真・恋姫無双〜項羽伝〜三国編
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第四章 拠点 民達への思い

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

建業、そこは楚の中で一番栄えている場所である。そしてそこは大陸の中でも都以上と言えるほどである。今日も朝から頑張って一稼ぎしようと民や出稼ぎ出来た者、行商人が活気良く働いていた

 

「よ〜〜、調子はどうだい?」

 

「相変わらずだよ」

 

「つまり、景気がいいわけだな」

 

「はっはっは、それはお互い様だろう?」

 

「まさにそうだな。本当にここにきて正解だよ。商いはやりやすいし、税も低い、何より人が多くて笑顔に満ち溢れているからな」

 

「そうだな。でも、たまに変なことが起きるがな」

 

「ああ、初めて見たときはビックリしたな〜小さな女の子が虎や狼に乗って街中を走り回っていて、しかもその後ろからも他の動物たちが追っかけていたからな」

 

「あの時の事か、あの時は大変だったな。追いかけてきた動物たちが多すぎて出店や屋台とかを壊して回ったからな」

 

「そうそう、その時俺の屋台も壊れて来たばっかしなのに店が壊れてこれからどうしようって思っていたら、城の方たちがちゃんと直してくれる上に補助金出してもらえてよかったよ」

 

「まぁ、原因が原因だったからな」

 

「まさか、あの虎や狼に乗っていた女の子が王女様と思わなかったよ」

 

「此処の王女様達は破天荒だからな。母親の王妃様はあんなにおしとやかなのに、何をしたらあんなに成るんだろうな」

 

「それはあれだろうな・・・・教育係のあの方たちの影響だろう。聞いた話だとあの方たちがいろんな場所に連れて、体験をさせたらしいからな。俺らみたいな一般人では想像もできないことさせたと聞くぞ」

 

「それ聞くとなんだか納得してしまうな・・・・・・ん?そう言えばここ数日王女様・・・もとい、街で何も起きていないな」

 

「そう言われてみればそうだな。珍しいこともあるものだな〜〜、毎日のように何か起きているから、何もない日が続くと拍子抜けするな」

 

二人は雑談をしながら数日間平和だった街を眺めていると

 

「きゃーーーーーーーー!!!く、くまよーーー!!」

 

「何だあの大きな熊は!!そ、それに同じくらいの大きさの虎や狼もいるぞ!!!」

 

「お、女の子が熊に〜〜〜ひーーーー!!」

 

門の方向から悲鳴のような叫び声が聞こえだしたのであった

 

「いつもの日常が戻ってきたな・・・・・・」

 

 

 

 

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キャーーーー−キャーーーーーー

 

 

十「グルルルル」:何だこのうるさい人間どもは・・・

 

千「ガゥ・・・」:なぜ私がこんな目に・・・

 

鈴「ガルルルル」:なあ、狼の私は何をしているんだろうか

 

千「ガウガ」:知らん。私が知りたいほどだ

 

新しく(無理やり)参加した動物たちは大衆の視線にさらされて不満の声を上げていた

 

璃々「みんな変だよね〜〜十はこんなに大人しいのにあんなに騒ぐなんてね?」

 

璃々は十の頭を撫でると十は擽ったそうにしながら璃々の顔を舐めると

 

「キャーーー!!く、熊が女の子を襲っているわ!!」

 

「だ、だれか警備兵を呼んでくれーー!!」

 

上二人は建業に来たばかりの民の反応

 

「・・・・熊・・・また王女様か?」

 

「よく見ると狼と虎も居るから・・・・王女様だな」

 

昔から住んで今まで起きた出来事を知っている住民の反応であった

 

涼「フ〜〜、やっと着きましたね。みなさん早く城に戻りますよ。このままでは民たちが混乱して怪我をしてしまいます」

 

涼は冷静に分析して歩みを進めた

 

冥琳「民の反応で新しい住民と昔からの住民がすぐに判断がつくな」

 

愛紗「そうだね、冥琳お母さん。前から住んでいる人たちはもう慣れているからね」

 

冥琳「そうだな愛紗。しかし、民たちも慣れたものだな。涼刀様と成刀様の起こすできごとには」

 

