艦隊 真・恋姫無双 20話目 |
【 二姉妹の活躍 の件 】
? 益州 成都 成都城周辺 にて ?
天龍、龍田姉妹が右に廻り込み、雷、電姉妹が左側に走る!
ーーー
雷「───行くわよぉおおおッ!」ムンッ!
電「────なのですッ!!」ウンショ!
雷達は……左側より敵陣に───突っ込みを掛けるッ!
ーーーーー
普段、雷の片手には『錨』があり、電の両手に『魚雷』が握られる。
百戦錬磨の提督諸氏なら……即座に浮かぶ『得物』なのだが……生憎、この物語の作者は……よく知らない。
なので…………。
ーーー
益州兵「何だぁあッ!? 何がぁ──ぐわぁあッ!!!」バシィン!
雷「───私の邪魔すると、はっ倒すわよ!」
雷の手には……『ハリセン』が!
ーーー
益州兵「や、やめ、やめっ! 止めてぇ──ごばぁあああッ!!」ズドォン!!
電「ゴ、ゴメンナサイ!────なのですッ!!」
電の手には……『100dハンマー』が!
ーーーーー
雷が、軽やかに『なんでやねんッ!』と頭をど突くが、ハリセンの攻撃力と雷の馬力が相殺して……丁度……失神するだけの威力が出る!
電は、重そうなハンマーを振り回すが……某アニメで実績がある、有名な『非致死性兵器』である為、瞬く間に失神者が増えたッ!!
雷「どきなさぁああいいぃいいい───ッ!」
電「はわわわわわぁあああ─────ッ!」
それぞれ得物を握りながら……敵兵に確実にダメージを与えて……無人の野を駆けるが如く、走り抜けて行った!!
★☆☆
天龍が──『愛刀』を──片手に乱戦に入る!
龍田がニコニコと笑いながら後を追い、その背中を守るッ!!
ーーー ーーーーー
龍田が、薙刀状の長柄武器を持つのと同時に、天龍もまた……刀状の刀剣類を所持している。 二人の得物の名前は……『無銘』……名は無い。
だが、休日になれば……二人は部屋に籠もり、刃を研いだり点検を欠かさず、何時かくる実戦に備えて、手入れを怠る事はなかった。
しかしながら……皮肉にも……前の世界では、艤装に装着済みである『砲』で戦う事を主にしていたため、実際に使用する事は………なかった。
★ーー★ーー★ーー★
『ちぃっ! ホントは、殴り合いでボコるつもりだったんだ!! し、しし仕方ねぇだろぉおおおッ! て、提督に……あんな顔されちゃあ。 だから、念の為に準備して持っていたんだ! ……ん、んだよぉっ! 文句あっか!?』
後に……無事の帰還に喜んだ提督が、ふと……天龍の手に持つ刀を見て指摘。
そうしたら……顔を真っ赤にして……こんな風に怒鳴られたと云う。
★ーー★ーー★ーー★
その愛刀も……遂に日の目を見る機会に恵まれたのだ!
天龍「───龍田ぁああッ! 背中は任せるッ!!!」
龍田「うんっ!! 天龍ちゃんも……お願いねっ!?」
二人は互いに背中を守りながら、益州軍を攻撃していった!!
ーーー ーーーーー
天龍「天龍様の攻撃だ! うっしゃぁっ!」ザシュッ!
益州兵「ぐ、ぐわぁあああ───ッ!」バタッ!
龍田「天りゅ〜うぅ〜ちゃ〜ん〜!?」
龍田が、得物の刃を自分の顔へと持ち直し、天龍を睨み付ける!!
天龍「ば、馬鹿ぁ! 峰打ちだ、峰打ちぃいいッ!」
龍田に、言い訳をしながら振り向くと───龍田の後ろに──益州兵が音を消して近付き、剣を持ち上げて振り下ろしたッ!!!
益州兵「死ねやぁあああッ! 化け物共めぇえええッ!!!」
天龍「龍田ぁあああッ!!」
龍田「…………アラッ? おじゃま虫〜!!」クルッ!
龍田が、益州兵の剣の軌道から身体を外し、得物の柄を軸として身体を回転、空振る益州兵の右横に現れる!
