英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜
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〜ウルスラ間道〜

 

「フン、ようやく来やがったな。待ちくたびれたぜ。」

「え………」

リィン達が街道を進んでいると一人の大柄な男がリィン達を待ち構えていた。

 

「なっ!?お前さんは……!」

「”ルバーチェ”の”キリングベア”ガルシア・ロッシ!”教団”の事件で逮捕されて今は拘置所にいるあんたが何でここにいるのよ!?」

男を見たトヴァルは驚き、サラ教官は厳しい表情で尋ねた。

「?教官とトヴァルさんはあの人の事を知っているのですか?」

「逮捕されて今は拘置所にいると仰っていましたが……」

「まさか犯罪者か?」

二人の様子を見たアリサは不思議そうな表情をし、エリスは不安そうな表情で男を見つめ、ユーシスは目を細めた。

 

「ええ……―――”ルバーチェ”ってのは長年クロスベルの裏社会を支配し、帝国派議員とも裏で繋がっていたマフィアで、目の前の男はその若頭よ。」

「そんで、その”ルバーチェ”がハルトマン元議長を始めとした一部の帝国派議員達と”D∴G教団”に深く関わっていた事によってクロスベル警察に全員逮捕されて崩壊したはずなんだが……何でお前さんがここにいる?確かお前さんもあの事件で逮捕されて今も拘置所で刑期を過ごしているはずだぞ。」

サラ教官と共にリィン達に説明したトヴァルは警戒の表情で男――――ガルシアを見つめて問いかけた。

 

「クク、別に答えてやってもいいがテメェらに一つ聞きたい事がある。おい、ガキ共。チビ助――――フィーは元気か?」

「え……ど、どうしてフィーの事を……?」

ガルシアの口から出た予想外の人物にアリサは戸惑い

「……”キリングベア”は元”猟兵”で、所属していた猟兵団は”西風の旅団”よ。」

「”西風の旅団”だと!?」

「じゃあ貴方もフィーと同じ猟兵団に所属していた猟兵だったんですか……!?」

複雑そうな表情で答えたサラ教官の説明を聞いたユーシスは驚き、リィンは信じられない表情でガルシアに尋ねた。

 

「俺はあのチビ助が団長に拾われて1年くらいしてから”ルバーチェ”に引き抜かれて団を抜けたからな。あいつが今でも俺の事を覚えてるかどうかは知らないがな。」

「そうだったのですか……―――今も元気で俺達の仲間として共に戦ってくれています。」

「フン、そうか…………それでムショにいる俺がこの場にいる理由だが、クロスベルの皇帝になった”黄金の戦王”にテメェらの”試練”の相手を務めるように依頼されたんだよ。」

リィンの答えを聞いたガルシアは口元に笑みを浮かべた後説明を続けた。

 

「何だと!?」

「!ちょっと待って!その口ぶりだと”黄金の戦王”はあたし達の行動を予想していたって事になるじゃない!?」

「それに”試練”だと?一体どういう意味だ。」

ガルシアの答えを聞いたトヴァルは驚き、サラ教官は厳しい表情で問いかけ、ユーシスも続くように問いかけた。

「クク、それについては”黄金の戦王”から詳しい話を聞いているテメェが説明してやればどうだ?―――”銀(イン)”!!」

「”銀”ですって!?」

「フゥ……できればその名前で呼んで欲しく無かったのですが。」

そして不敵な笑みを浮かべるガルシアが叫びそれを聞いたサラ教官が驚いたその時ガルシアの隣の空間が歪み、リーシャが現れた!

 

「何だ今の現れ方は!?」

「な、何もない所から現れたわよね……!?」

「……え。あ、貴女は……!」

「?エリス、知っているのか?」

リーシャの登場にユーシスとアリサが驚いている中、リーシャを見て驚いているエリスが気になったリィンは不思議そうな表情で尋ねた。

 

「はい。姉様達が私をカレル離宮から救出する時に姉様達と一緒にいた方です。」

「何だって!?」

エリスの話を聞いたリィンは驚き

「!!あんたは…………!なるほどね。まさかアルカンシェルのトップスターがあの”銀(イン)”だったとはね。」

「って事はカレル離宮に潜入してエリス嬢ちゃんの無事を確かめたのはお前さんだったのか……」

リーシャの顔を見て血相を変えたサラ教官は厳しい表情で、トヴァルは驚きの表情でリーシャを見つめた。

 

