英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜 |
〜遊撃士協会・クロスベル支部〜
「あら、噂をすれば本人が帰ってきたわね。」
サティアの登場にミシェルは目を丸くし
「ええっ!?じゃあ、貴女が……!」
「……よく見れば”ブレイサーロード”と容姿が似ているな……」
ミシェルの言葉を聞いて驚いたアリサはサティアを見つめ、ユーシスは信じられない表情でサティアを見つめ
「貴方達は…………――――フフ、”この時代”では”初めまして”ね。リィン、エリス、”Z組”のみんなに、トヴァルとサラも。」
リィン達を見回したサティアは目を丸くした後微笑んだ。
「なっ!?」
「兄様達だけじゃなくわ、私の事までご存知なのですか……!?」
サティアが自分達の事を知っている事にリィンは驚き、エリスは信じられない表情をし
「ええ。―――それと。久しぶりね、アイドス。」
サティアは頷いた後リィンが身につけている”神剣アイドス”に視線を向けた。すると”神剣アイドス”からアイドスが現れた!
「アストライアお姉様……本当にお姉様なのですか……?」
「――――セリカの妻にしてセリカの”第七使徒”サティア・ブライト・シルフィル。それが”今の私”よ。勿論エステルの娘として生まれ変わる前の”記憶”――――”正義の大女神アストライア”としての記憶もちゃんとあるわよ。」
呆然としているアイドスにサティアは微笑み
「お姉様……私……私……」
微笑まれたアイドスは辛そうな表情で言葉を濁していた。するとその時サティアがアイドスを抱きしめた。
「あ………」
「……キーアのお蔭で貴女も生まれ変わる事ができて、本当によかったわ…………先に言っておくけど、”昔の事”は気にしていないわ。貴女が今こうして私の目の前で生きている……それだけ私は嬉しいわ……」
「アストライアお姉様……!う……あ……ああっ………!」
そしてアイドスはサティアの胸の中で声を押し殺して涙を流して泣き続けた。
「……もう、大丈夫かしら?」
「ええ……みんなもごめんね、幻滅するような所を見せてしまって……」
その後泣き止んだアイドスはサティアから離れて苦笑しながらリィン達を見回した。
「いや……気にしていないよ。アイドスのお姉さんの事情はある程度知っているし。」
「ようやくお姉様に会えて本当によかったですね、アイドス様……」
「グスッ……ええ……」
リィンは静かな表情で答え、エリスは微笑み、もらい泣きをしていたアリサはエリスの言葉に頷き
「それに俺達は女神も人の子であると、どこかのふざけた女神で存分に思い知っているから今更だ。」
「まあ確かに”アレ”と比べれば、天と地の差だよなあ?」
「そりゃあ、”アレ”は”女神”である事自体を否定しているものねぇ?」
ユーシスの意見に続くようにトヴァルとサラ教官はそれぞれ苦笑しながら答えた。
「?誰の事を言ってるのかしら?」
「あ〜……アタシにも何となくわかったわ。そう言えばアナタ達もレグラムで会っていたんだったわよね?”ただの新妻”を自称するアタシ達ゼムリア大陸の人々が崇めている女神様に。」
アイドスが首を傾げている中、既に察していたミシェルは苦笑しながら問いかけた。
「え……ゼムリア大陸の人々が崇める”女神”ってまさか……!」
「ええ、エイドスの事よ。」
ミシェルの問いかけに驚きの表情をしたエリスにサティアは苦笑しながら頷いた。
「そう言えば空の女神(エイドス)とその一族とやらもこっちに来ているんだったわね……今もクロスベルに滞在しているのかしら?」
「いいえ。今朝クロスベルを発ったわ。家族と一緒に西ゼムリア大陸内を回って”観光旅行”をする為にね。」
サラ教官の問いかけに疲れた表情で答えたミシェルの話を聞いたリィン達は冷や汗をかいて脱力し
「ええっ!?め、女神様が観光旅行ですか??」
エリスは驚いた後戸惑いの表情をした。
「そ、そう言えばエイドスさん、別れ際にそんな事を言っていたな……」
