艦隊 真・恋姫無双 35話目
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【 孫呉の続き の件 】

 

? 揚州 丹揚郡 建業 城内 にて ?

 

謁見の間の外で……小蓮と明命は……中を伺う。

 

小蓮(───ほらぁ! 見てみなさいよぉ!! あそこに居るのは……星と風と稟でしょう!? ぜぇったい何か企んでるのよ!?)

 

明命(あわわわっ! ほ、本当にそうですね! 後で御挨拶に出向かないと──!!)

 

小蓮(何をバカな事を言ってるのよ!? お姉ちゃんや祭達、頼みの冥琳さえも……平気で3人を客将に招いちゃってるんだから! このままじゃ……孫呉が乗っ取られて、蜀と魏の属国になっちゃう!!)

 

明命(────ど、どどど、どうしましょう!?!?)

 

小蓮(心配いらないわよ! このシャオが……頼りにならないお姉ちゃん達の代わりに──孫呉を守るの! だからぁ明命! 私に力を貸しなさい!!)

 

明命(────は、はいっ!!)

 

ーーーー

 

思春(…………シャオ様と明命には、記憶がありそうだな。 後で冥琳様達に報告をしなくてはならん………ムッ!?)

 

思春が近付く足音を捉え、別方向の扉を凝視した。

 

 

──────ガチャ! 

 

 

シャオ達が隠れている扉とは違う……別の扉が開き、赤い色の簡略化した鎧を着用した兵が、礼をして入って来る!

 

兵「────失礼します! 袁公路様より使者が参られ、口上と詳細の記載された竹簡を預かり、お待ち願っております! 」

 

 

冥琳「───その使者からの口上とは!?」

 

兵「───はっ! 近日中に洛陽に上がる為……供の要請です! 洛陽に来られる『天の御遣い』様に、ご挨拶される為だとか!」

 

『────────!』

 

雪蓮「その情報は、どこから得たのか……聞いてる?」

 

兵「はいっ! 大将軍何進様よりの命令だそうです!」

 

雪蓮「───分かったわ! 取りあえず『承諾』の返事を伝えて、客室で待たせておきなさい! その竹簡を確認してから、返事をしたためさせて貰うと! 冥琳、竹簡を受け取って頂戴!」

 

冥琳「…………では、預かろう!」

 

兵「──はっ! こちらに! ──それでは、失礼しました!」

 

──────バタンッ!

 

3人の紹介する謁見の場が……早くも軍議の場と化した!

 

ーーー

 

雪蓮「せっかく冥琳が提案してくれたのに、残念ながら、孫呉の独占とする事はできなくなったわね。 まさか……漢王朝側が先に動くなんて、流石に私の勘も、働かなかったわよ!」

 

冥琳「……皇帝陛下は天の代理人。 天の御遣いなど名乗れば……間違いなく罪科に問われ、捕縛の憂き目になろう! しかし、何進大将軍までが動き、大軍閥袁術にまで上洛の要請を掛けた! さて……これをどう見る?」

 

稟「………陛下は『天の御遣い』を認めている証拠ですね。 益州の争乱を短期間で制圧した軍略、人民の被害を抑えて鎮圧した手腕! それらが、高く評価された結果だと思われます!」

 

穏「流石、打てば響く的確な回答ですね〜!」

 

祭「ふむ……成る程。 益州に現れた者は、天の御遣いを名乗るだけの力があり、更に軍略も長けた将! 放っておけば、儂等のように取り込む考えをする者が居るため、最大限の礼を持って迎えに出たのじゃな!?」

 

冥琳「……その通りかと……」

 

蓮華「─────!」

 

雪蓮「でも、仕方ないわね! 御遣い君の力は得難いけど……今の私達は、目の前の事象を優先しなくちゃいけない! 遠くの未知なる者を頼るより、近くの分かりやすい物を狙った方が、遥かに確実だわ!!」

 

穏「ですが〜雪蓮様ぁ! 今回、少し欲張ってみます〜? 上洛に向かう者、残る者と二手に分けて、それぞれ行動を行うべきだと、穏は思いますが〜!」

 