愛紗「フフ、そうだね。あっ、冥琳お母さん久しぶりにあそこのおばちゃんが作った肉まん食べたいな〜〜〜」

 

愛紗は冥琳の袖を掴みながら点心を売っている店を指さした

 

冥琳「仕方がないな愛紗わ。一つだけだぞ。(ニコ)涼、すまないが少し私と愛紗は買い物をしてから戻る」

 

冥琳は愛紗にだけ笑顔を見せ涼と話す時にはいつもの無表情の顔に戻っていた

 

涼「(相変わらず冥琳は愛紗には優しすぎると言うか甘いと言うか・・・・)分かりました。あまり愛紗を甘やかしすぎないようにしてね」

 

冥琳「分かっている。それじゃぁ愛紗、肉まんを買いに行こうな」

 

冥琳は笑顔でいる愛紗の手を取って肉まんを買いに向かった

 

それを見ていた双子の姉妹は

 

涼刀「お母さん、その私も肉まんが食べたいな〜〜なんて・・・」

 

成刀「コクコク」

 

涼「駄目です。あなた達は連れてきた千や鈴を城まで連れて行くと言う仕事があるはずですよ。それが終わったら、自由にしていいわよ。お小遣いをあげるから炎蓮達と遊びに行ってらっしゃい。でもあまり食べ過ぎないようにね、夜は二人が好きな料理を作ってあげるから」

 

成刀「え、本当!?ハンバーグ食べられるの?」

 

涼刀「とんかつもありますか?」

 

涼「もちろんよ。わかったなら早く城に戻るわよ」

 

双子「「は〜〜〜い」」

 

双子は笑顔で元気な返事を返して

 

涼刀「ほら急ぐわよ、タマに鈴」

 

成刀「ポチと千も行くよ♪」

 

二人はそれぞれタマとポチにまたがり走るように促したのである

 

タマ「ガル」:ほら行くぞ、鈴。付いて来い

 

ポチ「ガオ」:千も付いて来い。遅れるなよ

 

千、鈴「「(ここでついて行かなければ・・もしかして帰れる?)」」

 

千と鈴はそんな考えが浮かんで歩みを緩めようとしたら後ろから体が震えあがるような嫌な気配を感じたので、振り返ってみると

 

千、鈴「「・・・・・・・」」

 

炎蓮「おい、猫・・・・逃げ出そう何て考えてないよなぁ?」

 

葵「お前もだぞ、犬っころ。もし逃げでもしたら・・・・・フフフ」

 

千と鈴が目にしたのは二人の鬼でした

 

二匹の動きを感じ取った二人はは触れんばかりの闘気を二匹に向けていたのであった

 

千、鈴(儚い夢だったな・・・・・)

 

炎蓮、葵「「ほら、早く涼刀(成刀)様を追いかけろ」」

 

鈴「にゃお〜〜ん」

 

千「キャンキャン」

 

二匹は正に尻尾を巻いて逃げ出すように主になった二人の元に走り出した

 

涼「さて、私達も向かいましょうか。璃々ちゃん、十は大きいから気を付けて連れて来てね」

 

璃々「は〜〜〜い。じゃあ十行こうか。お城で一緒にご飯食べようね(ニコ)」

 

十「グル」:本当にこの子はいい子だな

 

十は璃々に自分の背中に乗るように顔を背中に向けると

 

璃々「背中に乗っていいの?」

 

十「コク」

 

璃々「わ〜〜い♪十、ありがとうね。よいしょっと。それじゃあしゅっぱ〜〜〜つ」

 

十はゆっくりと璃々を落とさないように進んでいった

 

今までの光景を見ていた劉備軍から来た三人は

 

桔梗「何とも・・・・言葉が見つからんな」

 

黄「はい。何故此処の民のほとんどは猛獣を見てこれほど落ち着いていられるのでしょうか・・・」

 

桔梗「いや、それより・・・先ほど孫堅と馬騰が出した闘気を感じて何故動じていないのじゃ?」

 

