真・天の御遣い帰還する #2 |
一刀の想いによって、この世界に来てしまっているであろう他の面々を探す為に、一刀たちは四組に分かれた。
それぞれが探す場所を決め、女子寮を後にした。
簡単に見つかるとは思っていないが、漠然と近くに居るのではとみんな思っていた。
そのせいか、それぞれの不安や焦りの表情はなく、笑顔で出発していった。
そんな四組の中の一人、桃香と星は女子寮近くの公園に来ていた。
ここは、学園の敷地内ではあるのだが、膨大な広さを誇っており一部が一般に開放されていた。
夏休みという事もあってか、公園内では子供たちが元気よく走り回り、キャッチボールなどで遊ぶ姿も見られた。
その平和そうな情景に、二人とも心が温かくなっていくのを感じた。
そして、誰に言うともなく桃香がしみじみと言った。
「ここは……、本当に平和なんだねぇ」
「全く……。 平和だからこその情景といえるでしょう」
桃香の言葉に、星は肯定した。
そのように適当に会話しながら見知った顔がないかと、二人は公園内を見回っていた。
しばらくして、二人の耳に聞き慣れた声が聞こえてきた。
「おーほっほっほっほっ……」
その高笑いに二人は顔を見合わせると、急いでその声のした方向へ走っていった。
そこには、木陰にあるベンチに座りながら、なにやら声を上げている見慣れた姿があった。
二人はその姿に近づき、桃香が声をかけた。
「麗羽さん!!」
麗羽と呼ばれたその人物が振り向いた。
それは、ものすごい存在感のある髪型とスタイルをした袁紹こと麗羽であった。
「あら!! 桃香さんと星さんではありませんか!! ごきげんよう」
簡単な挨拶を済ませると、麗羽はまた同じ方向へむき直し、また声を上げ始めた。
どうも、目の前で走り回っている子供たちに興味があるようだ。
実はその中に、二人も見知った人物が居たのだが、この時には気付いていなかった。
星は、麗羽が自分たちの方向を向いていない事を確認して言った。
「ごきげんようとは……、相変わらず脳天気な方だな」
小さな声で言ったはずだが、麗羽の地獄耳には入ってしまったようだ。
「ちょっと!! 誰が脳天気ですって!?」
さすがの星もこれには面食らってしまった。
だが、星とてあの乱世を生き残った武人。
この程度では、動じなかった。
「いや、いい天気だと言ったのだ」
「本当にいい天気ですわね」
星の言葉を信じたのか、それを聞き麗羽は空を見上げた。
雲一つ無い、まさに快晴という青空がそこには広がっていた。
(単純な人で良かった……)
星は、そんな青空を一緒に見上げて、内心胸をほっとなで下ろした。
そんな二人のやりとりを見ていた桃香は、本題に移るべく麗羽に話しかけた。
「ところで、麗羽さんは何をしていたんですか?」
「わたくしは、あれを見ていたのですわ」
そう言って麗羽が指さした先は、やはり先ほど思っていたとおり目の前を走り回る子供たちだった。
前には気付かなかったが、子供たちは単純に走り回っているのではなく、ボールを蹴り合っていた。
「あれって何しているのかな?」
行動としては単純ではあるが、見慣れない事だったので桃香が疑問の声を上げた。
その回答は、意外な所から出た。
「あれは、さっかーとかいう競技のようですわ」
麗羽である。
人にものを教えるという事の対局にいるような人物に教わった事で、星は何とも言えない感覚になった。
「さっかー……」
「よく分からないけど、なんだか楽しそうだね♪」
桃香は、名称など関係ないとばかりに、単純な感想を述べた。
その桃香の言葉を聞き、星も楽しそうな感情がわいてきた。
そんな子供たちの様子を、二人はただ単純に見続けた。
とその中で、一際体が大きい見知った人物が居る事に気付いた。
「こっちにも蹴ってくれー!!」
「もう待ってよー!!」
袁紹軍の二枚看板と名高い、文醜こと猪々子、顔良こと斗詩の二人である。
その二人が、子供たちに混じってサッカーを行っていた。
意外と重労働なのだろうか。
走り回ってばかりで、その二人の元にはなかなかボールが来ていなかった。
だが、その顔には笑顔があふれまた戦場とは違う気迫にあふれていた。
そんな様子を見て、武人の血が騒ぎ始めたのか、星も動きたくてうずうずし出した。
桃香も熱くなり始める。
しかし、麗羽は声を上げるばかりで動こうとしない。
そんな麗羽に、桃香が言った。
「麗羽さんは、一緒にやらないんですか?」
「華麗で優雅なわたくしが、あんな泥臭い事するはずありませんわ」
さも当たり前のように、麗羽は言った。
確かに猪々子も斗詩も、服が泥を浴びたように汚れていた。
