リリカルなのは〜翡翠の戦 士と夢のたまご〜番外編クリスマスの思い出 |
*今回の話はなのはとの和解(?)の様なもの、そして何故剣也がしゅごキャラの舞台に行くことになったのかがメインの過去編でございます。ご了承の程宜しくお願いします
「すごい人だな……」
「あはは、ミッドチルダで一番と言ってもいいほど有名な遊園地だしクリスマスだもん、仕方ないよ」
剣也となのはがやってきたのはミッドチルダにある遊園地、エデン・パレスのゲート前
今日はクリスマスだからなのか、恐ろしい程人が多い
特に家族連れが
というより何故剣也となのはがいるのかというと、なのはが仕事で無理し続けた事に責任を感じたリンディさんがお詫びとしてミッドで一番大きい遊園地"エデン・パレス"のチケットをなのはと庇った剣也に一枚ずつ渡したのである…
其を聞いたフェイト達(葵、紫穂含む)が羨ましがっていたが…
余談だが、チケットを二枚取るために三日前から並んでいたらしいリンディさんはある意味凄いと感じるのは気のせいではないと思う…
閑話休題
「でも、剣也君…本当に大丈夫なの? 怪我は…」
「? 大丈夫だからいるんだろ? 心配するなよ」
「でも…私のせいで…」
「気にするな、其に折角のデート(・・・)なんだから暗くなるなよ」
「デ、デート!?…う、うん////」
そんな会話をしながらなのはと剣也はゲートに向かい、ゲートの係員にペアチケットを見せる
「ペアチケットですね。どうぞお楽しみ下さい」
係員の言葉に軽く会釈してパンフレットを貰い、ゲートを通り過ぎる
中に入り、二人の最初に目に入ったのは……"ようこそ !楽園の城へ!メリークリスマス!!"と書かれた文字が大きなクリスマスツリーの周りを回っているホログラムだった
「さて……どのアトラクションに行く?なのはの行きたいところでいいぞ」
「うーんと……これが気になるの」
なのはがパンフレットを指差す
「…うん、確かに気になるな」
そこには、"サンタクロース・ハンティング"と書かれていた
楽園でハンティング……しかもサンタクロースをハンティングするのだ…気にならない訳が無い
「いいぞ…じゃ、行くか…」
剣也はなのはの手を握り、歩き出す
「ふ、ふぇ///?剣也君///?」
「? あ、ごめん…人が多いからつい…嫌だった?」
「うぅん///!そんな事無いの///!」
「そうか…じゃ、改めて行くか」
「はい、なの///」
剣也となのはは改めて手を繋ぎ、歩き出す…
その姿はカップルの様で微笑ましいのであった
なのは視点
「(何でかな? 剣也君とは昔会った気がする…)」
あの時剣也君に助けられた時から、剣也君と居るとあの人を思い出す…
「(まさか…剣也君がゼンさん?…)」
確かに剣也君って何処かゼンさんと雰囲気というか顔立ちが似てるし"バスターフォーム"っていうバリアジャケットもゼンさんの服装に似てたし…
其に…剣也君と居るとゼンさんの事を思い出しているときみたく胸が暖かくなって来る…まるで…
「(思い過ごし…かな?)」
でも私…剣也君の事どう思っているんだろう…?
なのは視点終わり
サンタクロース・ハンティングと書かれた看板を見つけ、その場所に向かう剣也となのは
その場所に辿り着くと、何やら人だかりが見えた
「「?」」
剣也となのはは人だかりを掻き分け、内側へと進む
やがて内側へ辿り着いた時、二人が見たのは………教会のような建物と、異常な数の白いハト が山のように積み重なっていた……生きたまま
【………………………】
あまりの光景に言葉を発せない人達(剣也となのは含む)
そして全員が思っていた…
ー…何故にハト?てか寒くないのか?…と
しばらくハトの山をジーッと見ていると、そこから声が聞こえた
「なぁ……人は死んだら……何処へいく?」
バサバサと一斉にハト達が飛び去っていく
ハトの山から現れたのは……瓦礫の上に座った、くすんだ銀髪を首の後ろで結んだ、屈強な 体つきの男性だった
『(コイツ、ハトで防寒していたのか!?)』
そう思った全員はおかしくないと思う…
「……いらっしゃい。ここサンタクロース・ハンティング……あんた達は今より、とある動物を狩るハンターとなってもらう」
係員(だと思う…てかそう思いたい)の概要を聞いた後、全員が係員の案内の下、教会の扉をくぐる
くぐった先に広がるのは…雪の積もった町中だった
この場にいる全員に拳銃……もとい、拳銃型のデバイスが配られた
しかも良く見るとどうやらカートリッジシステムを利用したものらしい
「その昔、サンタクロースというのは子供達が一人前の狩人になるためのものとされていた…仕留める事が出来ればそいつからおもちゃや菓子、はたまた金品等を奪う事が認められていたという…」
ーんな訳あるか!!!!!??
