英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜
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〜カレイジャス・ブリーフィングルーム〜

 

「クロスベル市ですか……そうなるとやはり問題は入国方法ですね。」

「”カレイジャス”の事は恐らく向こうも知っている可能性は高いから正規の方法での入国は正直難しいだろうね……」

「ああ……恐らく拘束される事はないと思うが、事情聴取はされる可能性は高いと思う。」

「それに今は二大国と戦争中だから、凄く警戒しているかもしれないよね……?」

レクター少尉の答えを聞いたマキアスは複雑そうな表情をし、ジョルジュやアンゼリカ、トワもそれぞれ考え込んでいた。

 

「……ちょっと待て。そこのアランドール少尉はクロスベルから帰って来たような事を言っていたが……一体どうやってクロスベルから出国できたんだ?」

その時何かに気付いたユーシスが真剣な表情でレクター少尉を見つめて尋ね

「あ〜、残念ながら俺の場合は真正面から堂々とベルガード門から出た。クロスベル解放を手伝った”報酬”として、厳しいチェックをパスして国境のベルガード門から出る事ができてそのまま徒歩でガレリア要塞跡の臨時拠点に向かったんだ。悪いが抜け道の類は使ってねぇし、見つけてもいねぇ。」

レクター少尉は疲れた表情で答えた。

 

「厳しいチェックという事はやっぱり身元を確かめられるのでしょうね……」

「ま、今は戦争の真っ最中なんだし、そもそも外国に入国する事になるから、そのくらいはあるでしょうね。」

不安そうな表情をしているエマの言葉に続くようにセリーヌは静かな表情で答えた。

「俺が見た感じ空の防備は大した事なかったから、空からなら侵入できると思うぜ?………ただ対空レーダーくらいは設置されてあるだろうし、後々の事を考えるとこのカレイジャスでクロスベルの領空に侵入したという事実はバレたら不味いから、万が一見つかった事を考えるとカレイジャスでクロスベルに潜入する案は止めたほうがいいと思うぜ。」

「え〜、それならボクがガーちゃんに乗せて貰うみたいに飛行船を使わずに空からベルガード門を超えるしかないじゃん〜。ガーちゃんで運べるのはボクとせいぜい一人くらいだよ?」

レクター少尉の話を聞いたミリアムは不満げな表情をした。

 

「飛行船を使わずに空を飛ぶ……?―――あ!それなら私はミルモの力で空を飛べるわ!」

「ユーシスもあの天馬を使えば可能じゃないか?」

「ああ……俺のアルバレア号なら後一人乗せられるな。」

ある事を思いついたアリサは声をあげ、ガイウスに視線を向けられたユーシスは静かな表情で頷いた。

「それじゃあメサイアと契約している俺はミリアムかユーシスの飛行手段に頼った方がいいな……」

「―――いえ、飛行手段なら私が用意するわ。」

そしてリィンが提案しかけたその時、アイドスがリィンの傍に現れた。

 

「アイドス?アイドスが用意するって一体……」

「フフッ、私はこれでも”女神”よ。アリサが契約している精霊のように貴方や貴方の仲間達に光の翼を生やす事は可能よ?」

「ええっ!?」

「ハハ……そう言えば女神の身体を持つセリカさんも翼を生やした事もあったな……翼と言えば、エステル君が自分が契約している天使族のニル君の力で自分の背に翼を生やして戦っていた事もあったが……」

アイドスの答えにリィンが驚いている中、その様子を苦笑しながら見守っていたオリヴァルト皇子はある事を思い出し

「天使……?―――あ。それじゃあサラさんも……」

「サラも契約しているね。それじゃあサラならわざわざアイドスの力を借りなくても自力でいけるんじゃないの?」

オリヴァルト皇子の言葉を聞き、何かに気付いたゲルドとフィーはサラ教官に視線を向けた。

 