普段なら立場という事もあり服の汚れなど気にする桃香と星ではあったが、今はあの中に混ざりたいという気持ちになっていた。
一刀が居た世界という事もあったのだろう。
「おい!! 私も加えてくれー!!」
「あっ、私もー!!」
二人とも我慢しきれずに、グラウンドに乱入した。
二人の突然の登場に、サッカーをしていた子供たちはその動きを止めて驚いた。
もちろん、猪々子と斗詩の二人もである。
「あれ? 桃香と星?」
「本当だ!! 二人ともどうして?」
「それはね……」
桃香は簡単にだが二人に状況を説明した。
といっても、一刀の世界に来たとかそういったことではなく、サッカーを見ていて自分たちもやりたくなったという事を説明した。
星は、それをただそうかとも思ったが、あえてそのままにしておいた。
「そういう事かー!! じゃあ、一緒にやろう!!」
「そうですね」
子供たちからも特に異論は出なかったが、すぐには再開しなかった。
今まで行っていた事を一旦終了させ、新しい参加者をチーム分けしてルールを教えた。
さらに簡単だったが、十分程度休憩を行ってまた試合を始めた。
練習を兼ねた試合という事で、時間は三十分程度にした。
その試合結果は……、意外な事に桃香の参加したチームの勝利だった。
桃香の対戦相手は、走り回るたびに揺れる桃香の胸にばかり注目してしまいいつもの動きが出来なかった。
その腑抜けっぷりに、猪々子は怒った。
(私だってなかなかのモノなのになぁ)
星と斗詩の二人は自分の胸を見ながら、ちょっとしたライバル心を燃やしていた。
サッカーの試合を終え、いい汗をかいたと四人で麗羽の待つベンチへと戻った。
そこには小さな寝息を立てた麗羽の姿があった。
(そういえば、途中から声が聞こえなかったなぁ)
猪々子はそんな事を思いながら、麗羽の体を揺すった。
「麗羽様ー、起きてくださいよー」
「うーん……」
何度か体を揺らして、麗羽は目を覚ました。
「あら、もう終わりましたの?」
麗羽のいつもの調子に、サッカーのではない疲れを感じながら猪々子と斗詩が言った。
「もうじゃないですよ、寝ていたくせに」
「本当ですよ」
「だって、退屈でしたもの」
さも当然というような口調で、麗羽が言った。
そして、大きなあくびをした。
そんな麗羽に呆れながらも、桃香はたしなめるように言った。
「それなら、麗羽さんも参加すれば良かったじゃないですか」
「先ほども言いましてよ。 華麗で優雅なわたくしがそんな泥臭くなるような事するはずありませんわ」
麗羽はそう言って、いつもの高笑いをした。
その様子を見て、桃香は言わなければよかったなと、ちょっと後悔していた。
そんな桃香の様子を見て、斗詩は話を変えようと先ほどから思っていた事を話し出した。
「そういえば、お二人はなぜここに?」
「あっ……」
斗詩の言葉に、大事な事を言っていない事に桃香は気付いた。
桃香は星の方を見てうなずき合った後、改めて三人に言った。
「それはね……」
桃香は、今までの事を三人に説明した。
その話を聞き、驚く三人もとい一人。
「へえ、ここはあのアニキが住んでいた世界なんだ」
「成都にしては暑いと思いましたわ」
「麗羽様に文ちゃん……」
二人の脳天気な反応に、斗詩は呆れながら言った。
(やはり脳天気だな)
星は、今度は口に出さず心の中で思った。
そして、気持ちの切り替えて三人に話し出した。
「主……、ではなかったな、一刀殿が会いたがっておられる。 一緒に来ないか?」
一刀は明確に会いたいと言っているわけではないが、こういう言い方をしなければ猪々子や斗詩はともかく麗羽は動かないだろう。
桃香もそれに追い打ちをかけるように言った。
「そうだよ。 一刀さんたちが待っている場所はここよりも涼しくて気持ちいいよ」
屋外は、日陰でもうんざりするくらいに暑くなってきている。
しかも、桃香たちは体を動かして余計に暑い。
着替えたいというのもあったが、早く涼しい場所に行きたいというのが本音だった。
そんな桃香の気持ちを知ってか知らずか、麗羽はそんな桃香に頷くと言った。
「一刀さんがこのわたくしに会いたがっているのであれば、行かないわけにはいかないわね」
桃香の涼しいという言葉が決め手になったようだ。
麗羽はベンチから立ち上がると、猪々子と斗詩に向かっていった。
「猪々子さん、斗詩さん、行きますわよ」
「はい!! 麗羽様!!」
「……」
猪々子は麗羽の言葉に強く返事したが、斗詩はまだ二人の様子に呆れたまま戻ってきていなかった。
「斗詩さん、返事がないですわよ!!」
「……はーい」