「アルカンシェル……西ゼムリア大陸で有名なクロスベルの演劇集団か。」

「!?ちょっと待って!?その顔……まさかあのイリア・プラティエと並ぶ人気を誇るアルカンシェルの新人アーティストのリーシャ・マオ!?」

「クク、エレボニア帝国の士官学院のガキ共にまで知られているとはさすがはあのイリア・プラティエと並ぶアルカンシェルの人気アーティストだな?」

「ア、アハハ……」

ユーシスが考え込んでいる中、リーシャの正体がわかったアリサは信じられない表情をし、不敵な笑みを浮かべるガルシアに視線を向けられたリーシャは冷や汗をかいて苦笑した。

 

「それで?拘置所にいるはずのマフィアの若頭とかつてはそのマフィアと争っていた組織が雇っていた伝説の暗殺者が何で一緒になって、あたし達を待ち構えていたのかしら?」

「…………実は――――」

そしてリーシャはリィン達にヴァイス達がリィン達の行動を最初から予想し、それぞれに”試練”を与えている事を説明し、自分達がその役割を務めている人物達でもある事を説明した。

「何だって!?それじゃあ他のみんなも……!」

「―――はい。バリアハートに向かった方達は”剣帝”に、リベールに向かった方達はかの”剣聖”の後継者――――アラン・リシャールに挑んでいるはずです。」

驚いているリィンにリーシャは静かな表情で説明し

「よりにもよってレオンハルト教官が相手だなんて……!」

「しかもリベールに向かったC班の相手はかつてクーデターを起こした元情報部のリシャール大佐が相手とはね……」

「それでも一人しか相手をすればいいだけのあいつらの方がまだマシだろ。こっちは二人だぜ?」

アリサは不安そうな表情をし、サラ教官は厳しい表情で考え込み、トヴァルは疲れた表情で呟き

「今は皆さんが無事”試練”を超えている事を祈るしかありませんね……」

「フン、他の連中の心配をする暇があったら、今は目の前の”試練”に集中しろ。」

エリスの言葉を聞いたユーシスは真剣な表情で二人を警戒しながら指摘した。

 

「クク、残念ながら”当たり”を引いたテメェらの相手は俺達だけじゃねえぜ?」

「―――クロスベルに来た皆さんは私達との戦いを含めて四回”試練”を受けてもらう事になっています。」

「おいおい……”キリングベア”と”銀”のコンビが初戦って、残り3戦の相手はどんな奴等なんだよ……」

ガルシアとリーシャの説明を聞いたトヴァルは疲れた表情で呟き

「……ちなみに何であんた達は”黄金の戦王”の依頼を受けたのよ?」

サラ教官は真剣な表情で二人に問いかけた。

 

「私は一時期”六銃士”の方達にお世話になりましたからね……その恩返しもありますが、”銀”である私が”銀”だとわかっても、”銀としての私”を強制せず、”アルカンシェルのアーティストとしての私”の未来を認めてくれ、応援の言葉まで送って頂いた彼らに対する恩返しです。後はクロスベルの皇帝に恩を売っておけば、今後色々と便宜を図ってもらえるという打算ですね。」

「俺の場合は俺を含めたムショにいる”ルバーチェ”の連中の刑期を短くするって”条件”を出されたから、マルコーニ会長や部下の連中の為にも請けてやったのもあるが……あのチビ助がいる所のテメェらがどれほどできるのかも興味があったから、請けてやったんだぜ?」

リーシャと共に説明をしたガルシアは不敵な笑みを浮かべてリィン達を見回した。

「なるほどね……まさか司法取引をしてまで、クロスベルの裏社会の使い手達をあたし達にぶつけてくるとはね……」

「下手すりゃアリオスさんまで出てくるんじゃねえのか?あの人も今は拘置所にいるしな。」

サラ教官は厳しい表情で二人を見つめ、トヴァルは疲れた表情で呟いた。

 

「それと先に言っておきますが、”試練”の際にメサイアさん以外の皆さんが契約している異種族を呼んで共に戦わせた場合は”失格”とみなす事になっていますので覚えておいてください。」

「ええっ!?あら?で、でもどうしてメサイアはいいのよ?」

リーシャの話を聞いて驚いたアリサはある事に気付いて尋ねた。

「メサイアさん自身が関係している件でもありますから、メサイアさんの参戦は認めるとの事です。」

「切り札をほとんど封じられたのは痛いが仕方ねぇな……―――リィン。」

「はい。―――来い、メサイア!!」

トヴァルに視線を向けられたリィンはメサイアを召喚した!

