか……?)

メサイア達が微笑ましそうに見守っている中、アルティナは左右に縛っている自身の髪を気にしていた。

 

「あう……そうかなぁ?」

一方リィンに驚かれた後ジッと見つめられたトワは恥ずかしそうな表情をした。

「フフ、トワは髪を下ろすと意外と大人っぽくなるからね。可愛らしさと大人びた雰囲気の両立……ああ、さすが私のトワだよ♪」

「も、もうわかったから。そろそろリボンを返してくれる?」

「いや、ダメだ。せっかくだから色々と試させてくれたまえ。こんなこともあろうかと、実家にトワ用のリボンをワンサカ用意しておいたからね。ちょっと待っていたまえ!」

トワの嘆願を断ったアンゼリカは実家に一端戻る為に走り去った。

 

「ちょ、ちょっとアンちゃん!?」

「行ってしまいましたね。」

「もう、アンちゃんったら……」

「はは……まあたまにはこういうのもいいじゃないですか。ようやく”日常”の一つを取り戻せたような……そんな気がしますし。」

「リィン君……」

リィンの言葉を聞いたトワはリィンをジッと見つめた後やがて口を開いた。

 

「アンちゃんやジョルジュ君とも話していたんだけどね。この内戦がなかったら、今頃士官学院も学期末……わたし達は2年生だから、本当だったら進路を決めなくちゃいけない時期だったんだ。」

「進路……そういえば確かにそんな時期みたいでしたね。会長たちは、何か決まっていたんですか?」

「うん、ありがたいことにわたしも色んな機関や省庁からお誘いが来ていてね。たしかジョルジュ君は各地の研究施設や工科大学から誘われていたみたいだし……アンちゃんはほら……期間限定とはいえレン姫の秘書兼護衛って決まっているでしょう?」

「はあ、皆さんすごいですね。俺も負けてられないな……」

トワの話を聞いたリィンは溜息を吐いた後自分の不甲斐なさに肩を落としていたが

「リ、リィン君……わたし達より凄い進路が決まっているリィン君がそれを言う?」

「へ?どういうことですか?」

「だってリィン君は将来クロイツェン州の統括領主になるってメンフィル帝国に決められているじゃない。しかも色々な理由でアリサちゃん達どころか、あのアルフィン皇女殿下も娶らなければならないし。」

「う”……そ、それは…………」

冷や汗をかきながら苦笑するトワに指摘され、表情を引き攣らせた。

 

「……り、私の入る……なんてないのかなぁ……みんな、素敵……し……スタイル……わたし……違って……」

「トワ会長?」

肩を落として小声で独り言を呟くトワの様子が気になったリィンは不思議そうな表情で尋ね

(あらあら♪これはもしかしてのもしかしてかしら♪)

(ふふふ、なるほど。だからアルティナと契約した際、アリサ達に訓練室に連れて行かれたご主人様に説教をしに来たのですね。)

(フフ、リィンならスタイルも気にしないし何人でもきっと受け入れてくれるから頑張って……)

(ア、アハハ……本当に最終的に何人と結婚する事になるのでしょうね……)

(既に婚約関係である女性達がいる上肉体関係の間柄である私達もいるのに、何故マスターはその事を自覚せずに更に増やそうとするのでしょう。)

トワの様子を見て何かを察したベルフェゴールやリザイラ、アイドスは微笑ましそうにトワを見つめ、メサイアは苦笑した後疲れた表情をし、アルティナはジト目になった。

 

「ハッ!?な、なんでもないよ!えっと………話を戻すけどわたしもジョルジュ君、そしてアンちゃんだって内心ではこの内戦やメンフィル帝国との外交問題でちょっと迷いが出て来てるんだ。例え内戦が終わって、メンフィル帝国との外交問題も終わって、日常を取り戻す事ができたとして……この先のエレボニア帝国を考えたら、単に目の前の選択肢から一つ選ぶのは違うんじゃないかって。」

「この先のエレボニア帝国……そこまで考えていたんですね。目の前の事で手一杯の俺なんかとは大違いというか。」

「ううん……きっとリィン君達がいてくれるおかげだよ。」

「え……?」

トワがふと呟いた言葉が気になったリィンは目を丸くした。

 

「リィン君達Z組はわたしたちにとって”希望”なんだ。希望があるから、この内戦やメンフィル帝国との外交問題を乗り越えて、明日を掴める事を信じられるんだと思う。だから……これからも一緒に頑張ろう?アンちゃんを助けられたように、きっとこの先もなんとかなるから。」

「トワ会長……はは、そうですね。ありがとうございます。少し前向きになれた気がします。」

「えへへ、そっか。」

「フフ、なにやらいい話をしていたみたいだね?」

互いを見つめて微笑み合っているとアンゼリカが戻ってきた。

 

「ア、アンゼリカ先輩。」

「いやー、逢引きをしたかったのなら事前に相談してくれればいくらでも協力してあげたのに。他の男ならともかく、リィン君になら可愛いトワを安心して預けられるからね。勿論トワを攻略したのなら、責任は取ってもらうよ?」

「ちょ、ちょっとアンちゃん、何を言い出すのっ?」

リィンにウインクをするアンゼリカの言葉を聞いたトワは頬を赤らめて慌て

「はは……」

いつものようにからかわれているだけだと思ったリィンは苦笑した。

 

その後、トワはアンゼリカの持参した大量のリボンを代わるがわる試され……そんな二人を傍から微笑ましく眺めていたリィンはゆっくりお茶を飲みほし、お茶を飲みほした後は再び街の見回りを再開し、その途中ラインフォルト本社により、24Fにある自分の実家にいるアリサに話しかけた。

 

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……え〜、今回の話で既にお気づきと思いますがトワのスキルにあるスキルが既にある事を察する事ができたかと。おのれ、リィン……ッ!!(大激怒)そして次回に出てくるキャラの事を考えればその話の展開ももう察する事ができるでしょう?フッ…………(遠い目)

説明
第462話
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コメント
M.N.F. 様kanetosi様 もはや諦めの領域にww 完全ROM専様 そしてエマの前に18禁展開という事ですね、わかります 本郷 刃様 まあ教師がレン達だからある意味いいですよね。攻略はしないけど全員麗しい美少女か女性なのですから(おのれ、リィン……!)(sorano)
まあ想定内ダナ(白目)(kanetosi)
リィンは戦後処理からが大変ですよね〜・・・個人の報告書を纏めたり、領主としての勉強も頑張っていかないといけないし、その勉強をしながら領主をしないといけない、という感じですよね(本郷 刃)
流石はフラグメイカーだ。エマさんよりも会長が先に告白しそう(完全ROM専)
規  定  路  線(白目)(M.N.F.)
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