麗羽への呆れ具合は戻っていないが、斗詩はそのままの気持ちで麗羽に答えた。
「よかった。 そうしたら案内するね」
桃香は三人を女子寮へと案内するべく、歩き始めた。
「わたくしにふさわしくない場所だったら、承知しませんわよ」
「そんなことはないよ」
「そうだな、その辺りは安心なされよ」
麗羽の言葉に、桃香と星が答える。
「そうなのかー。 斗詩、楽しみだな!!」
「そうだね、文ちゃん!!」
凄く嬉しそうな猪々子の言葉に、ようやく元に戻った感じのある斗詩が答えた。
ずいぶんと賑やかな雰囲気をさせながら、五人は女子寮へと向かっていった。
桃香たちとちょうど反対方向に向かって進む二つの影があった。
「さー♪ みんなを探すぞ♪ 頑張るぞ♪」
「……(////)」
へんちくりんな歌を歌っているのが鈴々。
その後ろで、恥ずかしながら顔をうつむきながら歩いているのが朱里。
この二人は桃香たちとは反対側の、公園の中でも芝生による広場や簡単な遊歩道が整備されている側に来ていた。
この辺りも一般人に開放されており、所々にはその人たちを対象にした露店が立っていた。
「り……鈴々ちゃん、恥ずかしいから歌はやめようよー」
朱里は恥ずかしさのあまり、鈴々にそう提案する。
そんな朱里に、鈴々は不思議そうな表情をしながら言った。
「なんでなのだ? 歌った方が楽しいのだ!! 朱里も一緒に歌おうなのだ!!」
あろう事か、鈴々は恥ずかしがっている朱里に歌う事を強要した。
その言葉に、朱里は恥ずかしさ倍増といった感じで、先ほどよりも顔をうつむいてしまった。
そんなやりとりをしながら、特にこれといった事は得られないまま歩いていた二人だったが、鈴々が鼻をヒクヒクさせながら立ち止まった。
うつむいていた為か、朱里はそんな鈴々にぶつかってしまった。
「あっ、ごめん鈴々ちゃん」
「別にいいのだ。 それよりもいい匂いがするのだ。 ……あっちなのだー!!」
「ちょっと、待ってよー!!」
食べ物の匂いを感じ取り、鈴々はその方向へと走っていった。
突然走り出した鈴々に置いていかれないようにと、朱里も自分の限界いっぱいにまで走り出した。
しばらくして、朱里は鈴々に追いついた。
肩で息をしながら、整えるのが精一杯だった。
鈴々が見ていたのは、たいやきの屋台。
鈴々は、目の前で焼かれる見慣れない食べ物に興味津々だった。
「お嬢ちゃんたち、たいやきを食べるかい?」
「たいやき?」
「なんだ、たいやきを知らないのか? これだよ」
そう言って、店員のおじさんは焼き終えたたいやきを一つ、鈴々に手渡した。
「おっちゃん、これくれるのか?」
「そんな物欲しそうに見られちゃな。 さあ、そっちのお嬢さんにも一つ」
そう言って、もう一つのたいやきを朱里に渡した。
「ありがとうございます……」
息も絶え絶えな朱里は、このお礼の言葉を言うのが精一杯だった。
「まあ本当は一個百円なんだが、今日はサービスな」
「おー、ありがとうなのだ!! 朱里、あっちに行こう!!」
そう言って、鈴々は首里の手を取ってまた走り出した。
「鈴々ちゃーん!! 私はもう走れないよー!!」
そう言いながら、鈴々に引きずられるようにしながらも、朱里は何とか鈴々に追いついていた。
正直、サービスという言葉の意味は分からなかったが、もらえた物だと二人は判断した。
しばらくして、鈴々はちょっと離れたベンチに腰掛けた。
その横に朱里も腰掛ける。
そうして、先ほど受け取ったたいやきを二人仲良くほおばった。
まんじゅうとは違うちょっと硬めの生地に、中のあんこがほどよくマッチしていて美味しかった。
案の定、鈴々はあっという間に食べきってしまい、まだ食べている朱里のを物欲しそうに眺めた。
その視線に気付いた朱里は、一度大きなため息をついて言った。
「鈴々ちゃん、半分あげるよ。 私今はそんなにお腹空いていないから」
そう言って、自分のたいやきを手で割って、鈴々に手渡した。
「朱里、ありがとうなのだ!!」
鈴々は、その受け取ったたいやきもすぐにぺろりと平らげた。
そんな鈴々の姿を見た朱里からは笑い声が上がった。
こうして、二人のまったりとした時間が過ぎていった。
たいやきを食べ終わった二人は、しばらくそのベンチに腰掛けていた。
木陰になっているとはいえ夏の陽気は厳しかったが、時より吹く風が涼しくとても心地よかった。
そんな感じでちょっと遠くを眺めていたが、鈴々が人だかりを見つけた。
「あれは何なのだ?」
その言葉に、朱里は鈴々の見ていた方を見る。
「何かは分からないけど、人がたくさん居るね」
「朱里、ちょっと行ってみようなのだ!!」