蓮華「穏の言うとおりです! 3名の優秀な将が居るんですから! ここは分けて行動を起こすのが、的確だと思われます!」

 

風「そうですねー! まぁ……風達は、まだ新参者ですので、洛陽に向かう軍に参加させてもらいますー! 客将如きが、国の中枢部の秘密に任せるなんて、どう考えても無理ですからねー!」

 

星「そうだな。 どうやら、まだ私達の事を信用されていない、臣下の方も見えられる様子もある! ………そろそろ隠れて居ないで、出て来られたらどうだ? ────孫呉の末姫殿と猫好きの将よ!!」

 

『───────!?』

 

思春、星以外は驚き───扉を見ると、ばつが悪そうな顔をする明命、ふてくされた表情の小蓮が……姿を見せた。

 

 

◆◇◆

 

【 ビッグ Eの提案 の件 】

 

? 益州 漢中付近 にて ?

 

落ち付いたスチュワートは、サラに伴って貰い一緒に休んでいる。

 

ホッとする一刀の傍に……エンタープライズ(愛称 ビッグ E)が近寄る。

 

ビッグ E「…………北郷提督、アタシからも重要な話があるんだ! 時間を頂きたいが宜しいか? 少し……掛かるかも知れないのだが……!」

 

一刀「あぁ……俺は良いが、皆は大丈夫? うん……こっちも良いよ!」

 

ビッグ E「そうか。 それなら……北郷提督! アタシは貴方に、ゲームを挑みたい! この愛銃を使用した『Russian roulette(ロシアンルーレット)』で! 貴方の覚悟を……知りたいんだ!!」

 

『━━━━━━━━!』

 

唐突な申し出により、色めき立つ艦娘達! 

 

一刀も驚くが、再度聞き直す………が。

 

一刀「………他の事で試す事は、できないのかい?」

 

ビッグ E「……アタシの生まれが、どこだか分かるだろう! それに、時間も限られているし、準備の手間も僅か! アタシの愛銃ゆえに信頼も確かさ! だから頼みたいんだよ!!」

 

ーーー

 

サラ「────ビッグE! 貴女は、上官に反逆するつもりですか!?」

 

長門「その通り! それに、この私達が──そのような危険な行為を許すと思うかぁあああ──ッ!!」ダッ!

 

ーーー

 

榛名「提督ぅ! お、お断りして下さいッ!!」

 

金剛「─────Shit!」ダダダッ!

 

比叡「───お、お姉さまぁ!? どちらにッ!?」

 

霧島「私の頭脳では……最悪の結果しか出ません!! ───仕方ありませんね! 貴女の国の礼儀作法どおり……拳で語り合わせてもらいますッ!!」

 

榛名「───そうですね! 提督に仇なす輩は……榛名が許しません!! 」

 

比叡「ふ、二人とも! 司令の目の前で暴れるのは……ひえ〜ッ!!」

 

木曾「───騒ぐな! 見苦しいぞ! 指揮官が孤独な戦いを開始するんだ! 静かに見守るのも、俺達の役目だろうがッ!?」

 

霧島「─────!」グッ!

 

榛名「提督…………榛名は、榛名は──!」

 

ーーー

 

港湾棲姫「────!」ダッ!

 

朱里「────桔梗さん! 焔耶さん! わ、私達は……どうすれば!?」

 

焔耶「……………桔梗様!!」

 

桔梗「────言うな! これは北郷殿の戦い! 今は、ただ見守るしかないのだ! 見守るしか!!」

 

ーーー

 

天龍「…………龍田、すまん!」ドスッ!

 

龍田「うぐぅ! ……て、天龍ちゃん!?」ドタッ!

 

天龍「…………二人も逝かせるワケには……行かないからな!」ダッ!

