リリカルなのはZ 第七話 シスコン≠変質者? |
小学生未満の子達、被災地から来た子ども達には無料で配り、中学生以上の人達にはデータカードを千円支払い、売り子をしているチビレオン。チヴィット。そして、緩いウエーブの髪を持つ少女のユーリが行っていた。
チヴィット達が有能なお蔭で忙しくも何とかやり通していた。
そこには何故かバニー服を着たアリシアが看板を持ってブレイブデュエル会場はこちら。と、書かれた看板を持って研究所を歩き回っている。
トイレの方も結構混んでいるので仮設トイレのある場所に誘導するチヴィット達。
昨日の模擬戦。そして、ブレイブデュエルのエキシビジョンマッチなど、ブレイブデュエルが設置されたゲームセンターやアミューズメント施設は未だに数えるくらいしかないが、設置が決まったところには予約が殺到していて連日行列が絶えない。
ガンレオンやコクボウガーは戦闘用ではなく作業用ロボットなので被災地やグランツ研究所に行けば見る事が出来るので子供から大人まで詰め寄っている。
ただ、ふと思う事があるのだ。
コクボウガーやその量産機は自衛隊駐屯地に行けば見ることができるがガンレオンの姿は被災地や研究所内等、あちこちで見られる。
そう、あちこちで見られるのだ。
あの巨体が人知れずあちこちに現れている。それはまるでUFOのようにあちこちで見られるのだ。
それにもかかわらず、運輸している姿は何処にも見られない。
被災地に突如現れ、復興作業が終わると姿を消して。気が付けば研究所で建設中の建物を組み立てている姿が見えた。
マスメディアや民衆や軍事、企業。文字通り世界注目を集めているにもかかわらず、ガンレオンの消息?というか、移動手段が見えていない。
実はガンレオンは複数あるのでは?という持論も出ている。
そんなうわさが飛び交っている中、その噂のロボットのサブパイロットはというと・・・。
「ハァハァ・・・。フェイトたん萌え〜」
海鳴市という町にある中学校にある植え込みで息を荒くして一人の美少女を眺めている太めの男子学生。
そんな彼の頭上にやって来たばかりの臨時教諭のアリシアが持つ出席簿が落とされた。
「はいはい〜。気分が悪いとか言って休ませたら、気持ち悪く人のいも、じゃなくて女子生徒をハァハァするんじゃありません。・・・可愛いのは認めるけど」
「アリシアたん先生?!」
「先生をたん付けで呼ぶんじゃありません」
先程まで自分が見ていたフェイトとだいぶ似てい入るが、彼女よりも背が低いなりにも大人の魅力と言うか雰囲気を纏ったアリシアを見た男子生徒は思わず抱きつこうとした。
未遂で済んだのはアリシアの膂力が見た目に反して強く、彼を押さえつけている出席簿の強度も共に強かった為である。
「僕を気にかけてくれたんですねっ」
「うんにゃ、毒電波を感じ取ったからだよ。ほら、そんなに元気ならグラウンドを走る。あと、私をたん付けで呼んでいいのはお母さんとフェイトとレヴィとディアーチェにフローリアン姉妹にユーリに・・・。あれ、意外と多い?」
指折りで数えている間に一往復し始めた左手を見てアリシアは思い直したが、未だにぶつくさ言う男子生徒の尻を蹴っ飛ばしてランニングしている集団に合流させる。
あのエヴァVSコクボウガーVSガンレオンの模擬戦から一週間が過ぎる頃。
アリシアはすっかり学校の教諭として受け入れられていた。
そんな学校に打ち解けたからこそ、先程の男子生徒の言い分もわからないでもない。
フェイトは可愛いのだ。
セカンド・インパクトという世界的災害の後、日本は年中常夏と言う異常気象の世界になった地球。そんな世界にフェイトのように肌が白い人物はそうそういない。
なにせ、あの混じりっ気のない金髪。
アイドル顔負けの可愛さ。
モデルも裸足で逃げ出しそうな中学生とは思えないスタイル。
「ハァハァ・・・。フェイトたん萌え〜」
「おい、そこの変質者」
先程自分が言った言葉がそのまま帰って生きたアリシアははっとして声をかけられた方を見るとそこには呆れた顔をした体操服をつけたアリサがいた。
「ナイスブルマ!」
「なにあほな事を言っているか・・・」
その体操服から伸びるフェイトとはまた違った白い肌に親指を立てるアリシアの頭部にチョップするアリサ。
「だいたい、あんたとフェイトって似ているじゃない」
「そんな世界で二番目に可愛いだなんて照れるよ〜」
一番はもちろんフェイト。自分は二番目。
まあ、確かに二十歳前後の女性としてはアリシアは可愛い部類に入るだろう。
クラス委員長として、なにより、フェイトの友人として彼女にそれなりに忠告をしなければならないだろう。
「そんなにフェイトを見たいならお昼ご飯くらいに会いに行けばいいじゃない」
「いや、そうしたいのはやまやまなんだけどね・・・」
なんと話しかけていいか分からない。
この世界のフェイトとアリシアは違う並行世界の住人同士。言ってみれば、他人なのだが、プレシアとアリシア。この二人はフェイトにとっては切っても切れない名前だ。
アリシアとプレシアを見るフェイトの目からも躊躇い、疑惑といった感情が目に見える。
その怯えにも見える表情をするフェイトにどう接していけばいいか分からない。だが、彼女が好きなのは事実。
「たから草葉の陰からハァハァするしかないじゃないっ」
「いや、逆ギレしなくてもいいでしょ」
やや興奮気味のアリシアに再度チョップを入れるアリサ。
フェイトを気遣っての事だろうから強くも言えないが何も言わない訳にもいかない。
「別にフェイトに悪い事をしようなんて考えていないんでしょ?私も間を取り持ってあげるから授業の監修に戻りなさい」
先生より先生をしているアリサにアリシアは胸キュンさせた。
「・・・ツンデレお姉様」
「どれに突っ込みを入れればいいのかしら?」
とりあえず、べしべしとアリシアの頭部にチョップをかますアリサだった。
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