言うやいなや、鈴々はベンチから立ち上がると人だかりの方へ走り出した。
「鈴々ちゃーん!! 待ってよー!!」
こうしてまた朱里は、鈴々を追いかける為に走る羽目になってしまった。
多くの人たちが、何かを見る為に集まっているようだった。
人だかりの中心では、二人の少女がなにやら話をしていた。
「なぁ、なんでこんな格好をしないといけないんだ?」
「この違いが、面白いんだよ」
二人ともフリフリのドレスを着ていたが、一人は恥ずかしがっていて、しきりにスカートの裾を手で押さえていた。
もう一人はその格好に慣れているのか、手を前に組みながら仁王立ちしていた。
そんな二人は、はっきり言って美少女だった。
そのフリフリのドレスも、正直言って似合いすぎていてめまいを起こすほどだった。
なので、彼女たちを取り込んでいる人だかりは主に男性であった。
(そろそろ頃合いね)
仁王立ちしていた子が、周りを見渡しながら言った。
「さて、ご観衆の皆様。 こちらの少女は、こんな可憐な姿に似合わず武術の達人です。 今からその妙技をお見せします」
まるで何かの司会者のようだった。
そんな言葉に、取り囲んでいる観衆から拍手がわき上がった。
(何でこんな事に……)
恥ずかしがっていた子は、嫌そうな顔を一度したかと思うと、仕方なしとばかりにすぐにりんとした顔になると武術の型を披露した。
その整った姿に、見ていた者達は思わず息をのむ。
ただ、足を上げるたびにめくれそうになるスカートに歓声が上がった。
しばらくしてその子が型を終了させ周りを見ると、その視線がどこに集中しているのかわかり真っ赤になる。
そして、恥ずかしさのあまり暴れようとするが、もう一人に抑えられた。
その子は、暴れそうな子を抑えながら観衆に訴える。
「私たちはここまで旅を続けてきましたが、路銀が尽きてしまいました。 この子の妙技が素晴らしいとお思いなら是非お恵みを下さい」
そう言って、物欲しそうな表情で手を差し出す。
そんな手を出しながら、肘でもう一人の子を突く。
「ほら、お姉様も」
小声で、武術を披露した子に催促する。
そんな催促に恥ずかしそうな顔をしながら、もう一人の子も手を差し出した。
「お……お願いします……」
この恥ずかしそうな姿が決め手となったようだ。
見ていた観衆から、それほど多くはなかったがお金が差し出された。
「ありがとう!!」
お金を受け取るたびに、司会者役の子が満面の笑みでお礼を言っていた。
「あ……ありがとう……」
もう一人の子も、ぎこちない笑顔で、お金を置いていく人たちにお礼を言っていた。
一方、お金を渡した観衆たちではあるが、まだ何かあるのではと期待を込めてその場に留まっていた。
しかし、お礼の後に発せられるもう帰れよ光線に、渋々その場を離れていった。
もう殆ど居なくなっただろうと油断して、二人は少し大きめのため息をつく。
「「ふう……」」
しかし、そんな二人を目ざとく確認した者たちが居た。
「翠に蒲公英、何をしているのだ?」
「翠さんに、たんぽぽちゃん……」
そう、大勢の観衆の後ろの方で二人の事を見ていた鈴々と朱里であった。
その姿を確認して、翠の表情が、恥ずかしさよりも気まずそうな表情に変わった。
蒲公英は、その姿を確認すると、先ほどお金をもらった時よりも満面の笑顔になった。
「げっ!? 鈴々に朱里……」
「鈴々ちゃんに朱里……。 よかったー!!」
二人の姿をみとめた際の反応は、完全に真逆だった。
翠は、気まずそうに俯きかげんになったが、蒲公英は嬉しさのあまり鈴々に抱きついた。
「蒲公英、痛いのだ!!」
「あっ、ごめんね」
鈴々の訴えに、蒲公英は体を離した。
ただ蒲公英の気持ちは分かるので、鈴々はそこまで大げさな抗議をあげる事はなかった。
朱里はそんな二人の姿を見ながら、翠を含めて出会えた事に心から喜んだ。
翠もしばらくしてから、鈴々と朱里に出会えた事を喜んだ。
「それで、お二人はどうされていたのですか?」
ひとしきりの再会の喜びを分かち合ったあと、朱里が切り出した。
その言葉に、翠と蒲公英は顔を見合うと蒲公英が話し出した。
「それがね……」
数日前に、気が付くとこの公園のそばにいた。
手持ちは、今着ている一刀よりもらったフリフリのドレスと、少しのお金だけであった。
当初は当てもなく歩いていたのだったが、言葉が通じても文字は読めず、持っていたお金は役に立たなかった。
現状を鑑みて二人が出した結論が、何をするにもまずは軍資金が必要だろうと、先ほどのような曲芸まがいの事をしていたという事だった。
「本当は、手っ取り早く女を武器にしてお金を稼ぎたかったんだけどねぇ」
