真・恋姫無双外伝〜覇王の願い〜星詠編4 |
真・恋姫無双外伝
〜覇王の願い〜星詠編
第4話『薫の智謀?』
星空の夜が明けて、早朝。
街を歩きながら、昨日のことを思い出す。
学校に通っている女の子が倒れている。
通報はそういうものだった。
学校が関わっているのなれば、あの施設の理事もかねている俺が現場に向かうことになる。
そして行ってみれば、住宅区画の道のど真ん中でぐーすか寝てる薫がいたわけだ。
だが、薫は調子に乗る癖はあっても馬鹿ではない。
頭が悪いわけでも、気が狂っているわけでも、ましてや道のど真ん中で寝るのが夢なんだなんて昔の小学生が言いそうな夢もない。
だから、それがいかにありえないことか。
天然なわけではないのだから、非常識な事をするには常識を知らねばならない。
そしてあいつは、自分に得にならないことは一切やらない主義だ。
そういう線からもこれは異常なのだ。
なにかあった―――
そうとしか思えなかった。
実際、家まで運ぶ時、抱きかかえたわけだが
きちんと図らずとも認めることが出来るほど、薫の体は熱を持っていた。
許昌宮廷・大広間―
・・・
パラパラと紙をめくる。
そして丁度探していたものをみつけ、それに目を通す。
仕官候補者。
姓を司馬、名を懿、字は仲達。
司州河内郡出身。
父、母、妹が7人。
父は元漢王朝の文官。
【稟】「経歴に特に不審な点もなく・・・・・・」
それどころか、親の血筋をたどれば、十分な名家である。
北郷殿からの推薦もある。
採用するのに十分なほどのステータス。
だが、
何か引っかかる。
【稟】「どうして・・・・」
何故、仕官する必要がある。
それに、もうひとつ。
学校・・・である。
魏全体の民の知的水準を向上させ、国の発展を図るという名目で行われているが
実際に、たしかに効果はでている。
だが
北郷殿においては、ほぼこの司馬懿に付きっ切りなのだ。
優秀なものを仕官させるというより、どこかこの者にこだわっているようにも見える。
何か・・・あるんだろうか。
【稟】「気にしすぎか・・・・」
ふぅとため息。
どうも軍師としては、まず疑いかかってしまう癖がある。
【風】「お〜?稟ちゃんじゃないですか。なにしてるんですか〜?」
【稟】「あ、風」
風がこちらに近づいてきていた。
それにも気づかないとはそれほど、集中してしまっていたのか。
【稟】「いや、今度新しくくる文官の資料をみていてね」
【風】「新しく?・・・あ〜・・・・・・・zzz」
【稟】「寝るな!」
【風】「・・・・・・おおぅ!」
まあ、どれほど心配したところで意味はない。
悩むくらいなら実際に会えばいい。
そのときに見極めてしまえばいいのだ。
【一刀】「・・・・・・」
一面灰色となった曇り空。
朝の晴れ渡った天気から今日の昼ごろになり、急変した。
元々あまり良い気分ではないのに、さらに気持ちは下向きへ進む。
薫の変化が『早すぎる』。
授業の内容を全て・・・・いや、学校で教えるであろう全過程をすでに覚えているといった。
その時点で気づくべきだったかもしれない。
そして、最悪だったのは
【一刀】「華琳か・・・・」
二人が予定よりはやく出会ってしまったこと。
【一刀】「・・・・・・どうするか・・・・」
【真桜】「あれ?隊長やん」
考え込んでいる時に、ふと聞こえてきた声。
【一刀】「ん?・・・あ、真桜か。・・・でそのうしろのは・・・?」
【貂蝉】「いやだわん、ご主人様ってば、もうアタシのことわすれたのん?あんなに愛し合ったのに・・・・」
【真桜】「え”・・・ご主人様て・・・隊長・・・・守備範囲広すぎやで・・・・」
【一刀】「いや、ありえないから!・・・しかも、そのネタ前も聞いたぞ。貂蝉」
【貂蝉】「あら、そうだったかしら」
【一刀】「というか、なんで二人が一緒なんだよ?接点ないだろ?」
【真桜】「いやぁ、ついさっきそこの茶屋で知りおうてんけどな・・・このオッサンめっちゃおもろいねん!」
【貂蝉】「嫌だわ、真桜ちゃんったら、こんな乙女をつかまえてオッサンだなんて・・・」
【真桜】「あははは。ごめんごめん」
【一刀】「はぁ・・・・」
【真桜】「ん?隊長どないしたん。えらい悩んでるみたいやなぁ」
【一刀】「まぁ・・・ね」
【貂蝉】「あらん、恋の悩みならこの貂蝉におまかせよん♪」
【真桜】「え、ほんまに?」
【一刀】「ちがうから!」
この二人相手だとツッコミで忙しくて悩んでる暇もないな・・・・
【一刀】「ちょっと今度仕官してくる子についてね・・・」
【真桜】「仕官?・・・ああ、えーと。なんやっけ・・・ああ・・・司馬懿やったっけ?」
