英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜
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〜オーロックス砦〜

 

「あ、あれは……!」

「”蒼の騎神”オルディーネ―――!」

「クロウ……来ていたのか!」

オルディーネの登場にトワは不安そうな表情をし、ジョルジュとリィンは驚きの表情で声を上げ

「フッ、どうやらお仲間が心配で様子を見に来ていたみたいだね。」

アンゼリカは苦笑しながら呟いた。

 

「……はは、まあな。しかし、まさかあんな大博打を打ってくるとは。爆発に巻き込まれたらどうするつもりだったんだ?」

「……無我夢中だったからな。でも、その程度の博打も打てないようじゃ誰かさんには届かない。そうだろう―――クロウ?」

クロウの問いかけに対し、静かな表情で答えたリィンはオルディーネを見つめた。

 

「………クク、なるほどな。ま、礼は言っておくぜ。それとゼムリアストーンで武器を強化するってのは悪くないアイデアだ。―――もっとも”強化”だけじゃオルディーネには届かないが。」

「……!」

「今後もせいぜい気合を入れて”試練”に挑むんだな。」

「クロウこそエフラム殿下達の手によってその無くなった腕と壊された目の部分はどうするつもりだ?」

「クク、ヴィータの知り合いの”蛇の使徒”で人形兵器を作る専門家がいてな。今日そいつにこのオルディーネを預けて直してもらう事になっているから心配いらねぇ。俺の事を心配している暇があったらとっととゼムリアストーンを集める事だな。」

リィンの問いかけに対して答えたクロウはオルディーネを空へと飛びあがらせ、カレイジャスを見つめた。

 

「そうそう、ジョルジュ。さすがに見事な剣の加工だ。総ゼムリアストーン製の得物―――楽しみに待ってるぜ。」

「……わかった。何としても鍛えて見せるよ。」

「トワにゼリカも”紅き翼”を完璧に乗りこなしたようだな?たった数日で最新鋭の巡洋艦を……どんだけ規格外だっつーの。」

「フッ、このくらいは当然さ。何せとっとと君の居る場所に辿り着かなきゃいけないからね。」

「……待ってて。その内絶対にクロウ君を取り戻してみせるから……!心配をかけた罰として卒業までずっと掃除当番くらいは覚悟してもらうからねっ!」

「ハハ……やれるもんならやってみな。お前らがオレのところに辿り着けるかどうか―――楽しみに待たせてもらうぜ。」

トワ達の決意を聞いたクロウは苦笑した後オルディーネと共に飛び去って行った。

 

「クロウ……」

「よしっ……切り換えないと!―――リィン君はこのままユーシス君達を追いかけて!」

「騎神の回収と周辺の警戒はこちらにまかせてくれ。」

「フフ、あとは頼んだよ。」

「―――わかりました!!」

そしてトワ達の言葉を聞いたリィンは砦内に突入した。リィンが砦内に突入する少し前、既に砦内に突入し終えた突入班が先に進もうとしたその時声が聞こえて来た。

 

「止まるがいい……!」

すると北の猟兵達が現れ、サラ教官達の行く手を阻んだ!

「………………!」

「ユミルを襲った猟兵達と同じ鎧……!」

北の猟兵達の登場にサラ教官とエリスは厳しい表情をし

「父に雇われた猟兵……”北の猟兵”だったか。そこを退くがいい。俺はアルバレア公に用がある。」

ユーシスは猟兵達を睨んで忠告した。

 

「それはできぬ相談だな。ユーシス・アルバレア。貴様を拘束するようにとの指示も受けている。」

「”我らが故郷(ノーザンブリア)”の名にかけてその依頼、果たらせてもらおう。」

「―――やれやれ。相変わらずみたいね。」

呆れた表情で呟いたサラ教官がユーシス達の前に出ると猟兵達は血相を変えた。

 

「サラ・バレスタイン……!」

「……貴様も一緒だったか。”紫電”の異名、遊撃士として聞き及んではいたが……」

「士官学院の教官になったという情報は確かだったらしいな。」

「……サラ…………」

「サラさんの知り合い……?」

サラ教官を知っている様子で話す猟兵達の言葉を聞いたフィーは心配そうな表情をし、ゲルドは不思議そうな表情で尋ねた。

 

