英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜
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〜ルーレ市近郊・ザクセン山道〜

 

「おおおおおおっ!!」

ヘクトルは地上にいるエイフェリアとリューン目掛けて拳を振り下ろしたが

「フッ!」

「残念ですの!」

二人はそれぞれ攻撃を軽やかに回避した。

 

「喰らえ――――剛震突き!!」

「グッ!?」

回避したエイフェリアは闘気を纏った魔導槍による突きをヘクトルの片腕の関節部分に叩きつけ

「たっぷりと喰らいやがれですの!アークス、駆動!」

「小癪な……!フン!」

リューンの魔術―――連射光弾・広範囲による無数の光の魔力弾を受けたヘクトルはリューン目掛けて拳を叩きつけた。しかし―――

 

「ふふん、”その程度”なら楽勝ですの♪」

「馬鹿な!?ヘクトルの攻撃を受け止めただと!?」

リューンが片手で展開した簡易結界によって攻撃は防御され、普通に考えれば一撃で潰せるはずのリューンに攻撃を受け止められた事にログナー侯爵は信じられない表情で声を上げた。

 

「魔導の力、思い知るがよい!」

「ががっ!?鎧からの砲撃だと!?」

エイフェリアが魔導鎧から砲撃した威力は控え目だが、射出が通常の数倍は速い砲撃――――加速集中砲撃を受けたヘクトルは怯んだ。

「ぶっっっ潰れろぉぉぉですのっ!リーンカルナシオン!!」

「援護するぞ、リューン!!」

「うおおおおおおっ!?」

その時オーブメントの駆動を終えたリューンがエイフェリアのリンクアビリティ―――ブーストアーツによって威力が増した最高位アーツを発動してヘクトルにダメージを与えた!

 

「セイッ!」

「グッ!?」

続けてエイフェリアはヘクトルの片足の関節部分に魔導槍を叩きつけ

「まだだっ!起動(ファイア)!!」

「グアッ!?」

魔導槍に仕掛けてある装置を操作して爆撃を起こしてヘクトルを怯ませた。

「崩したぞ、リューン!」

「はいですのっ!隙はぜぇったいに、見逃しませんのっ!―――神槍!!」

「グゥッ!?」

そしてエイフェリアと戦術リンクを結んでいるリューンが魔術による光の槍を放って追撃した。

 

「エイフェリア元帥は技術者が本職だと聞いていたが……」

「かつて”アヴァタール五大国”に数えられる大国であるメルキアで”元帥”を務めていただけあって、魔導鎧による砲撃を混ぜた武術もなかなかのものですな。それに”魔導功殻”でしたか。一体どのような技術で作られているのやら……」

二人の戦いを見守っていたエフラムはエイフェリアの強さに目を丸くし、デュッセルは感心した様子で呟いた後リューンを見つめ

「メルキアと言えば魔導技術の最先端の大国で有名だが、どうやら遥か昔と比べると技術力は落ちているようだな……」

エフラムは静かな表情で推測した。

 

「そ、そんな………生身で”ヘクトル”を圧倒するなんて……!?」

「な、何なんだよ、あの女と人形は!?」

「侯爵閣下――――ッ!」

領邦軍の兵士達は二人の強さに信じられない思いを抱えたり、ログナー侯爵を応援していた。

 

「…………フフッ、あの方達が”赤い星座”や”黒月”、そして”結社”によるクロスベル襲撃時に”六銃士”の方々に助力し、見事撃退した方達ですか……確かにあれ程の使い手が10人以上もいる上、”第四機甲師団”をも圧倒した”六銃士”によって鍛えられた警備隊もいれば、”結社”の猟兵達もそうですが”赤い星座”や”黒月”も返り討ちにあったのも納得ですね。」

一方別の場所から戦いの様子を見守っていたシャロンは静かな笑みを浮かべ

「…………お嬢様達にとってはお辛い結果となってしまいましたわね…………」

そしてアリサやリィン達の顔を思い浮かべて複雑そうな表情をした。

 

その後エイフェリアは魔導槍や魔導鎧による砲撃を巧みに扱い、リューンは魔術やアーツで援護しながらヘクトルを追い詰めて行った。

 

「はあ……はあ……はあ……っ!これがクロスベル帝国の”力”か……!」

ヘクトルからは疲弊した様子のログナー侯爵の声が聞こえ

「―――まだやるのか、ログナー侯!?今までの戦いでわらわ達クロスベル帝国の”力”は十分理解したであろう!」

「とっとと負けを認めて降参した方が貴方の身の為ですのっ!」

エイフェリアとリューンはそれぞれログナー侯爵に対し、降伏勧告をした。

 

「笑止!帝国の資産を凍結し、帝国中の経済に甚大な被害を与えた上ガレリア要塞や我がエレボニア帝国軍を消滅させたクロスベルに誇り高き帝国貴族―――それも”四大名門”の当主の一人である私が例え不利な状況であろうと負けを認める訳にはいかんっ!」