「…………―――バルディエル!今のオリヴァルト殿下の話―――アンタの力であたしの背に翼を生やす事は可能なの?」

そして考え込んでいたサラ教官がバルディエルを召喚して真剣な表情で尋ね

「わざわざ呼び出して何を聞くかと思えば………そのような簡単な事、この我ができない訳がなかろう?」

「ア、アンタね……!そう言う事はもっと早く教えなさいよ……!」

バルディエルの答えを聞いたサラ教官は顔に青筋を立ててバルディエルを睨んだ。

「そんじゃあ俺は正攻法でクロスベルに入国できないかを試して、それができたら空からクロスベルに侵入したお前らと合流する。遊撃士の俺ならクロスベルにある遊撃士協会の支部の”応援”としてクロスベルに正攻法で入国できるかもしれないしな。」

「ありがとうございます……!トヴァルさんもいたら、心強いです……!」

トヴァルの話を聞いたリィンは明るい表情でお礼を言った。

 

こうして……エレボニアが国として生き延びる方法の可能性を作る為にクロスベルにいるマルギレッタに接触するリィン達A班、ツーヤに接触するセレーネ達B班、そしてリベールに向かってアリシア女王達に接触するオリヴァルト皇子達C班に分かれて行動する事にし……アリシア女王達に接触する際皇帝自ら頼んだ方がリベールが応じる可能性が高くなる為、リィン達はユーゲント三世達に事情を説明した。

 

〜トールズ士官学院・会議室〜

 

「……そうか。このような状況でありながらも、お前達はまだエレボニアの為に動いてくれるのか……」

「フフ、さすがはオリヴァルト殿下と殿下が”紅き翼”を託した方々ですね……アルフィンも本当に色々と成長しましたね……」

「はい……それに比べて僕は……」

「セドリック…………」

事情を聞き終えたユーゲント三世は静かな表情で呟き、プリシラ皇妃の言葉に頷いたセドリック皇子は肩を落とし、その様子をアルフィン皇女は心配そうな表情で見つめていた。

 

「……セドリック。恐らくどのような結果になったとしてもアルフィンが皇族としての務めを果たすのは今回の件が”最後”になるだろう。君はアルフィンと違って、まだまだ可能性が残っている。だからそんなに落ち込むものじゃないよ。」

「兄上……はい……!それにしてもまさかそんな方法でエレボニアが国として生き延びれるかもしれない事に驚きましたけど、僕にとってはリィンさんが義理の兄となる事の方が驚きました。―――ですが、リィンさんならアルフィンの相手に相応しいと思いますし、僕も嬉しいです。」

「……勿体ないお言葉です。」

オリヴァルト皇子の言葉に頷いたセドリック皇子に視線を向けられたリィンは静かな表情で会釈した。

 

「お父様、お母様。お二方に相談せずにわたくしがリィンさんに嫁ぐ事を決めてしまいましたが、どうかお許し頂けないでしょうか……?」

「アルフィン……フフッ、私は貴女が自分で決めた相手なら、反対するつもりはありませんでしたよ。」

「それは私も同じだ。リフィア皇女が残して行った”戦争回避条約”の”救済条約”を見た時は驚いたが……テオの息子であり、我が母校の出身でもあり、そしてアルフィン自身が懸想している相手であるお主に嫁ぐ事を知り、救われた気分だった。」

アルフィン皇女の嘆願に対してプリシラ皇妃は微笑み、ユーゲント三世は静かな表情でリィンを見つめた。

 

「え……父達を知っているのですか?」

「それにその口ぶりですと、陛下もトールズの出身のように聞こえますが……」

「うむ。アルノール家の男子はトールズで学ぶ事が通例だ。若き頃はこのトールズにてテオと友の絆を結び、共に学んだものだ……だからこそユミルが襲撃され、テオが重傷を負い、更にテオの愛娘であるエリス嬢が誘拐され、私達と共に幽閉されてしまった事に自分の無力と愚かさをどれだけ呪ったか……」

「陛下……私達は既にメンフィルの貴族だというのに、勿体ないお言葉です。」

リィンとユーシスの疑問に答えたユーゲント三世の話を聞いたエリスは静かな表情で会釈した。

 

