真・恋姫無双 雌雄の御遣い 第四十一話
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〜鞘華視点〜

「静里を襄陽から呼び寄せましょう」

蓮華との婚礼の話を承諾した翌日、葵が進言してきた

「今回の一刀様と孫権殿との婚礼の前後に曹操が何らかの動きを見せる可能性が有ります

 予めその対策を静里と話し合って詰めて置きたいのです」

この婚礼の前後?やけに具体的ね

その理由を訊くと

「私が曹操の陣営に居たならこの婚礼は大和と孫呉の同化を計る準備と考えます

 孫権が王妃となり、孫策が家督を孫権にと宣言すれば、それは大和と孫呉の同化につながります」

だが、この葵の言は一つおかしな点がある

「しかし、この前の使者冥琳には側妾と返事をしてしまったぞ」

一刀も同じ事を思ったらしく私の訊きたかった点を訊いた

「周瑜は一刀様の婚礼を受け入れると云う言質を取る為に側妾を受け入れると言ったのでしょう

 次の日取りを伝える使者はおそらく国内で側妾を反対する声が挙がった

 とでも云う理由をつけて第二王妃に、と言って来るでしょう」

確かにその可能性はあるわね

「分かった

 静里を襄陽から呼び戻そう」

一刀が決断してその話は採択された

 

この国の命運を決める大戦が近づいているのね

私は「あの戦い」が近づいている事を確信した

 

5日後、静里が成都に帰還した

一刀が詳細を伝える為、孫権との婚礼の事を伝えた瞬間、静里の顔つきが変わった

「私は、一刀様と婚礼を挙げていないのに・・・」

小声で言いながら、黒い気配を出している

まあ、嫉妬する気持ちは分かるけどね

一刀は気圧されて、視線で私に助けを求めている

仕方ないので

「一段落着いたら、静里との婚礼の儀も挙げれるようにするから」

この私の一言で静里がやる気を出して

「葵さん、早速検討しましょう!」

一刀もこれ位自分で何とかしなさいよ

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その5日後、再び冥琳がやって来た

「前回承諾いただいた婚礼の日取りをお伝えする為に参りました

 ただ、その前にお伝えしなければなら無い事があります

 前回、私が呉を出立した後国内で頭首の妹君を側妾に出すのは反対との声が挙がりました

 その声を抑えるために孫権様を北郷様の第二王妃としていただきたいのです」

葵の言った事、そのまんま

予知能力でも持ってるんじゃないでしょうね

「それは、構わない」

一刀が答えて、日取りは20日後と決まった

 

〜蓮華視点〜

冥琳が帰還して、私が正式に一刀の第二王妃として嫁ぐことが決まった

「しかし、姉様 私が一刀の所に行くのはいいのですが、その後どうするおつもりですか?」

私の問いに

「現段階では決められないわ

 ただ、私の勘では近い内に大戦が起こるわ

 その戦によって決める としか答えられないわ」

姉様は真剣な顔でそう答えたが、次の瞬間

「ま、蓮華と云う極上のお尻を持った妹を一刀の第二王妃に出すんだから

 大和も此方に敵意が無い事は解るでしょ

 どうせなら、そのお尻で一刀を骨抜きにして大和を乗っ取ってもいいわよ」

と表情を崩していった

「姉様、ふざけないで下さい

 それに、お尻は関係ありません!」

また、無茶苦茶になってしまった

 

そして、私は大和に出立する

数人の供回りは居るが、将は曹操の動きを警戒する為に動けない

実質一人で旅立つが、その先に一刀が居るならば何の事は無い

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〜華琳視点〜

「それは、間違いないのね?!」

「はい、間違いなく近い内に一刀と孫権の婚儀が行われます」

桂花の情報通りなら、悠長に構えてる暇は無いわね

「稟、今孫呉に出陣出来る兵力は?」

「周辺の兵力も併せて80万なら出陣可能です

 ただ、孫呉と戦う時には水上戦になる可能性が大です

 しかし、我が軍の水軍は貧弱です

 孫呉に直接攻め入らずに、江夏を先に攻め、江夏の水軍の船を得てから孫呉に攻めるべきです」

稟の意見を採用する事にした

「我等はこれより江夏に出陣する

 そして、その足で孫呉を攻め落とす

 各人、準備に掛かれ!」

一刀、鞘華、孫策、いよいよ雌雄を決する時が来たわね

 

〜鞘華視点〜

婚礼の予定日の前日、蓮華が到着した

型通りの挨拶の後、旅の疲れもあるだろうという事で蓮華は部屋に下がった

 

そして、婚礼の当日蓮華も婚礼の衣装に着替え、式を待つばかりとなっていた

その時、灯里が凶報を持って飛び込んで来た

「大変です、曹操が江夏に向けて進軍を開始しました!」

 

「蓮華、済まない

 俺達はこの事態に対処しなければならない

 式典は順延、と云う事で我慢してくれ」

一刀の言葉に

「式はまだでも、私は既に貴方の妻のつもりです

 国の大事に動かぬ夫を持った覚えは有りません

 お気になさらずに、行動してください」

蓮華は気丈に言い放った

尊敬できる態度ね

 

尤もその後陰で

「曹操〜、よりによって婚礼を邪魔するかのように進軍するとは

 ただでは済まないわよ この恨み骨の髄まで思い知らせてからすりつぶして家畜の餌にしてやるわ」

恐ろしげな形相で呪詛の言葉を吐いていた

まあ、やる気があるのは良い事よね、きっと、多分、そうだと良いな

 

そして私達はかねてよりの打ち合わせ通りに動く

一刀は10万の兵を率いて出陣

将は桔梗と焔耶 軍使として静里 途中の襄陽で5万の兵と愛紗、星、紫苑と合流する予定だ

私と、恋、炎、音々、葵は成都に残る

 

さあ、「あの戦い」が始まるわ

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〜あとがき〜

 

蓮華との婚儀を近々と書きましたが今回にしました

当初は2話程挟む予定でしたが、その話は構成の段階で話に無理があると判断して失くしました

 

「あの戦い」は敢えて伏せていますが、直ぐ分りますよね

 

鞘華達が残る理由はちゃんとあります

そう言うと察してしまう方が居るので余り言わない方が良いのですが・・・

 

更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
一刀と蓮華の婚礼に
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コメント
蓮華こえぇ〜wまぁ婚儀を邪魔されればそうなるのか?w(nao)
タグ
真・恋姫無双 北郷一刀 蓮華 華琳 

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