真・恋姫†無双 裏√SG 第22話 |
張雄伝其一
どもども!あたしでっす!え?誰かわからないって?張雄でっす!
またの名を悠香ですっ!お食事処【晋】ファミリーの悠里母さんの娘デース!
今回はあたしの視点で進ませてもらいます!
さてさて、早速ですがあたしの家は二つあって、一つはお食事処、もう一つは幼稚園を営んでおります。その日の寝床は気分だったり、次の日のシフトで決めたりしています!
ちなみに今回は幼稚園の方にいます!我ながらテキトーですよねー。まぁ、お母さんはお父さんと離れて寂しそうでしたけどね!
幼稚園の方で過ごした場合、朝は毎回、子ども達のご飯を用意します!5時起きです!
冬場だとまだ外が真っ暗です!朝起きて開口一番「夜かよ!」なんてツッコミます!
最近…と言っても、もう半年近く経ちますが、璃々先生が来てくれたお陰で、朝ご飯の用意がずいぶん楽になりました。璃々先生も、最初の方は大変そうでしたが、今ではすっかり慣れたようで、欠伸をしつつも手は動かしていました
悠香「そう言えば、璃々先生も料理上手ですよねー。誰に習ったんですか?」
璃々「ふわぁ…ん?料理はお母さんとか、桔梗さんとか、祭さんとかだよー。あーあと、士希君にも教えてもらったかなー」
おー、にぃにの名前が出ました。
そう言えば、璃々先生はにぃにと働いていた時期があったなぁ
悠香「璃々先生から見て、にぃにってどうでした?」
璃々「ん?どうって?」
悠香「男としての魅力みたいな!」
璃々「あー…そうだねー。まぁ、当時は士希君もまだ若かったし、幼い頃から見てきてるから、出来のいい弟って感じだったかなぁ」
悠香「なるほど、恋愛感情はなしと」
璃々「あはは、そうだねー。私自身、歳上が好きってのもあるけど、士希君はモテモテだったからなぁ」
にぃにの女運は悪い事で有名だけど、実はファンとかも多くて、それにいつも友紀ちゃんと霰ちゃんが隣にいたからなぁ。殺されかける代わりにモテる、それがにぃにクオリティ
悠香「そう言えば、璃々先生の好きな人は北郷さんでしたねー!」
璃々「ナンノコトデセウカ?」
朝食の準備を済ませ、子ども達と一緒にご飯を食べたら、次はお食事処に向かいます!
今日は朝からの出勤なので、ちょっと大変です!
悠香「行ってきまーす!」
悠里「行ってらっしゃーい!みんなによろしく言っといてー!」
お母さんが手を振ってくれたので、あたしも振り返して、大ジャンプして家を出ました。
天高く飛び、遥か上空から落下するこの感覚がヤバいぜ!
お、街のみんなも、あたしに気付いて手を振ってくれています!
あたしも笑顔で応えました!気持ちがいいです!
悠香「しゅた!到着!」
家の庭に着地成功!朝はやっぱ、こうして飛んで来ると気分が爽快ってやつですね!
悠香「おろ?凪紗ちゃーん!おはよー!」
凪紗「あ、おはよう、悠香」
家のリビングには凪紗ちゃんが居ました。何やら大荷物の様です
悠香「この荷物どうしたの?」
凪紗「うん、ちょっと合肥城で訓練があるから、その荷造りをしてるんだ」
悠香「合肥城?それってあの、真桜さんが魔改造した城だよね?」
凪紗「あはは、そうそう。その城の設備を使った訓練プログラムに行くんだ。
私以外にも、母さんと霰さん、霞さんが行くことになってるよ」
悠香「え?凪さんと霞さんも?この街の護り大丈夫?」
凪紗「季衣さんと秋菜姉さんもいるし、曹丕様と甄姫さんもこっちに帰られているので、問題はないと思うよ」
悠香「あー、氷華ちゃんと甄姫さんがいるんなら、なんとかなりそうだね」
凪紗「こら悠香、ちゃんは流石にマズイ。せめて氷華様にしようよ」
悠香「えー、同い年だからいいじゃーん!」
そう言えば、最近氷華ちゃんに会ってないなぁ。またお城にこっそり忍び込んでみようかな
凪紗ちゃんと一通り話した後、店の方にやって来ました!
この店の制服であるメイド服に身を包み、掃除道具を装備してドアを勢いよく開けた!
悠香「おーはよーございまーす!」
零士「おはよう、悠香ちゃん」
流琉「悠香ちゃん、おはよう」
詠「おっす、悠香。今日も元気一杯ね」
【晋】ファミリーのお父さん、流琉さん、詠さんが挨拶を返してくれました。
さらにさらに!