蒲公英は最後にそんな言葉を付け加えた。
それはまるで、小悪魔っぽい表情だった。
そんな蒲公英に、翠が顔を赤らめながら反論した。
「そ……そんな……、女を武器にって……」
その口調から、女を武器にと言うフレーズが何を指しているのか、翠には分かっているようだった。
朱里もそれにつられて、頬を赤らめる。
鈴々は何のことだから分からず、首をかしげていた。
ここはからかう所だろうとばかりに、蒲公英が翠に言った。
「もう、お姉様は初心なんだから……。 あっ、ご主人様以外はダメなんだっけ?」
翠は、そんな蒲公英のご主人様という言葉に極端に反応した。
「ご主人様って……、か……関係ないだろ」
「きゃははは……」
翠の真面目な反応に、蒲公英はいつもの笑いをこぼす。
そんな二人の様子を見ながら、朱里はあの頃を思い出しほのぼのとなってしまった。
鈴々は相変わらず何のことだから分からず、首をかしげるばかりだった。
話を変えるのが無難だろう。
そう判断して、翠は鈴々たちに話しかけた。
「と……ところで、二人はどうしていたんだ?」
「そうですね。 実は……」
説明下手な鈴々に変わり、朱里がこれまでの事を説明し始めた。
その説明を聞き、二人は驚きの表情をした。
「ご主人様の居た世界か……」
「それじゃ、たんぽぽたちの知らない言葉だったり、服装だったりするのは当たり前だよね」
二人は、納得したように頷き合った。
納得してもらったと判断し、朱里は提案を行った。
「それで、お二人とも私たちと一緒に来ませんか?」
突然の提案に、二人は訝しげな表情をした。
「来ませんかって……、何処にだよ?」
「それは、私たちの家ですよ」
朱里は、翠の質問にさも当たり前のように答えた。
「あたしたちの家……」
「たんぽぽの家もあるの?」
翠はまだ訝しい表情をしていたが、蒲公英は少しだけ表情を緩めて聞いてきた。
「あるはずなのだー!!」
正確に翠や蒲公英の家もあると決まったわけではないが、今までの流れからすればそれは確実だろう。
だからこその、鈴々の発言と言える。
その言葉を聞いて、蒲公英はまた満面の笑みを浮かべた。
「やったー!! 行こうよ、お姉様!! たんぽぽはもう野宿とか嫌だよー!!」
翠に、一緒に行く事を促した。
「翠、行こうなのだ−!!」
「さあ、翠さん」
蒲公英の言葉に呼応するように、鈴々と朱里も翠を促した。
しばらく考え込んだ翠が答えた。
「そうだな。 どうせ行く宛てもないんだ。 行こうか」
「やったー!!」
翠の決定に、蒲公英は大声で喜んだ。
「分かりました。 では、行きましょうか!!」
「さあ、行こうなのだ!!」
二人の反応を見て、鈴々と朱里は女子寮に向けて歩き出した。
そんな二人に置いていかれないよう、翠と蒲公英はその後をすぐに追いかけた。
もちろん、フリフリドレスの格好のままで。
そんな格好だから、女子寮に着いた後に、みんなからひやかされて翠は本日何度目かの真っ赤になってしまった。
女子寮を離れ、繁華街の外れ辺りを歩く二つの影があった。
一人は、美しい黒髪をなびかせて威風堂々と。
もう一人は、頭に被る帽子のつばを持ちながらおずおずと。
対照的なこの二人は、愛紗と雛里だった。
黙々と歩く二人には訳があった。
このように二人きりで何かをするという機会は今まで殆ど無く、正直何を話していいかすら分からない為であった。
だが、このままでは仲間を探そうという士気にも関わってくる。
そう思った愛紗が、思い切って話しかけた。
「雛里、それにしても暑いな」
「そうですね……」
それっきり雛里は黙ってしまう。
(会話が続かん……)
先ほどからこんな感じで、どうにも調子の出ない愛紗であった。
そんなこんなで適当に歩いていると、周りには明るい塗装のされた建物が並ぶ地区に来ていた。
今までとは明らかに違うその建物に、愛紗は驚いた。
そして、雛里に確認を促した。
「雛里、ここはどの辺りだ?」
その言葉に、雛里は持っていた地図を広げた。
ボーッと歩いているだけのように見えたがそこは名軍師、きちんと地図をチェックしていた。
「そうですね……、ここは宿泊施設がたくさんある地区のようです」
「宿泊施設……、これらがか?」
「そのようですね」
そう言って、二人は周りの建物を見渡した。
色鮮やかな塗装で一見するとそれが宿泊施設だとは判らない。
ただ、不思議な事にその建物のどれもが入り口が隠されるようになっていた。
その様子に愛紗と雛里は首をひねっていた。
そうは思いながらも誰か見知った人がいないか、その地域をうろついたが誰も見つける事ができずその場を後にした。