二人は呆気にとられまた、不思議がるしかなかった。もう一人の人物、元皇帝の空丹は二人とは全く違うものを見ていたのであった

 

空丹「此処が建業・・・・す、すごい・・・民たちが皆笑顔で活気にあふれている。それに・・・・」

 

空丹は建業の民達や街の風景を見て、驚き感動していた。今まで自分が知っている都市は洛陽では民は住んではいたが活気はなかった。成都では活気はあった。しかし、あれは人がしていいような事では無かった。そして、それを太守は気づかないどころか、あっせんして推し進めていたのである。この差があまりにも大きすぎたためである

 

涼「三人とも止まってしまってどうされたのですか?早く城に向かいますよ。旦那様にお会いしたいのでしょう?」

 

空丹「す、すまなんだ・・すぐに行く。黄、桔梗殿行こう」

 

黄「は、はい」

 

桔梗「すまなかった、司馬懿殿」

 

 

 

 

 

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中庭では楚の三匹の犬と夏候姉妹が鍛錬をして、その姿を小夜叉と流琉に季衣が見学していた

 

春蘭と思春が

 

春蘭「でやーーーーーー!!!」

 

ズガガガガガガガ

 

思春「あまい!」

 

カキンカキンカキン

 

春蘭の激しくとも素早い剛撃を思春は最小限の動きで鈴音を使って春蘭の七星餓狼の軌道を逸らし避け続け

 

思春「そこだ!」

 

シュタ

 

春蘭が剣を振り下ろした時に出来た僅かな死角の隙を使い春蘭の後ろに回り込み

 

ピタ

 

春蘭「クッ・・・私の負けだ。流石は一刀様の親衛隊だけはある」

 

思春「ふー・・・いえ、春蘭さんも強かったですよ」

 

二人はお互いの健闘を称え、次に自分たちの動きの改善点を話し始めた

 

そして、秋蘭と凪は

 

秋蘭「はーーーーーーー!!!!」

 

シュパパパパパパ

 

凪「まだまだーーーーー!!」

 

キンキンキン

 

秋蘭が放った矢を全て閻王で弾き飛ばし

 

凪「はぁぁあああああああああ!!」

 

凪は仕合を決めるため、強力な一撃を出そうと右拳に氣を集め始めるが

 

秋蘭「させん!!はっ」

 

秋蘭は矢に速さを乗せるため餓狼爪に少し氣を喰わせ放った

 

シュパパパ

 

凪「ちっ」

 

凪は拳に氣を集めるのを止めて途中まで集めた氣を全身に回してさっき弾いた倍はある速さの矢を弾いっていった

 

バキン

 

凪「これで最後です・・・なっ!」

 

最後と思えた矢の影にもう一本の矢が隠れていたのである

 

秋蘭「それは避けきれないだろう?」

 

秋蘭は勝利を確信して決めの言葉を投げかけた

 

凪「これでも私は親衛隊の一人です。舐めて貰ったら困ります!!ガチン」

 

秋蘭「何!?歯で止めてみせただと」

 

秋蘭が呆けている間に凪は止めた矢を吐き捨てすぐさま足に氣を溜めて走り出した

 

秋蘭「しまった!」

 

凪「少し危なかったですが、油断するのは速すぎますよ」

 

凪は秋蘭に狙いをつけさせないためにジグザグに走り

 

凪「牙王双!!」

 

両手に虎の爪様に氣を具現化して地面を削りながら迫り攻撃を加えた

 

秋蘭「グハッ」

 

秋蘭は凪の攻撃をくって倒れた所に秋蘭の顔の前に拳を構えたのであった

 

凪「これでお終いです」

 

秋蘭「ふぅ、その様だな。参ったよ・・・それにしてもなかなか勝てなくなったってしまったな」

 

凪「いえ、これでも一杯一杯ですよ。さっきの攻撃も危ないところでしたから。今度も勝てるとは限りません」

 

秋蘭「そう言ってもらえるとありがたいよ」

 

四人の仕合を見ていた四人は

 

小夜叉「お姉ちゃん達強いね、お母さん」

 

恋「うん・・・・皆強くなってる」

 

季衣「ねえ流琉・・・春蘭様や秋蘭様の攻撃見えた?」

 

流琉「ううん・・・・それに相手している二人の方はもう何をしているのか解らなかったよ」

 

季衣「やっぱり?何で春蘭様達はあの人たちと普通に戦えるのかな?」

 

季衣と流琉は楚の将達との力の差を目の当たりにしていると

 

ドドドドドドドドドドドドドド

 

涼刀「そこの人、そこに居ると危ないよ」

 

成刀「退いて退いて退いて〜〜〜〜〜」

 

季衣、流琉「「えっな、何!?」」

 

ドカーーーーン!!!

