真・恋姫無双 オリジナル 第四章だよ〜
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拓也は戸惑っていた。突然の華雄の質問に……その、内容に…

 

「………っ」

 

何も答えられずに居た。話す事もごまかす事も出来ずに……

彼女たちの疑問は当然だった。

拓也は気を失う前に力を使った。だがこの世界では、拓也の力を解明する技術が無いのだ。

何故あの男達が突然命を落としたのか、それは拓也が言わなければ決して解明されないのが事実であった。

 

「(どうしよう……、力を使ったんだ、やっぱりあの時傍にいた人たちは……)」

 

何も答えない拓也を見て華雄は更に声を上げた。

 

「どうした!!なにも、答えられんか!!どうやってあの者たちをこr『ドスッ!!』ゴフッ!!」

 

霞が華雄を殴った。

 

「ゆ…月!向こうへ行こう??ね??挨拶も出来たし、後は私達がやっとくから、ね??」

 

「え、詠ちゃん??どうしたのっ??まだ、お話してるのに」

 

「いいから、いいから、行こう月」

 

詠が月の手を引いて部屋から出て行った。

その時、華雄も立ち上がり、霞に怒鳴る。

 

「張遼!!何をする!!」

 

「ドアホッ!!月の前で何の話しとんねん!!」

 

華雄の声より大きな声で言い返す。

 

「か…賈駆が、その事について分からんと言ったから本人に聞こうと…」

 

華雄が理由を話すが、霞は呆れてため息を漏らした。

 

「はぁぁ、……この際やし聞いとくは、どないしてあいつ等やったんや??」

 

「…………」

 

霞は拓也に向き直り質問しなおしたが、拓也は黙り込んだままだった。

 

「(……僕が話さなければ、誰も分からないままだ。…………でも)」

 

拓也の頭の中には、昔…先生と話した事が蘇ってきた。

 

 

_回想_

 

「拓也」

 

「なに?先生」

 

そこは、とても小さな針灸医の家で、その中の診察室の中で二人は話していた。

 

「いつか君にも、全てを話せる人が出来るといいね…」

 

先生は優しく僕に笑いかけてくれた……だが僕は……

 

「!!……いらない!!そんなのっ、いらない!!信用なんて出来ない!!

皆、僕を憎んでる!!僕を見て、脅えてる!!気味悪がってる!!」

 

拓也は声を張り上げ、先生に向かって大声で叫んだ。

 

「そんな人たちの中でなんて、無理だよ…、もしこの力がなくなっても僕は誰かを殺してるんだ…、

『僕』を見てくれる人なんていない」

 

「でも、見て欲しいんだろう??優しさが欲しいんだろう??……今は、見つからないかもしれない、でも!!

いつか、君の話を、言葉を、受け入れてくれる人が見つかるよ、絶対だ、そして君が話す事もまた……前に進む事の一つだよ」

 

_回想終了_

 

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「(先生……それが『今』なのかな……この子たちが?…先生以外で優しいと感じたこの子たちが……)」

 

拓也が考えを纏めてる時に霞から声を掛けられた。

 

「やっぱり、話せへんか??」

 

「………何時までも、立ち止まってたら……先生に笑われるよね……」

 

「ん??何??」

 

霞には、拓也の呟いた言葉の意味が分からなかった。

 

「ううん、なんでもない、話すよ……全部」

 

「え??あ…ああ、うん」

 

「出来れば、他言無用にして欲しい」

 

拓也がそう言うと全員(月、詠以外)が座り話を聞く体制をとった。

 

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_過去のお話_

 

あれは、僕が七歳の頃、何時もどうりに学校へ行き、友達と遊んでいた時の事だった。

些細な事で友達と取っ組み合いの喧嘩になった。その時に僕は思ったんだ。

 

―――――お前なんて、消えちゃえ―――――

 

そう……思った時だった。突然、友達は胸を押さえて苦しみだし、数秒後その場に倒れ動かなくなった。

僕はまだ、自覚も無く、倒れた友達に近づき何度も声を掛けたが……動かない……

 

僕は怖くなって近くに居た大人に助けを求め、そのまま病院に行ったが、その友達は当に亡くなっていた。

医師達も警察達も理由は分からず、僕は何度も取り調べを受けていた。

 

考えられる原因である僕は、現代最新医学の機材が置いてある場所で何度も、検査や調査と言った実験を行われていた。

同じように喧嘩をさせられたり、体に薬を投与させられたり、実験は様々だった。

それから原因が分かったのは10ヶ月後だった。

 

僕は自分の持つ高密度の氣のような者で相手を包み、相手の体の全機能を停止させる……そう言うものだった。

そして僕の危険性を知った医師や警官達は国に報告し、国は世界に告発した。

そして世界が僕に下した結果は、死刑または終身刑……用は危険なので飼い殺しにしようとの事だった。

 

僕はそれを聞かされ、怖くなりそこから逃げ出した……

僕は逃げ出し色んな所へ逃げたが……名も、顔も公表されている…何処に行っても、回りの人たちは離れていった。

 

