艦隊 真・恋姫無双 28話目
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【 一触即発 の件 】

 

? 揚州 丹揚郡 建業 街中 にて ?

 

祭「───お前達かぁ! 人々の通行の妨げになっていた、迷惑な輩と云うのは!?」

 

『─────!』

 

三人は、祭の姿を確認したが……喧嘩を続ける!!

 

風「………ツーン! 風は悪くありませーん! このメンマが悪いのですー!! このメンマが、風の云う事を認めないのが悪いんでぇーすッ!!」

 

星「何を云うか! お前が私の主張する事を、素直に聞かないからではないか! だから、態度が目立つ割に、胸が控えめなのだ!!」

 

星、風「「 ぐぎぎぎぎぎ────ッ! 」」

 

祭「えぇ──い! やかましいぃわぁッ!! この者達を捕らえて、牢屋で一晩、頭を冷やさせてやれぇいいい!!」

 

兵「────はっ!!」

 

稟「────申し訳ありません! 私も仲間の一人であり、この喧嘩を止めれなかった責もあります。 だから、同罪ですので……一緒に反省させて頂きませんか!?」

 

祭「ほぅ……若い者にしては、見上げた心意気よ! この者には、待遇を良くして同室に入れておけッ!!」

 

兵「────はいッ!!」

 

こうして、哀れ……と云うか自業自得の三人は、城内の牢に放り込まれた。

 

★☆☆

 

? 揚州 丹揚郡 建業 城内 にて ?

 

────数刻後

 

……

………

…………

 

カッーン! カッーン! カッーン! カッ!

 

炎の灯りが揺らぎ、地下に降りてきた足音が……ようやく止まる。

 

??「ふむ……報告を受けて、まさかと思い来てみれば……」

 

光が届かない暗闇の中で、一人の将が牢屋を見つめた。 

 

言わずもがな、今日の騒動の元である、三人が収容されている所である。

 

暗闇の中で、真っ白い服を着た者、頭に不思議な造形の人形を置く者、眼鏡を置いて、他の二人と違い身体に掛ける布を被る者が、見てとれた。

 

更に、よく見ようと歩を進めると……牢屋の中から声が響いた!!

 

星「フッ……一介の騒動を起こした旅人相手に、孫呉の『大都督』様自ら、わざわざ足を運んでくれるとは……非常に光栄だな!」

 

冥琳「────! 何故、私だと……気付いた!?」 

 

風「………やっぱり、風の策が功を奏したようですねー?」

 

稟「……孫呉の軍師を束ねる者として……あらゆる情報は、貴女の下へ集まる。 そして、孫呉の独立を企てている貴女としては、玉石混交の情報を仕分け、役に立ちそうなモノを探す。 重要な報告、貴重な人材とかをね?」

 

唖然とする冥琳だが……すぐさま気を取り直し、言葉を発する。

 

冥琳「………流石は、『魏の三軍師』に並べられる知将だけあるな! 私の性格を知り……まんまと此処へ……おびき寄せられたか……」

 

星「この子龍の槍捌きを持ってすれば、あの程度の包囲網など、簡単に打ち破ってみせよう!! だが、敢えて捕らえられたのは……孫呉で名高い大都督に用があるためだ!」

 

風「風の策に引っかかるようでは、まだまだ甘いですねー!」

 

冥琳「フッ───そう思うか? 逆に……お前達の尻尾を掴ませる為……策に掛かる振りをしていたら!?」

 

『────────!?』

 

冥琳の言葉に───息を呑む三人!!

 

冥琳「───思春! 降りて来いッ!!」

 

思春「─────はっ!!」

 

──────────!

 

冥琳の傍に───黄泉への導き手である『甘寧』が降り立った!!

 

稟「くっ………やりますね! まさか……天井に潜んでいたなんて!!」

 

思春「…………これで、形勢は我ら孫呉に傾いた! 覚悟しろッ!!」

 

─────────

 

牢屋の中で身体を起こし、冥琳を注視する三人!

 

─────────

 

その三人の視線を、余裕で受け止める冥琳と思春!