 

季衣と流琉は涼刀と成刀が連れた虎と狼と後ろから来た炎蓮、葵の乗った馬に惹かれたのであった

 

恋「あ・・・・・新しい子?」

 

小夜叉「新しい・・犬と猫だ」

 

涼刀「そうよ、小夜叉。この子はタマのお嫁さんで鈴よ」

 

成刀「この子がポチのお嫁さんで千だよ」

 

恋「可愛い」

 

小夜叉「小夜叉、触っていい?」

 

小夜叉は手をワキワキさせながら鈴に迫っていくと

 

鈴「グルルルル」:何だこのガキは・・・これ以上ガキの世話は嫌だよ

 

鈴は小夜叉に向かって唸りを上げて威嚇を始めた

 

小夜叉「怖くないよ・・・ニャンコ、大丈夫だよ」

 

鈴「グルルル」:来るんじゃない

 

バシ

 

鈴は小夜叉の手を引っ掻いてしまったのであった

 

小夜叉「あ・・・・・い、痛いよ・・・ウエエエエエエエエエン!!」

 

小夜叉の鈴から引っ掻かれた手からは血が出ていたのであった

 

涼刀「やばいわ」

 

成刀「ヤバイよお姉ちゃん」

 

涼刀、成刀「「タマ(ポチ)逃げるわよ!!」」

 

タマ「ガル」:やっちまったなあいつ

 

ポチ「ガオ」;おい、お前は俺に付いて来い。ここに居たら死ぬかもしれんぞ

 

炎蓮「葵、逃げるぞ。まきぞいを喰らうぞ」

 

葵「わかっている。二人ともこちらに、そちらは一刀s(ドドドドドドド)やばい、もう来られたか」

 

ドドドドドドドドドドドドドド

 

一刀「何処のどいつだーーーー!!!俺の娘を泣かせた奴は!!!」

 

一刀が混沌を片手に怒気を帯びて走って向かって来ている姿が二人の目に映っていた

 

そして

 

ジャキン

 

恋「小夜叉泣かせた・・・・・躾が必要」

 

恋も闘気と怒気を出して鈴を睨んでいた

 

それを見た鍛錬組は

 

凪「ヤバイな・・・・」

 

思春「ああ・・・・このままでは被害がどこまで及ぶかわからない」

 

春蘭「秋蘭、流琉を頼む。私は季衣を助ける」

 

秋蘭「わかった姉者。しかし、あの恋に近づけるのか?」

 

春蘭「難しい・・・・だが、あそこに一刀様が加わると・・・」

 

後に恋と一刀の激しい闘気が混ざり合う事を想像して体を震わせた

 

秋蘭「そうだな。なら、急いで気絶しているあの子たちを助けに行こう」

 

春蘭「ああ」

 

姉妹が走り出してすぐに

 

ドゴーーーーーーーーーン

 

恋の一振りが鈴の隣に突き刺さっていた

 

鈴「・・・・・・・」←気絶しています

 

春蘭「しめた。今の爆風で季衣たちがこっちに転がってきた。急いで拾って逃げるぞ」

 

秋蘭「おう」

 

二人は速度を上げて気絶している子たちの元に行き抱き上げ一目散に走り去っていった

 

一刀「恋、小夜叉を泣かせた奴はどいつだ?」

 

恋「この子」

 

一刀「そうか、このドラ猫か・・・・・何故ここにドラ猫が居るのか分からないが娘を泣かせた落とし前をしてやらないとな(ニヤ)」

 

一刀は混沌を振りかぶり鈴に振り落とそうとすると

 

恋「殺しちゃ駄目。タマのお嫁さん」

 

一刀「ん?なら殺さないでおくか・・・・しかし、躾は確りしないとな」

 

ゴオッ

 

恋「コク」

 

一刀から覇気と闘気を出し、恋も背景がゆがむほどの闘気を出してそれを鈴に向け気絶から覚まさした

 

鈴「ガッ!?」:な、何だ!?