「……リィン・シュバルツァー。どうかアルフィンを大切にしてやってくれ。これはアルフィンの”親”としての頼みだ。」

「陛下……はい……!」

ユーゲント三世の言葉にリィンは決意の表情で頷き

「――――ユーシス・アルバレア。そしてラウラ・S・アルゼイド。お主達が新たな祖国――――メンフィルにて明るい未来をその手で掴みとる事、心より願っている。」

「陛下……」

「勿体なきお言葉です。例え祖国が違えど、かつてはエレボニアに仕えていた者として、これからも陛下達に可能な限り御力になる所存であります。」

ユーゲント三世に視線を向けられたユーシスは驚き、ラウラは静かな表情で会釈した。

「フフッ、ありがたい言葉だが、リウイ陛下達にお主達の忠誠が疑われるような真似はくれぐれもしないでくれ。―――レーグニッツ、ヴァンダイク。私達が戻ってくるまでにメンフィル、クロスベルからの追及があった際の時間稼ぎを頼む。」

「どうかお任せあれ。」

「リベールとの交渉が無事成功する事を心からお祈りしております。」

そしてユーゲント三世の言葉にレーグニッツ知事とヴァンダイク学院長はそれぞれ頭を下げて答え

「……連合軍が唯一残っているラマール州を完全に制圧している間の今日しか、機会(チャンス)はない。みんな……絶対に成功させよう!」

「おおっ!!」

リィンの号令に仲間達は力強く頷いた。

 

その後メンバー編成をし……リィン、アリサ、ユーシス、サラ教官、トヴァル、エリスのA班はガレリア要塞跡までカレイジャスで送り届けてもらった後クロスベルへと向かい……セレーネ、マキアス、ガイウス、エリオット、ミリアム、クレア大尉のB班は鉄道でバリアハートへと向かい、オリヴァルト皇子達C班はカレイジャスでリベールへと向かって行った…………

 

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と言う訳で幕間2は3班に分かれての別行動です!!しかもリィン達A班はまさかのクロスベル篇ですwwなお、バリアハート篇、リベール篇は短いですが、クロスベル篇は他の班の倍以上の話の数を用意していますwwしかも既にお気づきと思いますが幕間で脱退したシャロン以外の協力者達が再び加入し、更に幕間2にてオリビエも加入です!!なお、”試練篇”はボス戦だらけの上、それが終わっても3連戦になる展開を用意している上、連戦の最終戦ではアルフィンも加入して戦う展開を用意していますwwただ、幕間2はバトルだらけなのですが騎神戦は一戦もないんですよねww果たしてヴァリマールの出番は今後あるのやらww後それぞれの班が戦う”相手”についてですが以前ヒントを出しましたからある程度は予想できるかとww

説明
第527話
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コメント
完全ROM専様 さて、それはどうですかねぇ?(ニヤリ) 本郷 刃様 まあ普通に考えたらそうですねw 八神 はやて様 撃墜されたらまさにゲームオーバーですね kanetosi様 マルギレッタがいる場所はオルキスタワーではなく意外な場所ですがそれまでの道のりが険しいとしか言いようがないですww(sorano)
別に指名手配されているわけではないからね?ただ問題なのはクロスベル側の兵士及び側近達、最悪ヴァイスに見つかればジ・エンドだからそれだけは阻止しないといけない。何気にスニーキングミッションだなこれ。目的の場所は当然オルキスタワーになるだろうし・・・どうやって突破するのか楽しみだ(kanetosi)
見つかればって言ってるけど結局会いにいくんだから密入国がばれるんじゃ・・・・・撃墜されないことを祈るよ・・・・・・(八神 はやて)
見つかれば即アウトですよね、密入国で・・・(本郷 刃)
最終戦でも、ヴァリマールは出番なしですか。ヴァリマールvsヴァイスリッターは、為されそうにですねい(完全ROM専)
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