そして世界は、僕を殺す事を罪にしないと…その上賞金を出すと公表した。

その額はとんでもない物で、行く先々で僕は命を狙われる者となった。

 

そして僕は逃げ出して向かった先は一つだった。

楽しい思い出のある家に僕は向かった。

母さんなら……父さんなら、助けてくれる!!そんな子供の考えだった……僕は、甘かった…

 

夕方、もう日は沈みかけている時に家に着いた。

そして、中に入り僕は母さんに助けを求めた。

 

「母さん!!助けて!!皆が僕をっ!!――――――っ!!」

 

家に入り助けを求め、リビングに入った。

そこには、母さんが驚いた表情で僕を見ていた。

 

「どうして、……拓也が??…此処に……いるの…??」

 

「えっ??に、逃げてきたんだ!!皆!怖くて!」

 

僕は一度俯いたが、直ぐに顔を上げた………

だがそこには、母さんの……まるで、死んでいる者を見るような瞳で僕を見ていた。

 

「か、母さん??」

 

僕が母さんを呼ぶと表情は戻り、前に見ていた母さんのようだった。

その日、僕は家で休む事にし、久しく自分の部屋に入る。

 

「今日はもう疲れたでしょう??ゆっくり休みなさい」

 

「ありがとう、母さん」

 

僕は部屋に入り、ベットに倒れこんだ。

―――――そして、深夜――――――

 

僕は布団に顔を埋めながら眠れずに居た。

夕方に見た、母さんのあの目が忘れられずに……

 

そんな時、僕の部屋の扉が開き、誰かが入ってきた。

 

「………拓也……」

 

母さんの声だ………

僕は少し安心してしまって居た―――――だが、次に放たれる言葉を聞き僕は――――――

 

「…拓也…どうして……戻ってきたの……どうして………生まれてきたの……」

 

「(――――――っ!!??)」

 

え?母さん?今……なんて??…どうして…生まれてきた??

 

「貴方の所為で……、貴方を…産んでしまったせいで所為で…私は……」

 

そん…な…、母さん……僕は……

 

「せめて、産んでしまった私の手で………………殺してあげる」

 

僕は怖くなり、布団から起き上がる。

すると、数秒前まで僕の頭があった所に包丁が突き刺さる。

 

「か、かあ……さん…??」

 

「貴方……起きていたの??しょうがない子……大丈夫…直に痛くなくなるから……」

 

母さんは包丁を抜き、腕を振り上げて、包丁を振り下ろす。

僕は、窓を突き破り外に出た。幸い僕の部屋は一階で、突き破った勢いで走り出した。

 

僕は足を止め、後を振り向くと、母さんがそのまま追いかけてきている。

周りは真っ暗で月の光だけがその場の明りだった。

 

「母さん!!どう…して…!!」

 

「貴方がいけないの!!貴方が生まれたから!!………だから!!私の汚名を晴らすには、

私自身の手で貴方を殺す他はないの!!これ以上私に恥をかかせないで!!!」

 

僕は、ショックだった。

母さんだけは……僕を守ってくれると思ったから…………

 

「僕の……存在は…恥?………」

 

僕の呟きは母さんには聞こえず、僕は再び走り出した。

 

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――――世界の敵――――

 

「嫌だ……」

 

――――赦されない存在――――

 

「……違う」

 

――――世界の異物――――

 

「違う!!『俺は』!!」

 

走り続ける俺に追い付けず、叫びながら走ってくる母さん。

その姿は最早、親の姿ではない…………

 

「貴方を生んだ所為で私の人生は滅茶苦茶よ!!アンタなんか…」

 

もう、振り向かない……

ただひたすらに、走った。

 

「…死んでしまいなさい!!!!!!」

 

・・

・・・

・・・・

 

『あの女』と別れてから、約9年。

俺は、17歳になる年だった。

あれから、俺は色々な事を犯した。

殺人や窃盗、生きる為になら何でもした。

 

だが、その年の夏、変化は訪れた。

何時もは場所を転々としてきたが、病気にかかってしまった。

何時もなら近くの店に入り盗むのだが、生憎この付近は店が無く在るのは小さな針灸医だった。

病院なら薬の1つも有るのだろうが、俺には針灸医の事を良く知らなかった。

 

「ここに薬が有るかは知らないけど入ってみるか」

 

俺は中に入り辺りを見回した。

そこには………………

 

「ん??あ………TVで見た……コホンッ!!……」

 

「お前!!今すぐ薬を寄越せ!!通報でもしてみろ、その前に殺すからな!!!!」

 

そこには、白衣の若い男が居た。

 

「悪いね、此処には薬は置いてないんだ。消毒液くらいなら有るんだけど………

病気?どういう症状だい??良かったら見せてくれないか??」

 

「………嫌だ…、本当に薬は無いのか?…」

 

「うん、なんなら一緒に探すかい?と言うより、診察室を見たほうが早い。こっちだ」

 