龍田「えい〜ッ!!」ニヤッ!
益州兵「───#※◎§☆□‡!!!」
龍田の気合いの抜けた声と裏腹に……柄の石突き部分で、男の大事な部分を跳ね上げるッ! その攻撃を受けた男が、一瞬──電流を浴びたように、ビクッンと動き、その後……動きが止まった。
益州兵「─────ブハッ!!」グラッ バタンッ!
涙と鼻水まみれとなり、この世の終わりを告げられたような顔をして。 哀れ益州兵、泡を吹きながら……後方へ倒れこんだ……。
龍田「やあぁ〜ん! 怖かったぁ〜! 急に〜後ろから攻撃してくるから……驚いて、偶々強く振ったらね〜? ───当たっちゃたのよ〜!? もぅ〜天龍ちゃん!! 後ろは任せたって言ったじゃあない〜ッ!!」
龍田は……そう云って、天龍に『後ろの敵は、任せたのにぃ〜!』と可愛く抗議。 周りの益州兵達は、大事な場所を抑え……龍田に二の足を踏めない。
天龍(──絶対ぃ狙って、ヤりやがった!! ……得物の刃の部分を鏡面に仕上げて、後方からの攻撃を察知し迎撃ぃ! 更に、地獄の苦しみを見せて、自分の周囲から仕掛けられないように……見せしめにしたんだろうッ!?)
そう考えて、龍田を見詰めるのだが、『何のことやら』『知らぬ存ぜぬ』のニコニコ顔で……結局、天龍の考え通りだったのか、分からず終いだった。
◆◇◆
【 鬼灯の献策 の件 】
? 益州 成都 益州軍 にて ?
戦の成果を気に掛かる劉焉は、先に見える成都城を望んでいた!
──────!
──────!
ーーーーーーーー!!
劉焉「あの……妖煙、妖光……ッ! 地を弾けさせる……面妖な術は……漢中勢と同種!? ま、まさかッ!? 漢中勢の別働隊が───成都に入っているのかっ!! ───鬼灯よっ!? 鬼灯っ!! 居らぬかぁあああッ!!
────タッタッタッ! タンッ!
鬼灯「─────はっ! ここに!!」
劉焉の声を聞きつけ……目の前で片膝を付く鬼灯!
劉焉「鬼灯よ! 今の様子を見たかッ!? 敵の尋常ならぬ力! あれは漢中勢と同種の物だ!」
鬼灯「………はい、しかと!」
劉焉「ならば……問う! お前は、大陸の各地を放浪としていたと董扶より聞いておる! お前は……奴らを排除する術を、心得ているか!? もしあるのなら、すぐに使用して────奴らを封じよ!!」
鬼灯「……………」
劉焉「────どうした? お前でも……奴らの攻撃に対象する術を知らぬか? ならば、直ぐに黄龍軍の指揮を『……クスクスクスッ!」───な、何がおかしいッ!! 鬼灯ッッ!! わ、儂を愚弄するなら、例えお前でも──ッ!!」
劉焉が腰の得物を抜き、鬼灯の目の前に剣先を突き付ける!
鬼灯「………私の眼鏡違い……だったようですわ。 劉焉様こそ、一代の英傑にして覇者となり得る資格あり! ならば……私が軍師として動けば、漢王朝どころか大陸全てを手に入れる事も可能!! ────それなのにッ!!」
劉焉「─────ッ!!」
鬼灯の迫力に、劉焉の持つグラディウスの剣先が下がる!