 

ーーー

 

 

一刀「………もし、拒否した場合! 君は……どうするんだ?」

 

ビッグ E「…………ここから去り、どこかで命を絶つさ! 仮にも上官に反逆したんだ。 ここに居るワケにもいかない!」

 

一刀「─────!」

 

『ーーーーーーーーー!』

 

 

ーーー

 

暁「うぅ〜〜! 司令官に対する行動は、気に入らないけど……あれは、正しく……レディの振る舞いよねッ!?」

 

雷「それどころじゃないでしょう!! 司令官かアイツのどっちかが死んじゃうかも知れないのよぉ!?」

 

電「だけど……断ったりしたら……エンタープライズさんが!!」

 

雷「じっとしてなんか居られないわよッ! 電、私達も行くわよ!!」

 

電「───はいッ!なので『私達に……任せて貰えないか?』───えっ?」

 

ーーー

 

一刀「…………そうか! 分かった──って、な、なんだぁ!?!?」

 

長門「提督! 幾ら何でも釣り合いが取れん! 提督に、何があった場合──どうするつもりなんだ!? それに、もし、仲間になっても……私は、私は………ッ!!」

 

金剛「提督ぅ! Russian rouletteを知っているんですカッ!? 運が悪ければ確実に死を迎えるヨ!! 私は提督を……ヴァルハラに……まだ送りたくないし、若くしてWidow(未亡人)に成りたくないネ!!」

 

一刀「───へっ!? 最後の言葉、おかしくないか?」

 

港湾棲姫「一刀! ───オイテカナイデ! ………ワタシモ一緒ニ!!」

 

天龍「………提督。 もしもの時は、オレも後を追ってやるよ! あの時と同じようにな。 あの時に……オレの命は、提督に捧げたんだ! だから……オレの命は、提督と共に!!」

 

一刀「お、おいっ! 俺は、まだ受けるなんて───」

 

長門「提督との付き合いも……短いモノじゃない! 重大な任務を決めた顔の表情ぐらい──簡単に読めるさ!」

 

金剛「提督は、結構わかりやすいから! 決断した顔も……カッコ良くて、ついつい……fall in love again with(惚れ直す)ネ!!」テレテレ

 

港湾棲姫「嘘ヲイテモ……駄目!! 一刀ノ顔ガ、目ガ──アノ……皆ヲ庇ッテ……鎮守府ニ残ッタ時ト……同ジナンダモノ!! 絶対……コノ勝負ヲ……受ケ入レル!」

 

天龍「提督の後ろ姿を見れば……考えている事ぐらい……分かるんだぜ! 男は背中で語るって言うじゃないか!?」

 

一刀「……確かに……俺は受けるよ! 俺の鎮守府に着任した艦娘なら……願い事を叶えてやりたい! それが命懸けの願いなら───余計にな!!」

 

『───────!』

 

一刀「───だから、この崇高な願い! 誰であろうと──遮る事も、後追いする事も───許さない! これは提督として厳命する!! もし、行えば……解体処分も辞さない!!」

 

長門「────わ、私の話を聞いていたのかッ!?」

 

金剛「提督ぅ!?」

 

港湾棲姫「……ヒドイ、ヒドイ! 一刀ハ……ワタシヲ!!」

 

天龍「─────!!」

 

一刀「………長門、金剛、港湾棲姫、天龍! 君達には……妹が居るんだろう? よく、楽しげに話してくれた妹が……?」

 

長門「……………」グッ!

 

金剛「──────」チラッ! チラッ!

 

港湾棲姫「──────!」

 

天龍「─────バ、バカァ!! こんな時に!!」

 

一刀「艦娘の轟沈、もしくは、死の連鎖を繋ぐ事! これは、絶対に許可なんかしない! 北郷一刀として、漢中鎮守府最高責任者としての矜持だ!!」

 

『─────────!』

 

一刀「……だけど……気持ちは嬉しかったよ。 だから、約束だけ……しておこうか。 俺は、例え死んでも傍にいるから。 皆の最後を……見届けるため、傍らに居るから───!!」

 

長門「ぐぅううう────ッ!」

 

金剛「………提督ぅ……continued luck in the fortunes of war(武運長久)祈ってマ〜ス!! ……生きて、生きてぇ……戻って来てクダサイ!!!」