「ええ、ちょっとした腐れ縁って奴ね。――――あんたたちのやり方は否定しないわ。団の送金で故郷のみんなが助かっているのも確か。でも―――今のあたしはこの子達の担任教官よ。そしてこの国は故郷を捨てたあたしにとって第二の故郷でもある……今はメンフィル帝国領とは言え、第二の故郷であった場所を焼討するような非道を働くなら容赦はしない―――2度と悪さができないよう叩きのめしてあげるわ!あたし一人の手でね……!」

そしてサラ教官は凄まじい闘気を纏って銃口を猟兵達に向けた。

「くっ………!」

「いくら貴様と言えど、この数を相手にするつもりか!?」

「へ……」

「まさか……一人で戦うんじゃ!?」

「高ランクの猟兵団……一人じゃ無謀すぎる!」

サラ教官の発言を聞いたミリアムは呆け、エリオットは不安そうな表情で尋ね、フィーは真剣な表情で警告した。

「馬鹿な、俺達も―――」

「―――いいえ。ここはあたしに任せて頂戴。6年目につけ損ねたケジメ……そのケリを付けるという意味でも!」

「どうしてそんな………」

「サラさん……」

ユーシスの申し出を断ったサラ教官の様子をエリスとゲルドは心配そうな表情で見つめた。

 

「いいだろう!サラ。バレスタイン!」

「団を抜け、故郷を捨てたこと後悔させてくれる―――!」

そしてサラ教官は猟兵達に向かって行った。

 

「久々に行くわよ……っ!ハァァァァァッ!!」

全身に膨大な紫電を纏って跳躍したサラ教官は猟兵達の目の前に着地し

「ハッ!セイッ!ハァァァァァッ!!」

強化ブレードで次々と猟兵達を斬りつけた後アクロバティックな動きで銃弾を連射して猟兵達に命中させ

「ノーザン――――イクシードッ!!」

そして一瞬で猟兵達に詰め寄って紫電を纏った強化ブレードと銃をクロスさせて叩きつけた。すると猟兵達の足元から紫電の大爆発が起こった!

 

「グアッ!?馬鹿な……」

「ガッ!?ク、クソ……ッ!?」

「ガアアアアアア――――ッ!?」

サラ教官の奥義を受けた猟兵達の一部は戦闘不能になって地面に膝をつき、軍用魔獣達は悲鳴を上げながら消滅した!

 

「フンッ!!」

「このっ!!」

その時大剣を持った猟兵達が跳躍して衝撃波を放ったが

「遅い――――セイッ!」

「グアッ!?」

「ガッ!?」

「これはオマケよ!!」

「グウッ!?」

「ば、馬鹿な……!?」

サラ教官は攻撃を回避し、クラフト―――電光石火を叩きつけて戦闘不能にした。

 

「喰らえ……!」

その時銃を持った猟兵が銃を連射させたが

「遅い!ヤァァァァ……!!」

サラ教官は銃弾をも回避してクラフト―――鳴神で反撃した。

「グッ!?これはどうだ!?」

「チッ!?」

しかし猟兵が投擲した手榴弾の爆発の回避に遅れたサラ教官はダメージを受けたが

「この程度で倒れると思ってんじゃないでしょうね!?―――斬り裂け!」

「ガアッ!?お、おのれ……!」

サラ教官はすぐに立ち直ってクラフト―――紫電一閃を放って猟兵を戦闘不能にした。

「さあ!とっとと立ち上がりなさい!あんた達がこの程度で倒れる程柔(やわ)じゃないのはわかっているわよ!!」

「ク、クソ……ッ!」

「我ら北の猟兵を舐めるな……っ!」

そしてサラ教官に怒鳴られた猟兵達はそれぞれ立ち上がって再びサラ教官との戦闘を再開した。

 

「……これは……!」

サラ教官が猟兵達との戦闘を開始して少しするとリィンがその場に駆け付け、リィンは自分が見た光景―――疲弊した様子のサラ教官と同じように疲弊している猟兵達や地面に膝をついている猟兵達を見て信じられない表情をした。

 

 

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今回の話でクロウがオルディーネの修理の為にオルディーネを誰に預けるかを知り、その後の展開がある程度予想できた方がいるかもしれませんね(汗)というか内心、『そいつに預けちゃ駄目だろ』と突っ込んでいる方もいるかもしれませんww

説明
第477話
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コメント
本郷 刃様 はい、あの博士しかいませんww(sorano)
オルディーネの修理先の人形兵器の専門家って、あの博士しかいないじゃないですかw(本郷 刃)
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