鬼灯「それなのに……敵の術中に嵌まり、右往左往する小心者だっとは。 いえ……私も人の事は言えません。 人物眼さえ誤る私如きの才能では、大陸を統一する覇業など……夢のまた夢。 此処で、愚か者の手に掛かるのも……」
劉焉「待てぇいいッ! 聞き捨てならぬ!! 儂が……臆病者だと!? お前が……儂の問いさえ応えれないのに……何故、それが云える!! そんなお前が──どうして、軍師の仕事を───全うなぞ出来ようッ!?」
怒髪天を衝く劉焉の姿に……嘲りの笑みを浮かばせる鬼灯。
鬼灯「おやおや……? 人の上に立つ者が、己の口より出た物の責任を取れませんか? 劉焉様……! 貴男は、私の軍師としての才を欲していたのに関わらず……何故! 『巫』としての力で、解決を臨まれるのです?」
劉焉「ぐぅ────ッ!!」
鬼灯「それ即ち、『妖術を恐れ、相手を恐れ、自分の敗北を既に認めている状況』!! 私に『対策は?』と問われでば……幾らでも応えましょう!」
劉焉「……………」
鬼灯「……されど……劉焉様は、私に妖術を封じよと問う! つまり、相手方の策に踊らされ……自滅したいと申し出ているのと同様! だから、劉焉様を罵り、私自身の人物眼の無さに───絶望したのですッ!!」
劉焉「──────!?」
鬼灯「………私の理由は……全てお応えしました。 後は、どうぞ……劉焉様の手で……。 死した後、あの世で経過を楽しませて……『まっ、待てぇッ!!』……私の覚悟もさえ揺るがそうとする……おつもりですか?」
鬼灯は目を瞑り……両手を合わせて首を前に差し出す。
しかし、劉焉は……鬼灯の語る言葉を遮り、命令を下した!!
劉焉「待てぇッ! ───改めて問い直す!! 軍師として尋ねよう!!」
鬼灯「………では、申し上げます! 敵対する漢中勢、反乱軍……双方強力な兵器、及びに術を使用してきたのは、劉焉様も先刻御承知かと。 私も陽平関より眩しい光、有り得ない摩訶不思議な光景を拝見しました!」
劉焉「………思い出しても………腹立たしいッ!!」
鬼灯「しかし……不可解な事に……報告によれば、両軍ともアレほど激しい戦をしたのに関わらず……死者を出していない事実があります!!」
劉焉「………ぬぅ──ッ! 余裕か? 勝者ゆえの情けかッ!?」
鬼灯「………ですが……私には、意図的な必然性が加わっている様に見受けます。 あの空前絶後の戦いで、死者がいない! しかも、漢中では……逆に健康になった者、多数ありと云うではありませんか!?」
劉焉「…………憑き物に掛かったような者が……数十人居るがな………」
鬼灯「命あれば、治療も可能。 再起を図る事も……また可能かと。 死せば……それまで御座います。 それなのに……生かす事を重点に置いている……不可解な事象です!」
劉焉「ふむ………」
鬼灯「しかし、これは……益州軍にとっては最大な好機! 幾ら激しい攻撃を向こうから仕掛けられても、死ぬ事は無い!! これを理由に、益州兵達に説得すれば、彼等の士気が高まりましょう!!」
劉焉「もし──死者が出てしまった場合は?」
鬼灯「『天の御遣いを奉じた勇士』と、祭り上げれば良いのです! 少しの資金で、多くの民の関心を買える……絶好の好機! これを見逃す術はありません!」
劉焉「─────!」
鬼灯「劉焉様が……終生……祭祀を絶やさなければ、遺された者は劉焉様を慕い、忠義の者となりましょう! 忠義の者が多く集まれば、支配は一層盤石に!! 劉焉様に異論を挟む者も居なくなります!」
劉焉「ほぅ!」
鬼灯「それと同時に、兵募集を志願制に変えれば……他国から流民が流れ込み、『天の御遣い 劉焉』の為に命を投げ打つでしょう!! 劉焉様、自らが戦死した者に祈りを捧げる! これだけで、人は安心するのですから!」
劉焉「天の御遣い……即ち、天と人を橋渡しする仲介者……だからか!」
鬼灯「御明察……恐れ入ります! 天の御遣いを通じれば……『亡くなった後でも、家族や自分も幸せになれる』と解釈される筈だからです!」
劉焉「ふむ──世に蔓延る(はびこる)怪しい組織より、信用があるからか? フフフフフ………」
鬼灯「はっ! とりあえず……この両策と前の計画を併せて、漢中攻めを行えば………相乗効果で、より堅固な策になるかと!!」
劉焉「どちらに転んでも……対応策はある……と云う事だな!?」
劉焉は、目を瞑り……今までの策を反芻する。
そして───!!