お気付きの方もいると思うが、ここはラブホテル街であった。
確かに宿泊施設ではあるが、その目的を聞くと愛紗も雛里も顔を真っ赤にしてしばらく話も出来なかったと言うのは後日談である。
閑話休題。
ラブホテル街を後にして、二人は再び繁華街へと戻ってきた。
表通りではそれらしい人物が見つからなかったという事で、先ほどとは違い裏道を歩く事にした。
表とは違い閑散としてはいたが、所々で店が開いており、客もまばらながら居た。
だが、目的の人物たちとは再会できないまま裏道も端にまで来てしまった。
こういった時には、早めに行動するのがいいだろう。
愛紗はそう判断し、雛里に提案した。
「この辺りには、誰も居ないのかもしれないな。 一旦戻るか?」
まだ時間には早いが、この辺にいても成果は上がりそうになかった。
そう判断して、帰宅を提案する。
「そうですね……、あっ、あれは……」
雛里はその愛紗の考えを理解し、提案を承諾しようとしたが、その視線の先に気になる二人組を見つけた。
二人組のうち、片方は腰から下げたひょうたんの中身を豪快に飲み干していた。
もう一人は、そんな相手の姿を見てオロオロとしていた。
「桔梗様。 さすがにこんなに日が高いうちからお酒はちょっと……」
「何を言うておるか、焔耶よ。 この状況じゃ、酒を飲まずして何をするか!!」
そう言って桔梗は、腰から下げているひょうたんを口に持っていき、中の液体を飲んだ。
「ぷはぁ、さすがにわしの良酒じゃ。 五臓六腑に響き渡るのぉ」
「……」
焔耶は、そんな桔梗に何も言えずただ呆然とその姿を見ていた。
桔梗は、そんな焔耶の様子など気にせず、ひょうたんに入っているお酒を飲み続けた。
だが、当然の事ながらそのお酒は無限にあるものでも無い。
しばらくすると、空っぽになってしまった。
最後の一滴まで飲もうと、ひょうたんを逆さにして口に入れていた桔梗だが、さすがにもう出てこなくなってしまった。
「焔耶よ、見ての通り酒がなくなってしまった。 持ってきてくれ」
桔梗の様子に閉口しながらも、焔耶は律儀に答えた。
「持ってきてくれって……、ここは成都じゃないんですよ」
「おぉ、そうじゃったな。 ……さてどうするか」
焔耶の言葉に、腕組みをして桔梗は考え込んだ。
この仕草は、お酒をどうやって手に入れるのか考えているのだと、焔耶は何となく判断していた。
(それどころではないんだけどなぁ)
焔耶は、心の中でそう思いながら桔梗の事を呆れてしまっていた。
そんなやりとりをしていた二人に、救いの女神が現れた。
「桔梗に焔耶!!」
愛紗たちである。
突然真名で呼ばれて驚く二人で会ったが、声の主が愛紗と分かると安堵の笑みを浮かべた。
愛紗と一緒に、雛里も二人の元に走って行った。
「愛紗に雛里、久しぶりじゃの」
「桔梗さんに焔耶さんも元気そうですね」
そんな感じでお互いに一通りの挨拶を交わした後、愛紗が二人に尋ねた。
「お二人はどうしていたのですか?」
「ああ、実は酒を切らしてしまってな。 どのように手に入れようか考えておったのじゃ」
「そうそう……、って違いますって桔梗様。 実は……」
焔耶は、桔梗の言葉につっこみながらこれまでの事を話した。
二人は気が付くと、この近くの場所にいた。
言葉は通じるが、見慣れる格好に聞き慣れぬ言葉。
それらを判断して、桔梗はここは別の世界なのではないかと結論付けた。
この結論に達する事が出来たのは、天の御遣いという異分子に出会った事があるためだろう。
しかし、それが判ったところでどうする事も出来ず、お酒でも飲んでいたというわけだ。
ただ、そのお酒もたった今切らせてしまった。
それでどうしようと考えているところに愛紗と雛里が現れたと言うわけだ。
この話を聞き、愛紗と雛里は驚いた。
桔梗の状況判断の良さ、そしてそれに動じない度胸。
この人はただ者ではない、改めて思う二人であった。
自分たちの事を一通り話した二人であったが、それのお返しとばかりに桔梗が愛紗たちの事を聞いた。
「まあ、ここが別の世界だというのはわしの勘ではあるがな。 で、おぬしたちはなぜここに居るんじゃ?」
「それは……」
桔梗の疑問に、愛紗は今までの事を説明した。
その愛紗の話を聞き、桔梗と焔耶は納得したような表情をした。
「やはり、ここはお館様が居た世界か」
桔梗が感慨深く言った。
その横で、焔耶が愛紗の肩を揺すりながら言った。
「桃香様は? 桃香様は無事なんだろうな!!」
焔耶にとって、ここが一刀の世界なのかはどうでもよかった。
焔耶の力で肩を揺すられていては、愛紗も簡単には話せない。
「落ち着け、焔耶!!」
ごちん!!