霞「ちょ、声デカい。もうちょい静かにしてや…」
霰「うっす、悠香!すまんなぁ、うちのオカン、昨日ちょっと飲み過ぎてんのさ」
霞さんと霰ちゃん親子が居ました。霞さんは机に突っ伏しているけど、大丈夫かな?
悠香「へー、そうなんだぁ。お水用意しようか?」
霰「はは、頼むわ!」
そう言って、厨房に行こうとする頃なは、既にカウンターにお水が用意されていた。
お父さんがいれてくれたらしい。気が効くなぁ
悠香「はい、お水!」
霰「おおきにな!ほらオカン、これ飲んで」
霞「うー…みっともなー。まさかウチが二日酔いやなんて…」
歳なんじゃないかな?って言ったら怒られそうだから、言えませんでした
悠香「そう言えば、霰ちゃんってここの生まれだよね?なのになんでそんなに、訛ってるのかな?」
ちょっとした疑問を口にしてみた。
いくら霞さんの影響が濃いからって、許昌は標準語だから、その中で生活してきた霰ちゃんも標準語だと思うんだけど
霰「ん?私は普通に標準語で話せるよ?私のオカン、かなり放任主義だったから、私はほとんど【晋】に育てられたようなものだからね」
悠香「あ、ホントだ」
でもすっごい違和感。なにこれ気持ち悪い。
しかも、あたしと同じ気持ちなのか、急に標準語で話し始めた霰ちゃんを見て、うちの家族も面食らってる
悠香「え?でもなんで普段は訛ってるの?」
霰「そりゃあ、うちのオカンの影響もあるし、この訛りも気に入っとるでな。なんていうんやろ、個性ってやつかな」
悠香「なるほど、個性かぁ。確かに霰ちゃんから訛りを取ったら、標準語を話す霞さんだもんね」
霰「え?うちのオカン、普通に標準語話せるで?」
『え!?』
その発言に、この場にいる誰もが驚いた
詠「ちょ、霞!?あんた標準語話せんの!?」
霞「や、やめ、え、詠やめて。揺さんといて。吐く吐く…別に、標準語くらい、話そう思たら話せるで。流石に、故郷におった時より、みんなとおる時間のが長いでなぁ」
零士「へぇ、ならちょっと、軽く標準語で話してみてよ」
霞「えー、いまー?まぁ、 別にいいけど。そんなにいいものじゃないと思うんだよねー。なんていうの?さっき霰も言ってた没個性?みたいな?」
うっわー、超違和感。霞さんじゃないみたい。訛りとか話し方って、その人を表す重要な要素なんだね
凪紗「お待たせしました」
凪「霞さん、霰、向かいましょうか」
霰「うーい、ほなら、またなぁ、みんな!」
霞「あ、凪〜。オンブしてー。凪の背中の温もりを感じたいんだー」
凪「はい?って、え?あれ?霞さん、訛ってな…あれ?」
そして四人は、そのままお城に向かいました
午後のお昼時を乗り越え、少し遅めのまかないご飯で昼食を取ることにしました
お食事処【晋】の良い所は、食材は好きに使っていいことです!
つまりは、自分で好きなように作って、好きにカスタマイズ出来るということです!
必然的に、自分の好物ばかりが並ぶということです!最高に素敵ですよ!
悠香「いただきまーす?」
お昼を用意し、【晋】の店にある机に座って手を合わせます。
今日のお昼はミニカツ丼にお味噌汁に焼きそばですよー!
カツ丼は味噌ダレとキャベツをトッピングです!これがまた美味いんですよ。
濃くて甘めの味噌ダレがかかった、外はサクサク、中はジューシーなカツ。
そこにキャベツという食物繊維が加わる事で飽きさせない。白米が最高に引き立ちます!
焼きそばは塩ダレで作ってみました。最近のマイブームなんですよね、塩ダレの焼きそば。
ソースに比べたらアッサリしてるけど、豚肉やキャベツ、玉ねぎに人参、さらには目玉焼きも乗せると、それがうまいこと塩ダレと合ってるんです!とっても幸せになれます!
そしてお味噌汁!もう定番ですよね。ご飯にはお味噌汁が欠かせない。お父さんと猪々子さんの言葉です。あの二人はお味噌汁信者です。
ホッと、安心する味わい、熱い豆腐と味の染みたワカメ。最強ですね。
あ、ちなみにあたしもお味噌汁信者です!