「まさか本当に実行するとはな……」
「今の情勢で観光旅行等、酔狂にも程があるだろう。」
「一体どれだけ私達の”空の女神”のイメージを破壊すれば気がすむのよ〜!?」
一方既にある程度納得していたリィンは苦笑し、トヴァルは疲れた表情をし、ユーシスは呆れ、アリサは声を上げた。
「フフ……―――そう言えばお姉様。私が謎の復活を遂げた理由を知っているような口ぶりでしたが……私が復活できた理由を知っているのですか?」
「あ……」
「そう言えばそんな事を言っていたわね……確か特務支援課が保護している子供の名前も出て来たわね?」
アイドスの質問を聞いたリィンは呆け、サラ教官は真剣な表情でサティアを見つめて尋ねた。
「……………………ええ、知っているわよ。私がエステルの娘として生まれ変わってセリカと結ばれた事もそうだけど、”本来の歴史が改変されて”今に到る理由も全て知っているわ。」
「”本来の歴史が改変された”とは……一体どういう意味ですか?」
複雑そうな表情で答えたサティアの話を聞いたエリスは戸惑いの表情をし
「ちょっと、サティア!?それをその子達に話すのは不味くないかしら!?」
ミシェルは血相を変えて問いかけた。
「大丈夫………彼らなら例えそれを知ってもちゃんと黙っていてくれるし、”本来の運命”を改変された彼らには”知る権利”があるわ。」
「俺達の”本来の運命”……?」
「―――”歴史の改変”ね。」
サティアの答えを聞いたリィンが不思議そうな表情をしている中、アイドスは静かな表情で呟き、それを聞いたリィン達は血相を変えた。
「れ、”歴史の改変”って……!?」
「……一体何を根拠にそんな非常識な事を言えるのだ?」
アリサが信じられない表情をしている中、ユーシスは真剣な表情でサティアを見つめて尋ねた。
「―――未来のキーアはロイド達やエステル達には話さなかったけど、彼女より更に未来から来ている私にだけ教えてくれたの。―――貴方達”Z組”の”本来の運命”――――クロウ達と自分達の手でちゃんと決着した話を。」
「な……っ!?」
「……一体どういう事なのか、詳しく説明してもらってもいいかしら?」
サティアの話を聞いたリィンは驚き、サラ教官は厳しい表情で尋ねた。
そしてサティアはリィン達にロイド達の”大目標”であるキーアの奪還、キーアの正体がクロイス家が遥か昔から”銀行家”という表の仮面を被って裏で密かに作り続けていた”幻の至宝”に変わる完成体にして”幻の至宝”をも超える”至宝”―――”零の至宝”について説明した。
説明 | ||
第536話 | ||
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コメント | ||
マジロン様 まあ、そう見えてしまいますよね…… kanetosi様 後は幼いゆえに過ちでしょうね 本郷 刃様 まさに奇蹟の再会ですね サイバスター様 そう考えると零・碧と閃は表裏みたいになっていますね K'様 むしろ殺したいくらいじゃないですか?(sorano) 改変された結果酷い目にあった方々からすればキーアに対して罵声の1つも浴びせたくなるでしょうね。(クロウとかカイエンとか)(K') まあマジロン様の言っていることも間違いではないですからね閃サイドからしてみればただ零や蒼サイド側からしてみればキーアは利用されたと言う事実がありロイドたちを救うべくその未来を変えたいと純粋に思っただけですからね(サイバスター) 良かった、アストライアとアイドスが再会出来て本当に良かったです・・・(本郷 刃) それは言うな・・・造られたが故に耐えられないことだってあるんだから・・・(kanetosi) 全てはキーアが望む世界に向かってました。改めていうとキーアが一番たちが悪いですよね(マジロン) |
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