劉焉「鬼灯よ、でかしたぁ!! その策を取り入れるぞ! 儂ら残りの軍及び黄龍隊も出陣する! ───伝令兵よッ!! 今の前半部分の話、鬼灯より聞いて全軍に再度知らしめせるのだッ!!」
ーーーー ーーー
劉焉は────全軍で攻撃を決意し、軍勢を動かしたのだ!!
◆◇◆
【 撤退 の件 】
? 益州 成都 成都城壁上 にて ?
城壁より、『ジィ────ッ!』と益州軍勢を眺める金剛!
電達4人が突撃して小一時間経過したが……まだ後衛部隊が残ったまま。
『敵前衛部隊を混乱状態に陥らせ、残りの後衛部隊が、援軍に来るように仕向ける!』
そんな作戦だったのだが、後衛部隊……劉焉本隊は……動かなかった。
金剛「うぅ〜〜ッ! sluggish(反応が遅い)ネー!! 早く向かって来て貰わないと……天龍達が疲れて、皆が危なくなりマース!! それに、此方の彩煙弾も在庫が無くなるヨー!!!」イライラ イライラ
金剛は焦りながら……再度を劉焉本隊を望むと………!
砂煙を上げながら、重々しく進軍してくる劉焉本隊の動きが──金剛の双眸にハッキリと映るッ!!
金剛「Wow! やっと動いたッ!! 一刀提督にreport(報告)デース!!」
金剛は────急いで知らせに向かった!
ーーー
城壁でウロウロしている一刀の前に、金剛が駆け込んで来た!!
金剛「HEY! 提督ぅ!! 敵がWalk into a trap(罠にかかった)ヨー!!」
一刀「やっと来たかぁああッ! ──よし! 直ぐに信号弾を上げるんだ!! 貂蝉より預かった砲弾で撃つんだぞ!!!」
金剛「Noted(了解)! 撃ちますネー! Fire!!」
シュ───────ッ!!
ドォオオオン!!
世にも珍しい───『ピンク色』の光が───日の光に負けず照らされた!
ーーー
ーーーー☆
電「雷ちゃん! 合図が上がりました! 一旦、成都城に戻るのです!!」
雷「分かったわ! いい女は退き際が大事よねッ! 龍田達も気付いていると思うから戻るわよ!! 司令官に、いっっっぱい褒めて貰うんだからッ!!」
電「はわわわッ! ず、狡いです! わ、わわわ私もぉ! か、一刀さんにぃ……頭を撫でて貰いたいのですッ!! って────い、雷ちゃん!? ま、待ってぇえええッ!!!」
ーーー
龍田「天龍ちゃ〜ん! 帰りの信号弾が上がったから、撤退しましょう!?」
天龍「まだだぁ──ッ!! まだ、オレは戦えるッ!!」ウォオオオッ!!
龍田「……天龍ちゃん〜! 云うこと聞くのなら今の内よ〜? あんまり熱くなり過ぎると……一刀提督が心配した通り小破して〜軟禁状態かも知れないわね〜! それでもいいの〜?」
────ピタッ!
天龍「分かった──ッ!! 直ぐに戻る! 戻るからぁ!! な、軟禁状態で第一戦に出られないなんて!? オレを戦線離脱させられてもぉ──困るんだよぉおおお────ッ!!!」
ーーー
ーーーー☆
四人は、益州兵に……散々ダメージを与えて……意気揚々に帰還したのだった! 勿論、一刀達が喜んだのは……云うまでもない。
◆◇◆
【 竜虎相搏つ の件 】
? 益州 成都 成都城周辺 にて ?
天龍達が帰還したと………同時に、劉焉本隊も到着!
劉焉に叱責覚悟で現れた二人だったが……劉焉は罪は問わず、今後も任せると温情を示す。 日頃の態度に違和感を覚え、訝る二人に劉焉は、鬼灯の策を語り、成都の攻撃続行を命じた!