 

一刀「目を覚ましたようだな。お前にはしっかりと躾をするから覚悟しろよ」

 

恋「躾大事」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

鈴「ガ、ガオ〜〜〜ン」:ど、どうなってるの〜〜〜〜〜

 

ドコーーーン

 

バコーーーーン

 

ズガガガガガガガガガ

 

壁は壊れ、地面は抉れ木々は倒れていき庭に置いてあった岩や池は形もなく消えていった

 

 

 

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涼「さて、城に着きましたし皆さまはまず客間に・・・(ズゴーーーン、バコーーーーン)何か起きているみたいですね。すみませんが待っていてもらえますか?」

 

空丹「だ、大丈夫なのか?」

 

桔梗「そうだぞ。もしやこれは敵の攻撃じゃ・・」

 

涼「いえ、多分これは旦那様だと思います」

 

黄「そ、それはつまり楚王と言うことですか?これを一人で・・・」

 

三人が驚くのも仕方がなかった。聞こえる音も戦で聞くほどの音量並で、そして、目に見えるのは見たことが無い立ち昇る光の柱に砂塵、その上離れているはずの自分達にまで届く衝撃波を受けていたからである

 

涼「いえ、多分これは「おかーーーーさん」涼刀、如何したの?」

 

一刀の攻撃から逃げてきた涼刀が涼の元に逃げて来ていた

 

涼刀「それが、鈴が小夜叉ちゃんに怪我させちゃって・・・・」

 

涼「なるほど。これは旦那様と恋がしているのですね。やるなら演習場か調練場でしてくれればありがたかったのですけど・・・涼刀、成刀は?怪我はしてませんか?」

 

涼刀「はい、大丈夫です。成刀は青と赤の二人と居て、私がお母さんに連絡しに来たんです」

 

涼「それはよかった。それでは、お母さんは旦那様を止めてきますので涼刀は三人を客間に案内お願いできるかしら?」

 

涼刀「わかりました。皆さん私についてきてくださいね」

 

三人は爆発音を聞いて不安に思いながらも涼刀の後に続いて行ったのであった

 

 

 

 

 

 

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客間に着いた三人は窓から音がしていた方を眺めていると

 

ビュオーーーーーーーーーー

 

音がした方に幾つもの竜巻が発生したのであった

 

桔梗「あれはあの時の・・・・あんなにでかくできたのか」

 

空丹「あれは司馬懿の攻撃か?あれは完全に天災じゃないか」

 

涼刀「まだお母さんはあれでも抑えてる方だよ。お父さんに恋お母さんも本気じゃないみたいだからあれぐらいで調度良いんだよ」

 

桔梗「何と・・・あれで押さえていると」

 

黄「人間を超えているのでは・・・・」

 

涼刀「お父さんは人間ですよ?それより、三人は何しにここに来たの?」

 

桔梗「ふむ、何をと言われるとのぅ・・・・・願いと真実を・・・かのう」

 

涼刀「???」

 

空丹「楚に関わる者達にとっては英雄達の話を聞くだけかもしれぬ。終わりの部分が少し悲しい結末なのだろうけど」

 

桔梗「確かに・・・・見るからに此処に住む者達は将を始めとして如何やら民の一人一人が漢の歴史など信じてないように見えるからな」

 

涼刀「漢の歴史?」

 

空丹「そう、漢の歴史よ。漢ではたぶんだろうけど、司馬師の知っているだろう歴史とは全く違うことが伝わっているの」

 

涼刀「どういう事?」

 

涼刀は今後の自分のためにも学ぶべきこと知るべきことがまだ多いのだと感じていると

 

コンコン

 

涼刀「は〜〜い、どなた?」

 

