徒花
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             「((徒|あだ))花」

 

 

            花は咲いたよ

            確かに花は

            だけどどうにも

            気に入らなくて

            前に何処かで見たようで

            この葉に、色に、形は確か

            何処かで既に

            散った花

 

            花は咲いたよ

            咲いたよ花は

            同じ囲いの((学舎|まなびや))花壇

            群れて((集|たか))って並んでる

            来る風 ((往|ゆ))く風 ((過|よ))ぎる度

            どれこれ((戦|そよ))いで((囂|かしま))しい

            摘み取るこの手に色めき立って

            「僕が」「私が」

            押し合うけれど

            どれも似通い大差はないの

 

            花は咲いたよ

            確かに花は

            花は咲いたの

            咲いたの、

            花は…――

 

            花は咲いたわ。

            咲いたの、けれど

 

            けれどなんとも気に入らなくて

            このがく、花弁じゃ、気に入らなくて。

 

            だから散らさず居られない

            千切り、((毟|むし))らず、居られない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
次にまた咲くかなんて関係ない
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徒花 詩もどき 義務教育 

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