艦隊 真・恋姫無双 22話目
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【 劉焉との対峙 の件 】

 

? 益州  成都 劉焉本営 にて ?

 

劉焉「き、貴様らぁあああッ!! 何を、何を狼狽えておるッ!! は、反撃をせんか!! 敵は我らより、遥かに少ないのだぞぉおおお!!」

 

劉焉は、『五雲の車』の玉座から荒々しく立ち上がり、佩刀を掴み車より降り立った!! 

 

──────ザッ! ザッ! ザッ!

 

加賀「勝負は決まりました! 敗軍の将なら……それなりの作法がある筈! 大人しく───縛されなさいッ!!」

 

劉焉「黙れ、黙れぇえええッ! 儂がおる! 益州州牧『劉君郎』が健在ならば───幾らでも民が支持する! 兵は集う! 臣は儂を担ぎ上げるだろう!! 貴様等如き……下郎に屈する儂では───無いッ!!!」

 

劉焉は、そう叫ぶが……負け犬の遠吠えに過ぎなかった。

 

 

★ー★ー★ー★ー★ー★

 

劉焉が、民より絞り取った税を使用して、華々しく作り上げた軍勢は………既に破損、汚損しながら……無様に敗走している!!

 

右翼『赤鶴隊』も、『隻眼の将』と『笑面夜叉の将』が……獅子奮迅の活躍を見せ付け、趙?が捕縛されたとの報告が先程……入っていた!

 

左翼『白亀隊』も同じく、『謎の言葉を語る異邦人』と『鉄壁の強さを誇る武人』に、董扶が捕らえられたと、別の伝令兵より報告も受けている!

 

しかも、最も精兵で固めた筈の黄龍隊が……面妖奇怪、幻妖怪異のアノ巨漢が現れ、一番早く崩れたのが───痛恨だった!!

 

また、後方に配置していた劉焉囲む近衛兵達も、突如現れた漢中勢に蹂躙され、漢中勢の一部で劉焉を囲み……他の者達は、劉焉に忠を尽くさんと奮戦する兵達を掃討する為に動いている!

 

★ー★ー★ー★ー★ー★

 

 

──────ザッ!

 

雷「加賀だわぁ!! 久しぶりね! 元気にしてたぁ!?」

 

電「お、お久しぶりです! 加賀さん!!」

 

加賀「……二人とも……無事で良かったわ! ん? もしかして……コレに引導を渡すつもり?」ビシッ!

 

劉焉「────わ、儂を指差すなッ! 下郎共!!」

 

雷「勿論! 私達が戦って……屈伏させてやるわよ!」

 

電「────なのですッ!!」

 

加賀「……そう。 分かったわ、私が一航戦の誇りに懸けて立ち会いましょう! 劉焉、貴男が……私達の仲間に勝てれば、逃がして上げる。 どこへでも逃亡しなさい!!」

 

ーーー

 

瑞鶴「ちょっと! そんな勝手な真似───『一航戦の指揮に従うと言ったでしょう?』…………うぅぅ、翔鶴姉〜ッ!!」

 

翔鶴「あの加賀さんが……勝機も無く無謀な賭けをする訳が無いもの。 ……信じましょう! それに、あの二人の事も──!!」

 

瑞鶴「………提督さんと一緒にと……死を覚悟した二人! うんッ! 私も刮目して、この勝負を見守るよ!!」

 

ーーー

 

榛名「……負けたら許しませんッ!」ゴゴゴッ

 

比叡「……ヒェエエェェェ──ッ!」ブルブルブルブル

 

霧島「……私が楽勝だったもの。 当然──あの二人だって!!」

 

 

比叡「わ、私……お姉ちゃんなのに……妹達の迫力に圧されて……! 気合いが……入らない〜ッ!!」

 

ーーー

 

川内「…………雷達が負けたら………アイツを夜戦で蹴散らすぞ!」

 

夕立「でもでも……私達、提督さんとこ……集合しなくちゃいけないんだよ? それに……逃げ出した劉焉……誰が追跡するっぽい?」

 

川内「──────くっ! 盲点だった!!」ガクッ!

 

夕立「普通は誰でも────考えるっぽい!!!」

 

ーーー

 

劉焉「クククッ! ハーッハッハッハッハッ!! そんなガキがか! 良かろう! この前の眼鏡の女なら……いざ知らず! 今度は、このような子供の相手なら! ふんっ! この勝負の申し出、劉君郎……確かに受けたわ!!」

 

加賀「………劉焉は受けてくれたわ! 二人とも……武運を!!」

 

雷、電「「はいっ!!」」

 

 

◆◇◆

 

【 孫呉からの使者 の件 】

 

? 益州 成都城 城壁上 にて ?