一刀「ん、涼刀が居るのか?お父さんだぞ入っていいか?」

 

涼刀「うん、大丈夫だよ。入ってきて」

 

一刀「それじゃあ失礼する」

 

入ってきた一刀の姿は風のせいか体中に砂埃や落ち葉が乗っていたりした

 

涼刀「お父さん、汚いですよ」

 

一刀「ん・・・おっとすまない」

 

パタパタパタ

 

涼刀「うん、綺麗になったよお父さん。それとお願いがあるのですけど、私もこのお話聞いていてもいいですか?」

 

一刀「話を?何か聞きたい事でもあるのか?」

 

涼刀「はい。さっき、厳顔さん達から聞いた漢の歴史と楚の歴史が違うみたいな事を聞いたの。私、それが気になって・・・・」

 

一刀「そうか・・・涼刀にはもう少ししてから教えようと思っていたのだが、知りたいなら仕方がない。同席を許可するよ」

 

涼刀「ありがとうございます」

 

一刀「さて、俺と話がしたいらしいが・・・その理由を聞かせてもらっていいか?劉家の者よ」

 

一刀は空丹の対面に座り重い言葉を発した

 

空丹「・・・・私は知りたいの。何が正しくて、何が間違っているのか・・・・それに、母様が調べていたことについても・・・・」

 

一刀「母親?」

 

空丹「はい。私の母は漢の歴史・・・・それも、創設期の頃を。それも、楚や項羽の事を重点的にです」

 

一刀「・・・・・・(あの時、袁紹達が持ってきた本の事だな)それで」

 

空丹「劉備軍に居る時に思った事があるの・・・・桃香は・・劉備は普通ではありえないほど項羽を毛嫌いしていた。その理由を聞いたら、家に伝わる話による物のせいだと言っていたの。そして、劉備は絶対に項羽を止めてみせるとも言っていたの・・・・・それのせいなのか、劉備はおかしな方に向かっているみたいなの。言葉では『みんなを笑顔に』といつも言っているけど・・・・そうでない者達が居るの」

 

一刀「南蛮の民達の事だな」

 

黄「!!何故それを?」

 

一刀「戦う敵のことを知らなくてどうする。情報は何よりも必要なものだろうが」

 

黄「そ、そうですね・・・・・」

 

一刀「家の密偵達から報告が上がっている。かなり酷いらしいな・・・」

 

一刀から憎しみを込めた重い言葉が漏れていた

 

空丹「私はあの子たちを救ってあげたいの。あそこはおかしい・・・・甘い言葉を言って民たちから慕われている。でも、それは昔から暮らしていた益州の民だけ・・・・。流民や新しくできた領地の民たちは違う。最初のその甘さを信じて降ったり、移動して来たのに扱いは南蛮の民ほどではないけれど、格差が出来ている。それは目に見えるほどの差が・・・」

 

一刀「それでここ楚に来たのか?他にもあるんじゃないのか?」

 

空丹「それは、桔梗殿から」

 

そう言って桔梗に話を振った

 

桔梗「私の名前は厳顔と言う。今回はあなた様に聞きたいことがあり、こちらの御二方に同行させてもらった。それで、聞きたい事と言うのが」

 

桔梗は懐から数枚の破かれた紙の束を取り出した

 

桔梗「これを見てほしい・・・・・これは私がまだ劉璋に使えていた時に手に入れたものだ」

 

一刀「これは・・・どうやって手に入れた?」

 

桔梗「昔、私が国境の警備をしていたころある者達が賊に襲われていた。私は助けるため駆け付けたのだが手遅れでな・・・・・その者達は皆死んでしまった。それで、襲われている者達の身なりが民とは違ったので、悪いが調べさせてもらうとこの紙と身分証に曹騰と書いてあるものが出てきた。都の重鎮で宦官の曹騰が死んだのだ、すぐに劉璋に報告をと思ったのだが私はこの紙が気になって見てしまったのだ・・・・そして、私はこの紙を自分の懐に隠し、劉璋には曹騰が死んだことだけを伝えた。あの時私は此処に書いてあることを馬鹿にしながら、これを手放してはいけないと妙な直感が働いたのだ。そして、時が経って桃香様の元で働くようになって、私はどうしたらいいのか解らなくなった。誇りある漢の民がこんな事をしていいのか・・・・もしや、本当はこれに書いてある通り項羽が本当の王だったのではないのかと」