「やれやれ……愛国心や頑固な性格もガルムスに似ているな……」

「案外気があうかもしれませんですの。」

ヘクトルから聞こえて来たログナー侯爵の声を聞いたエイフェリアとリューンは呆れたがすぐに気を取り直して戦闘を再開した。

 

「粉々になれぃっ!!」

そしてヘクトルは両肩に付いている砲口から砲撃を次々と行い

「リューン、結界を張れ!」

「はいですのっ!」

リューンはエイフェリアの指示によってドーム型の結界を展開して砲撃を防いでいた。

 

「魔力転換……砲撃開始!!」

「な―――ぐあああああああっ!?」

二人を包む結界に砲撃していたヘクトルだったがエイフェリアが魔導鎧から放った光分子砲撃―――魔力転換砲撃によって片方の砲口が破壊され

「そこだ!―――クリムゾンレイ!!」

「うおおおおおおっ!?」

更に続けて放たれたエイフェリアのアーツによって残った砲口に凄まじい炎のエネルギーが爆発が起こり、両肩の砲口は完全に使い物にならなくなった!

 

「チャンスですの!邪悪なる者達を焼き払う清浄の炎よ、今ここに来たれ!――――贖罪の神炎!!」

そして結界を解いたリューンは両手から魔法陣を展開して最高位の魔術を発動し

「ガアアアアアア―――――ッ!?」

高火力の魔術を受けたヘクトルは怯むと共に地面に膝をついた!

 

「これで止めだ!リューン!」

「はいですのっ!神槍の一撃、受けやぁぁぁっがれですのぉぉぉっ!!」

互いのARCUSから強い光を放ちながらエイフェリアはリューンの光の魔力の加護を受けた魔導槍を構えてその場で突きを放った!

 

「「グングニル!!」」

 

魔導槍から放たれた光の道はヘクトルの両足の関節部分を貫いた!

「ぐわああああああっ!ば、馬鹿な……!?グハッ!?」

二人が放った協力技(コンビクラフト)――――グングニルによって両足の関節部分が破壊されたヘクトルは地面に倒れた!

 

「こ、侯爵閣下―――!?」

「クッ……!閣下はやらせん!総員、とつ――――」

地面に倒れたヘクトルを見た領邦軍の兵士達は慌てた様子でエイフェリア達に攻撃仕掛けようとしたが

「――――止めろ!」

「え…………」

ヘクトルから聞こえて来たログナー侯爵の制止の声を聞いて中断した。

 

「はあ……はあ…………私の負けだ。これよりノルティア州全土は……メンフィル・クロスベル連合軍に……降伏する……っ!総員、武器を捨てよ……っ!」

「こ、侯爵閣下……」

「ううっ…………」

ログナー侯爵の指示を聞いた領邦軍の兵士達はそれぞれ戦意を無くして肩を落としたり悔し泣きをし始め

「ユーゲント皇帝陛下……申し訳…………ございません……でした…………!…………うおおぉぉぉっ………………!」

そしてヘクトルの操縦席ではログナー侯爵が号泣していた。

 

「―――これでノルティア州は我ら連合軍が完全に掌握した事になりますな。」

「ああ。一戦もせずに制圧等正直拍子抜けだが、双方死者を出さずに決着をつけられるのであれば越したことはない。」

その様子を見守っていたデュッセルとエフラムは静かな表情で呟き

「ふふん、わたくし達にかかればちょちょいのちょいですの♪」

「全く何故わらわがこのような暑苦しい事を…………―――まあよい。行くぞ、リューン。制圧後にせねばならぬことが山ほどあるからな。とっととそれを済ますぞ。」

リューンは得意げに胸を張り、疲れた表情で溜息を吐いたエイフェリアは気を取り直してリューンに視線を向けた。

 

「はいですの♪あ、わかっているとは思いますけど完全に状況が落ち着くまで研究や開発はしてはいけませんの!」

「…………も、勿論そのくらいの事は理解している。」

「果てしなく怪しいですの……」

自分の言葉に対し、冷や汗をかきながら視線を逸らしたエイフェリアの様子をリューンはジト目で見つめた。

「さ、さて。行くぞ、リューン!」

「あ〜っ!誤魔化したですの!エイダ様、いつも言っていますように……」

そしてリューンはエイフェリアに小言を言いながらエイフェリアと共に自軍の陣営へと戻って行った。

 

 

 

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と言う訳で光と闇の軌跡の時と違い、ログナー侯爵は生き残りました。次回はついに帝都制圧の話でその後はカイエン公爵達の絶望の時間ですww

説明
外伝〜ノルティアの陥落〜後篇
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コメント
完全ROM専様 さて……それはどうでしょうねぇ? 本郷 刃様 なん……だと!?(エイダさん本人)(sorano)
エイダさん? 一件が落ち着くまでは研究は駄目ですぜ!(本郷 刃)
エンド・オブ・ヴァ―ミリオンが、戦うことなくフェードアウトしていく未来が見える・・・(完全ROM専)
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