そんな、好きなものばかりで固めたあたしの昼食に、もはや隙なんてないでしょう。
最強の布陣とはこの事です。是非お父さんにメニュー化を進言しよう
「あなた、ホント見かけによらずいっぱい食べるわよね」
ちゅるちゅるーっと焼きそばを啜っていると、突然話しかけられました。
あたしは麺を噛み切り、口の中でモグモグしながら見上げました。そこにはなんと
悠香「にょー、ひょうひゃひゃん(おー、氷華ちゃん)」
華琳さんの一人娘、曹丕こと氷華ちゃんが居ました。
氷華ちゃんはあたしを見るなりため息を吐きました
氷華「あなたね、口にものが入ってる間は喋らないのが礼儀でしょ」
悠香「モグモグ…ごくん。いやーごめんごめん!突然だったものだからさ!」
あたしはモグモグしていた焼きそばを飲み込み、お茶を一口飲んで一息入れます。
その間に氷華ちゃんがあたしの目の前の椅子に座りました
悠香「そう言えば、今日ちょうど凪紗ちゃんと氷華ちゃんの事で話してたよ」
氷華「あら、凪紗とあなたで私の話?興味深いわね」
悠香「や、別に大した事話してないよ。最近会ってないなぁとか、凪紗ちゃんが氷華ちゃんの事を様付けで呼べーとか、そんな感じ」
氷華「真面目なあの子らしいわね。別にあの子だって、様付けじゃなくて良いのに」
氷華ちゃん。見た目はちっさい華琳さんだけど、中身まではそういう訳ではない。
上手いこと華琳さんと北郷さんが合わさった、やる時はやって、手を抜く時は全力で抜くタイプだ。おかげで結構フランクで、あたしも気兼ねなく話せる
悠香「あ、モグモグ…そう言えば…モグモグ…今日甄姫さんは…ごくん。どうしたの?」
氷華「あなた…食べるか話すか、どちらかにしましょうよ」
悠香「モグモグ……」
氷華「会話を放棄するな!」
怒られちゃいました。いや、どっちかって言うから、食べる方に集中したのに
氷華「甄姫なら一緒じゃないわよ。ていうか置いてきた」
おろ、珍しい。ていうか…
悠香「よく逃げ切れたね」
そう言うと、氷華ちゃんは疲れた笑みを浮かべてくれた
氷華ちゃんの付き人、甄姫さん。彼女を一言で言えば、ずばり氷華ちゃん中毒だ。
氷華ちゃんの付き人である事をいいことに、おはようからおやすみまで、お風呂も一緒に入るそうだ。お風呂なんて、彼女の欲が爆発するのか、氷華ちゃんを洗ってくれるらしい。しかもその手付きが妙にいやらしいとか。常に一緒に居るのも、別に氷華ちゃんの意思じゃなくて、甄姫さんのストーカー能力のお陰なんだとか
氷華「もうね、無理…最初はね、綺麗なお姉さんが私の世話役になったんだなぁって、ちょっと嬉しかったのよ?だけどさ、あれは逸脱し過ぎなのよ。この前も私の寝室で私の下着を頭に被って寝台でのたうちまわってたのよ。しかも、それを私が見ていた事に気付いたら何て言ったと思う?『氷華様、氷華様もご一緒にどうかしら?』よ。なんの悪びれもなく言うのよ。引いたわ。怖くなったわ。男に生まれたかった。そしたらこんな事には…」
悠香「うわぁ…」
あの人が女好きなのは知ってたけど、まさかここまでとは…これには流石のあたしもドン引きです
甄姫「否!例え氷華様が男であろうと、私は氷華様を愛しておりますわ!
ただ、股間にぶら下がるものは切り落としますが」
悠香・氷華「うわっ!出た!」
突然の甄姫さんの登場に、あたしも氷華ちゃんもハモりました。ちなみに、甄姫さんの発言に、この場にいたお父さんを含めた男性陣が股間を抑えていました
甄姫「出た?何を言っているのでしょうか。私は常に氷華様のお側に控えておりましてよ」
氷華「嘘、完璧にまいたはずなのに」
甄姫「ツメが甘いですわよ、氷華様。私からしたらあの程度、ただ距離を取った、なのですから。5秒もあれば追いつけます。尾行に気付かなかった辺りも減点ですわね。それでなくとも、私に本気で見つかりたくないのであれば、ここに来たのも失敗ですわよ。この店、ある意味大陸一目立っているんですもの」
数々のダメ出しに氷華ちゃんがションボリしました。流石甄姫さん、この人ホント怖いなぁ。モグモグ…
氷華「あなたはあなたで、よくこの状況で食べ続ける事ができるわね」
悠香「いや、休憩時間限られてるし」
甄姫「意外と現実的ですのね」
カツ丼美味しいです!