 

貂蝉「一刀ちゃん!! 左慈ちゃんや于吉ちゃん! そして、他の艦娘達も合流したようよぉん!! 劉焉の益州軍は、九割方壊滅状態、負傷兵や投降兵多数、死者数0の殆ど作戦通りぃいいい!! 素晴らしいわぁん!!」

 

一刀「それで! 皆は!? 怪我とか無いのか? 大破した娘は居ないんだろうな? ま、まさか………轟沈したとかッ!?」ガッ!

 

貂蝉「イヤァ〜ン! 一刀ちゃんたら〜!! そんな荒々しく、私の肩を掴むなんてぇん! こういう行為は、人目に付かない夜じゃないとぉ〜!!」

 

一刀「────!?!?」

 

港湾棲姫「カ……一刀………?」

 

『ジィ─────ッ!』

 

一刀「ち、違う! 俺は、そんな関係など────ッ!」

 

港湾棲姫「一刀ノォ───馬鹿ァアアアアッ!!」ポイッ! ポイッ!

 

一刀「駄目だ! 痛いッ! そんなモノ投げちゃ───痛ッ!!」

 

ーーー

 

一刀と港湾棲姫の痴話喧嘩を……懐かしそうに眺める恋姫達!

 

紫苑「懐かしくも、初々しい反応よね……」

 

桔梗「そうじゃな。 ワシらも……よくお館様をからかい、そのまま本気にされて、寝台で返り討ちあったモノじゃが……。 ───ムッ? 顔が赤いが、風邪か? この時期に、病気で寝込まれては困るぞ……紫苑よ!?」

 

紫苑「ち、違う! 桔梗が、その……ぉ。 わ、私は……昔と違って……経験なんて無いの! そう、はっきり云われると、一刀様を意識しちゃって……」

 

桔梗「なんじゃ! そんな事か! ワシとて無いぞ? 目に適う男が居らなくてなぁ! 考えてみれば……お館様以上の気骨溢れる男が居なかったせいかの! それにしても……あの紫苑がか……! いやはや分からぬものだ!」

 

紫苑「/////////」

 

焔耶「………まるで桃香様のような反応! とても可愛い──『ゴンッ!』───い、痛っあああッ!!!」

 

桔梗「馬鹿者が! 戦の最中に何を盛っておるッ!! 劉焉の軍勢が崩れたとなれば、投降する兵、負傷した者を対応する者を用意せねばなるまいッ! 軍師殿! ワシら外に出て、投降した者の対応をさせて貰う!」

 

朱里「分かりました! こちらも、治療の為の設備を、もう少し広げておきます! 治療の必要な方を渡して下さい!」

 

──────トンッ!!

 

雛里「────しゅ、朱里ちゃん!! た、たたたっ、大変だよッ!!」

 

朱里「な、何があったの!? 雛里ちゃん!!」

 

雛里「………こ、こっちに………あわわわわっ!!!」

 

??「────勝手に案内も無しで……すまん! 久しいな! 朱里、紫苑、桔梗、焔耶! ……此方に行けば、アイツに逢えると……その……卑弥呼なる者から……助言を受けてな……」

 

紫苑「あらあら───『思春』ちゃん!!」

 

桔梗「フッ! まさしく『友あり遠方より来たる!』じゃな! 思春よ!!」

 

焔耶「お、お前が来ただとッ!?」

 

朱里「はわわわわわ────ッ!!」

 

思春「───アイツは、どこに居るんだ?」

 

『─────────!?』

 

その場の空気が───凍りついた!

 

 

◆◇◆

 

【 怒る艦娘達 の件 】

 

? 益州 劉焉本営内 にて ?

 

劉焉「────儂の準備は、既に終わった! 何時でも来るが良い!!」

 

劉焉は『グラディウス』を両手で持ち、対峙している!

 

劉焉「劉氏一族には、代々伝わる両手剣の剣術がある!! これで……我が武は完璧! 勝機は間違いないッ!!」

 

加賀「────問題は……無いですね!」

 

加賀は、劉焉の武器を一瞥して問題無しと判断! 

