真・恋姫無双 雌雄の御遣い 第四十四話
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〜一刀視点〜

対岸の曹操軍に火の手が上がった

「祭さんが成功させたな 総員突撃!」

「おお〜!」

俺の号令で大和、劉埼軍の両軍は動き出す

孫呉の軍勢も雪蓮の号令で突き進んで行く

 

曹操軍の船の大半は火計の所為で炎上している

僅かに火から逃れた船も中型船は此方の突撃用の艨衝船に撃沈される

小型船は此方の小型船との戦いになるが混乱した曹操軍はどんどん数を減らしていく

「おらおらおら〜!」

そして、この機に桔梗が敵の大型船に豪天砲から火球を打ち込んでいた

俺が以前桔梗に豪天砲の原理を聞いた時、気の力で球を打ち出していると言っていた

ならばと、球に油を塗って打ち出している

今のような火計の真っただ中で使えば油に勝手に引火して火球となる

火薬で発射していたら使えないが、気で発射させている豪天砲だから簡単に出来る方法だ

そして、元は豪天砲なので威力があり、大型船の外装をぶち抜き、中で船に引火する

この戦場には最適の武器だ

「曹操軍の船は全て豪天砲改め『豪炎砲』の餌食にしてくれるわ」

桔梗もご機嫌だ

その言葉通り軽微な炎上だった船も中から焼かれて数を減らしていく

曹操軍は最早退却しか選択肢は無いだろう

その一方で俺は祭さんの安否が気になっていた

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〜祭視点〜

儂の作戦は大成功した

冥琳と目のやり取りだけで立てた策がこうもうまくいくとわな

あやつとて呉の大都督 これぐらい察してくれねば困る

そんな事を考えながら大型船の船首に立っていた

儂も可能ならば逃げたいところじゃが・・・この二人が居ては無理のようじゃ

「黄蓋、貴様〜!」

「よくもやってくれたな!

 生かしては帰さん!」

夏候惇と夏侯淵は怒り心頭で儂の前に現れた

これは逃げようと後ろを向けた瞬間、夏侯淵が弓を放って来て背中を撃ち抜かれる

かと言って2対1では相手が悪すぎる

儂の命もこれまでかと思っておったら、船の中から儂たちの間に火柱が上がった

船内に大量に火矢でも撃ち込まれて中の物に引火したのか?

兎も角、千載一遇の好機とばかりに儂は川に飛び込んだ

そして間もなく策殿の船に救助された

 

〜華琳視点〜

私は目の前の光景に言葉を失っていた

80万もの大軍団が火計に包まれている

「華琳様、最早退却しかありません

 許昌に戻り、態勢を立て直すべきです」

桂花に言われずとも、分かっていた

だが退却を始めた私に凶報が飛び込んで来た

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〜鞘華視点〜

一刀達が成都より出陣した翌日

「鞘華様、この大戦に何故我等が参戦出来ないのですか?

 所詮は降将 信用できないという事ですか!」

炎が詰め寄って来る

「そんな訳無いでしょ

 間諜の目をごまかす為に貴方達に黙っていたけど私達も出陣するわよ!

 恋、炎、音々、葵、劉協陛下も来てください」

そう言って私達も5万の兵を率いて出陣する

目的地は先ず天水 翠達との合流に向かう

「よう、やっと来たか

 此方の準備は整っている

 いつでも出られるぜ」

翠の挨拶を受けてから全兵士に告げる

「我等はこれより長安を攻める

 そして、その後、洛陽、曹操の本拠地許昌まで軍を進める

 戦の連続だが主要な将の居ない曹操軍など恐れる事は無い

 全軍、出撃!」

 

長安の守将は先ず野戦を挑んで来た

此方の兵力は翠達も併せて10万

彼方も同数なので最初から籠城と云う消極策は取りたくなかったのだろう

だが、将と兵の質を何も考えてないわね

 

戦闘が始まると一方的な展開になった

涼州の騎馬隊に馬超と云う猛将

そして飛将軍 呂布

その呂布は戦闘が始まると最初の打ち合わせ通り城門の制圧に向かった

多くの兵を蹴散らしながら無人の野を行くが如くの速度で城門まで突き進む

これで敵は城に撤退できない

城に入る為には呂布を突破しなければならない

そして、長安は一日にして落ちた

長安に一日留まり洛陽に向かう

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〜華琳視点〜

「長安が落ちたですって!」

この報せに愕然とした

目の前の戦いに何故鞘華がいないのか

最強の武将呂布がいないのか

その理由を考えていなかった

長安に10万の兵を駐留させていたから安心しきっていた

「この報せが来るまでの時間を考えると既に洛陽も危ないわね

 私達が許昌に着くのが速いか、鞘華が許昌を攻め落とすのが速いか、微妙な所ね

 ならば、我等はこの先の平地で追ってくる敵と最後の決戦を行う!」

平原に陣を敷き、大和、孫呉、劉埼の連合軍を待ち受ける

 

最後の決戦が始まる

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〜あとがき〜

 

「豪炎砲」の事ですが、豪天砲の原理は気と云うのを見た気がしたので考えました

公式でどうなっているのかは知りません

間違っていたらご容赦ください

 

祭は助かりました

既に華雄を死亡させながら何ですが、あまり恋姫を死亡させたくないので

 

鞘華が残った理由は翠と共に華琳の退路を断つ為でした

赤壁で負ければ全てが終わる作戦ですが勝てば妙手となります

 

更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
赤壁の戦い 後篇
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コメント
誰かは知らないが「長安の守将」さんよ…。将は「名将」と「愚将」のどちらかだけで中間の「良将」がいない外史に落ちたのが、一刀と鞘華の幸運でしたね。まあ、曹魏の「名将」たちを本拠地から引き離せたのは北郷夫妻と重臣ズの奮闘ありきだから、ラッキー夫婦感は薄いですが。(ナック)
比較的オーソドックスだが、えぐい作戦ですね。長安を守っていたのは誰なのか……元董卓軍の面々と一刀達の再会もいずれ見られるのでしょうか。しかし、華琳らしからぬ失態ですね……この後愛紗の部隊に奇襲を喰らってあの伝説が甦るのか?色々と楽しみですね。死にはしないだろうけど、さてどうなるやら。(Jack Tlam)
祭さんが助かってよかったけど、今度華琳達があぶないな^^;魏ルート好きな自分としては死んでほしくはないな〜(nao)
タグ
真・恋姫無双 北郷一刀 華琳 桔梗  

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