 

─────────

 

双方の間に高まる緊迫感!!

 

 

そして──────!

 

 

 

 

冥琳「………く……くく……」

 

 

星「………ぷ……はは……」

 

 

風「………クスッ!」

 

 

稟「────ふふっ!」

 

 

思春「─────フッ!」

 

 

『ハ──ッハハハハハッ!!!』

 

………場違いな……賑やかに笑う声が───何重にも響き渡った!!

 

 

◆◇◆

 

【 漢中へ! の件 】

 

? 益州 成都 紫苑屋敷 にて ?

 

 

《 一刀達が何進達と同行し、数日後……… 》

 

 

赤城「一航戦赤城! ふて寝しますッ!! ─────い、痛ぁ、痛ぁいいいッ!! 耳は止めてぇ! 引っ張らないでぇ────ッ!?」

 

加賀「誰が? 何をする気なの? ────赤城さん?」

 

赤城「加賀さん! 私達は、一航戦は……一刀提督の護衛を外されました!! これは正しく、『一航戦なんて大食いの役立たず』の意味だと暗に言っていると思うの!? だから……私は抗議するために────!!」

 

加賀「その物ズバリを体現してどうするの……? それに、あの娘達に行かせた理由も、私達が外された理由も……正式に聞いているわ!」

 

赤城「……………?」

 

加賀「私達空母は、何かと入渠すると時間が掛かる。 そのため、数人の艦娘は、漢中鎮守府の船渠に入る事を、義務付けられているの。 私も赤城さんも艦載機の整備もあるから、一番手で行く事になったのよ!」

 

赤城「それなら、あの護衛の人数は!?」

 

加賀「空母水鬼に対抗するためもあるけど……経験を積ませて改二に出来るレベルへ近付ける事が主な理由よ。 今のままでは、戦闘をしても負けは必須。 ならば、少しでも勝利の確率を上げる事を、努力しないといけないわ!」

 

赤城「でも……納得できません! 私達だって……一刀提督の傍に居たかったのに………!!」

 

加賀「それに───この案件は、左慈と于吉、一刀提督の考えを元にした方針! 鎮守府の資材備蓄も儘ならない……今の現状を踏まえた作戦なの。 私も……納得できない所もある! だけど、公私を混ぜて過ぎてもいけない!」

 

赤城「───そう言えば、于吉さんと左慈さんは? 空母水鬼の居場所を探りに行ったまま、見当たらないのですが?」

 

─────!

 

左慈「俺達なら……此処にいる! 漢中鎮守府の様子を見ていたんだ!」

 

于吉「左慈が……私を離してくれなかったんですよ! もぅ、あんなに激しく攻めるから、身体が壊れるかもと……////////」

 

『────────!?』───ザッ!

 

左慈「于吉! 変な言い方は止めろぉおおおッ! お前らも距離を取るな!! この馬鹿が、空母水鬼に攻めようと云うのを、力尽くで止めただけだ!! お前達の考えている関係じゃねぇえええ────ッ!!」

 

加賀「───で、此処に来たのは?」

 

于吉「お察ししていると思いますが、船渠の案内をしに来たんですよ! 北郷達に従う艦娘達には、左慈が氣を使って回復してありますが、あくまで応急処置。 帰ってきたら皆にも入って貰います!」

 

赤城「───え!? じゃ……その間の秘書艦役は、私と加賀さんが務める事に!?」

 

左慈「まぁ……そうなる可能性が高いな!」

 

赤城「加賀さん! グズグズしている暇はありません! 直ぐに鎮守府に行って修復処理をして来ましょう!」

 

加賀「………では、留守の者に伝えておきましょう! まだ、この地に残る艦娘達にも声を掛け、二回目の時と交代するよう話をしておきます!」

 

ーーーーー

 

こうして、赤城、加賀達は──漢中鎮守府へ向かった。

 

 

◆◇◆

 

【 白蓮の活躍 の件 】

 

? 幽州 啄郡 城内 にて ?

