真・恋姫†無双 〜私とあの人の愛した世界〜 第二章 |
落ちる落ちる落ちていく・・・。
逆さまに落ちていく・・・。
暗い闇を落ちていく・・・。
もはや、上下の間隔はなく、落ちているのか、それとも浮上しているのか・・・。
それすらも解らない・・・。
闇の中に二人・・・。
その胸にたった一つ、それぞれの大切な人を思い浮かべながら。
(華琳・・・)
(兄さん・・・)
どれだけの時がたっただろうか・・・。
闇は深く、永遠に続くかと思われた・・・。
しかし、彼らの先に一筋の光が見えた。
その光の眩しさは、まるで黎明の時を連想させた・・・。
とある満月の夜・・・。
魏の首都『洛陽』。
その郊外の森の中に、金髪のクルクルおさげが印象的な一人の少女がいた・・・。
『覇王』曹孟徳、真名を華琳と言う。
おそらく、この国でこの名を(真名以外は)知らない人間はいないだろう。
魏の王として天下統一を目指し、最終的には三国の平和を築いた英雄だからだ。
その英雄が護衛も付けず、一人でぼんやりと月を見上げていた。
華琳(・・・綺麗な月・・・。)
あの時も、今宵の様に月が奇麗な夜だった・・・。
『天の御使い』にして『魏の種馬』、北郷一刀が消えていったあの時・・・。
あれから既に4年が経過していた・・・。
華琳(あれから色々あったわね・・・。)
華琳はそっと目を閉じ、これまでに起こったことを思い返した・・・。
一刀が消えた後、様々な事が起こった。
まず、一刀が消えたと知った魏の将たちである。
一刀に思いを寄せていた彼女たちにとって、これほど辛い物は無いだろう。
ある者は泣き叫び、ある者は暴れ、ある者は悲しみを堪えながら他の者を慰め、ある者は悪態を吐き、またある者は悲しみを抑えて気丈に振る舞っていた。
魏の国の民たちも深い悲しみに包まれていた。
子供から老人まで、多くの民が一刀が消えた事に涙した。
いまでは落ち着いたが、それまではいつ魏が崩壊してもおかしくはなかった。
ここまで立て直せたのは、呉と蜀が支援してくれたおかげと言っても過言では無い。
次に五胡の侵攻である。
三国の戦いが終わったのと同時に、五胡が攻め込んで来たのだ。
最初はちょっとした小競り合い程度でしかなかったが、段々と戦火が大きくなりつつある。
今は大人しくしているが、その沈黙はある意味不気味なものである。
華琳「・・・ふぅ。」
そこまで思い返し、ため息を一つ。
華琳「・・・これではまだまだね。」
一刀にした最後の約束『素晴らしい国を作る』
華琳(叶うのはいつになることやら・・・。)
そう考え、華琳はゆっくりと眼を開けた。
そして月を見上げた瞬間、彼女は信じられない光景を目の当たりにした。
月にポッカリと大きな穴が開いていたのだ。
華琳(あれは・・・何!?)
これまで生きてきて、月に穴が開くなど見た事も聞いた事も無かった。
それだけでも驚いたのに、更に信じられない事が起きる。
月に開いた穴から一筋の流星が出てきたのだ。
その流星はとても眩しく、まともに目を開けていられないほどだった。
だが、華琳はその流星に何故か懐かしさを感じていた。
その懐かしさを感じていた為か、『ある事』に気付かなかった。
華琳(・・・こっちに来る!?)
そう、流星は真っ直ぐ華琳目がけて飛来してきているのだ。
華琳(すぐに避難しないと!)
しかし、流星は速い速度で飛来しており、彼女の足では逃げる事は叶わなかった。
華琳(間に合わない!?)
華琳がそう悟った瞬間
月に開いた穴から『もう一つの流星』が出現し、
物凄く速い速度で『先に出てきた流星』を弾き飛ばし、華琳の近くの森の中へ墜落した。
(ちなみに『先に出てきた流星』は遥か彼方の方向へ飛んで行ってしまった。)
華琳(・・・何だったのかしら、あの流星は?)
