真・恋姫無双 別たれし御遣い 第四話
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〜一刀視点〜

野盗を殲滅させた後、程普さんの誘いを断った俺は北へ向かっていた

目的地は陳留

陳留刺史の曹操には会って見たかった

他にも出来れば劉備とか董卓とかにも会って見たい

その道中、ある街の近くに来た

この街で今夜は宿泊しようかと思い、街の入口へ馬を向かわせる

街の外れに有る一軒の家の前を通りかかった時、

「いや〜!」

中から女性の叫び声が聞こえて来た

慌てて馬から降りて、その家に飛び込む

そこで目に入ったのは柄の悪そうな三人の男達に女性が押さえつけられていた

何をしようとしていたかは一目瞭然

「そこまでにしておけ!」

俺が言葉を言い終わるかどうかの時に

「ち、見られちゃしょうがねえ

 殺っちまえ!」

頭らしき男の言葉で残りの二人が襲い掛かって来た

俺はその内の一人を上段回し蹴りで倒した

もう一人の剣撃を刀で払い、峰打ちの袈裟斬りで倒す

二人共、失神したようで動かなくなった

まあ、死んではいないだろうが

俺が二人を倒すと頭らしき男が

「死にやがれ〜!」

と叫びながら向かって来た

しかし、こんな大振りの攻撃は簡単に避けられる

攻撃を避け、その手に峰打ちを当てると、男は武器を落とした

「これで終わりにするか

 それとも続けるか?」

俺は男の首に刀を突きつけて言った

「解った、俺の負けだ

 だから命だけ・ぐあっ」

男は言葉を言い終わる前に倒れた

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突如、男が倒れた事に驚いたが男が倒れるとその理由は解った

男達に襲われていた女性がこの男を後ろから剣で斬ったのだ

「うわ〜!」

「おい、なにを・・・」

その女性はそれだけでは止まらず、俺が失神させて倒れていた二人も剣で突き刺し殺した

「・・・」

俺は何も言えずに呆然としていた

 

三人を殺した後、女性は何も言わずに息を切らしていた

すると突然

「うわ〜〜〜〜〜〜!」

大声で泣き出した

俺はどうしていいのか解らず女性が落ち着くのを待つ

 

どれ位経ったのか解らないが、女性がいくらか落ち着いたようだ

すると泣きはらした顔をして一点を見つめている

俺もその視点の先を見ると、一人の女性が倒れていた いや死んでいた いや殺されていた

「君のお母さん?」

俺の問いに女性は黙って頷く

「なら、埋葬位してあげよう

 手伝うよ」

俺はそう言って外に出て埋葬の準備を始めた

女性の母親を埋葬すると

「あの・・」

それまで何も言わなかった女性が話しかけて来た

「うん?」

「助けていただいた上に、母の埋葬を手伝っていただいてありがとうございます

 あ、まだ名乗ってもいませんでした

 私は姓は徐、名は庶、字は元直と云います」

え?徐庶元直?この娘があの稀代の軍師の徐庶?

程普さんの時にも驚いたが今回も衝撃的だった

この際、性別や容姿の事は考えない方が精神的に良さそうだ

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「あの男達はいきなり家に押し入って来て金を要求してきました

 家が貧乏なのはこの家を見れば一目瞭然なのに、金が無いと言った母を斬り殺しました

 そして私を手籠めにしようとした所で貴方が助けてくれたのです」

状況説明をを徐庶がしてくれた

「それで、あの宜しければ貴方のお名前を教えて頂けますか?」

そう云えば徐庶の名前に衝撃を受けて名乗っていなかった

「俺の姓は北郷、名は一刀 字は無し ついでに真名もね」

俺がそう答えると徐庶は

「字だけでなく真名も無い・・

 もしかして一刀様は『天の御遣い』ですか?」

また知らない単語が出て来た 訊いてみると

「管路の予言で要約すると、乱れた世の中を治める二人の天の御遣い様が現れる と云った物です」

「俺はそんな大したものじゃないと思うけどな

 でもこの世界の人間じゃないから完全に外れでは無いかもしれない」

「それはどういう意味ですか?」

徐庶の問いに俺は自分の事を説明した

俺の話を聞いた徐庶はブツブツと何か言いながら考え込んでいると突然

「いえ、やはり一刀様は『天の御遣い』です!」

そう言い切った そして

「一刀様、私を旅に同行させて下さい

 少しは知に自信が有りますし、この世界の事にまだ疎い一刀様のお役に立てる筈です

 お願いします!」

「一つだけ条件が有る」

「なんなりと」

「”様”付けは辞めてくれ」

俺が軽く笑いながら言うと

「分かりました

 では、”一刀さん”と呼ばせていただいても宜しいでしょうか?」

徐庶も微笑みながら答えた

この時、始めて意識したが徐庶はかなり可愛い顔立ちをしている

年齢は俺と同じ位だろうが、コバルトブルーの瞳がとても綺麗だ

肩に掛かるより長めで、艶のある黒髪をしている

程普さんとかには負けるが、凹凸がはっきりとわかる位良いスタイルをしている

「それでいいよ

 じゃ、今夜は街に宿泊して明日出発しよう」

流石に徐庶の母親と強盗(?)が死んだ家で一夜を明かす気にはなれなかった

「はい、あ そうだ

 私の真名は”静里”です

 一刀さんに私の真名を預けます 受け取って頂けますか?」

「ありがとう 静里」

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その日は街の宿に宿泊して(部屋は当然別)翌朝出立した

ちなみに静里は馬を持っていないので俺の後ろに乗っている

馬足を速くした時等に静里が強くしがみ付いてくると柔らかい感触が背中に当たる

嬉しいけど、堪えるのが大変だ

 

陳留から近い街だったので夕方に到着した

「活気がある街だな」

「はい、曹操殿は良い政をしている証拠ですね」

「そうだな、途中で寄った袁術の治めている所は酷かったからな〜」

そんな事を話しながら、城の方に向かって行く

たとえ会えなくても話を聞く位ならと期待しての事だ しかし

「曹操様は昨日賊の討伐に出立なされた

 帰還はいつになるかわからん 出直してこい」

門番の言葉で期待は砕かれた

 

「どうしますか

 曹操殿の帰還を待ちますか?」

静里の問いに

「いや、会ってくれるかわからないのに何時戻るか解らない人を待っているのもな」

「賢明な判断だと思います

 では今日は此処で宿泊するとして、次は何処に向かいます?」

「そうだな、洛陽に行って見たい

 静里はどう思う?」

「私は一刀さんの意見に従います」

そして陳留で一泊してから翌日、俺達は出立した

 

曹操の帰還を待っていたならば違う未来が展開されたことをこの時の俺は知る由も無かった

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〜あとがき〜

 

徐庶こと静里が一刀に同行する事になりました

一刀も一人じゃ辛いでしょうし

 

一刀は華琳とはすれ違いなので鞘華会えませんでした

これが今後にどう影響するのか

 

更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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一刀の道中
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コメント
徐庶って軍師ではあるけど?剣(?)の使い手だったから、賊3人くらい相手するくらいの武力ありそうと思うのは自分だけでしょうか?(しょうた)
すれ違っちまったなぁ〜いったいどこの勢力につくのか、それとも自分が立ち上がるのか?(nao)
あーこれは連合の時に再会するのか……辛いな。華琳や桂花、春蘭もだが、一刀に関して要らぬことを言って鞘華の怒りを買わないように。それは他の勢力、殊に劉備軍にも言えることだが……要らぬことを言いそうな人間ばかり。さてどうなるんだろう。(Jack Tlam)
タグ
真・恋姫無双 北郷一刀 静里 

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