焦る焔耶の頭に、桔梗のげんこつが唸った。
焔耶は頭を押さえながら、愛紗の言葉を待った。
そんな焔耶たちにはあっとため息をついた愛紗は、笑顔で答えた。
「桃香様は無事だ。 今は星と一緒に他の者が居ないか探しているはずだ」
その言葉を聞き、焔耶は安堵の息を漏らした。
落ち着いた事を確認して、今まで黙っていた雛里が二人を促した。
「それでは、お二人も一緒に来て下さい」
おずおずとしながらも、はっきりとした口調でそう話した。
桔梗と焔耶は、その雛里の発言にお互いの顔を見合った。
「行くとは……、どこへじゃ?」
「私たちの新しい住居です」
桔梗の疑問には、愛紗が代わりに答えた。
そこには、他のみんなも待っているはずだと、付け加えた。
その言葉に、桔梗は腕を組み考えた。
「うーむ、行きたいのは山々じゃが……」
「桔梗様、何を悩む必要があるんでしょうか? 愛紗たちと一緒に行きましょう!!」
そう言って、焔耶は今にも飛び出しそうだった。
しかし、桔梗は腕を組んだまま考え込むばかりで動こうとしない。
桔梗のはっきりとしない感じに疑問を持ちながら、愛紗は尋ねた。
「桔梗、何か問題でも?」
愛紗の言葉に、ようやく桔梗が顔を上げた。
「愛紗よ、おぬしお金は持っておるか?」
「お金……ですか……」
これはあちらの世界のではないだろう。
もちろん、こちらの世界でのお金の事を言っているのだった。
残念ながら、愛紗には手持ちはなかった。
歩いて人を探す事にお金が必要とは感じなかった為だった。
なので、持っていないと答えようとした時、雛里から救いの手がさしのべられた。
「お金なら持っていますよ」
実は何かあったらという事で、それほど多くではないがお金を渡されていたのだった。
ただ、雛里自身愛紗と同じくこの行動でお金が必要とは思っていなかったので、愛紗には特に言ってはいなかった。
雛里の言葉に、桔梗の表情が和らいだ。
「なら、それでお酒を買ってくれ。 買ってくれればわしたちも一緒に行こう」
「「なっ!?」」
桔梗の言葉に、愛紗と焔耶が驚いた。
ただ、雛里はその状況を冷静に判断していた。
「分かりました。 では行きましょう」
そう言って歩き出した雛里の後ろに、桔梗が付いていく。
愛紗と焔耶は、そんな雛里の様子に唖然としながらも二人の後を追うのだった。
しばらく歩いて四人が辿り着いたのはコンビニだった。
雛里はこういう事態に備え、お酒などが売っているお店をあらかじめ一刀から聞き、地図にメモしておいたのだった。
「いらっしゃいませ……」
最初は元気よく挨拶をした店員であったが、その客の姿に唖然となってしまった。
大きめの帽子をかぶりおずおずと入ってくる小柄な子の後ろからは、胸元が大きく開いた大胆な衣装の妙齢の女性。
その後ろからはボーイッシュな感じながらスタイルのいい女性と黒髪の綺麗な女性。
四人とも美女もしくは美少女と呼んでも差し支えない美貌の持ち主なものだから唖然となるのも当たり前だった。
「のう、お酒はどれじゃ?」
桔梗は、そんな唖然となっている店員の様子など気にせずに聞いた。
「……お酒ですね、こちらになります」
店員は、一瞬戸惑ってしまったが、仕事をきっちりとこなした。
店舗の奥にあるお酒売り場へと、四人を案内した。
そこには、ビールから日本酒、さらにウィスキーやワインなど一通りのお酒が用意されていた。
老酒しか飲んでいない桔梗には、どれがどれだか分からない。
「どれがどれだか分からんのぉ。 まあ、ここにあるのはどれもお酒らしいから適当に選ぶとするか」
そう言って、桔梗は目に付いた物を数点手に取った。
そして、その横にあったつまみにも目がいく。
「おお、これも美味しそうじゃ」
そう言って、つまみも何点か手に取った。
値段など見ずに適当に選ぶ桔梗を見て、愛紗が不安になった。
「おい、雛里。 お金は大丈夫なのか?」
「……分かりませんけど、きっと大丈夫ですよ」
愛紗と雛里は、小声でそう話した。
「おい、行くぞ!!」
桔梗は小声で話を二人と、店内をうろつく焔耶を呼びレジへと向かった。
レジ自体は初めて見るものだったが、他の客がそこでお金を渡し物を受け取っていたのでそれに乗っ取った。
「これでいくらになる?」
「はい、お待ち下さい」
店員はそう言うと、桔梗の持ってきた品物を素早くレジに読み込ませる。
その様子に驚く四人だったが、その余韻もなくあっという間に金額がはじき出された。
「全てで、三千八百円となります」
「だそうじゃ。 雛里頼むぞ」
雛里は金額を提示されたが、まだこちらでの貨幣価値などは分かっていなかった。
なので、おどおどとしながら手持ちの財布からお札を一枚店員に差し出した。
「これで、足りますか?」
「はい、五千円お預かりします」
どうやら問題なかったようだ。
雛里は安堵のため息を漏らした。
店員は品物を手早く袋に詰め込むと、桔梗に手渡した。
