リリカルなのは〜翡翠の戦士と夢のたま ご〜第2話:その日の会議
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その日の夜。剣也達はようやく当面の自宅に帰りつき、見たもの聞いた話を報告した

 

「どうだ?クロエ」

 

その言葉に一人の女の子が首を横に振る。黒の眼球に金の瞳、そして流れるような銀髪を持っている。そして隣のカチューシャをし、不思議の国のアリスの様な格好をしている女性も苦笑いしている

 

「ダメです。ウィルさんが撮影してくれた映像データを解析したんですけど、その×キャ ラ・・・・・・ですか?それが暴れてる光景というか影響は映ってるんですが、×キャラ自体と女の子の側に居たって言 う小さい子達、全然映っていません」

 

「そーだねー…一応その時のサーチャーの反応なんかも探ったんだけど・・・・・・こっちもダメ。あとその白いたまごも。もう全然だよ。けんくん、あの時なに握ってたの?」

 

不思議そうに剣也を見るのは、特騎士専属のデバイスマスター"篠ノ之束"……この世界で宇宙空間での活動を想定し、開発されたマルチフォーム・スーツ"インフィニット・ストラトス(通称IS)"を開発した人物である。何故特騎士専属のデバイスマスターになっているかは、時が来たら話そう……

 

「とにかく剣也さんがいきなりセットアップしたのと、その×キャラとやらが暴れた反応だけしか捕 まえられてません」

 

困ったような顔でそう言って来たクロエと、苦いというか困った顔で剣也を見ている束

 

なお、カチューシャはネコミミ型(日によって違う)

 

「ね、けんくん、はーちゃん、ウィル、仙鉄、もう一度確認するよ?」

 

束がそう言いながら真剣な顔で剣也達を見渡す

 

「本当に・・・・・・見たの? その小さな子達。あとはたまご」

 

「はい。話も少しだけしましたし……」

 

「私も同じくです。・・・・・・詰めを誤りましたね」

 

「申し訳ありません」

 

「てかなんであいつらが驚いたか解ったな……そしてなんで内緒にしたがっていたかも」

 

そう、仙鉄がいった通り、女の子と小さな子が『自分達の事は 内緒にして。今日見た事も内緒にして欲しい』と頭を下げてお願いして来たのだ

 

其を剣也達は了承したのだ。ウィルに映像取ってもらってたので、証拠は掴んでるので問題ないと

 

特に名前とかも聞いたりしないでその場を見送った上で、こっちに戻ってきたのだが・・・・・・まさか映ってないとは思っていなかったのである

 

音声すらも取れてないのだ、恐らく霊的なものかと剣也、花はそう思ったのだが、今一つ確信に欠ける……

 

「・・・・・・ウィル」

 

「何でしょう?」

 

「くえすに連絡とって、相談しよう。もしかしたら霊的なものかも。俺達は見えて、他は見えないって……確信が欲しいし」

 

「そうですね、そうしましょうか。少なくとも、 これは恐らく魔法関係ではどうしようもない……もしかしたら、なにか取っ掛かりが掴めるかも知 れません」

 

「・・・・・・剣也様、ウィル様、くえすってあのくえすですか?」

 

「うん、花が考えているくえすだよ、神宮寺くえす……『鬼斬り役十二家』の一つ、神宮寺家の跡取り」

 

剣也がそう言うと、花は思い出したようで納得してくれた。ただ、クロエと束はさっぱり顔である

 

「けんくん、『鬼斬り役十二家』って何? 聴いたことないんだけど……」

 

「おむすびを作る人ですか?」

 

「……クロエ様、そっちの"おにぎり"ではないです……」

 

クロエのボケに呆れる花……

 

「……花、説明頼む……」

 

剣也は花がどのくらい覚えているかの確認と、クロエのボケがツボに入ったので笑うのを我慢する為花に説明させるように指示した

 

「はい、『鬼斬り役十二家』というのは政府に認められた古来より、人を妖から護る役割を担ってきた一族の総称でいわゆる退魔師・妖怪ハンター・ベムハンターなどとほぼ同義、それぞれの一族が特殊な能力を持っていて妖と戦っています……神宮寺家はその一つの家系で一番弱いとされていますが、どの家系よりも鍛練を忘れない家系で現代では実力はトップとされています……ついでに剣也様の家系である柊家は『鬼斬り役十二家』に入っていませんが特別に政府から認定されていて"無敵の鬼斬り"と呼ばれております」

 

「……いや、"無敵"は言い過ぎだろ……」

 

「いえ、実際にそうなんですから否定はダメですよ」

 

剣也の言葉にそう返す花

 

「ふむ 、つまり……けんくんの見解としては……そういう専門家の力が必要かも知れないって事?」

 

「いや、俺達もそういう専門家だから問題ない……ただ、なんにしてもあの子達が普通では見る事も話す事も出来ない、なにか特殊な存在である事は変わりないから他の人の意見も欲しいんだ」

 

「確かに・・・・・・私達は見えてなくて、剣也さん達は映像越しでも見えてる、つまり何かしらの条件というかそういうのが必要で、私達はそれを満たしていない」

 

「そういう事。花、そういうわけだから早速連絡取っていいな?」

 

「はい、ただ……あまり仕事の事などはあまり話さない方が宜しいかと……一応聖王教会等は知ってるといえ今回の事は機密事項ですから」

 

「解ってる」

 

剣也は早速、電話をかけた

 

『はい、もしもし。神宮寺です』

 

出てきたのは本人、物凄い偶然である

 

「あの、夜分遅くすみません。柊剣也です。お久しぶりです、くえすさん」

 

『・・・・・・え? 柊様!? ど、どうかしたのですか!? 何か此方の者が問題でも!?』

 