華琳は恐る恐る、『後から出てきた流星』の落ちた場所へ向かった。
そこは、凄まじい速度で墜落したにも関わらず、木の一本も倒れておらず、ただ一人の見知らぬ少女が倒れているだけだった。
少女は命に別状はないようで、「くーくー」と寝息を立てていた。
しかし、華琳には気になる事があった。
華琳(この子の顔立ち・・・、一刀に似ている・・・。)
月(もう既に穴は塞がっていた)の光に照らされた少女の顔は、かつて自分の最も愛した男にそっくりだったのである。
これが、華琳(嫁)と一夜(小姑)の出会いだった。
〜成都郊外の森〜
桃香「さっきの流れ星、凄い眩しかったね。」
愛紗「ええ・・・、ですが桃香様まで来る事は無かったのでは?」
桃香「え〜?だって気になるでしょ?」
愛紗「しかし!桃香様にもしもの事があれば・・・!」
二人は森の中を探索していた。
目的は、この森に飛来した『流星』。
物見の話では、流星はこの森に落下したという。
本来なら、しっかりした捜査隊を編成して探索に向かうのだが、流星に興味を持った桃香が(半ば無理矢理に)愛紗と鈴々の二人だけを引き連れ、探索に来たのだ。
鈴々は先行して、流星の落ちたであろう場所へ向かっている。
愛紗「大体、桃香様は・・・!」
愛紗が桃香に小言を言おうとした瞬間、先行していた鈴々の声が響く。
鈴々「おねぇちゃ〜ん!愛紗〜〜!こっちに誰か倒れているのだ!」
その声に、慌てて鈴々のいる方へと走る桃香と愛紗。
そこには鈴々と倒れている青年の姿があった。
青年は命に別状はないようで、「ぐーぐー」と寝息を立てている。
桃香は倒れている青年の顔に見覚えがあった。
桃香「あれ?この人って確か、天の御使いの・・・北郷さんじゃない!?」
愛紗「なぜこの方が、ここに倒れているのでしょう?」
桃香「とりあえず、お城に運ぼう!」
愛紗「はっ!」
愛紗は一刀を背負うと、桃香と鈴々と共に城へと戻っていった。
あとがき
セインで〜す。
『愛した世界』更新で〜す。
一夜ちゃん、魏に来ちゃいました。
おまけで一刀君が、蜀に行っちゃいました(飛ばされたとも言う)。
本当なら、一夜が目を覚ますとこまで書きたかったんですが、とりあえずここまで。
そろそろ眠いです。最後なんか少し投げやりです。
今後は、こうならない様に頑張りたいので、(生)温かい目で見守ってください。
魏に舞い降りた一夜と、蜀に保護された一刀。
果たして二人の運命やいかに!?
次回は『一夜の目覚め 嫁と小姑の出会い』編(という感じ)です!
では、またお会いしましょう!
説明 | ||
第二話。 さてさて一夜の運命やいかに。 |
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コメント | ||
嫁姑www(BX2) 外史にも嫁姑問題がwww(ブックマン) 小姑・・・・ってあぁそういうこと・・あ、こんな時間に誰だよ全く・・・。はーい今あけますよー(りばーす) はわわっあわわっ「「あ、あの、ご主人様って呼んでもいいでしゅか?」」とかなるのかな?(乱) 続きが気になりますね。楽しみにしています(cyber) 嫁!?小姑!?・・・・・・・・・・・・え?(いずむ) この外史大丈夫かな?いろいろとwww続きが楽しみです。(もっさん) 続き待ってま〜す(^^(弌式) 姑wwww次も期待ですwww(つよし) 嫁姑戦争が楽しみだwww(フィル) 題名が良い味出してるZEwwww さて、どうなるか愉しみです^^www(Poussiere) 嫉妬パワーか?!wwwww 今後に期待です。(k.s) |
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