其を聞いた全員の心の叫び
「お前らには其を体験してもらう、町中のサンタクロースを自分達で探しだし今配ったデバイスで仕留めてその得点に応じた報酬…具体的には此処、"エデン・パレス"の年間フリーパスやマスコットキャラ"プッキー・ベア"の等身大ぬいぐるみ等だ…他にも色々なものがある…」
以外に体力を使うアトラクションらしい…
乗り物に乗るのでなく、自身が動くようだ…
「制限時間は10分…あと、このフィールド内の時間の流れは外の十倍…つまり外では一分しか経っていない…さぁ……狩人となる為の試練、サンタクロース・ハンティング……始まりだ」
「行くぞ、なのは!」
「うん!」
係員がハンドガンを上に向け、発砲する
ドォン!!という銃声を合図に全員は走り出した
決して、係員が怖かった訳ではない……
…怖いけど…
「……」(グッタリ)
無事に終わり、剣也達はベンチに座ってる…
結果としては剣也は過去最大スコアを叩き出したため"プッキー・ベア"の等身大ぬいぐるみの他に特性スノードームを
なのはは"エデン・パレス"限定の置時計を手に入れたのだが、いかんせんなのははまだ本調子ではない+係員に対する恐怖心+体力の消耗でダウンしていた
「…大丈夫か?」
「…」(…コク)
どうやら落ち着いてきたらしい…
「…次は大人しいのにしような…?」
「…うん…」
そして暫くしてなのはが復活し…次に選んだのは
「あれがいいの!」
「…あれか」
よりにもよってメリーゴーランドだった…
剣也は一応体は子供だが精神は大人……
恥ずかしいようだ
「ダメ…かな?」
なのはが涙目になり上目遣いで見上げる…
剣也は覚悟を決めた
「分かった…乗ろう…」
「うん!」
スタッフにフリーパスを見せてから馬型の座席になのはが座り、剣也がその隣に座る。他の座席を見てみると、杏樹やローズと同年代ぐらいの子供達が親と一緒に座席に座っていた
やはり子供連れの親にとっては、ポピュラーなアトラクションなのかな?
剣也がそんな事を考えていると、床が回転し始めた。さらにそれに合わせて座席も上下し始める。緩やかに流れる光景を見る事ができるのでゆったりとした時間を過ごす事ができる
二人は楽しみながら癒されていたのだった
「これからどうする?そろそろ昼飯時だが…」
メリーゴーランドに乗った後、暫くジェットコースターやマスコットキャラと写真を撮ったりしてるとお昼になっていた
「あ!それなら平気だよ!お昼なら用意して来たから!」
そう言い、なのははお弁当やら水筒やらが入っ てるらしいバッグを見せる…
「(なるほど、やけに大きな荷物だと思ったが…弁当だったのか)…じゃあ広場に行くか」
「うん♪」
その後は色々な話をして弁当を平らげ、食休みをして再び活動を再開…
なのはも終始楽しそうに回り、土産物屋で互いにデザインが少し違う同じストラップをプレゼントしあったりした
「時間的に後一つは乗れるな…なのは何に乗りたい?」
「最後は観覧車って決めてるの!」
なので、観覧車までやってきた
なのは視点
いざ観覧車に乗ろうとした時、私は係員の人に呼び止められた
「お客様……あなたに一つ問いたい」
「…?なんですか?」
「あなたは今…会いたい人がいますね?」
その問いに、私は驚いた
剣也君に対するこの気持ちは何なのか……其を教えてくれるだろうその人に今会いたいと思っていたからだ
会いたいよ……
ゼンさん……
「……どうして……」
「願いはすでに叶っている」
びくりと肩が跳ねたのが自分でも分かった
一体何を……と思い、係員さんの顔を見る
「その者に貴方はすでに会っている……そして貴方はすでに抱いている気持ちに気付いてる……唯怖いだけ、その人を裏切っていると思うから……しかし奇跡はすでに起きている……目をそらしてはいけない……自分の心に」
その言葉は何故か私の胸に深く染み込んだ
けど……
「おい、バイト! なにしてんだ! 」
「あ、すいません」
……雰囲気ぶち壊したよ……
なのは視点終わり
剣也視点
なのはが係員に何かを言われた後、すぐに観覧車へと乗り込んだ
そして、4分の1ほど進んだ時、なのはが口を開いた
「剣也君……今日……楽しかった?」
「楽しかったよ。今までこういう所来たこと無いからね」
薫や紫穂、葵に出会うまでは家やARAGOの仕事の手伝い、出会ってからは相手が高レベルのエスパーの為遊園地等は敬遠していた……
エスパー用に何か作ろう……
そう考えながらなのはに言おうと思っていたあることを話そうと決意する