 

雷「私達の武器は、これよッ!!」

 

電「これなのですッ!!」

 

加賀「──────!?」

 

『ハリセン』『100dハンマー』に目を見張る加賀。

 

加賀「───本当に?」

 

雷「────これで、いいわよ!」

 

電「無問題───なのですッ!!」

 

加賀「────認めます! 双方……前に!!」

 

艦娘に囲まれる中、三人は対峙し───加賀が叫ぶ!!

 

加賀「勝負は一本! 勝敗に生死を問わず、正々堂々を貫く事! 双方──準備は良いですか!? では──っ! 始めっ!!」

 

ーーーー  ーーーー

 

劉焉「儂に……双剣を持たせた事! 悔やむがいいわ!!」

 

劉焉が、横に並ぶ二人に向かい、左手で横凪にし、右手で上から振り落とす!

 

雷「そんな攻撃ぃ! ──話にもならないわぁ!!」パンッ!

 

電「───バレバレです!!」ガンッ!

 

劉焉「───なっ!?」

 

雷が上からの剣を叩き落とし、電が横から来る剣を受け止める!

 

唖然とする劉焉に向かい、雷がハリセンで攻撃を仕掛けるッ!

 

雷「トオォリャアアァァ──ッ!! ティ! ティティティティティティ! テェッ!!」

 

劉焉「ふぐっ! ハッ! ハッ! ハッ! ヌオオォオオオッ!!!」

 

雷のハリセンが……劉焉の上半身を集中して狙ってくる! 顔、顔、左右脇腹、顎、真っ正面から顔面にぃ!! 

 

されど、劉焉も左右一対のグラディウスを、生き物の様に個別に操り、雷のハリセン攻撃を封じていく!

 

電「隙ありですッ! えぇ───ぃ!!」

 

劉焉「ヌグゥ!! ハァ───ッ!!」

 

電が『100dハンマー』で下半身を集中攻撃すれば、咄嗟に退けて回避する!

 

ーーーー  ーーーー

 

雷「やるわね! 私の攻撃を簡単に避けるなんて……!」

 

劉焉「益州兵共と一緒にして貰っては困るなッ!」

 

電「───貴方の軍勢は、既に崩壊しています! これ以上、私達に対して争いをしても、意味などありません!! もぅ、こんな戦を止めるよう、残っている兵士さん達を止めて下さいぃいいいッ!!!」 

 

雷「電………!」

 

劉焉「ふんっ! 何をほざくかと思えば──笑止!!」

 

『─────!?』

 

劉焉「よく聞くがいいッ!! 儂は、漢王朝の『皇帝』に即位できる血筋、『天の御遣い』として……担ぎ出され英傑だ!! 確かに、お前達の主こそが御遣いかもしれん! だがな! 誰が出身も分からぬ者を信じるッ!?」 

 

電「───────!?」

 

劉焉「儂が──漢王朝に、皇帝に上奏すれば、お前達が『悪』!! 儂をいたぶり、益州に戦乱を起こし、民を苦しめたと──報告すれば、あの愚か者は『亡国の使者』と蔑まされ、大陸を追放される事だろう!!」 

 

雷「一刀司令が……亡国の使者!?」

 

電「私達を何時も心配してくれる……一刀さんを!?」

 

劉焉「くっははははっ!! ──民も、兵も、臣下さえもッ!! 儂を更なる地位に上げる『足場』であり『土台』であり『贄』であるのだッ!! 儂さえ、儂さえぇ!! 命があれば──他のモノなど、全て無用!!!」

 

加賀「───漢王朝の腐敗───考えていたより、腐っていたようね!?」

 

加賀が、全員へ包囲網を敷き直すように合図する。

 

加賀「生かして置いては───提督の災いと降りかかってくるでしょう!! そんな事、この私が許しません!!」

 

加賀が艤装の靫(うつぼ)より矢を取り出し、つがえて射る準備をする!

 

劉焉「ふんっ! 正々堂々とほざいた割には……飛び道具で儂を殺すか!? 良いだろう───!! 殺して見ろッ! しかし──貴様らの策も──全部、画餅に帰するだろうがな!! ハァ───ッハッハッハッハッ!!!」

 

加賀「───私が、全ての責を負い、劉焉を射殺します!!」

 

『───────!!』

 

他の艦娘は、声を失うが……提督代理として、指揮を振るう加賀に──従うしかない! 『このままで良いのか!?』と自問自答しながら!!

 

しかし───加賀の行動を遮る声が挙がった!!