 

港湾棲姫「カズゥトオォオオオ────ッ!!」

 

天龍「馬鹿野郎がぁ────ッ!!」

 

『━━━━━━━━━!!』

 

一刀の言葉に号泣する者、悲痛な覚悟を定める者、自分の不甲斐なさと提督に怒りを表す者。 

 

そんな混乱を、ビッグEとアリゾナは、静かに別々の場所で見ていた。

 

艦娘達を一通り見渡した後、悲しそうに表情を浮かばせながらも……ビッグEに向かう一刀。

 

──────スッ!

 

歩く一刀の横へ………二人の艦娘が走り寄り添った!

 

響「……気が早いな……司令官は。 私達が死なせなど……しない!!」

 

雪風「…………浮沈艦の名は……伊達じゃないんですぅ!!」

 

一刀「………どうして………!?」

 

響「ロシアンルーレットは、運が物を言うものだ! なら……『不死鳥』たる私と………」

 

雪風「『奇跡の駆逐艦』の雪風が!」

 

『二人、傍に居れば───当たる事などない(んです)!!』

 

一刀は、横の二人を見て驚いたが……一筋の涙を流す!

 

一刀「ありがとう───本当に……ありがとう!!」

 

響「感謝するのは、まだ早い! アイツを屈伏してから……礼を貰うよ!」

 

雪風「雪風が……全力で付いて行きますね!! 司令ぇ!!」

 

一刀は涙を袖で拭き……待ち構えているビッグ Eに……二人を連れて向かって行った。 

 

 

 

ーーーーー

ーーーーー

 

《枠外》

 

瑞鶴「わ、私だって……心配してるし、幸運艦って云われてるんだよぉ! なのに、なんで提督さんの傍に行っちゃ駄目なの!? 翔鶴姉──ッ!!」

 

翔鶴「だって……瑞鶴、前の時は轟沈してるでしょう? あの二人は、轟沈せずに最後まで残ったから……!」

 

瑞鶴「ううぅぅぅ───ッ! 私だって、好きで轟沈されるような戦法とってないもん!! それなのに、それなのにぃいいッ!! もう〜! てーとくーの馬鹿ぁ!! 瑞鶴ぅ──ふてくされるぞぉおおおッ!!?」

 

 

 

◆◇◆

 

【 一刀の運命は? の件 】

 

? 益州 漢中付近 にて ?

 

ビッグE「よく、受けてくれた! 勇気ある北郷提督!! これが、アタシの愛銃『コルト・パイソン』だ!」 

 

ビッグEの肉付きの良いヒップに回されている、左右二丁備え付けられたヒップホルスターの左側から、一つを抜き取り一刀に手渡す。 1000cを越える重さに、些か困惑するが……何回も握り締め、手に馴染ませる。 

 

ビッグE「どうだ! 名銃だろう!? まさか、初期生産型を手に入れられるなんて、思いもしなかったよ! 結構重いが、この重さが重要でな、マグナム弾の反動を押さえる役目があるんだ! そして、この色! 『コルトロイヤルブルーフィニッシュ』と云われる初期生産型の特徴で───!!」

 

一刀「マニアックな話は無しだ! 他の者が付いて来れない!! それに……」

 

ビッグE「──ん? 気が付いた顔だな? 確かに、アタシが轟沈した後に販売された銃だから、本来持ってるワケが無いんだ! それが、つい最近……手に入れたんだよ。 ────あそこの奴からな?」

 

指で示す先は、何進より離れて(何進達が避けた?)座る貂蝉! 此方に気付き、不気味な笑い声を上げて……手を振ってきた。

 

一刀は……思う。 

 

『考えるんじゃない、感じるんだ! 考えたら───負けだ!!』

 

管理者のやる事を、いちいち考えていては身が持たない! そのまま受け取り、自然に受け流すのが一番だと──悟ったワケである。

 

その様子に、響と雪風が心配顔で見上げるが、一刀は両手を二人の頭に乗せ、優しく撫でた。 『心配させてすまなかった』……との意味で。

 

ビッグE「ゴホンッ! つい性能が良くて、自慢したくなった。 北郷提督も好きそうだが?」

 

一刀「俺の知識は、まさかの時の為だ。 自分の武器が故障、もしくは紛失した場合、敵の持つ物を奪い攻撃する。 だから、広く浅く知識があるんだ!」

 

ビッグE「ふ〜ん? なかなか優秀だな!」

 

ビッグEが感心するが、一刀は頭を横に振る!