第一印象は変なヤツ、だった。

俺の事知らない奴なんていない。それなのにコイツ、なんでこんなに普通に………

 

「此処が診察室だ……………どう??何にも無いだろう??どうにも儲からなくてね、こんな場所だから人も来ないんだ」

 

そこには、木で出来た机と寝台と針が置いてあると思う引き出しだけだった。

 

「…………」

 

「君の事は知っているよ……」

 

やっぱりコイツも………

 

「災難だったね。その力の所為で随分と苦労したんだろう??」

 

は??なにを言ってるんだ??この男は…

 

「アンタは怖くないのか無いのか?俺だってその気になれば、何時だってアンタを殺せるんだぞ!!」

 

「でも、君は殺しをしたい訳じゃないだろう??君の力が働いたのは9年も前の話だ。

それに、君はもう制御の仕方を分かってるじゃないか。」

 

「したくなくても!!襲って来るなら、殺すしかないじゃないか!!!!」

 

俺は泣きそうになっていた。いままでは誰も近づいては来ない。

でもコイツは、少しでも、ほんの少しだけだけど、『俺を』理解してくれていた。

 

「9年間……よく一人で生きてきたな………偉かったな」

 

「――っ!!??」

 

何でこの人は……僕を拒まない…

危険な存在なのに、怖いはずなのになんで………

 

「…………なぁ、行くところが無いなら、此処で暮らすか??」

 

「――っは!?な、何…言ってんだよ……」

 

「幸い此処には俺だけしか住んでない、人通りも大分少ない。それに、病気なら治してやれる。

これが一番の目的なんだが、君が普通に暮らせる場所を作ってあげたい」

 

「だから!!なんでそこまですんだよ!!他人の事なんてほっとけばいいのに……」

 

僕がそう言うと、彼は笑って答えた。

 

「生まれたからには、君は全ての感情を知る権利がある。怒り、哀しみ、喜び、憎しみ、楽しみ。

だから君は、絶望を知り、幸福になれ。」

 

…………………訳が分からない……なんで?……

 

「何でそこまでするんだ??」

 

「不平等ってのが嫌いなだけさ、俺は」

 

…たったそれだけの理由で??僕を庇うのか?………

 

「………フフッ、変な奴………」

 

ホント、変な奴………

笑ったのは何年ぶりだろう………でも、良い気分だ……嬉しい。

 

「そうと決まれば、先ずは君の症状を見せてもらおうかな??病気なんだろ??」

 

「うん……」

 

それから、その人に見てもらい針を打ってもらったら、凄く楽になった。

その人の名前は「本田 琥珀」と言うらしい、僕は先生と呼ぶ事にした。

それからの日々は今までとは違い、とても楽しく、とても……幸せだった。

 

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それから2年たった時、この辺りが騒がしくなり。

先生が話を聞いて、慌てて返ってきた。

 

「拓也!!」

 

「どうしたの??先生??」

 

「君の足取りを追って国の連中が此処まで着たんだ!!」

 

僕は、その時ある事を考えていた。

 

「(やっぱり…此処まで来たんだ、先生には悪いけどそろそろ不味いよね)」

 

僕は考えをまとめて、先生に話を切り出した。

 

「先生」

 

「ん??どうした??拓也」

 

「僕は、此処から出て行くよ……」

 

僕の言葉に驚き、先生は「どうしてだ??」と疑問をぶつけてきた。

 

「僕を匿っている事がばれれば先生にも危害が及ぶ、それにもう十分、幸せだったから……僕は、もっと強くなれるよ」

 

「もう……決めたのか?」

 

「うん……ごめん…先生…有難う」

 

僕は裏口から出て、出来るだけ遠くに逃げた。

先生から離れるように…………

 

それから数日が経った時、僕の体に異変が起こった。

突如、体が光に包まれ、その途中で意識を失う……

 

・・

・・・

・・・・

 

「そして、気付けば此処の近くの荒野に倒れていた。……これが僕の過去、そして僕の力……」

 

ようやく話し終ったが、僕は俯いていて、前を向いていない……皆の顔を見るのが怖くて………………………。

 

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あとがきです。

 

今回のお話はどうでしたか??

 

予告:拓也は生きる為に会得した『無手』で賊との戦闘に赴く。

「僕の力が守るために使えるのなら……」

 

と言う事で、次回!!

ではでは〜〜〜〜〜〜

説明
長かった…
お待たせしました。とりあえずしんどかったですwww
今回の感想も期待しています。
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コメント
続き頼んます!(ポンチキ)
続き楽しみにして待つのではやめに出してくださいね(jun)
先生に会ってなかったら拓也の精神は壊れていたかもしれない。(ブックマン)
ああ、先生カッコいい・・・・いや、そんな言葉では言い表せられないね。  これを例えられる言葉なんかないのかもしれないね。 続きが愉しみです^^(Poussiere)
続きを楽しみに待っています^^(南風)
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