「いえ、違いますよ!? 寧ろ良くしていただいていて、感謝している位で……」

 

『か、感謝なんて……そんな/////』

 

「……ねぇ、はーちゃん、そのくえすって子、もしかして……?」ひそひそ

 

「はい、御察しの通りです」ひそひそ

 

「……大変ですね、花さん……」ひそひそ

 

と、花達はそういう話になっていたりする

 

「実は電話をかけたのにはさ、少し意見が欲しいんだ」

 

『意見と申し上げますと…退魔関係ですか?』

 

「そういうのとはちょっと違うかも知れない。ただ、俺達以外の退魔師としての意見を拝借 したくて。実はな」

 

剣也は今日起こった事の全てをくえすに、自身の考えも含めて全て話した

 

『……私は実際に見たわけではないのでどうとも判断出来ませんが……柊様方の考え通り、その子達が何か特殊な存在である事は間違いないと思います。まず、映像には映ったりしていない、しかし柊様や花さん、それにウィルさんや仙鉄さんはそれを見れる。実際に会話も出来る。というより柊様達だけは映像の中に映っているその子やたまごを見る事が出来て、その子達と行動を共にしていた女の子も、その子達と話したりする事も出来る。となると……』

 

「……となると?」

 

『柊様の考え通り、その子達を見るにはなにか……特殊な資格が必要かも知れません』

 

「やっぱりか……」

 

『はい。例えば、霊を感じ取ったり、 能力を通してそれに干渉できるように、その子達と話したり声を聞く資格。言い方を変えますと、存在とそれが発する現象を認識したり、自らもそれに干渉するための能力なり キーになりえる何か……ですね』

 

「それを俺達が持っていた?」

 

『恐らく』

 

そう考えれば映像の中のたまご達を束達が見えないのも納得出来る

 

少なくとも剣也達が持ってる束印の情報収集機材(性能は管理局の以上)…映像を通してでも、認識出来るかどうかは剣也達次第ということだ

 

「ですが、なぜデバイス・・・・・・機械である私や仙鉄まで?」

 

『そこは私にも……ただ、柊様と一緒に退魔関係の仕事していた事を考えても、ウィルさんがその子達を見れた事は特に不思議は無いと思います。単純な機械というわけでもないですし』

 

「・・・・・・なるほど」

 

『実際、昔の文献にもそういう類のものがあります。 簡単に言うと……精霊です』

 

「精霊?」

 

『はい。自然や物・・・・・・場合によっては人そのものに宿る霊験新たかな大いなる意思とされています』

 

それは心が清いものやある一定の高さの霊力を持った人間にしか、触れる事が出来ない

 

普通の人間では存在を感じ取る事も、話す事も触れる事も無理とされている

 

『話を聞く限りですと私は霊の類というよりは、そちらの方に近い印象を受けました』

 

「確かに幾つか該当するな……」

 

『私が今の段階で言える事はこれくらいです・・・・・・もう訳ありません。やはり実際に見てみないとどうにも判断が……』

 

「いや、十分過ぎるくらいだ。おかげで取っ掛かりが掴めた。……うん、解った、じゃあ……」

 

そのまま電話を切った

 

「推測は立ったよ」

 

「うん、聞いてた。その子達は精霊、又は其に近いなにかなんですね」

 

「花さん、それだけ言うとあんまり進展してないように感じるんですけど、それって私だけ ですか?」

 

「クロエ、大丈夫。俺もそう感じてるから」

 

「けんくん、それ以前にこんなオカルトめいた話を信じて捜査に持ち込むの? あり得ないよ?」

 

「それは魔法や天撃、異世界の存在を踏まえた上での発言?」

 

「・・・・・・そこ言われると確かに辛いね」

 

「とにかく、現時点でそれが見えるのが確定なのは、剣也さんと花さんとウィルと仙鉄だけですね、となると……」

 

「俺達で動くしかないだろな」

 

『ですよねー』

 

剣也の言葉に口をそろえる花達

 

「何より……この、あむ、だったよね?」

 

束が画面の中の女の子を指差すので、花は頷く

 

「いきなり捕まえて尋問というのはダメだしね。 なにより私達は普通に捜査出来ない」

 

管理外世界だから、当然だが聖王教会の名は出せない

 

そして現時点で、魔法やロストロギア絡みが確定というわけじゃない

 

「それ以前にけんくん達と違って私達は面識が無いから、いきなりそんな話をするのはダメ。絶対に警戒されるし、私達がその子達を見る事が 出来なかったらシラを切られて終わり」

 

「私達が剣也さん達の仲間だって言っても……ダメですね。内緒にして欲しいって約束を破ったと思われて、 警戒される。そうなったらもう情報も何もない」

 

「……手はある」

 

「「へ?」」

 

剣也の言葉に目を点にする束とクロエ

 

「手はあるって……けんくん、具体的にはどうするつもりなの?」

 

「方法ならある。少し荒っぽいけど、ね」

 

「……あぁ、なるほど。確かにそこ(・・)からつつくしかないか」

 

そうして剣也達は見る。画面の中に映った制服姿(・・・)の女の子を

 

「顔は割れてるし、調べればすぐに解るよ」

説明
ある魔人との戦いで死んでしまい、リリカルなのはの世界に転生することになった主人公"柊剣也"。ある日、なのはの天撃使いとしての資質を開花させた為に管理局からの勧誘、もとい脅 迫から逃がすために剣也の父がある町に任務へ送った、そこで出会うのは"なりたい自分のたまご"とそれを救う子供達……剣也は彼等とどうゆう物語を紡ぐのか?
*この作品は"リリカルなのは〜翡翠の戦士と七つの才牙"の続編……というより空白期を利用したクロスオーバーです、ご理解の程よろしくお願いします
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