 

白蓮「────兵より連絡がきた! 北部の村で盗賊が現れたそうだ! 愛紗、鈴々!! 兵を引き連れて行ってくれ!!」

 

愛紗「───はっ!! 鈴々、行くぞぉおおおッ!!」

 

鈴々「戦なのだぁ───ッ!!」

 

ーーー  

 

彼女は、幽州啄郡大守 『公孫賛伯珪』……ちなみに『姓が公孫、名が賛、字が伯珪』と読む。 真名は『白蓮』と云う桃香の親友! 

 

簡単な説明であるが……皆から『普通』と云われるが、政治や統率力、武力は及第点をいく『万能』の人。 ただ、及第点を越える……それ以上のモノが無い為、器用貧乏で収まる不遇の人でもある。

 

ーーー  

 

桃香「白蓮ちゃん凄いね! 愛紗ちゃんや鈴々ちゃんを纏めて、村の襲撃に対応するし、私に勉強教えながら政務を行うなんてぇ! 尊敬しちゃうよぉ!」

 

白蓮「………あのなぁ……何度でも云うが、これは普段の努力と皆の働きのお陰に過ぎないんだよ! 愛紗達と従う兵達が一緒懸命に賊を倒し、下の文官がより良い統治を目指す! 私の仕事は、その者達の働きに応えるだけだ!!」

 

★☆☆

 

桃香達一行は、路銀稼ぎをしながら働き、益州を目指す旅を続けていた。 

 

しかし……やはりと云うか……当然と云うか……鈴々の食費の費用維持、桃香達の人助けもあり、益州行きどころか、隣の州に渡る事さえ困難になる。 

 

そのため……愛紗は思案した。

 

 

★ーー★ーー★ーー★ーー★

 

私達だけで益州へ向かう事は無理だ。 

 

それに……無事に到着できても、私達の今までの経験では、ご主人様の役に立たないばかりか、足を引っ張らざる得ない! 

 

ならば……『白蓮殿』の下に仕官しよう!! 

 

白蓮殿なら、桃香様に政務の経験を実地で積ませる事ができるし、私達も経験や路銀を稼ぎやすい! 

 

それに、大守となれば、洛陽にまで出掛ける事が多いと聞いている! 私達を、洛陽まで連れて行ってくれる事も可能な筈だ!!

 

★ーー★ーー★ーー★ーー★

 

 

そんな事で、桃香に提案したら……アッサリ受け入れられる。

 

『そうだったね! 此処は白蓮ちゃんの赴任先だった!』と宣い、鈴々は『………スッカリ忘れていたのだー!』と笑っていた。

 

だが……一つだけ……愛紗が考えていなかった事がある。

 

白蓮の居城に到着して、桃香が名乗り出ると……大守である白蓮が直接出迎え、一言述べたのだ。

 

『………待ってたよ、桃香! 関雲長と張翼徳も! 私の所に仕官に来てくれたんだろう!?』

 

白蓮にも……記憶があったのだ。 普通に………。

 

 

★★☆

 

 

白蓮「……桃香は人が良すぎる。 人助けも大事だが……自分達の事も大事にしろ! でないと、桃香や愛紗達が悲しむぞ!?」

 

桃香「そ、そんな事……ないもん!! 皆が仲良く出来る世界を作るには、まず私達が動かないと!!」

 

白蓮「その事には、私も同意する! 分からない奴には、まずは手本を見せて実行を促す。 それが先人たる者の役目! しかし……桃香の人助けは『奉仕』が多すぎるぞ! 自分達の大事な勤労を無駄にしているんだ!!」

 

桃香「ひ、ひど〜い! 白蓮ちゃん!! 世の中には私達の力を必要とする人達は沢山居るんだよ!? それなのに……見返りを寄越せなんて……私には出来ないよぉおおおッ!!?」

 

白蓮「じゃあ、例え話だ! 桃香達に『100』の金がある! 困った者が『50

』貸してくれと頼んだ。 その場合……桃香は貸すよな?」

 

桃香「当然だよッ!」

 