【一刀】「ああ」
薫の事はすでにみんなに伝えてある。
文官として、新しく配属される司馬仲達。
という程度の情報だけだが。
【真桜】「ふぅん。隊長も大変やなぁ」
【一刀】「真桜ともかかわりあるんだから、正式にうちに来るようになったら頼むぞ?」
【真桜】「あいあい・・・・んじゃ、うちは先にもどってるから・・・隊長も天気悪くなりそうやし、早よもどりや?」」
【一刀】「ああ」
じゃ、と真桜は行ってしまった。
【貂蝉】「・・・・・・」
【一刀】「貂蝉」
【貂蝉】「あらん、なにかしら?」
【一刀】「お前から聞いた、『星詠の瞳』のことだけど」
【貂蝉】「ええ」
【一刀】「・・・覚醒が、早すぎた場合どうなるんだ?」
【貂蝉】「・・・・・・・薫ちゃんのことね」
【一刀】「・・・・ああ」
見上げれば天井
横をむけば壁
下を向けば暗闇
寝台ひとつしか置かれていない部屋。
【薫】「・・・・・・・・・暇すぎる」
せめて本があれば・・・
そうだ、自分の部屋までくらいなら・・・
そろそろと、寝台から抜け出て扉を開けようとする
ジジジ・・・・
そして5センチほど扉が開いたところで、あたりを見ようと隙間から覗く
【凪】「・・・・・・(ジー」
あったのは目だった。
【薫】「うわああぁ!」
思わず飛び退く。
【凪】「司馬懿様。隊長の命令ですから、じっとしていてください。」
【薫】「・・・そ、そうはいっても、ほら暇だしさ・・・そ、それに楽進さんだってもうそろそろ疲れてるでしょ?休憩だって必要じゃない?」
【凪】「いえ、自分は平気ですので」
【薫】「そういわずにぃ〜〜〜・・・(涙目)」
【凪】「だめです。」
ち、やっぱ女相手はだめか
油断があるかと思ったが逆に警戒されてしまったようだ。
【薫】「ん〜〜」
どうしようか、と思案する。
といっても寝台ひとつだしなぁ
窓はあるけど、とても上れる高さじゃないし、通れる大きさじゃないし・・・
この人が扉からどく方法・・・・うーん
・・・・。
・・・・・・・。
お?
きたかも?
きたかもしんない!
よし
・・・・少し窓によってと
【薫】「あれ?先生?」
【凪】「・・・・・・・・」
まだ反応はなしか
【薫】「そんなとこで、なにしてんの?・・・・・ふーん」
【凪】「・・・・・・。」
ん、ちょっとうごいたか
【薫】「でも、そこ危ないよ?先生運動とかいいほうじゃないんだから〜」
【薫】「あ、あいたっいたいいたい!ごめんなさい〜〜〜」
【薫】「って・・・あれ・・先生?」
【凪】「・・・・・・?」
【薫】「先生・・・・・?ねえ・・・先生!?ちょっと!」
【凪】「・・っ!!・・・どうした!?」
ドンッ!と扉あけて駆け込む。
・・・・・・かかった(笑)
【薫】「楽進さん!先生が!!」
【凪】「隊長がどうした!?」
【薫】「〜〜〜っ!とにかく早く!急がないとやばいの!」
【凪】「し・・しかし・・・」
【薫】「はやく!貴方の隊長でしょ!?」
【凪】「・・・っ・・わかった。じっとしていてくださいね!」
【薫】「わかったから!(笑)」
ダッっとかけだして、外へ向かう凪。
5分後、当然一刀がいるはずもなく、不審に思った凪が戻ってきた。
が、そこあるのは
寝台ひとつと一瞬の風だけだった。
説明 | ||
真・恋姫無双(魏)のAS。 星詠編もやっと4です。 きっちりとラストが決まっていない分展開が難しいですね(’’; ■帰還編 1話(前作)⇒http://www.tinami.com/view/73594 ■星詠編 1話⇒http://www.tinami.com/view/74771 ■星詠編 3話⇒http://www.tinami.com/view/75101 ■星詠編 5話⇒http://www.tinami.com/view/75317 |
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コメント | ||
「気弾の刑」喰らっちゃいますな、こりゃww(ムカミ) 薫弱点付きすぎwwwwwwww(スターダスト) 一瞬で凪の弱点を見抜くとは、さすがは司馬懿といったところですか(ブックマン) あちゃあー薫のこの後がすごそうwww(PANDORA) 凪から睨まれるの確定ですねwww(フィル) さすが、薫ちゃん 司馬の名は伊達じゃないね! さてさて、この後どうなるのかな〜? 愉しみです( =w=)(Poussiere) |
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