真・恋姫無双 別たれし御遣い 第十七話 |
〜一刀視点〜
「華佗?」
「そうだ、俺が知る限りこの国で一番の医師だ」
孫呉が独立を果たした今、他の諸侯同様の動きが必要となって来る
その一つが他の諸侯の情報収集
孫呉も情収集の為、各地へ間諜を放つ
その時、「華佗」と云う医師を探して欲しいと願い出た
俺自身、三国志の知識で知っただけなら言わなかったかもしれない
だがこの世界で聞いた噂では本当の名医らしい
「だが北郷、名医だとして探す事に何の利がある?」
冥琳の問いに
「冥琳を診察して貰うんだよ」
この答えに集まっていた全ての者が驚く
「冥琳、病を患っているの?」
雪蓮の問いに冥琳は
「いや、特に問題は無いが・・・」
「華佗に診察して貰って本当にそうなら俺の取りこし苦労で済む
だが、俺の危惧している通りだと取り返しがつかなくなる」
「それって冥琳の病は早めに手を打たないと命が危ないって事?」
雪蓮の問いに俺は頷く
「分かったわ、どうせ諸侯に間諜は放つんだから
その街で「華佗」の事を聞く位は大した手間じゃないわ
見つけたらウチに招請する 断られたら誰か将が説得に行く
これで良い?」
「最悪、俺が行くよ」
「それなら、私もお供します」
「静里は本当に一刀に惚れ込んでるのね
これじゃあ、この中で一番初めに一刀の子を孕むのは静里に決まりね?」
雪蓮のからかいの言葉に静里は真っ赤になって俯いていしまった
それも可愛いと思える俺も静里に気が有るのかな?
この世界では風呂はある意味贅沢品だ
湯を沸かす燃料の薪、大量の湯を沸かす労力を考えるととても毎日は入れない
だが何日かに一度は入れる(独立した後は増えた)
その日、俺が風呂居入っていると
「一刀さん、入っても宜しいですか?」
脱衣所(?)から静里の声が聞こえた
「え?ちょっと、」
風呂なので当然裸の俺が狼狽えていると
「失礼します」
と体に大きめのタオル一枚を巻いた静里が入って来た
雪蓮達程ではないが静里も細身で起伏のはっきりした体型をしている
しかも美少女
その静里がこんな扇情的な姿で入って来たので俺は静里の方を見て、固まってしまった
「そんなに見ないで下さい」
真っ赤になりながら言った静里の言葉で我に返った俺は
「ごめん!」
そう言って、慌てて目を逸らす
「失礼します」
静里は湯船に浸かっている俺の隣に入って来た
身体が密着するかしないかの微妙な距離
「一刀さん 突然こんな事をして、はしたない女だと思わないで下さい
どうしても一刀さんに訊きたい事が有ったものですから」
静里の必死な言葉に俺も顔を向ける
「一刀さんは、私みたいな嫉妬深い女は嫌いですか?」
「いや、結構可愛いと思うよ」
「それなら、私は一刀さんから見て何の魅力もありませんか?
確かに雪蓮さん達に比べて体型は貧弱ですが・・・」
「それ氷雨に言ったら大変なことになるぞ
静里は充分に魅力的だと思うよ」
「それなら・・・」
その続きを静里が言う前に扉が開いた
「あれ、静里もいたんだ
先越されたわね」
「雪蓮、言っただろ
静里が行ってるんじゃないかって」
「まあ、一人ずつじゃないといけないって事も無いだろ」
「だが最初は一人ずつで、と若い連中は思っているのではないかな」
雪蓮、梨晏、粋怜さん、祭さん、と次々に入って来た
「「な、な、な」」
俺と静里は言葉がつむげなかったが見事にハモった
「驚いて言葉が紡げないのに、声を合わせるなんて
やっぱり一番最初に孕むのは・・・」
「それ以上、言わないで下さい〜〜〜!」
静里の叫びが響いた
ちなみに静里が雪蓮達にいじられている間に、俺は風呂から出て行った
殆ど全裸の女性が五人の空間には、気恥ずかしくてとてもいられない
次の日
「一刀さん、酷いです〜」
静里に恨み事を言われた
〜鞘華視点〜
「ふ〜、やっぱりお風呂は良いわね
でも、ゆっくりしてられないのよね」
私はお風呂に入り、疲れを癒していた
毎日入れないからこそ、この時間は大切にしたい
だが、それは許されない
何故なら
「久しぶりにお風呂で捕まえたわよ」
「でた〜」
華琳が入って来た
そう、華琳は私と一緒にお風呂に入りたがる
そして体を洗うと言っては、変な所を触ってくる
一度目で懲りた私はそれ以後、華琳の目を盗んで入っていた
「”でた〜”は無いでしょ
別に変な事をしようと言う訳じゃないんだから」
だったら、さっきの”捕まえたわよ”の意味は何なの!
「華琳様、鞘華お姉様、お背中を御流しします」
「またでた〜」
桂花も入って来た
そう、桂花も・・以下略
湯船に浸かっている私の隣で
「鞘華、一応貴女に先に行っておくわ
次は孫呉を攻めるわ」
華琳が話しかけて来た
「孫呉は武将、軍師は優秀な者が揃っている
放っておいたら、強大な力を持った大国になるかもしれない」
「だから力をつける前に叩く訳?」
「いいえ、そんな英雄との対決をいつまでも待つ気が無いだけよ」
あのね〜
「まあ、貴女が言った事もあるんだから そんな顔しないの
(それに鞘華には隠してるけど孫呉にはどうやら”北郷一刀”が居るらしいのよね
鞘華の精神面を考えれば生存を知らせて安心させてあげたいし、
それに知ったら孫呉に逃走するかもしれないわ
分かってるわね、桂花)」
「(はい、抜かりは有りません)」
ん?今二人がアイコンタクトしなかった?
「で、鞘華
貴女はいつまで湯船に浸かっているの?」
「そうね、華琳が先に出るか
それとも貴女が握っている私の手拭い(タオル)を離した後かしらね」
華琳は私のタオルをしっかりと握っている いつの間に・・・
この状態で湯船から出れば華琳に全裸を晒す事になる
それは避けたい 避けた方が良い 避けなければならない
晒した瞬間どうなるか・・・
考えるだけで恐ろしい
結局私、華琳、桂花の三人は揃ってのぼせた
救出してくれたのは、季衣と流琉の華琳陣営では最もまともな二人だった(秋蘭も百合だもんね)
助かった〜 貞操が
〜あとがき〜
「雌雄の御遣い」でもあった風呂のイベントです
水着イベントは無理そうなので此方だけでも
次話のつなぎでもありますが、展開を簡単に読まれそうですね
どうやってアレンジするか考え中です
更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです
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コメント | ||
むしろ、逆に一刀の方が初恋と決別する流れになりそうなのは気のせいでしょうか……(h995) あれ、鞘華は契約上出ていく権利くらいあるんじゃなかったっけ?もうこの二人が逃がしてくれそうにないけど。でも、ここで合流するのもな……やっぱタイトルがこうなんだから、大一番で合流していただきたい。(Jack Tlam) 鞘華は風呂すら休まれないのか〜不憫ですな^^;華琳と桂華は何をたくらんでるのか?一刀の引き抜きか、ばれないように抹殺か?(nao) ↓あれは俺的にはそれやって鞘華を一刀と合流&嫁になってほしいな^^(ジン) やっぱり一刀が雪蓮を庇って負傷するのかねぇ?(daitetu) |
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