白蓮「後になり、その者が『30』だけ工面して返してくれた。 だけど、お前は、生活が苦しいから……なんたらで受け取らない場合が多い。 ────そうだよな?」

 

桃香「そうだよ! 無理に用意して物を貰ったら……その人、また困っちゃうもんッ!!」

 

白蓮「ここからが問題だ。 もし、別の者が『70』貸してくれと……頼まれた時、桃香は見捨てるのか?」

 

桃香「───────!?」

 

白蓮「桃香が『30』受け取れば……問題はなかった。 だけど、受け取らなかったから不足を生じた! ………違うか?」 

 

桃香「う……うん。 だけど……私が工面すれば……!」

 

白蓮「よく考えろぉ!! 自分達の物まで渡して、生活出来ると思うのか?  お前が良くても、妹達に不憫を掛けさせたいのか!」

 

桃香「…………………シュン!」 

 

白蓮「今は亡き盧植先生も……桃香の天然さを心配していたんだ! だから、その才能を愛でてはいたが、上に向かうのは無理だろうと惜しがっていたんだよ! 人に騙されて、自滅するだろうって!?」

 

桃香「うぅぅ……先生ぃいい!」

 

白蓮「先生の代わりが……私が語るのも傍ら痛いが……敢えて云わせて貰う! 奉仕では無く……仕事として扱って欲しいんだ!! 桃香の力が発揮できる仕事に────ッ!!」

 

桃香「でも、それじゃ……行動を縛られて、助けれる人が少なく……」

 

白蓮「少し意地悪が過ぎたか? さっきのは例えだ! 金銭の貸しが出来なければ、別の事で助ければいい! 人手が足りなければ人手を、知恵が足りなければ知恵を! 物事を多方面に考えて、実行すればいいんだよ!」

 

桃香「…………………」

 

白蓮「まぁ………お前のやっていた事は、無駄じゃない! 世の中で一番大事な『信頼』を手に入れているんだ! それに、お前が使われる人物じゃなく、使う立場になれ! そうすれば……ある程度は、自由にできる!!」 

 

桃香「…………白蓮ちゃん」

 

白蓮「………だから、私も……こうやって力に成ろうと、待っていたんだからな! 少しずつ頑張ろう! ──なぁ、桃香?」

 

桃香「あ、ありがとう! ………ありがとう!!」

 

ーーーー  ーーーー  ーーーー

 

こうして、桃香達は……白蓮の下で更なる力を蓄える事に力を尽くす。

 

─────自分達の目指す未来の為に!!

 

 

◆◇◆

 

【 桂花 合流 の件 】

 

? ?州 陳留郡 陳留城 謁見の間 にて ?

 

玉座には……覇気を放つ『華琳』、その左右には忠義の将『春蘭』『秋蘭』が並び立つ。 そして、下には『荀文若(真名 桂花)』が……片膝を付いて礼をとっていた。

 

華琳「貴女が『王佐の才』を持つと云われる荀文若ね。 噂は前々より聞いているわ! 貴女のような才女が私の下に来てくれるのなら、我が軍は更なる飛躍を約束されたも同然! 大いに期待しているわ!!」

 

桂花「───はっ! 有り難き幸せ!!」

 

華琳「でも……貴女が麗羽……いえ、袁紹の下より去ってきたと云うけど、どうして私の下に来たの? 貴女のような『王佐の才』を持つ者が、袁紹より領地、兵数、家格も下がる……この曹孟徳に仕えようとするのかしら?」

 

桂花「……はっ! 私の目からして……領地、兵数、家格など……考えの基準には入りません! 曹孟徳様の器と袁紹の器を比べた結果、孟徳の器が……遥かに大きいと思われた次第であります!!」

 

華琳「だけど……挙げた物は、政治にも戦場にも……今の世に重要度が高い物ばかり! これで勝敗は──決まったも同じよ!?」

 

桂花「私は───そうは思えません! 何故なら、挙げた物は所詮、空に浮かぶ月のような物。 満ちても……次第に欠けるのが定め! 特に……器が合わぬ者が持てば、素直に移り変わりが出てくる事でしょう!」