ーーー ーーー
董扶「………底知れぬ奴だ……。 既に……私の策謀を超えている。 何とも……とんだ拾い者をしたようだ。 フフッ……私の職まで……奪われてしまうとはな……!」
趙?「どのツラぁ下げて、ほざいてるんだぁ!? 董扶!! そんの締まらねぇえ笑い顔で喋ろうが……説得力が欠けるってもんだぜぇ!」
趙?は、董扶の澄ました顔に見え隠れしている笑顔を、そう嘲笑する。
しかし、そんな趙?を……劉焉が軽く窘める(たしなめる)!!
劉焉「…………無駄口を叩く暇があるのなら……全力で成都城を落としてからにしろッ!! 鬼灯の言に従えば……奴らは……儂らを殺すのが嫌らしい。 つまり、儂が───本物の御遣いだからこそ、危害を加えられないのだ!!」
趙?「ヘヘヘッ! ど〜も……すいやせん! ───劉焉様ッ! 今度こそ、あっしが指揮する『赤鶴隊』に任せてくだせぇ!! 必ず……必ず一番乗りで落としてやりますから───ッ!!!」ダッ!!
董扶「……フッ! あのような者が居れば……私のように……慎重居士のような者も居る。 私も……『白亀隊』を率いて挑ませよう! 互いに……不足を補えば……幾ら難攻不落と申しても……脆い物。 ……では、私も!!」
挨拶をして退いた後、それぞれの持ち場に戻る──董扶と趙?。
立ち去る二人を見送り、劉焉は成都城を見上げた!!
劉焉「…………あの二人は………儂にとっては両手に等しい存在! 良くも悪くも、儂に忠義を尽くしてくれる股肱の臣よ!! だが……それ以上に喜ばなければならない事は、『陳平』に匹敵する軍師を得た事だ!!」
劉焉は、さも嬉しそうに……笑う!!
自分を大陸の覇者にまで、導いてくれるような軍師を得た事は、既に大陸の半分を得た事にも……ほぼ同じ!!
劉焉「────漢中、成都に籠もる───儂に牙剥く者共よッ!! 劉君郎の威光! まだ、お前達に屈せぬわぁあああッ!! このまま、貴様らを討ち滅ぼし、大陸制覇の糧と変えん!!」」
拳を握りしめ……高らかに声を上げ、自分の元居城を睨み付けるのだった!!
★☆☆
こうして、益州軍は全軍を成都城の近辺に配置!
号令あれば、一挙に攻め寄せる態勢をとる!
劉焉の知らせが益州兵達に回覧、戦っても死ぬ恐れが無い事を知り……士気も高まる! 勿論……噂だけでは……こうはならない!
奇抜な……今まで受けた事も無い攻撃が、続け様に襲い掛かってきたのに、益州兵達周りの見知った顔には、居なくなった者もおらず、怪我をした者も数人足らずしたかいない。 しかも、逃げて来る時の怪我が……圧倒的に多い!!
その言葉、知らせに真実味が充分あるため、益州兵達は高揚したのだ!
そして………それを見越していたかのように………!
城壁に、多数の人々が並んだ!!
ーーー ーーー
女「アンタァ──ッ!! なにぃコッチの御遣い様に刃向かってるんだぁいッ!! 早く劉焉んとこより戻っておいでぇ────ッ!!」
子供「父ちゃん───ッ!!」
老人「儂らは!! 大丈夫だぞぉおおおッ!! 黄将軍方が……儂らを守って下さるからな────ぁ!!!」
ーーー
桔梗「───益州の同朋達よ! この益州に降り立った御遣い様は、真の御遣い様だ!! 儂ら三将が……己の真名に懸けて真実だと誓おう! 我が真名『桔梗』がその証! よく聞くがいい!!」
焔耶「ワタシの真名『焔耶』に懸けて誓う! 天の御遣い、北郷様の召される装束! 傍らにいらっしゃる女人達! 見たこともない兵器! これ以上の証があるかッ!? いや、大陸全体にも無い筈だぞ!?」
紫苑「我が真名『紫苑』に懸けて語りましょう。 ……実際に戦った貴方達なら分かるはず。 今までの戦いで亡くなった方は居たかしら? 数々の奇抜な絡繰りが出たけど……命を失う事になった人は……居ないでしょう?」
ーーー ーーー
多くの成都の民達と共に───城壁には、紫苑、桔梗、焔耶達が中央に並び、益州兵達に呼び掛けていた!!