悠香「モグモグ…ごくん。ところで、氷華ちゃんはどうしてここに?」
あたしが聞くと、氷華ちゃんは思い出したかのようにハッとし、表情を真剣なものにした
氷華「あぁそうよ。今朝方、凪紗達が合肥城に向かったのは知ってるわよね?」
悠香「もちろん。訓練で行くんだよね?そう言えば、なんでまた合肥城で訓練するのかは聞いてなかったなぁ。どうして?」
氷華「えぇ。今回は正に、その話をしに来たのよ。そこの店長は既に聞いていたようだけど、五胡で良からぬ噂を聞いたのよ」
悠香「良からぬ噂?」
あたしはお父さんの方を見てみる。お父さんは洗い物をしつつ、何かを考えているようだった
氷華「えぇ。五胡の代表、劉淵殿が行方不明となった」
劉淵?劉淵……あぁ、一度この店にも来たことがある。
確か、とても体格の良い女性で、威圧的だけど、民の事を一番に考えてる人で、三国と密かに交友関係を築き上げた人だ。好戦的かと思われがちな見た目だけど、実は一番、戦う事を良しとしていない。そんな人だった気がする。そんな人が行方不明?
悠香「五胡で何かあったの?」
犯人は誰なのか。何の目的でやったのか。今やる狙いは何なのか。
こういう時、にぃにがいたら解るかもしれないけど…
氷華「現状では何も。ただ、その行方不明になった同時期、于禁元将軍が五胡で商談をし、同じく行方不明になってるわ」
悠香「沙和さんが?」
え?ちょっと待って?それってまずくない?まさか…
悠香「もしかしなくても、五胡は三国を?」
氷華「……疑ってるわね」
氷華ちゃんは視線を逸らして言った。だから、凪紗ちゃん達が訓練に出た。
もしかしたら、五胡が総出で攻めてくるかもしれないから…
氷華「今回私がここに来たのは、この件をあなた、もしくはあなたの母親の張?さんに話し、あなたの祖父、曹仁お祖父様が営んでいる護衛会社に依頼する為よ」
悠香「……この許昌の治安を維持する為?」
つまりは、凪紗ちゃん達が合肥城で力を付けている間、この街の警邏隊に代わる人達に治安維持をして貰いたいのだろう。
許昌は広い。凪紗ちゃんの部隊が居なくなった今、その穴を埋める為にお祖父ちゃんの人員を使う。許昌の警邏隊が足りない訳じゃないだろうけど、質はどうしても下がるはずだ。その質が下がらない為ってとこかな
甄姫「話が早くて助かりますわ。ホント、あなたがあの男の妹でなければ、どれだけ良かった事か。それはともかく、この街には警邏隊も居ますし、夏侯淵将軍、許?将軍の部隊も居ます。それに、シャクですが私の古巣の奴らも…戦力としては十分でしょうが、万が一に備えて、この街の防御を固めたいと思い、こうしてお願いしにきたのですわ」
ほぼ予想通りの回答。ただ違う事があれば、治安維持ではなく防御の強化。
氷華ちゃんや甄姫さんは、ここまで敵が来ると予想している?
悠香「お祖父ちゃんの事だから、お金さえ渡せば引き受けると思うよ。
でも、許昌は三国の中心だよ?こんな所まで敵が来るとは思わないけど」
氷華「五胡は来ないでしょうね。だが、三国の中ならどうかしら?
私達は今回のこの行方不明事件、徐福が絡んでいると考えてる」
徐福…巷で騒ぎを起こしている組織。
お父さんも雪蓮さん、鏡姉が巻き込まれた呉の事件や友紀ちゃんの復讐にも絡んでいたらしい組織。今回の事件も、徐福が絡んでいる?
甄姫「確証はありません。ですが、徐福は何らかの目的で五胡の代表を攫った。恐らくは、三国とぶつける為に。そして戦っている間に、徐福は何らかの行動をする。私達や夏侯淵将軍、それにそこの店長や司馬懿さんと話し合った結果ですわ」
あたしが振り向くと、お父さんが力なく笑った。いつの間にそんな事に
氷華「じゃあそういう事だから。お願いするわね、悠香。食事の邪魔して悪かったわね。それじゃあ、また」
そう言って、氷華ちゃんと甄姫さんは出て行った。
残されたあたしはご飯を掻き込んで飲み干し、お父さんに食器を手渡した
悠香「ねぇ、お父さん」
零士「ん?なんだい?」
悠香「にぃには何で、こんな大変な事になってるのに、帰って来ないの?」
その問いに対する回答は返ってこない。
ただ、お父さんはあたしの頭に手を置き、優しく撫でるだけだった
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こんにちは! Second Generations張雄伝其一 穏やかな日常と不穏な空気が流れる三国 |
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甄姫が変態だったとは……それが一番の驚き(ohatiyo) | ||
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