 

雷「───待ちなさいよッ!!」

 

電「まだ──私達の勝負が付いていないのですッ!!」

 

加賀は、弓を下ろし……二人を見つめる!

 

加賀「貴女達に───勝機はあって?」

 

雷「まっかせなさいッ!! 電ッ! 行くわよ!?」

 

電「何時でも大丈夫なのです!」

 

雷「じゃあッ! 行くわぁ───ッ! よいっ……しょっ!!」

 

雷が電に背負われた体勢を取る!

 

雷「完成よッ!! ───劉焉!! 貴男は、私達を怒らせたッ! だから、この『雷電』が……天に代わってお仕置きしてあげるわ!!」

 

劉焉「───面白いッ! そのような不自由な格好で何ができるか──みせて貰おうかぁあああ────ッ!!!」

 

合体?した二人は、劉焉と………再度、対峙する事になった!!

 

ーーーーー

 

 

 

電「………雷ちゃん……少し、太ったのです?」

 

 

雷「ばっ!? こ、こんな時に───云う台詞じゃないわよ!!!」

 

 

 

◆◇◆

 

【 悲しみからの始まり の件 】

 

? 益州 成都城 城壁上 にて ?

 

思春は、恋姫達に問いかけた。

 

思春「───アイツ、北郷は………」

 

雛里「………………」

 

朱里「え、ええっ、焔耶さん!! ご、ごごごご主人様は、どこでしたですかね? ここには、い、居ないと思ってましたがぁ───!?」

 

焔耶「北郷様なら───あそこに『え、焔耶ちゃん!』モガモガ!!」

 

桔梗「ほ、北郷殿か……! 確か………」

 

一刀「俺が………どうしたって?」

 

港湾棲姫「……………………!」ギュッ

 

一刀「……どうしたんだい? 急に俺の服を掴んで? ───おやっ?」

 

 

『───────!?!?』

 

 

 

一刀「あぁ、新しく来られた将なのかな? 『初めまして』……! 俺の名前は、北郷一刀! 真名は無いから、好きなように呼んでくれれば……」

 

思春「ジィ─────ッ!」

 

一刀「えっ!? な、何か……顔に付いてる?」

 

思春「………雛里。 お前の言った通り……この男は、アイツじゃない!」

 

雛里「………ヒックヒック!」

 

思春「雛里がな、一緒懸命に教えてくれた。 『私達の知っているご主人様じゃないけど……ご主人様みたいな人』と。 孫呉に奪われるのが怖くて……付いた嘘ではないかと……勘ぐったのだが………」

 

『…………………』

 

思春「……アイツなら……こんな悲しい嘘を付かない! 私の目を……無心で見ながら……吐く事が出来る………薄情な男じゃ……ないッ!!」

 

雛里「うわぁあああ────ん!!」

 

一刀「えっ! この子も……北郷さんの関わりがある娘っ!? ゴ、ゴメンッ!! 無神経な事を云っちゃて……! 『空気読め!』って、部下のコ達から云われているんだけど……どうしてもねぇ……」

 

思春「………気にするな。 勝手に期待して……勝手に裏切られた……私のせいだ。 貴様とは……何も関わりは無い!!」

 

一刀「でも……凄いな……! こんな可愛い娘さんにまで、慕われていただなんて……北郷さんは素晴らしい人だったんだよね!!」

 

思春「な────ッ!? な、何を根拠にぃいいいッ!?」

 

一刀「だって……此処で、俺に力を貸してくれる皆は、全員、北郷さん慕っていたんだよね? 俺は……姿形は『北郷一刀』とソックリだけど、中身は遠く及ばない! 俺は、北郷さんに追いつくように……頑張らないとな!!」

 

思春「ボソボソ(雛里……コイツの中身……まさか、アイツ以上の鈍感野郎か?)」

 

雛里「ヒック! ヒック! ボソボソ(は、配下の人達も、何人居るのか分かりませんが、全員女性みたいなんでしゅ! かなり慕われていますよ? そ、それに……わ、私達も……慕っているのですが……気付く様子が……!?)」

 

思春「う〜ん………取り敢えず、此方の勝敗を見届けた後、冥琳様に連絡しよう。 そうか、アイツ以上の鈍感野郎か! アーッハハハハハッ!!」

 

一刀「…………鈍感、鈍感云わないでくれ! これでも気にしてるんだ! それに、女の子が……口を大きく開けて、笑わない方がいい。 綺麗な顔が、台無しだ! 彼氏とか居たら、怒られてしまうよ?」

 

思春「───///////!! よ、余計なぁ御世話だぁあああッ!!」ボゴォ!!