 

「さてと……そろそろ始めようぜ。言っておくが負けても頑張ったから合格みてぇな生温い事は期待するなよ?」

「抜かせ!返り討ちにしてくれる!」

「―――まさかあの時救出した貴女と剣を交える日が来るとは思いませんでした。」

「私をカレル離宮から救い出してくれた事には今でも感謝しています。ですが、私にも退けない理由がありますので、絶対に貴女を超えさせて頂きます……!」

手甲をつけた拳を構えたガルシアの挑発に対してユーシスが、斬魔刀を構えたリーシャの言葉に対してエリスが答えた後それぞれ武器を構えた!

 

「”銀”と”キリングベア”のコンビか……連携されたら不味いな。2組に分散して各個撃破するぞ!」

「相手は強力だけど今のアンタたちなら超えられるわ!気張りなさいよ、アンタたち!」

「はいっ!」

「私も全力で協力します……!」

武器を構えたトヴァルが厳しい表情で二人を見つめている中、サラ教官の号令にアリサが答え、メサイアは決意の表情で聖剣を構えた!

 

「―――リーシャ・マオ。これよりクロスベルの”試練”として、全力で特科クラス”Z組”の相手をさせて頂きます……!」

「”キリングベア”と”銀(イン)”の”壁”……超えられるものなら超えてみせろや、ガキ共ッ!!」

「Z組A班、全力で行くぞっ!!」

「おおっ!」

そしてリィンの号令を合図にアリサ、メサイア、エリスはリィンと共にリーシャに向かい、サラ教官はトヴァルとユーシスと共にガルシアに向かって行って戦闘を開始した!

 

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リィン達の初戦の相手はまさかのリーシャ&ガルシアコンビに驚いたかなと思っていますww実際このコンビを相手にしたら滅茶苦茶苦戦するでしょうね(ガタガタブルブル)このコンビと戦う際は即死と気絶耐性は絶対に必須でしょうねwwなお二人の戦闘の際のBGMは零・碧シリーズの代表曲の一つでもある”Inevitable Struggle”の碧verだと思って下さい♪

説明
第542話
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コメント
Large Shine様 確かに使い魔の総戦力で言えばエステルを上回っていますからね。まあ最初から最後までポジティブだったエステルと違って、ネガティブなイメージがあるからどうしても弱く見えてしまうんですよね サイバスター様 まあ、それもありますね。光と闇の軌跡考えたらエレボニアは絶対に負ける運命ですから kanetosi様 この程度はまだマシですよ。オルディーネ破壊の時と比べれば(遠い目)(sorano)
八神 はやて様 まあ初戦からヤヴァイ相手ですからねw 本郷 刃様 一人でも厄介なのに二人揃ったらもっと厄介な事にw ジン様 軌跡シリーズはエウシュリーに負けないくらい好きですよ。ただリィン達がエレボニア勢なので仕方ないのです。私は空、零・碧陣営を贔屓しているのでどうしてもエレボニアとカルバードは酷い目にあってしまうので(sorano)
ちょっとまって、お願いだから感想欄で争わないで!(kanetosi)
↓それでエリゼを強化したら原作の雰囲気もなにもなくない?てかクロスオーバーを書いている時点でそんなのないんだから別にリィンを最強にしていいじゃん。てかsoranoさんですら忘れてるけどこの小説の主人公はあくまでもリィンだからね?(ジン)
↓当初は最強キャラにする予定だったが原作の雰囲気を出そうとして考えて今は余り強くしすぎてもいけないと思ったのでは?(サイバスター)
さぁ?最初はsoranoさんリィンもエステルの次の最強キャラにするとか言ってたくせにこれだからただ単にエウシュリーが好きで軌跡シリーズが嫌いだからじゃない?(ジン)
追記 というかリィンの環境ってありえない位に恵まれてるよね。なのに何であの程度の強さなんだろう?あの環境なら普通はもっと強くなってる筈なんだけどな。(Large Shine)
↓リーシャも原作より強くなってるけど、強くなってるので言えば確実にリィンの方が上の筈だからね。一対一でも普通に勝てて当たり前と言える。もし苦戦したら原作より弱いとは言わないけど、あんなに恵まれた環境に居るのに全然強くなって無いとは確実に言える。(Large Shine)
もしリーシャにリィンが苦戦したらその瞬間この小説のリィンは原作のリィンより確実に弱いことが証明されるからどうなるんだろうね?(ジン)
初戦は元ルバーチェ関係者コンビですか、厄介な2人ですなw(本郷 刃)
コンビ?四回戦?・・・はぁ先が思いやられるよ(八神 はやて)
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他エウシュリーキャラも登場 幻燐の姫将軍 空を仰ぎて雲高くキャラ特別出演 閃の軌跡U 

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