 

この出来事は桓帝の残りの一人として選ばれた曹騰が桓帝が書き終わったこの本を見つけ、書いてあることが信じられずに内容を確かめるべく劉璋の元に向かったときに起きた出来事であった

 

一刀は桔梗の話を聞きながら目を通していた紙を机の上に置き、桔梗の目を見た

 

一刀「それで答えを求めて此処に来たというわけか?」

 

桔梗「その通りだ」

 

一刀「それにしてもよく追手から逃げ延びたな。確か、成都には黄忠と諸葛亮、それに孫尚香が居たと思うのだが?」

 

桔梗「!!そこまで知っておられたか・・・・・私等が出ていくときに黄忠が手を貸してくれたのだ」

 

一刀「黄忠がね(紫苑がか・・・友を助けたかったのだろうな。それに璃々の事もあるだろうから、知っている顔に合わせてやりたかったのだろうな)」

 

桔梗「はじめは黄忠も誘ったのだ。ここ、楚には奴の大事な愛娘が居ると聞いていたから仲間になってもらえるとな・・・だが、あやつはまだ此処でやることがあると言って断った。それと、項羽殿に失礼が無いようにとも言われたが・・・項羽殿、黄忠ともしや知り合いなのか?」

 

一刀「ああ、真名も許してもらっているぞ。話は逸れたが厳顔、お前はこの紙に書いてあることが真実なのか確かめに来たでいいのか?」

 

桔梗「ああ」

 

一刀「なら、それを確かめた後、お前はどうするのだ?流石に劉備軍にはもう戻れないだろう?」

 

桔梗「それは・・・・・私は・・・・私のせいで力をつけて暴走している桃香様を止めたい」

 

一刀「止めたいね・・・・・・そっちはどうだ、劉宏?お前は劉備をどうしたいのだ?虐げられている民を助けたいのはわかったがその大本はどうする?そうだ、ついでに涼刀、お前の意見も聞かせてくれ。第三者の、しかも子供の純粋な意見も時にはためになる事もあるし、涼刀にとってもいい勉強になるだろう」

 

涼刀「私もですか・・・・・・う〜〜〜〜ん」

 

涼刀は頭をひねり悩んでいると

 

空丹「私は・・・・桃香が自分の犯したことに気づいたなら生かしてほしい。それだったら、また考え直すこともできる。でも、無理だったら・・・・これ以上民を悲しませないためにも・・・・・」

 

一刀「そうか。涼刀、何か浮かんだか?」

 

涼刀「えっと・・・まだ私には難しい内容だけど・・・劉宏さんの話を聞く限りその人は言っても聞かない人だと思う・・・・それに、詠から教わった「悪いことをしていると気づいてしている人より、気づかないでやっている人の方が危険」これに劉備は当てはまると思う。だから、その・・・・多分止めるだけだとまた同じことをすると思うから倒したほうがいいと思う・・・どうかなお父さん?」

 

一刀は習った事を生かしながら自分の意見を述べた涼刀の頭を撫でながら

 

一刀「よくできたぞ涼刀。それも一つの答えだ」

 

涼刀の意見を聞いた三人は驚いていた。まだこんな幼いのにもうこれほどのことを考え意見を述べれる事実、涼刀が身に着け始めている帝王学にである

 

一刀「さて、俺がこの答えを言ってしまったら決定事項になってしまうから言うのをやめておくとして、この紙の事だったな。結論から言うと、これに書いてあることは事実で間違いない。まあ、少し作者の意見が混じっているから何とも言えない部分があるがな」

 

桔梗「つまり・・・・私等が当たり前と思っていたことは全てうそ偽りと言う事なのか・・・な、ならばなぜこの事実をあなた達は大陸全土に伝えないのだ?」

 