 

一刀「ぐほっおおお────っ!!」

 

港湾棲姫「一刀ォオオオッ!!」

 

『………………………』

 

ーーーー  ーーーーー

 

こうして、思春は……北郷一刀と出会う。

 

期待していた人物ではなかった……しかし、気落ちする事もなかったのだ!

 

何故なら───彼もまた───『北郷一刀』だったのだから!

 

 

◆◇◆

 

 

【 大往生! の件 】

 

? 益州 劉焉本営内 にて ?

 

劉焉は、雷を背負った電を見て……嘲笑する!

 

劉焉「たかが、一方の小娘が背負われただけ! 何を恐れる事があるか?」

 

雷「云ったわねぇ! 私達の恐ろしさ……見せてあげるわ!!」

 

電「じゃあ! 行くのです──!」

 

電が雷を背負いつつ『雷電』体勢でユックリと歩く!

 

☆ー☆ー☆ー☆ー☆

 

因みに武器は、二人共持ったまま。 

 

『バランスが崩れそうになるから、歩いたのです!』と、後で電が理由を問われた時、このように話をしたと云う。

 

☆ー☆ー☆ー☆ー☆

 

劉焉「先程より動きが遅いッ! 『泰山冥流 双龍奪珠』!!」

 

劉焉が、その遅き動きに業を煮やし、疾風の速さで近付くと、背負われる雷の頭上へグラディウスの二振りが襲いかかった!!

 

劉焉の考えでは、背負われている娘(雷)の武器は『軽い、威力無し、速い!』 背負う娘(電)の武器は『重い、威力高い、遅い!』と考えていた。

 

だから、剣の威力が高く、二人同時に殺傷できる技を選択したのだが──!?

 

雷「そっちこそ遅いわよッ!! 『大往生流秘技 百遁衝天砲』!!」

 

電「とおぉ──っ!!」

 

─────ガキィン! ガキィン!!

 

劉焉「グオオォオオオ────ッ!?」

 

雷が叫ぶと、下から『百dハンマー』が突き上げられ、劉焉のグラディウスを弾き飛ばした!! そのために、体勢が後ろに反る事になった劉焉!!

 

彼の考え、選択は……間違えではなかった。

 

間違えていたのは………対している彼女達を『人』と認識していた事!!

 

彼女は、彼女達は───『艦娘』である。

 

如何に幼女の姿をしていても、嫋やかな女性の姿をしていても、油断してはならぬ者である! 

 

しかも、劉焉は……逆鱗を荒々しく触ったのだ!

 

勝機など………一切………無いッ!!

 

雷「これは、あんたに侮辱された加賀の分!!」

 

体勢を直そうとする劉焉に、ハリセンを顔面に喰らわす電!

 

劉焉「ブヘェエエエ────ッ!? ぐうぅううう!! どこだぁ!? どこに居るのだぁあああ!! 忌々しい小娘共がぁあああッ!!!」

 

思わず鼻に当たり、涙で前が見えなくなり……闇雲にグラディウスを振り回す劉焉! されど、二人は距離を少し退き距離を開け、次の攻撃に備える!!

 

電「行くのです!! 『大往生流秘奥義 砕頂双體落地』!!」

 

劉焉「な、何ぃいいいいッ!?!?」

 

二人は……劉焉の後ろに廻り込んだ!!

 

雷「とおぉ────ッ!」

 

電「えぇ───いッ!!」

 

劉焉「バァッ!? 馬鹿な────ッ!?」

 

巨体の劉焉を二人で持ち上げ、後ろに投げ飛ばしたッ!!

 

電「これは……貴男に侮辱された……私達艦娘と一刀さんの分ですッ!」

 

─────ズドォォオオオン!!

 

劉焉は、数十b投げ飛ばされ……地面に落ちた!!

 

雷、電「「 大往生───ッ!! 」」パンッ!

 

二人は、両手を合わせ……合掌した!!

 

加賀「────勝負ありッ! 雷、電の勝利です!! 劉焉を至急治療の上、捕縛なさい!!」

 

加賀の高らかな───勝者宣言が挙がった!!