 

秋蘭「………では、孟徳様には……その資格があると?」

 

桂花「───御意で御座います!」

 

華琳「うふふっ! 面白いわね! ────では、最後に聞こう! 袁紹の大軍に対して……勝てる自信は、どこから出る!? 先に挙げた物は……全て袁紹の手持ちが上! その中で、貴女が見出した勝機は!?」

 

桂花「………私と云う知謀の士が加わる事! そして、孟徳様に器に引き寄せられる臣下達の力! そして───かの天の御遣いが、この軍に加わる可能性が高い事! これが……荀文若の結論で御座います!!」

 

華琳「それは───どう云う事!?」

 

秋蘭「──────?」

 

春蘭「──────!!!!」

 

桂花「私は、天の御遣いを……待ち続けていました! 我が『主』に頼まれた……最後の願いを果たす為に!!」

 

華琳「……………ふ〜ん、麗羽では無い『主』ね? ………いいわ、そこまで云うのなら、我が軍に加わって貰う! 但し、此処に居るからには、主は私だと覚えておきなさい!! ────良いわね!?」

 

桂花「───はっ!」

 

 

★☆☆

 

? 桂花の部屋 ?

 

 

桂花「……………ふぅ」

 

ドンッ! ドンッ! ドンッ!

 

桂花「誰よ! 『のっく』なら静かにやりなさい!」

 

───ガチャ ダダダダダダッ! 

 

春蘭「うおぉおおおお───ッ!! 桂花、桂花、桂花ぁ──ッ!!」

 

桂花「ちょっ!? ひ、人がまだ許可して無いのに、真名を連呼するなんて、死にたいの!? それとも、今度は本当に頭が筋肉になったの!?」

 

春蘭「やはりぃ桂花だぁ───ッ!? 良かった! 良かったぁあああッ!」

 

桂花「………春蘭……貴女には記憶があるね? やっと……ぐすっ……やっと会えたわ!!」

 

春蘭「桂花! 教えてくれ!! 華琳様や秋蘭には、何故……北郷の記憶が無いんだ! それに、北郷は……天に帰った後どうなったんだ!? ……私は……あの場所で……早く世を去る事になり……その後の話を知らん!!」

 

桂花「…………そう。 やはり……記憶は無かったのね」

 

春蘭「………け、桂花?」

 

桂花「…………一刀が天に帰って数十年後、春蘭を皮切りに……仲間達が次々に亡くなっていたわ。 皆が皆……死ぬ間際に……一刀へ『お帰りなさい』と迎えたかった……と言い残して逝ったわ。 そして、私と華琳様が残り……」

 

春蘭「……………………」

 

桂花「華琳様が……先に倒れられ……私に頼んだのよ。 『一刀に出会えたら、皆の分を含めて、言葉を掛けてあげて……!』と。 だけど……私も、その数年後には、世を去る事になったわ………」

 

春蘭「ぐぅ──! 華琳様ぁあああ………!!」

 

桂花「華琳様は、誰よりも強く、誰よりも深く……一刀の帰りを待っていたのよ。 夜遅くまで、窓を眺めていては、溜め息を付いていらしたわ!」

 

春蘭「華琳さまぁぁあああ────ッ!」

 

桂花「………だから……私は一刀に出会い、曹魏に来て貰うの! 亡き前の世界の主『華琳』様との約束を果たす為に!!」

 

春蘭「───だが! 華琳様や秋蘭は……全然……私の話を信じてくれないのだ!!」

 

桂花「それは……私だって、記憶が無ければ信じられないわよ……」クスッ!

