公式SS改造で蜻蛉切さん小説。 |
「自分には、形は直穂で違うが、模様、作者も同じものがいる」
爪、突き刺さり。
肌、引き裂かれ。
流れる赤い血、ひとすじ。
傷、刻む。
傷を、つける。
傷物にする。
主殿が、見つめている。
貼りついた厭らしい笑み。
嬲るように睨め回す視線。
それでいて清んだ瞳は、こちらを見透かすようで。
――不愉快だな
それがあいつに対する最初の、
そして今も変わらない印象だ。
サン・ジェルマン伯爵というらしい。
俺たち刀剣と想いを通わせ、心を目覚めさせ、肉の器を与える者。
『不老不死の超人』『不老不死の秘術を知る錬金術師』『時空を旅するタイムトラベラー』
などの異名を持つ。
彼は俺たちに云う。
斬れ、と。
斬れ。斬れ。斬れ。
敵を斬れ。斬って、殺せ。
それはそれは、嬉しそうにいう。
大義名分は、すべておれにあるのだと。
闘争の限りを尽くして血に酔うのも。
綺麗どころを集めて淫に耽るのも。
こいつは人間の屑だ。
こいつは純粋に蹂躙することを愛している。
傷つけ、穢すことを愛している。
もしかしたら、その逆も。
犯して、踏みにじる。
心も、肉も。
人の心を持つならば。
肉の器を持つならば。
焦がれ、欲し、妬み、狂う。
それなくして何がひとのかたちか、とあいつは嗤う。
――だが、その逝き着く果ては、鬼、だろう。
精一杯の悪意を込めて、自分はいう。
言の葉を刃として、歯を立てる。
するとあいつは、きょとんと、あどけない顔で惚けて。
やがて、やはり、ひどく嬉しそうな笑顔で、こう告げるのだ。
――その時は、お前が羽を休めた蜻蛉を斬るように鬼(おれ)を斬ってくれるのだろう?
……自分は。
怒るよりも、ただ呆れてしまい。
だから、ただ、こう言い返すだけなのだ。
「……侍は首取らずとも不手柄なりとも、事の難に臨みて退かず。
主君と枕を並べて討死を遂げ、忠節を守るを指して侍という
侍に主君への手打ちを期待してどうするおつもりか」
廻り廻りて 輪廻を離れぬ
我何ぞ人の力を借りて
以て武功を立てんや
説明 | ||
にっかりで、というのもあったんですが 公開中だし、正宗なのに書いてもらえなくてかまいそうなので書いてみました。今回2回目なので歴史ネタを書きこんでかなり改造しました。 なんかコピぺBOTSSみたいな扱いでジン、すまん。 あ、元ネタはこれです>http://togetter.com/li/778750 |
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