 

 

ーーーー  ーーーー

ーーーー  ーーーー

 

瑞鶴「───カ、カッコイイじゃないッ!!」

 

翔鶴「提督が御覧になりましたら……涙を流して喜ばれるでしょうね!」

 

ーーー

 

霧島「………信じていましたよ!」

 

榛名「榛名も………頑張りますッ!!」

 

比叡「ひぇえええ──ッ! ふ、二人共、手を貸してぇえええッ! 劉焉の治療しないと───ッ!?」

 

ーーー

 

川内「あれを……夜戦に使うには………ブツブツ」

 

夕立「……夕立も………提督さんのため頑張るっぽいッ!!」

 

ーーー

 

加賀「二人の技……あれは………?」

 

赤城「『大往生流』……中国拳法最古の歴史を持つ拳法ですね。 まさか、まだ……他にも伝承者が居るなんて……」

 

加賀「赤城さん……いつから……?」

 

赤城「つい、先程ですよ? それにしても…………」

 

赤城が、額に吹き出た冷や汗を……左手で拭い、右手でボーキを食べながら解説する。 

 

赤城「敵にまわせば……これほど恐ろしい艦は無く、味方に付けば頼もしい艦。 そう……思いませんか? 加賀さん…………」

 

加賀「私も思うわ。 だけど、赤城さんの手に持ったボーキの出所の方が、とても気に掛かるの! 是非、教えて貰いたいのだけど………?」

 

赤城「──────!」

 

★☆☆

 

益州軍の進行は、敵総大将『劉焉』が倒れた事により、瓦解! 艦娘や恋姫達の手で……武装解除の上、収容所入りとなる。

 

劉焉と他の二将も……一刀達の前へ引っ立てられた。

 

ーーー  ーーーー

 

そんな中、一刀の下に向かう二人の姿。

 

黒いベールを纏う……元益州軍軍師『鬼灯』

 

もう一人は…………西洋風の甲冑姿で歩く『??』であった。

 

??「私の姿に気付く者が、何人居るのかな?」

 

鬼灯「………なるべくなら……『空母水鬼』である事は伏せて頂きたいのですが……」

 

??「ふふっ! 目標があれば強くなろう! 弱者より強敵と戦った方が、潰しがいがある! 格言にもあるだろう……『豚は太らせてから喰え!』……とな!」

 

鬼灯「…………」ブルリッ!

 

劉焉との戦いは終わる。

 

しかし、本格的な大陸全体を巻き込む争乱は、すぐ傍まで来ていた。

 

 

 

 

ーーーーーー

ーーーー

 

あとがき

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

 

パロディとシリアス……ごちゃ混ぜの話になりましたが、やっと劉焉の話も一区切りできそうです。

 

戦の話は、終わったんですが……戦後処理の話までまだ行けず、もう一話だけ続きますので、ご容赦下さい!!

 

??は、大体の方には……バレているとは思いますが、次回に正体等を出していきます。

 

 

 

説明
忙しくなりそうですので……早め投稿を。 1/13 最後の部分を加筆修正しました。 お詫び申し上げます!
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コメント
禁玉⇒金球提督 応援コメントありがとうございます! 実は……今でも艦コレやらずに、コミック本と設定検索しながら書いてます。 見切り発車で書き始めたものですからね。 完結出来るように模索はして行きますので、これからも、宜しくお願いします! (いた)
最近コメしてませんけど読んでますし支援もしてるんです艦コレあんまり知らないもんで、面白ければそれは正義と言っても過言でなし、カワイイは正義は阿呆ですが。応援してますので頑張れ作者様(禁玉⇒金球)
スネーク提督 コメントありがとうございます! まさか……最初から読まれた!? もし、そうなら厚くお礼申し上げます。 シリアスばっかりですと疲れちゃいますので。 反董卓連合までは、頑張るつもりです。 その次の構想が浮かびません……。(いた)
やっと追いついた(゚∀゚)コメディとシリアスの割合がちょうど良くてすごく楽しいです。次回も待ってます(´∀`)(スネーク)
雪風提督 コメントありがとうございます! 戦後処理は……??が動きます。 それからですね。(いた)
戦後処理・・これが一番大切ですぞ。降伏した将兵の処遇等、一番の問題は兵糧?by孫乾(雪風)
hokuhin提督 コメントありがとうございます! 幕末の船の中にも、後に雷電となる船もあります。 ただ単に、作者が男塾を好きでしたので……w(いた)
雷電って局地戦闘機じゃなくって男塾の方かよw(hokuhin)
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