現代人ならではの悩み
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一刀「・・・・・ふぅ〜、これで良し!とっ・・・さて久々にやりますか〜」ガタッ)

 仕事が終わったので、久々に素振りでもしようと思い、部屋に置いてある木刀を掴む。

一刀「あ」

そして自分の指を見たら、爪が結構伸びており白い部分が5oぐらいの長さになっていた。

一刀「あぁ〜・・・どうしよう?」

 困った。武道を((嗜|たしな))む者として、爪には気を付けていた。練習中に爪が((捲|めく))れ上がってしまう事があったら地味に痛い;

 最近はデスクワークの方が多いからか爪に気をかけていなかった。

一刀「流石に爪切りは無いしな?・・・ん?そういえばこの時代はどうやって爪を切るんだ?・・・何か刃物とかかな?やっぱり・・・誰かに聞こう」 

 ひょっとしたら何か道具があるかもしれないので聞くことにした。聞けるとしたら華琳、凪、沙和、真桜、秋蘭、流琉、霞あたりかな?でも・・・やっぱり華琳が一番無難かな?

あ、春蘭や季衣は・・・自分の武器や歯で削ってそうだな;

 

 

コンコンっ

華「誰?」

一刀「一刀だけど、今いいかな?」

華「良いわよ、入りなさい」

ガチャ

一刀「お疲れ様華琳」

華「お疲れ一刀一体何の用かしら?」

一刀「実はちょっと聞きたいことがあって」

華「あら、一体何かしら?」

一刀「いや、久々に稽古をしようと思ったんだ、でも爪が伸びてたから切ろうと思ったんだけどどうすればいいかと思ってね」

華「爪?・・・と言うよりも貴方、自分の爪の手入れもできないの?」

 あ、若干呆れ顔された。

一刀「うっ・・・いや、天の世界じゃそれ専用の爪切りって道具があったからできてたんだけど、此処じゃそれが無いからね?」

華「へぇ〜そんな道具もあるのね・・・興味深いわ」

 だからってそんな獲物を見るような目で見るのはやめてください、冷や汗がでます;

一刀「それでどうやって爪は切ってるの?」

華「そうね・・・基本的には小さな刃物、短刀等で爪の手入れはするわね」

一刀「あ、やっぱり?指切っちゃいそうだな」

華「そう?・・・確かに慣れてないと指を切ってしまう事はあるわ。でも慣れたらこんな感じよ」

 と言って華琳は自分の手を見せてくれた。かなり綺麗に整えられており、指の形に沿った美しい曲線を描いていた。

一刀「へぇ〜凄いな〜まるでプロが手入れしたみたいじゃないか」

華「プロ?」

一刀「あ、プロって言うのはその道の凄腕の職人の事だよ」

華「あら、そうなの?フフフン///」

一刀「うん、凄く綺麗に仕上げられてる!」

華「ふぅ〜ん・・・(?)それで一刀?貴方短刀でやったことないのよね?」

一刀「え?うんそうだけど?・・・まぁ〜できるだけ指を切らないように頑張ってみるよ」

 さすがにこれ以上呆れさせるような事を

華「何ならあたしが手入れしてあげてもいいわよ?」

一刀「え?本当!?」

華「えぇ、貴方の事だから形が歪に成ったり、指を切ったりする姿が目に浮かぶから」

 うぅ・・・返す言葉もございません。

一刀「よろしくお願いします」

華「ふふふ 素直でよろしい」

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華「それじゃそこに座ってちょうだい」

 俺は机の横にある椅子に腰を掛ける。華琳は机の引き出しから果物ナイフぐらいの短刀を取り出した。・・・・・うん、間違いなく指切ってたわ;

華「そんなに怖がらなくても大丈夫よ」

一刀「え?」

華「そんな眼で刃を凝視してたら誰だってわかるわよ」

 そりゃ怖いよ、今まで普通の爪切りでしか爪を切ったことないのに、目の前にそれよりも数倍でかい刃物が出てきたら普通たじろぐよ!・・・決して俺だけではないはずだ!

華「それじゃ一刀見せてちょうだい」

一刀「わかった、はい」

華「あと・・・足を広げなさい」

 ・・・・・・え?