一刀「伝えたところで誰かが信じたか?それに、もし信じたとしてその後起きる混乱をどうやって治める?お前達だけでそれだけの衝撃を感じているのだぞ。それに、皆が皆信じるはずがない。信じた者と信じない者でそこらじゅうで争いが起きてしまう。そんな事をして民を減らすなどもってのほかだ。民は国の宝だぞ」

 

桔梗「・・・・・・・」

 

空丹「国の宝か・・・私ももう少し早く気づいていたらあのような事にはなっていなかったのだろうな」

 

黄「空丹様・・・・」

 

一刀の言葉で言葉を無くした桔梗と自分の不甲斐なさを思い出し落ち込んでいる空丹を見て、話しは終わりと考えた一刀は

 

一刀「厳顔、劉備を助けたいと考えているお前に調度いいやつらがるから付いて来い。そいつらも、お前と同じ考えで元劉備軍の奴らだ。いろいろ話してみろ。お前ら三人はこの部屋を自由に使っていい。ただ、飯が食いたいなら働け。働いたら食わしてやる。仕事は、そうだな・・・・後で人をここに向かわせるからその中から選べ」

 

そう言って呆けている厳顔の首根っこを掴んで引きずりながら涼刀と一緒に部屋を出ていった

 

空丹「取りあえず落ち込んでいる暇は無いようだな・・・・」

 

黄「その様ですね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき??

 

 

次回の拠点は三羽烏か夏候のどちらかをかけたらな〜と思います

 

それと番外編で曹家を出来たらと思います

 

どっちが先になるかわかりませんがお楽しみに

 

では待て次回

 

説明
楽しんでもらえるとうれしいです
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コメント
劉備一派は、もう更生させることは出来ないでしょう。生かして置けばまた同じことを繰り返しそうだし、今まで劉備たちに虐げられてきた者たちも、劉備一派を生かして置くことを許さないと思われるので命を助けるという選択肢はないと思う。黒幕たちと一緒に始末した方が後腐れがなくていいのではないだろうか。(kira)
劉備と孔明はただ殺すだけじゃ治まらないでしょうコレ。両手足の腱を切って、格差が出来た流民や新しい領地の男達に輪姦させて精神ベッキベキに折るぐらいしないと(牛乳魔人)
そんな彼女を支えてやれる存在は今の劉備軍には存在しない事が彼女の不幸だろう。愛紗なら救えると思うが彼女自身一刀と出会う前と出会った後の事に折り合いを付けなければ。全ての元凶は劉邦だろ。自分(漢)の歴史と言うよりは此処まで来ると一刀に対する術祖、呪いの書と思えるな(覇王)
一刀達も神では無いので全を救えるとは思っていないが劉備に救いの手は有るのだろうか。自分が信じる道が善と思い疑問、疑惑を抱かずに行動している彼女のアイデンティティが崩れた時彼女の精神は病むでしょうね。理性と心を保つ事が出来るか。(覇王)
もはや此処の劉備と孔明に救いとか更生など求める事すら無意味でしょうね。張譲もろともサクッと殺っちゃって良いんじゃないかな。(mokiti1976-2010)
動物達が気の毒過ぎる。強制連行の上にこの酷すぎる仕打ち。劉備達が南蛮の民にした事と何が違う?(みぞれ寒天)
空丹や桔梗、元劉備軍の面々には悪いが、劉備を生かして更生させる道はおそらく無い。現実を受け入れ止まったとして、その瞬間に精神的自死を迎えて廃人と化す可能性が極めて高い。愛紗が鍵になるとは思うが……酷い博打になるな。孔明もそれをわかっているから、止めていないのかもしれない。止まればその瞬間に破滅だから。自分も含めて。(Jack Tlam)
涼刀の意見も、空丹の意見も理解出来る。ただ、自覚のある人間と言うのは必ずや心のどこかしらに迷いを抱えるから、説得が通じる。だが自覚の無い人間は悪い意味で迷いが無い(迷ったことが無い)ので、説得が通じない。劉備の暴走は自己正当化と同時に自己防衛の意味もあるから、余計止まれないだろう。憐れみすら覚える……。(Jack Tlam)
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