◆◇◆
【 綿中含針の計 の件 】
? 益州 成都 成都城周辺 にて ?
益州軍は────動揺していた!
益州兵「そ、その通りだ! 天の加護は……成都の中にあり!!」
益州「う………? ぐぅ〜〜〜!?!?」
益州兵の多くに疑惑の種が……この時、この瞬間、蒔かれたのだッ!
確かに、改めて云われば───傷付いた者は居ても、死んだ者は居ない!
その事実に大きく頷ける理由なのだが……反対意見も噴出した!!
ーーー
益州兵6「し、しかし! 俺達が戦った相手は……アンタ達だけじゃねえ!! 漢中に籠もる賊を討ち滅ぼす為にも行ったんだ! そこでも、アンタ達とはまた違う……戦があって……そこでも死ぬ事なんかなかったんだぞ!?」
益州兵7「それだけの実力が………俺達にあったんだよ! 劉焉様の御加護で……俺達は救われたんだ!! それを……オッカアやガキ達にも嘘を教えやがって!! ────人でなし共がぁ!!!」
益州兵8「へっ! アイツらは『虎の威を借る女狐』さ! あの化け物共や変な絡繰りとか無きゃあ……俺達が勝ったんだぜぇえええッ!!」
ーーー
罵詈雑言───『弱い犬ほど、よく吠える!』の格言通りに、桔梗達を罵る!
桔梗や紫苑は……押し黙っているが────焔耶にとっては、腹立たしい事であり……思わず飛び出して行きそうになる!
焔耶「くそぉおおお───ッ!! いい気になりやが───あッ!?」グッ!
だが、走りだそうとする焔耶の肩を、優しく押し止め、焔耶の替わり前方に立った!!
提督……北郷一刀! そして、港湾棲姫!
左右には───護衛艦『金剛』と『長門』が!
ーーー
一刀「ならば……聞こう! 貴方達は……その者達を倒せたか? 勝つ事が出来たか? 漢中に籠もる者達は……俺を支えてくれた仲間達だ! 厳しくも優しく、俺の采配を信じて命を賭して戦ってきた……大事な人なんだよ!!」
益州兵『──────!?』
一刀「仲間達は……俺と合流する為に……『不殺』の二文字を貫き戦い抜いた! 本当なら……ここに居る貴方達は、生きて戻る事など不可能!! それを……自分達の実力と過信するとは──烏滸がましい!!!」
港湾棲姫「皆、皆……貴男達ヨリモ……遥カニ強イ! 身体モ心モ……!!」
長門「それにだ! 貴様ら如き……素手の殴り合いでも、簡単に倒せるぞ? 私達、艦娘を侮って貰われたら困る! 不満があるなら───何時でも来るがいい!! お前達に相応しい対応で迎えてやろう!!」
金剛「まだありマース! ……彼女達は、真名を懸けて貴男達に真実を伝えたヨ! それを馬鹿にした事は……she hurt my pride(プライドを傷つけられた)ネ! つまり、首をチョンパッとされても……文句は云えない立場デース!」
★☆★ ★☆★ ★☆★
つまり……『真名に懸けて説明した物』=『真名と同じ』
『真名と同じ』×『馬鹿にする』=『死刑 確定!』
★☆★ ★☆★ ★☆★
『────ハッ!?!? お、お許し……』 ブルブルブルブルッ!!