 

春蘭「なっ!? ────は、早くも裏切るのかぁ!?!?」

 

桂花「まぁ……脳筋の頭脳なら、そこまでが精一杯だと思うわ! 私が少しずつ信用を積み重ねながら聞いていくから、安心していいわよ!!」

 

春蘭「………桂花! お前がこっちに来たのは、もしかして……袁紹……

麗羽達に記憶が無かった為か?」

 

桂花「────どうして、そう思うの?」

 

春蘭「いや、北郷の記憶が無いから……居づらくて……こっちに来たのかなと思ってな? それとも、早く……北郷に会いたかったのか?」

 

桂花「……あのねぇ……記憶が麗羽達が持っていたら、官渡の戦いも華琳様の飛躍も無かったのよ? そうなれば、私が麗羽の下に残り、情報操作して自滅を図らせるわ! そうすれば、華琳様が早く大陸を統一できるでしょう?」

 

春蘭「………あぁ……なるほど?」

 

桂花「もぉッ! 分かってないのに生返事しないで!! 早い話が、私が居ても居なくても、関係無かった! なら、華琳様のお側で働いた方がいいじゃない!! そのくらい考えなさいッ!! ───馬鹿ぁ!! 脳筋!!」

 

春蘭「な、何をほざく!! 人が……し、心配してやれば────!!」

 

桂花「人の心配より、自分の心配しなさい! 全く……昔と……昔とぉ……全然変わらないんだからぁあああッ! 何十年経つと思うの!? こんな喧嘩ぁあ、やりあう事なんてぇ! 二度と無いと思っていたのにぃいいい──!!」

 

春蘭「桂花……………」

 

桂花「やっと……仲間に逢えたのに、なんで喧嘩しなきゃなんないのよ!」

 

春蘭「す、すまん………!」

 

その城内の一室は、夜遅くまで……騒がしがったそうである。

 

 

 

ーーーーーー

ーーーーーー

 

あとがき

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

 

この世界の登場人物も……少しずつ賑やかに、シリアスへコミカルへ話が移って参ります。 一話一話が、作者の妄想を即効で形にした物です。

 

矛盾点が多いとは思いますが、楽しんでいただければ、幸いです!

 

 

説明
上手く説明できたか……少し心配。 2/2 桂花と春蘭の台詞追加しました。
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コメント
hokuhin提督 コメントありがとうございます! レ級という意見には……納得です! 空母も……そういやそうですね。(いた)
艦これ水母も何でも出来るから、白蓮と重なるなあ・・・華琳様になるとレ級になるがw(hokuhin)
洛陽に一刀達を行かした最大の理由が、多分……他の作者様が書かれていないトンデモ外史の始まりです。 ですので、他の恋姫達にも登場をお願いします。 勿論、白蓮達も……。 色々とクロスならではのイベントが始まるとは思いますが……どうなる事に。 金剛と愛紗の争いは……どうなるか?(いた)
Jack Tlam提督様 コメントありがとうございます! ゲームでの魏のエンディングが……あの結末だったので……二番煎じ以上ですが、こう続きがあれば……なんて思いながら作ってみました。 星達の再会場面は、完全な引っ掛けで作りましたが、果たして何人勘違いされた事やら?(いた)
一方の蜀勢は白蓮と愛紗か……益州行ったら嫉妬軍神様降臨、だが艦娘に阻止されるなんてのも見たかったが……これから見れる?艦娘も嫉妬はしたが、金剛は一刀を投げ飛ばしただけだし……恋姫達ほど過激じゃないよね。力ならば兵器である彼女達の方が全然上でしょうが。そして白蓮はどうするんでしょうか。洛陽で相見えるのか?(Jack Tlam)
同窓会のノリと言うか……いうなれば外史の因果、もっと言えば正史の因果として互いに切っても切れない関係にあるのが恋姫達。でも正史の因果を超えて存在し続けた魏国では、一刀の存在が所属する恋姫達の心を強く繋いだ。その事実に裏打ちされた二人の友情が美しいです。不幸な結末を迎えてしまっただけに、こうでなければ!という感覚もありますが。(Jack Tlam)
スネーク提督 コメントありがとうございます! 同窓会のノリみたいなもんですね。 白蓮は普通に持ってます。 お陰で多少成長も……。 (いた)
記憶があるもの同士の再会…いいねぇ( ̄ω ̄) 白蓮、普通に記憶持ってたのね、普通に…(スネーク)
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