無茶してきたなのはには良い薬になるだろう……
といっても追い打ちみたくならない程度に……
「なのは……」
「? 何?」
「お前……後悔してる?」
「へ?」
俺の質問に頭に?を浮かべるなのは
「九才の時から砲撃魔法だろ? 挙句に当時、 安全性の確立していなかったカートリッジシス テムと限界超えのエクセリオンモード使用…普段の訓練も無茶し過ぎ……おまけにその無茶が祟って他人を巻き込んでしまった……魔法と出会ってなければこんなことにならなかっただろ?」
「そんな事無いよ…自業自得だからね…」
「そうだな自業自得だな……もう一度聞こう……後悔しているか?」
「…分からない…」
「一応言っておくが、お前がやった事は無茶で…間違いだ」
「!? 分かっ「ただ……」?」
なのはの言葉を遮り、言う
「ただ…反省はしてもいい。だが後悔はするな…」
「……剣也君?」
「あのな、今のなのはは昔の俺と似てるんだ よ」
「?昔の剣也君と?」
「ああ……荒唐無稽な話だけど、疑問に思っても質問は最後まで話を聞いてからな」
「?」
「俺はな……
転生者で……前世はお前が会った人物、"ゼン"なんだ」
「……え?」
そして俺はなのはに自分の前世を含め全部話した……
話終わった時にはなのはは呆然としつつも俺を見ていた
そして……口を、開く……
「ゼン、さん……なの?」
「うん……今更だけど、大きくなったな、なのは」
「あ……」
なのはがその瞳に涙を溜める
それで、彼女が"夢で出会った少女"だと改めて確認した
「ゼンさん!!」
感極まったように、なのはが俺に抱きついてきた
涙を流し、顔を胸にこすりつけ、離さないとばかりに両手をしっかりと腰に回す姿は……と ても、幼く見えた
剣也視点終わり
「落ち着いた?」
「……うん///////」
其から数分後、落ち着いたなのはは顔を赤くしながら離れた
「話が逸れたけど、そんなことがあったからなのはには俺みたいなことになってほしくない……もしなったらなったで反省して、もうしなければ良い」
「……剣也君」
「今度からは無茶しなきゃいけない時は周りを頼れ…お前の事ならみんな力になってくれるよ?」
「…魔法が使えなくなっても?」
「? 当たり前だろ? 魔法が使えるのはオマケで…お前を助けるのはお前自身の人格から来 る、信頼からだ」
「剣也君も…助けてくれる?」
「勿論、友達なんだ、守ってやるよ」
「剣也君…うん…うん!」
泣きそうになりながらも必死に笑みを浮かべるなのは……
降りるとき、周りからはなのはが剣也に抱き付いていた為に温かい視線を浴びる羽目になり、急いでクリスマスパーティーを行う予定の翠屋に向かう剣也となのはだった……
なのはside
剣也君の隣を歩きながら思い出すのは先程の剣也君との会話の事…
転生者……それもゼンさんの生まれ変わりというのに驚いたけど、今まで剣也君に対して抱いていた気持ちが解ったよ
「(私…今も昔も私の好きな人は変わらなかったんだね)」
これは私にとっては凄く嬉しい事実だよ。昔と今の好きな人が同じだったんだもん
私は心の迷いが完全に無くなった。本当はずっと悩んでた…私って一目惚れしやすいのかなって。でも、違った…私は昔も今も剣也君(ゼンさん)が好きだったんだ。もう迷わないよ、思い出のあの人に向けた想いと剣也君に向けた想い…二つの想いが合わさって全て剣也君に向けるの。 覚悟してね?剣也君!私これから全力全開で いくよ!私は決意を新たにこれから剣也君にどうやってアプローチしていくか、考えながら クリスマスパーティーを行う予定の翠屋に剣也君と一緒に向かいます
因みに剣也君に貰ったストラップは桜色の服を着た星を持つ白いプッキーさんなの♪
説明 | ||
ある魔人との戦いで死んでしまい、リリカルなのはの世界 に転生することになった主人公"柊剣也"。ある日、なのは の天撃使いとしての資質を開花させた為に管理局からの勧 誘、もとい脅迫から逃がすために剣也の父がある町に任務へ送った、そこで出会うのは"なりたい自分のたまご"とそれを救う子供達……剣也は彼等とどうゆう物語を紡ぐのか? *この作品は"リリカルなのは〜翡翠の戦士と七つの才牙"の続編……というより空白期を利用したクロスオーバーです、ご理解の程よろしくお願いします | ||
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