1/144ドズル専用ザクへの適用を想定したエレガントカットシールを用いたエングレービング表現に関する研究
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説明
【要旨】
近年、”袖付”が運用するモビルスーツに代表されるように、ジオン軍の装飾性を担うディティールとして、エングレービング表現が一般化している。
このようにモビルスーツに文様を施す表現は、遡ればモビルスーツバリエーション(MSV)にて大河原邦男氏により描かれたドズル・ザビ中将専用ザクに端を発すると考えられる。
このエングレービングは、立体化した際に見栄えがすることが明白ながら、金型化が困難なこと、デカールでは立体の文様表現が不可能なことなどから、長く模型化は見送られてきた。
一方ユーザサイドではこれら課題に対して、パテの小片を用いて文様を表現する手法(参考文献(1))や、プラ紐やハンダなど屈曲性の高い棒状のものを用いる手法(2)などが提案されたが、施工にある程度以上の技能が求められることから一般化しなかった。
また最近メーカーサイドからも、ライン状のエングレービングシールを用いて立体感と簡便な施工の両立を図ったもの(3)が提案され、一定の解決が出されたという認識がある。
しかし、提案されたシールは施工の簡便さを図るためか、もとのデザインのような唐草文様ではなく一部幾何学的なパターンとなっており、華麗さが足りないため一部不満を訴える層もあった。
これら動きに対して、リチャードヘンリーが提唱した”エレガントカットシール”を用いる手法(4)は、唐草文様のゴージャスさと施工の簡便さを両立させた手法として高く評価できる。
但し、ネイルアート用の素材であるエレガントカットシールは、パターンの幅が3〜5mm程度と、1/144クラスの模型に適用するには太すぎるという欠点があった。
そこで本論文では、エレガントカットシールを用いながら、2.5mm程度の幅に収めるために、一旦パターンを細切れにしてから再構築するという手法を開発したので紹介する。

【1.使用部材】
 株式会社TAT製エレガントカットシールゴールド
  No.560-4225
  No.560-1942
  No.560-1992
  適用:バンダイHGUCザク・マリナー改造、1/144ドズル・ザビ専用MS-06FザクU

【2.施工方法】
  本文中の写真に、詳細を記載した。

【3.効果】
  HGUCのような小スケールの模型にあっても、一定幅(2.5mm)の唐草文様のライン様エングレービングを比較的容易に施工できる。

【4.注意点】
  ベースの模型を艶消しにしたい場合は、当然ながらエングレービング施工前に艶消し処理を施さねばならない。
  但し、艶消し処理された模型は、手の油などでその効果が劣化することが懸念される。
  その場合、白手袋などをはめて極力素手で模型を触らないようにしながら後工程のエングレービング処理を実施することが肝要である。    

【5.終わりに】
  本論文の作成にあたり、”ネイルアート機材専門店”に入店してみたが、面相筆やヤスリなど、模型に転用できそうな素材がふんだんに見られた。
  男性客はたった一人であるという居心地の悪さを除けば、有用な素材店として活用できるので、本情報もあわせて紹介しておきたい。
  今後も、領域にこだわらず、広く見聞を広め、模型に適用できる手法を探していく所存である。

【参考文献】
 (1)ヤマネ工房:http://yamanekoubou.gozaru.jp/newpage22.html
 (2)まりもん:http://blogs.yahoo.co.jp/ta03mi06m/folder/558593.html
 (3)プレミアムバンダイ:http://p-bandai.jp/item/item-1000087241/
 (4)リチャードヘンリー:http://ameblo.jp/modelers-s-s/entry-11400979198.html
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コメント
村崎めぐすり さん。コメントありがとうございます。エレガントカットシールの存在はご存知でしたか!ぷっくり適度な立体感で、ある程度伸縮性もあり、接着力もあり、よい素材ですね。細切れにしたものをどのように組み合わせるのか、考えながらの作業も楽しかったです。(saruru)
カットする所までは考えが及ばなかった・・・。そっか、カットすりゃ良かったんだ・・・。(村崎めぐすり)
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ザク MSV MS-06 HGUC F2 1/144 saruru ドズル 

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