 

一刀「生き残る為………さ! ───さて、無駄話は無用だ! 勝敗はどうなる? そして、どちらが先行だい?」

 

ビッグE「────五発まで耐え抜けば、アタシは認めさせて貰うよ! もし、駄目だったら、アタシは……此処を去る! 先行は、このゲームを受け入れた……北郷提督に、お任せしよう!」

 

一刀「………なら、先行は俺だ!!」

 

一刀の言葉に驚く二人の艦娘!

 

響「司令官! それは、余分に危険を冒す事になる!」

 

雪風「訂正して、二番手から始めて下さい!!」

 

一刀「………いや、不信感って云うのは、徹底的に拭わないと……すぐに浮かんでくる物なんだ! だから、俺は完璧に勝ちに行く! 大丈夫だ、二つの幸運艦に挟まれた俺が……弾に当たるワケがない!!」

 

一刀には、一刀なりの考えがあるようで安心し、自分達を信用してくれる事も、また嬉しかった!

 

ビッグE「いいだろう! ───では、弾が一つ、銃のシリンダーにある事を確認して欲しい!」

 

一刀「よし、確認したぞ!」

 

ビッグE「では────」ガチャン! グルグル! ガチッ!

 

──────その時だった! 

 

『キャアァアアア─────ッ!!』

 

ビッグEが、一刀に銃を渡そうとした時、アリゾナのけたたましい声が上がり、皆の視線がアリゾナに集まった!!

 

★☆☆

 

アリゾナ「わ、わわわぁ───ッ!?」

 

アリゾナは、服をバタバタさせて暴れている。

 

アリゾナ「イヤァアアアッ! む、虫! 虫が背中に! 入ったぁあああ! 誰か、誰か取ってぇえええッ!」

 

サラ「───静かにして下さい! 小さな虫にも魂が……えいっ! は、はいっ! 取れましたよ!?」

 

アリゾナ「ふぅ──! ありがとう! サラ!!」

 

安心半分、恐怖で半分の泣き笑いのアリゾナは、サラに礼を言っていた。

 

アリゾナが無事だった為、艦娘達は……再び一刀達の様子を見守る。

 

一刀も、アリゾナの様子を安心したようで、ホッとしていた。

 

一刀「ふぅ───大事が無くて良かった。 えーと、これだね?」

 

ビッグE「あ、あぁ……!」

 

一刀「………………?」

 

ーーーーー

 

一刀は、ビッグEから銃を預かり、一刀は自分のコメカミに当てる。 

 

響「─────司令官!」

 

雪風「し、司令ぇ〜!!」

 

一刀の傍で服を握り締める───響と雪風!

 

ーーー

 

『───────────!?』

 

一刀の動きに、瞼も閉じず───目を見張る艦娘!

 

ーーー

 

サラ「主よ! この神の使徒を──どうか、お救い下さい! 私達の仲間を……お救い下さい! どうか、どうか───ッ!!」

 

スチュワート「───死んじゃだめ! 死んじゃだめぇ! 死なないでぇ!! 司令官! ビッグE!」

 

一刀とビッグEの為に、手を組み合わせ、祈りを捧げるサラとスチュワート!

 

ーーー

 

一刀「─────南無三!」

 

一刀は───撃鉄(ハンマー)を起こし、引き金を引いた!

 

 

 

─────カチン!

 

『フゥ───────!』

 

周りから、一斉に安堵の息が流れでた!

 

一刀から受け取ったビッグEは、造作も無く銃をコメカミに持っていく!