金剛「神に祈りなサーイ! でも……Could you forgive me ?(許してくれるかな?)」
『───────!?』
これで───反対する者が沈黙した。
★☆☆
紫苑「ありがとう……雛里ちゃん! 朱里ちゃん!」
朱里「いいえ……。 本来……私達が矢面に出るべきなんですが……皆さん程、私達の虚名は知られていません! 皆さんに……策とは云え、『真名』を利用してしまった事……すいません!!」
雛里「……真名は……命に次いで大事な物。 だけど……だからこそ……卑怯な事を承知で……お願いしたんです! 必ず……実行して下さると信じて、あの言い方を!! この事に対する罰は、如何なる物も受けますから………!」
★ーー★ーー★ーー★ーー★
《 回想 》
『そうね……。 私達が説得しても……必ず反対意見を行って様子を窺う人、劉焉に恩を売ろうとする人が出てくると思うの!』
『そんな輩は、片っ端から殴って黙らせばいいんですよ《ゴンッ!》──痛ぅッ!!』
『馬鹿者!! それでは敵の思う壺ではないかぁあああッ!!』
『こ、言葉で説得すると……必ず反対意見を述べる者が……数人居るんですよ。 ですから……《真名を懸ける》と先に述べて説得すれば、脅迫に持って行く事も可能なんです……。 本当は、腹を割って話し合うのが一番なのですが………』
『真名をかける行為は──非常に危険です。 しかし、逆に云えば、朱里ちゃんの云うような話もできますよ? 強制など出来ませんが……このような考えもある事を……覚えておいて下さいね………!!』
★ーー★ーー★ーー★ーー★
桔梗「………あれは、ワシらも納得して行った事じゃ! 実際に効果も出て、完全に黙しておるッ! 褒める事があったとしても、どうして罰など与えねばならないのだ!?」
焔耶「北郷様の為になるのなら───これくらい何でもないさッ! 私達が敗北してしまった方が………遥かに辛い!!」
紫苑「だからね………気にしなくてもいいのよ? ご苦労様!」
『ワアアァァアアアア──────ンッ!!』
朱里と雛里は、紫苑の胸の中で……つかの間……泣き続けた。
その間……桔梗と焔耶、一刀達や成都の民が説得を続ける!
ーーーー
ーーーー
ーーー★
───しばらく続けると───
益州軍からの脱走兵こそは………出なかった。
しかし………!!
一刀「(……士気は驚く程……低下した。 あと……最後の一押しで……『皆』が来てくれれば………)」
──────ザッ!!
長門「提督ッ!! 益州軍の後方から『零戦』編隊飛行が見てとれたッ!! 赤城や加賀達が来てくれたんだ! 私も今度は出撃させて貰うぞ!!」
一刀「───最終戦だ! 益州軍の後方の状況確認後──出撃せよッ!!!」
長門より連絡を受け、一刀は………最後の攻撃を命じた!!
ーーーーーーーー
ーーーーーー
あとがき
最後まで読んでいただき……ありがとうございます!
今回………話を作るのに……かなり時間が………。
いつも約8時間ぐらい掛かるのに、倍以上掛かりました。
楽しく読んでいただければ……幸いです。
説明 | ||
とりあえず……出来ました。 | ||
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コメント | ||
御解説の通り……恋姫世界の真名の設定を生かした策です。 作者なりに頭を捻って考えた『話術』になります。 原作同士が十年近く離れている為、分からない提督諸氏もいらっしゃるかもしれませんが……。 分かり難い策ではないかと心配しておりました。 (いた) Jack Tlam提督 コメントありがとうございます! 嫉妬神も参入を考えていますが……まだ決定とまでしていないです。 独占欲強い人は……既に見受けられますが。 偃月刀を振り回されても、41cm連装砲が阻んでくれる筈。(いた) 確かに真名を懸ければ、恋姫の世界観では相手はそれを否定することが出来なくなりますね。否定したらまあ、いたさんの書いている通り……首が飛んでも文句は言えない。己の魂の形を示すそれを懸けてでも、というのは武人としてはありだと思いますし、それを作戦に組み込んだ朱里達もその覚悟はあるでしょう。感情的にも納得の行く作戦だったと思います。(Jack Tlam) ……一刀はどの世界でもやはり女性から暴力を振るわれるんですかね?まあ偃月刀やら何やらで追い回されて結局ボコボコよりは100tハンマーの方がましか……口下手の言い訳で暴力を振るうのは、例えギャグでもやめて欲しいかもしれない。今の感じだとそれもなさそうだけど……これから来るんでしょう?独占欲とか嫉妬心が強い方々が。(Jack Tlam) hokuhin提督 コメントありがとうございます! 武器を検索していたら……ありましたw 一刀用になるかは、これからの一刀次第ですね!(いた) 100tハンマーとはまた懐かしいものをwこれは対一刀用にもなりますねw(hokuhin) |
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