一刀「え????」

華「聞こえなかったのかしら?足を広げなさいと言ったの」

一刀「え〜と・・・一応理由は聞いても良いですか?」

華「(ニヤリ)そんなの決まってるじゃない私が座るからよ、それにできるだけいつもの視点でやった方がやり易いのよ。そしたら貴方の膝の上になるけど、でもそれだと位置的に貴方が見え無くなってしまうでしょ?だからいつもと近い視点であり、貴方から見える位置でやってあげるって言ってるの」

一刀「え?でもそれなら椅子が・・・」

 瞬間、華琳が絶に手を伸ばしながら

華「なんなら『これ』でしてあげようかしら?」

一刀「・・・・・・・」

 俺は諦めました。

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 そして華琳は、俺の右足に向き合ってるかのように座った。

華「それじゃ右手の小指から一本ずつやっていくわね?」

一刀「はい」

 俺は小指だけを立てて、華琳ができるだけやり易いようにと思い肘ぐらいの高さに合わせ差し出す。

華「じゃ始めるわね(サク・・・スススス」

 華琳はまるでリンゴの皮でも剥いているかのように、ゆっくりと・・・とてもスムーズで丁寧な動きで爪を切り取り、その後軽く刃で撫でて角を取っていく。

一刀「凄」

華「あら?そうかしら?」

一刀「爪切りには鑢が付いてて、切った後はそれで仕上げるんだ。だからてっきり仕上げは鑢を使うかと思ってたんだけど?まさか使わないとは思わなかったよ」

華「私は大抵こうしてるわよ?それに鑢なんか使ったら粉が散ったりしてしまうからあまり好きじゃないの・・・飽く迄私はね?他の人は使ってるかもしれないけど知らないわ・・・はい次左」

 話している間にも手元は狂わなかったようで、もう右手は全て終わっていた。

一刀「いや・・・俺は本当に凄いと思う。熟練の職人のような繊細な技で驚いたよ」

華「そう、ありがとう・・・もしかしてあたしのご機嫌を取ってまたやってもらおうとか考えてるのかしら?」

 ギクリッ!。

一刀「あ・・・あははは;」

華「まったく、自分でできるようになりなさい」

一刀「はい」

 あぁ〜出来ればまたやって欲しかったんだけどな。でもまぁ〜こればかりはしょうがないしな・・・よし!できるだけ見て覚えよう!そう思ったときに小さく。

華「((・・・・・・・・・・|偶にならやってあげても))良いけど(ごにょ」

一刀「え?何が良いの?」

華「!?・・・痛!」

一刀「!?」

 俺が聞いた瞬間、華琳は驚いたようで手元を狂わせてしまい指を切ってしまった。

一刀「御免華琳!大丈夫?」

華「大丈夫よ少し切っただけだから、それより一刀は大丈夫だった?」

一刀「俺は大丈夫だけど華琳は手当てしないと、確かそこの棚に薬箱があったはず」

 

華「別に大したことないわ、それにあなたに指を切りそうで危なっかしいとか言っていたのに、人の事言え無いわね」

 華琳は少し自虐気味に笑いながら言う。

一刀「いや、俺が余計なことを言ったせいだよ。俺が何も言わなかったら華琳が手元を狂わす筈無かったんだから、それに血が結構出てるから少し深い傷だよ」

 棚から出した薬箱を机に置きながら言う。

華「(確かに思ったよりも深そうね、まだ仕事もあるしこのまま傷を押さえておくのも・・・)」

すると華琳は目を逸らして小さく何かを呟いた・・・そして

華「・・・お願い(スッ」

一刀「了解」

華琳「・・・・・うっ(沁みる?)」

 俺は箱から消毒液と拭き取る布、傷口に巻く布を持って傷の手当てをする。

 すると華琳が

華「・・・でも切った時がちょうど最後の爪だったから良かったわ」

一刀「え?」

華「だって私がやるんですもの、最後までちゃんと仕上げないと私自身が納得できないの・・・それとも怪我をして手当をしてもらった指の状態で仕上げて欲しかった?」

一刀「いいえ;」

 さすがに申し訳なくて無理っす;

一刀「はい」

華「ありがとう」

一刀「それじゃ俺は稽古をして来るよ」

華「えぇ・・・それと一刀?今度爪の手入れ具合を見定めてあげるわ」

一刀「え!?・・・が・・・頑張ります;」

華「えぇ楽しみにしてるわ ふふふ」

 あぁ〜これは練習しないと後が怖い;

一刀「それじゃ・・・」(バタン

華「・・・・・・世話をするっても案外悪くないわね」

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とりあえずはこんな感じで、誤字があったら報告お願いします。

 

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