 

ビッグE「最初で当たりなんか……つまんないからね! 最後の最後が……スリルがあって最高なのさ!」───カチン!

 

 

一回目は外れ、交代したビッグEも引くが──外れた。

 

二回目も双方外れ────三回目の順番が回る。

 

ーーーーー

 

一刀「くぅ─────ッ!?」

 

一刀の額から………汗が流れ、膝も震え、銃を持つ手も……また震える! 

 

『To live or to die ?(生きるか死ぬか?)』

 

『To be or not to be?(死ぬか生きるか?)』 

 

一刀の頭に、この言葉が頭の中で廻っていた!!

 

ーーー

 

この極限の一刀を、静かに見守る艦娘達。 

 

その美しき顔にも、握る拳の中にも、汗が溜まり……流れ落ちた!

 

ーーー

 

響「司令官! あと一回だ! あと一回で……勝ちだ!」

 

雪風「司令ぇ! 雪風は……今後も沈みません! だから、司令ぃも!!」

 

励ます二人の艦娘達も、一刀の服を強く握り締めて……なお、手の平に指が食い込むが、その痛みも忘れて応援する!

 

ーーー

ーーー

ーー★

 

三回目の順番になり、コメカミに銃を当てて、既に十分を経過。 

 

一刀の精神も限界だった。

 

これ以上は、無理だと思われビッグEが、止めさせようと手を伸ばした。

 

ビッグE「………北郷提督! 貴方の思いは……こんなモノか?」

 

ビッグEが、無意識に語る言葉が、一刀の頭に……自分が艦娘達へ語った言葉を───思い出させた!

 

『艦娘の轟沈、もしくは、死の連鎖を繋ぐ事! これは、絶対に許可なんかしない! 北郷一刀として、漢中鎮守府最高責任者としての矜持だ!!』

 

───────!

 

一刀「お、俺は、自分の矜持を破らない! 皆! 後の事は頼んだぞぉ!!」

 

─────ぐいッ!

 

一刀は、引き金を勢いよく────引いた!!

 

 

 

 

ーーーーーー

ーーーーーー

 

あとがき

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 

オリジナルの艦娘………って、ほんと難しいものだなと思いながら……投稿している作者です。 

 

この後は……次回になりますが……毎週土日に上げています当作品。

 

今回、私事が忙しいので、数日ずれ込み可能性がありますので。

 

その前に、上げる可能性もありますが。

 

 

説明
………こうなりました。 2/24 イチサンゴーマル 言い回しと台詞を、ちょっと変更しました。
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コメント
hokuhin提督コメントありがとうございます! 袁家の姫達も……出てきますよ。 あと何話先かなw 雪風達と一刀で+−で0? どうなるかは……次回。(いた)
幸運対決か・・・麗羽なら当たりの番でも不発になりそうだが、一刀は運悪そうだからなw頼むぞ雪風w(hokuhin)
mokiti1976-2010提督 コメントありがとうございます! さてさて……結果は、どうなりますか。 実は……勘の鋭い方なら、結果がバレている……物語です。(いた)
ロシアンルーレットですか…良い結果に終わる事を祈ります。でも…実は弾丸なんて一発も入ってなかったとかいうオチだったらちょっと面白い(エ。(mokiti1976-2010)
雪風提督 コメントありがとうございます! 三国の時代ですと占いや熱湯に手を突っ込みぐらいしか分かりませんでした。 それと、ちょっとした『あること』もしやすかったので。(いた)
此処が正に分岐点ですね・・、この時代の方法でやっても良かったような・・・。(雪風)
スネーク提督 コメントありがとうございます! ビッグEを出した時に、コレに決めてましたw  う〜ん、作者は怖くてやりたくないんですがね。 度胸試しには最適ですが、危険じゃないやり方を推奨しますよ。 ロシアンたこ焼きとか。     (いた)
まさかの見極め方がロシアンルーレットとは…18禁リボルバーで友達とやったがBB弾でやっても結構怖いんだぞ…(まぁ勝ったんだがw)(スネーク)
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