お釣りはもちろん、雛里に手渡した。
品物を手に、桔梗は笑顔でお店を後にした。
愛紗他二人は、そんな桔梗にちょっとうんざりとしながらもその後ろに付いていった。
欲しい物を買い終え、後は女子寮へと思ったが、桔梗はそのまま先ほど愛紗たちと会った場所へと戻ってしまった。
桔梗のこの行動には、さすがの雛里も驚いた。
「あわわ……、桔梗さん。一緒に来ていただける約束では?」
「そうです、早く桃香様に会いに……、じゃない皆の元に」
そういう焔耶に加え、愛紗も焦りだした。
だが、当の桔梗は涼しい顔だ。
「せっかく買ったお酒だ。 早く飲まないと勿体ないであろう」
「そうかもしれませんが……」
「大丈夫じゃ、これを飲み終えたら行くから……。 む!? 開け方が判らん」
袋からビールの缶を取り出したのはいいが、缶の開け方が判らない。
仕方ないので、桔梗は道行く人に開け方を聞いた。
早速開けたビールを飲み干す。
「ぷはぁ。 なにやらこの苦みが癖になりそうな酒じゃのぉ」
一人で酒盛りを始める桔梗に、他の三人は呆れてしまった。
そんな三人に、桔梗はつまらんとばかりに促した。
「そんなに惚けておらんでお主らも飲め。 ほら」
そう言って袋からお酒を取り出し愛紗らに手渡す。
こんな日も高いうちからお酒を飲む事に抵抗感を持つ三人であったが、飲まないと後でどうなるか判らないと思い、愛紗と焔耶は飲み始めた。
ただ、雛里だけは抵抗し続けた。
「どうした、雛里? お主が買ったお酒じゃ。 遠慮せず飲め」
そう言って抵抗する雛里に無理矢理飲ませる。
桔梗の腕力に敵うはずもなく、雛里はお酒を無理矢理飲まされた。
「それはさすがにまずいのでは?」
「そうですよ、桔梗様」
二人が止めようとしたがすでに遅かった。
雛里は、缶の半分くらいのビールを飲まされてしまった。
そして、黙り込んでしまう。
「雛里?」
突然黙り込んでしまった雛里の顔を、愛紗は心配そうにのぞき込んだ。
そうすると、雛里は突然声を上げ始めた。
「私だって……私だって……」
「「「!?」」」
雛里はそう言うと突然顔を上げ泣き出した。
三人は、そんな雛里の様子に驚くのだった。
雛里は、そんな三人の様子になど気付くはずもなく、叫びだした。
「私だって立派な軍師なんだからー!! いつも朱里ちゃんのオマケみたいに言わないでー!!」
「雛里……、誰もそんな事思ってないぞ」
愛紗は、驚きながらもなんとか収めようとした。
すると、愛紗の胸めがけて雛里が飛び込んできた。
「愛紗さんはいいですよねぇ。 このおっぱいでご主人様を籠絡できるから」
「なっ!?」
愛紗は、雛里に胸を揉まれながらとんでもない事を言われた。
「かっかっかっ」
桔梗は、そんな二人の様子を酒の肴に手持ちのビールを飲みながら笑った。
すると、今度はそれを聞き、雛里は桔梗の胸へと飛び込んだ。
「桔梗さんもいいですよねぇ」
雛里はそんな事を言いながら、桔梗のその豊満な胸を揉んでいた。
そんな雛里に、桔梗は笑顔で話した。
「雛里よ。 いつかお主もこんな感じになれるぞ」
「本当? ほん……とう……で……すか……」
雛里は、そのまま桔梗の胸の中で眠りだしてしまった。
愛紗と焔耶は一気に疲れが出て、お酒の酔いも醒めてしまった。
桔梗は酔いは醒めなかったものの、雛里にはもうお酒を飲ますまいと心に誓うのであった。
あとがき
以前に書いた、天の御遣い帰還するの改訂版です。
今回は、以前に書いた分のうち4から6をまとめて、且つ色々文書を追加修正しました。
内容も一部変わっている部分がありますが、本筋には影響ありません。
以前に書いているものとは言え、加筆修正するだけでも結構大変です。
でも、こうやって作品作りに没頭できるのは、大事なのかなと思っています。
残りは、いつになるか微妙ですがなるべく早く出せたらと思っています。
もちろん、新作もね。
といいつつ、また数年待たせてしまったらすみません。
次のまたよろしくお願いしますね。
説明 | ||
昨日投稿しました、真・天の御遣い帰還するのその2です。 以前の作品の改訂版となっています。 昨日の分と同じように、小説風にして加筆修正をおこなっています。 誤字脱字など、教えていただけると嬉しいです。 前話はこちら |
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naoさん、コメントありがとうございました。桃香がサッカーなんぞやったら野郎は普通にはいられないかと。星は普通だけどそこはプライドでという事でw(ぴか) サッカーで桃香のチームが勝ったのはおかしいと思ったら、エロガキだったw斗詩はでかいけど星は普通じゃ?w(nao) |
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